2023年8月31日木曜日

北川悦吏子「ハルフウェイ」(2009)

北川悦吏子「ハルフウェイ」(2009)幻冬舎文庫がそこにあったので読む。
これは無償で配布されていた図書館廃棄リサイクル本。読みたいから読むのでなく、そこにあるから読む。自分はいつもこんな調子。

これは2009年公開の映画「ハルフウェイ」(監督脚本・北川悦吏子、プロデュース・岩井俊二、小林武史、主演・北乃きい、岡田将生)のノベライズ本。
てっきり脚本家北川悦吏子が書いた本かのように思っていたのだが、小泉すみれという人がノベライズしたもの。

ページをめくってみてびっくりした。1ページの活字の量が少ない。小学校の国語の教科書みたい。読書習慣のない中高生にはこれぐらいでないと読んでもらえないのかもしれない。

映画もDVDが出た当時に見た。もうあんまり内容を覚えていない。たぶん、高校三年生カップルの秋。それぞれ別の進路を進むという別れの季節。

少女はこの恋を永遠だと思う。少年は東京の大学を目指すのだが、未来のことはわからない。
何か酷いことがあってもそれは物語の途中。これからまだ展開する。いい方に。少女はそう思いたい。

高校生たちの日常。話し言葉台本。こういうの、高校生俳優のエチュードを見せられているよう。
正直、自分はこういうのはもういいかな?と思う。たぶん映画を見る方が楽しい。

2023年8月30日水曜日

辺見庸「ゆで卵」(1995)

辺見庸「ゆで卵」(1995)の平成10年角川文庫版を無償でもらい受けて来たので読む。有志の人が図書館に寄贈したものの、古い本なので所蔵しないでそのまま「ご自由にお持ちください」というコーナーから持ち帰った本。

目次を見た感じだと、たぶん食に関するエッセイのようなものかと。平成7年に単行本として書き下ろされたものらしい。

表題作「ゆで卵」はこの本全体の4割を占めるボリューム。臭いゆで卵を食べながらフラッシュバックしてくる記憶。ベトナムのニョクマム、中国人の愛人だった女とのセッ〇ス、そして神谷町駅でうずくまる一群…。

自分、女の臭いとか行為とかを事細かく語るおっさんが好きじゃないw そんなことどうでもいいだろ!と吐き捨てたくなる。元記者だったやさぐれ中年男のやさぐれ日常私小説文芸作品。
40代男の性とかそんな具体的に汚いところまで書かれても…。たぶん若い女性読者は全員どんびき。

単行本が出た直後から賛否が別れ、母校の大先輩から「あまりにも品位を欠く内容と表現に驚愕し赤面した」とお叱りの手紙まで来たそうだ。辺見「私は俗情を俗念そのままに書いてみたかったのだ。気取らず、高踏ぶらないで。」

2023年8月29日火曜日

清原果耶「マンゴーの樹の下で〜ルソン島、戦火の約束〜」(2019)

「マンゴーの樹の下で〜ルソン島、戦火の約束〜」(2019)が今年の8月11日にBSプレミアムで再放送されたので見た。もう4年前のドラマなのか。
長田育恵の脚本、柴田岳志の演出。制作はNHKエンタープライズ。主演は岸惠子と清原果耶。(NHK総合での本放送はまったく見ていなかった)

太平洋戦争末期、フィリピン・マニラで貿易会社のタイピストとして働いていたヒロイン。ルソン島北部へ逃れ戦闘任務を負わされて…という実体験に基づいたフィクションドラマ。
フィリピンから引き揚げた日本人の体験ってあまり聞いたことなかった。

戦争中なのにマニラは日本よりも豊か。ここで働くヒロイン凛子(清原果耶)は充実した毎日。
母親がフィリピン人でフィリピン育ちの同僚の綾(山口まゆ)と年も近くて仲良し。この子は大和なでしこに憧れの感情を持つ。
日本にはない大きなマンゴーの木の下でピクニック。
ここで戦前は一般庶民が、まして娘が持つには贅沢すぎるカメラでスナップ。東京を出る時に父が貸してくれたカメラ。
この時代、カメラを渡されたからって代わりにカメラを扱うなんて無理。この少女たちはよほど進んでる。

突然、マニラにも米軍の空襲。人々が逃げ惑う。凛子は綾と離れ離れ。

時代は平成元年。戦後内地に戻った二人、凛子(岸恵子)と綾(渡辺美佐子)は小さな写真館を営んできた。凛子は今もあの時のことを悪夢で見る。綾も亡くなった。
再開発地上げ不動産会社社員(林遣都)に店の売却と閉店を決意。 バブル時代の話なのか。さすがに令和の今ではもう戦争体験者の物語はつくれないのか。

岸恵子さんも渡辺美佐子さんもまだ現役だったのか。久しぶりに見た。とはいってもこれは4年前のドラマだが。
この二人は市川崑の「悪魔の手毬唄」(1977)で共演してる。この映画は今もよく見返す。

写真機材業者の伊東四朗さんがやってきて思い出話とこれからについての話。(この人はコメディ要素)

そこに綾あての弟(フィリピン国籍)からの手紙。現在は大家族。フィリピンに来ないか?「綾は私と出会わなければ幸せだったかもしれない」
内地に帰り着いたとしても日本は悲惨。その一方でフィリピンは60年代ぐらいまでは東南アジアで一番発展して豊かだった。
昭和20年のルソン島の日々の回想。
なでしこ隊の凛子隊長が凛々しすぎ。男以上にイキリすぎで怖い。
生き別れてた綾と再会。お互いなんとか生き延びてた。しかし、綾の母は爆撃で亡くなってた。弟も死んだ。日本軍に従って逃げてた綾はフィリピンの混血なのでスパイだと疑われて酷い目。川で洗濯してるとそこに米軍機の機銃掃射。

日本兵が現地民の畑から芋を強奪するという地獄。それは恨みを買う所業。数人のグループで密林の中を歩いて逃げる。精神がおかしくなる人も。
餓えのあまり甲虫を見て「食べられるかな?」あまりの浅ましい光景に泣く。なでしこ隊は分解。
そして追い込まれた惨めな日本兵も襲い掛かってくる。これは生き延びるのが大変だ。
そしてヒロインが憧れていた支店長の遺体を発見。

そして日本降伏。日本人は罵声をあびて収容所。悲惨な光景が終わらない。
綾はフィリピンに残ることもできる。しかし凛子は綾を日本へ連れて帰る。これは正しい判断だったのか?凛子は今も迷い。
綾の弟の孫娘が凛子の写真館にやってくる。フィルムの入った古いカメラを持って。
ええぇっ?暗室現像したら昭和19年の楽しいフィリピンでの日々が画像として浮かび上がってきた?!

という、昭和19年20年と平成元年を行き来するドラマ。こういった単発スペシャルドラマで実績を積んだ清原果耶は3年後に朝ドラ主演女優となる。

2023年8月28日月曜日

横溝正史「首」(昭和30年)

横溝正史「首」を平成8年改版「金田一耕助ファイル11」角川文庫で読む。
4本の金田一短編を収録。どういうわけか以前は「花園の悪魔」が表題だったものが「首」に改められた。
こいつもワクチン打ちに行った先で110円で連れ帰ったもの。では順に読んでいく。この「金田一耕助ファイル」シリーズは巻末解説など一切ないため、各短編の初出などは一切不明。

「生ける死仮面」
昭和20年代の杉並区で発生した「雨月物語~青頭巾~」のような事件。男色家と噂される彫刻家の自宅アトリエで美少年の腐乱死体が発見され、彫刻家は死仮面に彩色しようとしていた…。
実は少年は大地主の息子辰男?辰男の両親、実の母、彫刻家の元妻も登場。死体は辰男のものではない?バラバラ死体が見つかって…。

昭和20年代の吉祥寺、井の頭公園周辺はまだ田舎だったんだなあと。

「花園の悪魔」
これは以前読んだことがある。温泉地の花壇でヌードモデルの死体が発見。犯人は姿をくらました慶大生?金田一さんは等々力警部を百草園にハイキングに誘って真相を教える。
ラストは犯人主観。

「蠟美人」
軽井沢の林の中で発見された身元不明の若い女性の全裸腐乱死体。畔柳博士が頭蓋骨に肉付けする方法で顔を復元したことで、良人を殺害後に失踪中の女優立花マリではないか?!と騒然。マリと結婚した名家伊沢一族の事情。
これも金田一さんが意外な真相を解き明かす。

「首」
岡山に立ち寄った金田一さんは磯川警部と山奥の湯治場。休養のために来てるのに、やはり未解決事件の捜査。300年前に義民の首が置かれてた滝の途中に突き出た岩を見せられる。実は昨年も同じ現場で湯治場の養子が狩猟で泊った小屋から行方不明になり、やはり同じ場所で生首になって発見。そして今回も映画撮影ロケ隊の監督が生首に…。

他に見ない展開で読んでて面白くはあった。

以上4本、NHKの横溝短編集池松金田一ではやいとこ製作してほしい。

2023年8月27日日曜日

薬師丸ひろ子「きらきらひかる」(1992)

1992年の映画「きらきらひかる」(フジテレビ、ヘラルドエース)を見る。監督脚本は松岡錠司。

これ、遠い昔に一度見たことがある。あまり覚えていない。数年前に江國香織の原作は読んだ。アル中イタリア語翻訳家ヒロインと、同性愛者の夫、その恋人大学生の三角関係を描いたドラマ映画。
薬師丸ひろ子豊川悦司筒井道隆という当時の人気俳優3人を集めた話題作。ポスターのイメージ写真の構図が80年代ぽさを感じさせる。

岸田笑子(薬師丸ひろ子)はメンタルのクリニックの帰りに母(加賀まりこ)から見合い相手の写真を見せられる。「いい人そうじゃない」「お医者さんだって」

岸田睦月(豊川悦司)は同性愛者で藤島紺(筒井道隆)とつきあってる。睦月がお見合いをする件で「その気がないなら断れ」と口論。
お見合いの席でなぜか笑子は睦月にケンカ腰。その後の「若いもんだけで」シーンでもケンカ腰。
薬師丸ひろ子さんが公開時に25歳。ということは現在の齋藤飛鳥と同じ年じゃないか!と驚く。若いころの薬師丸さんはすごく声が高い。高いところでころころと転がるような声。
あたりまえだがみんな若い。なにせ30年前の映画。津川雅彦さんですら若い。

駅のベンチで女「心の病気で通院していた」男「男とつきあう人なんだ」両者カミングアウト。J.S.バッハ「イタリア協奏曲第3楽章」が軽快に流れて映画タイトルが出る。え、次のシーンではもう新婚?!カットと場面転換がもうすでに現代的。
ヒロインは深夜の仕事中にも酒。ほぼアル中。BGMがモーツァルト「魔笛」から「夜の女王のアリア」
笑子に仕事を依頼する出版社の人が蜷川幸雄さんだ。自分はこの人を頭に血が上って灰皿を投げる演出家としてしか知らなかった。

この時代はまだケータイ電話がない。人々が連絡を取ろうとすれば10円とか100円入れる電話。ファミレスに置いてある電話ってあんなんだっけ?と驚く。
どうやら睦月は紺を笑子に紹介しようとしてるのだが、紺は会いたくないらしくすっぽかす。
ヒロインがウェイトレスとすらケンカ腰で驚く。柴田理恵さんがウェイトレスの1人として出演してる。

紺が電車の中吊り広告を取り換えるバイトしてる。このシーンだけが自分の記憶に残っていて驚いた。
笑子は大学まで紺を訪ねる。ゲイ筒井道隆がとにかく性格悪そうな顔をしてる。この俳優は90年代にたくさんドラマに出てた。筒井と豊川のハードゲイキスシーンがあって引く。
睦月の父親が川津祐介さんだ。近年まったく見ないな…と思って調べたら、昨年2月に亡くなっていた。
睦月の職場の先輩医師が阿藤海さんだ。この人も近年まったく見てないな…と思ってた。2015年に亡くなっていた。
薬師丸さんがタバコを指に挟んでウィスキーをグラスであおってるシーンが良い。カッコ良いし雰囲気が好き。
睦月が帰宅すると笑子が蕎麦打ちして切っている。そこに風呂上りの紺。初めて3人一緒がそばパーティー。ここでもイタリア協奏曲。(あと他の場面でバッハ:パルティータ第4番からGigueも使われている)

紺はファミレスで独り歌唱。店員に注意されブチギレる。このシーンもなんとなく覚えていた。え、あのハンバーガーショップ店員て六角精児さんだったの?!

笑子は睦月が同性愛者だと分かった上で結婚した。夫婦関係のない仮面夫婦。それを知ってるのは睦月の両親のみ。
笑子は昼間からファミレスでビールジョッキ5杯という飲んだくれアル中。酔っ払い薬師丸さんがとても可愛らしい。この人は若いころからとても演技が上手。感心するほど上手。
睦月は笑子の友人(大島智子)に男友だち(恋人)を紹介してくれるように依頼。これには相手も怪訝な顔。

自宅が職場なので昼間から酒をあおるように飲む。風呂でも飲む。笑子はどんどんぶっ壊れていく。事情がわからない周囲は「子どもをつくれば?」とピントのずれたアドバイス。笑子は嗚咽。
阿藤快医師に人工授精について相談…というシーンで、看護婦さんを見てもしや…と思った。「1999年の夏休み」で和彦くん役だった大寶智子さんだ!ワンシーンのみの出演でびっくり。

3人で海。海に入って濡れてしまい、パンツ姿のままレストラン…というシーンも面白くて覚えてた。だが、深夜ドライブしてるとなぜにシマウマ?!

夫婦の実態が笑子の両親にバレる。見合い結婚だと「身上書にそんなことは書かれてなかった」と罵り合う大モメトラブル?
睦月は紺と別れる決心。そして笑子とも別れ。夜から明け方の薬師丸さんの疾走。コンビニampmが懐かしい。
この映画をながらく忘れていたけど、いやこれ楽しく面白い映画。演出も雰囲気も古さを感じさせない。好き。
唯一の欠点はシンセによるBGMと。あと、ウェイトレスの個性とクセが強いな。
あと、撮影助手に前田哲監督の名前もあったことに気づいた。

2023年8月26日土曜日

ビクトル・エリセ「マルメロの陽光」(1992)

ビクトル・エリセ監督によるドキュメンタリー映画「マルメロの陽光 El sol del membrillo」(1992)も見て置く。全編スペイン語映画。
エリセ監督というと「ミツバチのささやき」と「エル・スール」見て置けばもう間違いないのだが、あとこの長編ドキュメンタリーも気になってた。

アントニオ・ロペス・ガルシアという画家がマルメロの樹の絵画を仕上げるまでの一部始終を撮影したドキュメンタリー。終始ほぼ無言。鼻歌、世間話。音楽もほぼなし。

画家がアトリエにやってきてまずキャンバスをDIY。え、そんなことから始めるの?
画を描き始める以前の作業がすごく慎重。錘を垂らして垂直方向と水平方向を確かめ、構図を厳密に設定し、自身の場㎜まで。

画を描いてるだけでは映画にならない。周囲のアパートメントの人々、マドリード郊外の風景などのカットも挟む。日本人はかろうじて異国情緒を感じられる。

おじさん同士の会話が長い!w これは大まかな台本とかあるのか?それとも自由な会話を収録したものなのか?

普通の商業映画ではないアート映画。これを見てもとくに良いことはなかったのだが、世界的に有名な画家がどのように絵画を描いていたのかを感じられた。
果実に白絵具で印を書くこだわりがすごい。
なぜそれを描くことにこれほど時間をかけられるのか?時間を贅沢に使える人のみが見ることを許される映画。てか、タルコフスキー以上に寝れる映画。

てかマルメロって何なん?かりんみたいなもの?かりんも異常にたくさん果実が実り、あんなふうに大量に落下する。
あと、アントニオ・ロペス・ガルシアがパナソニックのラジカセで音楽やニュースを聴きながら絵を描いていたことが知れた。

2023年8月25日金曜日

ギオルギ・シェンゲラヤ「放浪の画家 ピロスマニ」(1969)

ギオルギ・シェンゲラヤ監督の「放浪の画家 ピロスマニ」(1969)を見る。
グルジアの国民的画家ニコ・ピロスマニ(1862-1918)の伝記映画。全編グルジア語のソ連映画。1978年に日本でも公開されたらしい。

レストランで食事をする男二人。壁にかかった風変わりな動物の絵に目が止まる。あの絵はなんだ?「チフリスの気候を生きられなかったキリンだ」「誰が描いたの?」「ニコロだ。ここではみんな彼を知っている。」「彼は今どこに?」「しばらく見てない。死んだのかも。」
このふたりがピロスマニを探す。
お金をいくらか貯めて帰ってきたニコロはディミトリと一緒にチーズなど乳製品のお店を開く。店の入り口には白と黒の牛の絵が対になって飾られる。
故郷の村から姉とその夫がやってくる。ニコロに縁談をもたらす。

野外での結婚式がピロスマニの絵画で見たまさにそれ。牛の角のようなグラスでワインを飲む。ワインが豚の胴体のような袋に入っている。踊りが始まる。
なんだか魅力に乏しい暗い新婦だ。なにやらみんな浮かない顔してる。一体何がどうなってる?小麦粉が目当て?!

ニコロの商売はたぶん上手くいかない。貧しい人々に無償で分け与えるから。なんだかみんなずうずうしい。あっという間に店じまい。だが、あの牛の絵が売れる。
ピロスマニが絵を描く風景ってこんな感じだったのか。街の人々がみんなわりと親切。街のあちこちにピロスマニの描いた看板。よほど街の人々から好かれていたらしい。 

画家たちにもピロスマニは発見されてしまう。会合でピロスマニは街の中心に家を建ててサモワールを買ってお茶を飲んで美術について語ろうと提案。

映画の各所にピロスマニの絵画で見たヤツが何気に登場していてアッと驚く。画家の生涯を描くとこういった表現になるのかもしれない。
あれっ?いつの間にか街がピロスマニの知らない街に変わってしまってる。ピロスマニの絵はどこへいった?
新聞にピロスマニの絵を揶揄するマンガ。ピロスマニが軽んじられている。老いていく。なんだか急に切ない。
画家ピロスマニを知るうえで絶対に外せない映画。どのカットも絵画のようで芸術点の高い映画。静かな映画。

2023年8月24日木曜日

セルゲイ・パラジャーノフ「ピロスマニのアラベスク」(1985)

セルゲイ・パラジャーノフ監督の短編ドキュメンタリー映画「ピロスマニのアラベスク Арабески на тему Пиросмани」(1985)
これは昨年ジョージア映画として都内で上映されたことがあるらしいのだが自分は行けてない。自分はロシア語圏サイトから比較的画質の良いものを探して見た。

ピロスマニ(1862-1918)はグルジアの国民的画家。ちなみにパラジャーノフ監督はグルジア・トビリシ(チフリス)生まれのアルメニア人。

この短編映画は通常の劇場公開長編映画とは違うアート系作品。
ピロスマニの画家としての人生を描いたものではない。画家の残した作品をクローズアップしたようなスライドショーのようなコラージュ映像に、画家が活躍した当時の人々のイメージ映像を加えて、20分ほどの作品に仕上げた…というような感じ。

BGMはロシアアコーディオン?バヤーン?で和音が鳴って次の画像…っていう感じ。あとは鳥獣の鳴声、ストリートオルガン、民族音楽みたいなものがヘロヘロと漂うように聴こえてくる。
パラジャーノフ監督って、馬をぐるぐる走らせるイメージ映像が好きらしい。

この映画に関する情報が驚くほど少ない。英語やロシア語のサイトなんかを見て回ったけど、スタッフについては名前しか記載がない。出演してる俳優たちに関する情報すらもない。

2023年8月23日水曜日

セルゲイ・パラジャーノフ「アシク・ケリブ」(1988)

セルゲイ・パラジャーノフ監督最後の作品「アシク・ケリブ Ащик-КериБ」を見る。これもダヴィッド・アバシーゼとの共同監督作。
1988年のソ連映画。時代はペレストロイカ。これからは自由に映画を作れる…と思いきや、パラジャーノフ監督は肺病に倒れるのであった。

吟遊詩人アシク・ケリブ(ユーリー・ムゴヤン)と富豪の娘マグリ・メヘル(ヴェロニカ・メトニッゼ)の恋物語を描いた映像絵巻。詩人ミハイル・レールモントフの原作。ギーヤ・バドリッゼが脚本。アゼルバイジャン語のセリフにグルジア語の字幕がつく映画?!

世界には眉毛がつながってるのがデフォの国もあるのか。ラブラブな恋人が浴びてるのはライスシャワー?!
役者たちの演技が「見てわかる」というサイレント映画時代のような雰囲気。ソ連も多民族国家なのでそういう演技が求められる。
それにしてもコーカサス、中央アジア、イラン、トルコ、そのへんの社会と風俗が日本人には今もって馴染みがなさすぎてずっと「?」が頭に浮かぶ。ほぼ別の惑星。
白い鳩、柘榴。なんだかわからないエミューみたいなでっかい鳥がいる。

心優しい吟遊詩人と領主の娘が恋したところで、娘の父は結婚を許さない。「金を持ってこい。」オヤジのテンションが異常。このへんのやりとりが映像を見てるだけで面白い。

そして吟遊詩人アシク・ケリブのギター1本渡り鳥冒険の旅。(ドゥタールみたいな民族楽器だが)
馬に乗った男(こいつ何者なんだ?)が同行を求めるのだが、徒歩で行くアシクは我関せずと川を渡る…というシーン。パラジャーノフ監督はとにかく遠い処でカメラを回す。たぶんほとんどすべてのシーンでセリフはアフレコ。
衣服を奪った男はアシクの母とマグリにアシクは死んだと嘘の報告。
裸のアシクに衣服を恵んでくれる人がいる。それはこの時代のこの地域の人々にとっては常識なの?
アンタは吟遊詩人だろ?出会った人々から求められる。楽器は隣村に流れ着いた。水に浸かった弦楽器って使えるの?
初めて出会ったばかりの老人の死。そして埋葬。このシーンが長い。アザーンみたいな詠唱になぜかマンドリンでシューベルト「アヴェマリア」が流れる。
あと、フタコブラクダってすごくでっかくて驚く。

音楽がとても民族的なのだが、ところどころエレクトリックだったり自由。
あるテーマが知ってるメロディーだったのだが思い出せず、ずっとイライラしてた。誰か言及してる人はいないか?と検索したり、思い当たるところを調べまくってようやく「サンサーンス 序奏とロンド・カプリチオーソ」冒頭のメロディーだと思い出した。
吟遊詩人って意外に冠婚葬祭で仕事があるんだな。なんでカーペットにぐるぐる巻き?
スルタンに虎の檻に入れられる…という表現。なんだかもう寺山修司の映画を見てるような感覚になってきた。時代も地域も何もかもわからない。前衛芸術映画すぎた。

恋人マグリがクルシュドベクと結婚してしまう!という危機。白馬に乗った聖人が現れアシクを故郷へ連れ戻す。
「カンディード」や「バリーリンドン」みたいな、恋する青年が世界を旅してまわって酷い目に遭って故郷に戻るみたいな。千夜一夜物語のようなおとぎ話。これは意外にコメディーなのかもしれない。
言葉はわからなくても、見てるだけでなんとなくストーリーはわかる。ダンスシーンとかインド映画を見てる感覚。今まで見たパラジャーノフ作品でいちばん娯楽性が高いかもしれない。見た後で笑顔になれた。一度見てみることをオススメする。

2023年8月22日火曜日

セルゲイ・パラジャーノフ「スラム砦の伝説」(1984)

セルゲイ・パラジャーノフ監督の「スラム砦の伝説」を見る。1984年制作のソ連・グルジア映画。たぶん全編グルジア語。たぶんグルジア人がトルコ人と戦った記憶の歴史絵巻。
「ざくろの色」後の逮捕投獄、強制労働を経験したパラジャーノフの16年ぶりの監督作。共同監督としてダビッド・アバシーゼ。

皇帝は民との平等を宣言し、丘に祖国を護る砦建設を宣下。
ちょ、要塞を作るのに大量の生卵を土と混ぜ合わせこねるところから始まるの?!
だが、トビリシ南門のスラム砦は攻撃による破壊と建設を繰り返す。
解放奴隷ドゥルミシハンとその恋人ヴァルド。
ヴァルド役の女優を自分はてっきり「ざくろの色」にも出てたソフィコ・チアウレリさんだと思った。しかしこの女優はLeila Alibegashvilli という女優らしい。
ソフィコ・チアウレリさんはヴァルドが年をとってからの出演。終盤に女優二人による女占い師二人羽織的なシーンがある。

女は男が戻ってこないことを知っている。女は占い師。ドゥルミシハンの妻に男児が生まれると予言。
解放されても貧しいドゥルミシハンは絶望の哀しみ。トルコ人風だけど実はグルジア人だという隊商ザリカシビリと出会う。こいつの告白を聴かされる。

ザリカシビリの父は馬車に弾かれて死んでしまい、自分と母は奴隷として主人から酷い虐待。母も死亡し天涯孤独。恥辱と怒り。主人を殺して逃亡。信仰も棄てた…という波乱人生。

しかし故郷が忘れられない。ドゥルミシハンはザリカシビリから美しいローブと馬メルツハラ(ツバメ)を贈られる。なぜこんなにも親切なのか?それがイスラムの教えなのか。そしてドゥルミシハンは港町グランシャロへ。
船に荷を積み込むシーンがまるで舞台装置のように描かれる。
婚礼の風景が日本人には馴染みがなさすぎて謎すぎる。新婦がなぜにそんなに陽気に笑ってる?羊の犠牲。血痕のシミ跡のついたシーツ。
そしてドゥルミシハンの息子ズラブが生まれる。

ヴァルドはずっとドゥルミシハンを探して訪ね歩いていた。苦しみながら祈ってた。老婆の占い師を訪れ占ってもらう。ドゥルミシハンがすでに結婚しているイメージを見て悲しみ。

ヴァルドはまだ若く美しい。老婆が止めるのも聞かず占い師になる決意。
老婆占い師はヴァルドに秘儀を授けると「苦しい!心臓が痛い!寒い!」と呻きながら死んでしまう…。

ズラブは父とヴァルドの関係を知らず、占い師ヴァルドに砦を建てるためのアドバイスを求める。
そして背が高く青い眼でハンサムなズラブは自らの手で自身を人柱として砦に埋める…という、古代中世の伝説や民話のような物語。たぶん信仰篤い人々にとってそれは栄誉。たぶん「ミッドサマー」にも影響を与えた世界観。
これは事前に予備知識がないと寝てしまう映画。グルジア人以外は意味が解らな過ぎて呆気にとられる。1985年にモスクワで公開されたとき、観客も意味が解らなくてポカンとしたに違いない。時系列と繋がりがわかりづらい。場面と場面の間を字幕で説明。この映画を完全に理解できる日本人がいるとは思えない。いるとすればグルジアの専門家。

それぞれの場面の意味が謎。しかしそれでも映像には見入ってしまう。すべてが絵画のよう。

2023年8月21日月曜日

セルゲイ・パラジャーノフ「火の馬」(1964)

セルゲイ・パラジャーノフ監督による全編ウクライナ語の映画「火の馬」(1964)を見る。
ムィハーイロ・コツュブィーンシクィイの原作「忘れられた祖先の影 Тіні забутих предків 1911」を映画化したもの。
ウクライナ・カルパト山地の風土と人々の暮らし、土着の信仰とキリスト教、婚礼や葬儀、酒場での踊りなど、民族色を強く打ち出したソ連らしくない映画。

雪の降り積もった樹木もまばらな山の斜面。イヴァンコ少年が兄に呼びかけるのだが、兄はいきなり倒木の下敷きになって死亡。
葬儀の風景がなんだかカオス。これはウクライナ正教?日本人にはまったく馴染みのない民族と風俗と信仰と儀典。
さらに父親が斧で殴られ死亡。(警察はいないのかよ)
見ていてずっと時代がわからず困惑。ほぼストラヴィンスキー「春の祭典」みたいな?「ミッドサマー」のホルガ村みたいな?
新郎新婦がババア達によってなすがまま。クリスマスの風景がみたことのないやつ。ほぼなまはげみたいな仮面をつけてる。

村人が猟銃を持ってるので中世じゃない。短銃もある。粗末な家屋には窓ガラスがあるのでたぶん19世紀中ごろ?
いったいいつの時代か?それがわからないとこの地方を支配した民族がわからない。でもどうやらロシア帝国支配下の時代らしい。
イヴァンコ少年は成長すると反目する家のマリーチカと結ばれる。村を出て羊飼いの手伝いなどして働く。夜空にはやたらと輝く星。なんだこれは?超新星爆発か?というぐらい輝いてる。
マリーチカは羊を追い崖から転落。村の騒ぎを聞きつけて捜索してると川岸にマリーチカの土左衛門…。悲しみに暮れた青年はほぼ廃人。ボロボロの乞食同然。

しかし、パラーフナという年増女?(見た目で年齢の推測がつかない)と結婚。労働の日々。(西洋のおとぎ話とかに出てくる大きな鎌って牧草を刈り取るためのものだったのか。)
だがこの夫婦は満たされない。子どもを授からない。そうしてるうちに魔術師が登場。見ていていろいろと困惑。日本も明治時代ぐらいまで祈祷呪い師のたぐいはいたかもしれない。
パラーフナは魔術師に公然と色目。この時代であっても不貞は良くないものらしくて周囲が止めようとするのだが、イヴァンコは魔術師に斧で殴りかかろうとするも返り討ち。そして死亡。

そんなイヴァンコの少年時代から死まで、哀しい人生を濃厚な民族色で描いた映画。
この地方の人々の祖先はこんな感じで命を繋いできました…という映像を見せてくれる映画。
なんで邦題が「火の馬」なのか?確かに赤い馬のイメージ映像が出て来た。
この映画、音楽も独特。民謡?の歌唱も独特。どれも馴染みのないクセの強いやつ。
ダンスシーンとかカメラがやたらと水平方向に回転。そしてパラジャーノフの映像センスが独特。未知の時代の未知の世界へタイムスリップさせてくれる映画。

2023年8月20日日曜日

ドストエフスキー「地下室の記録」(1864)

ドストエフスキー「地下室の記録 Записки из подполья」を読む。2013年の亀山郁夫新訳(集英社)で読む。自分にとってこれがドストエフスキー3冊目。自分は今作を「地下室の手記」と記憶していた。

「記録」としたのはたぶん亀山先生のこだわり。2012年に「すばる」誌に3回に渡って掲載された亀山新訳。亀山先生の「まえがき」だけでも読む価値がある。
「地下室とは、言い換えるなら、青春時代を生きるだれもが一度はくぐりぬけなくてはならない戦場である」

逮捕投獄、シベリアから生還した後のドストエフスキーが書いた最初の作品が「地下室の手記」。1964年は日本では元治元年。アメリカでは南北戦争の激戦。

ねずみの出る暗い一室に自ら閉じこもってしまった、自尊心が高い元低級官吏の呪詛の言葉が延々と続く狂気。
狂気というのはそれほど正しくない。偏屈老人の妄想かもしれないけど、論理は一貫してて独白として読むのが苦痛じゃない。成熟した大人からの自虐を含む人間性に関する主張と訴え。

正直、これは自分が読むのに合っていた。退屈しなかった。読んでていろいろと納得できた。(むしろ「罪と罰」「カラマーゾフ」は退屈した。)

ドストエフスキーを読むとき毎回感心するのが一気呵成に喋って聴かせるところ。リガから来た娼婦リーザに原稿を読んでるわけでもないのによくスラスラ言葉が出てくる。厨二病ぶりがひどい。農奴解放から新しい時代を迎えるロシアで青年が考えるべきことはもっと他にあるだろう。こじらせすぎて、そりゃ偏屈にもなる。

だが、それは誰へ語り聞かせている?
帝政ロシア、ソ連、まだ尊敬できるインテリ知識人はいた。だが今のロシアはどうだ。プーチンを産みだしのさばらせているロシア人は全員同罪。

2023年8月19日土曜日

与田祐希「量産型リコ -もう1人のプラモ女子の人生組み立て記-」(2023)

6月29日よりテレビ東京木ドラ24枠で始まってる「量産型リコ –もう1人のプラモ女子の人生組み立て記-」を見てる。与田祐希が出てるのでチェック。
昨年放送されていた「量産型リコ」の続編。乃木坂メンの主演ドラマで続編が作られるのは史上初。

なんと、シリーズ1の主要キャストは脇役にいたるまでほぼそのまま。(姿が見えない社員がいる。模型店娘キャスト石田悠佳が新たに加わった。)
なんと与田ちゃんはスマホアプリサービス運営スタートアップベンチャー企業の社長。まだ経験が浅いのに社長。社員はシリーズ1で広告代理店営業だった男ふたり。望月歩前田旺志郎

そして、元大手銀行にいた財務担当者矢柴俊博と、大手IT企業でウェブデザイン担当の市川由衣が新たなキャストとして加わった。
このふたり、この15年ずっと見た目がたいして変わっていない。

そして女同僚だった藤井夏恋はライバルベンチャー社長。上司だったマギーはファンド経営者。森下能幸はその部下。
などへそれぞれが転生。シリーズ1とは異なるパラレルワールド。市川崑金田一シリーズのようなことになっている。
ヒロインの悩みがベンチャー経営者の悩み。企業経営、お金、社員との関係、営業。この国はこうしてドラマでも起業プレッシャーをかけてくる。
今回感じたのが、与田はコメディエンヌ女優として演技が上手だということ。表情アップのカットでの演技が適切。
乃木坂加入時に16歳だった与田がもうすでに23歳になっていたと知って驚き。今もちゃんとかわいいまま。

たぶん実際の与田は人気アイドルなので、有り余るほどにお金を持っている。

2023年8月18日金曜日

筒井康隆「パプリカ」(1993)

筒井康隆「パプリカ」(1993)を平成14年新潮文庫版で読む。初出は平成5年中央公論社。

登場人物たちがほぼ全員中高年の偉い人。一番若いと思われるサイコセラピスト精神医学研究者でコードネーム「パプリカ」千葉敦子が29歳。
この人は他人の無意識界にシンクロし侵入する夢探偵。大企業の重役や警視監の心の治療。

ジャンル的にたぶん近未来精神医療SF白い巨塔。
だが、第1部が終わって第2部に入ると困惑のドタバタ幻影妖怪大戦争。正直自分の想像力を超えた。
そもそも「DCミニ」とやらがよくイメージできない。

狂った老人の誇大妄想話に長時間つき合わされたような感じ。最後の方はちゃっちゃと読み飛ばして行った。
これをもって筒井康隆はしばらく読むのを止めようと思う。

アニメ映画になっているらしい。その映像はなんとなく一部見たような記憶がある。

2023年8月17日木曜日

上村ひなの「DIY!! どぅー・いっと・ゆあせるふ」(2023)

7月から始まってる日向坂46上村ひなの主演ドラマ「DIY!! どぅー・いっと・ゆあせるふ」(2023 MBS)を見てる。

なんだかビジュアルとか雰囲気とか「けいおん」「ゆるキャン△」の流れ。
登場するのは女子ばかり。その女子たちにまったく男がいる様子がないばかりか、女の子同士で集まっているのに、気になる男子の話すらしないという不自然さ。それがこの手のマンガアニメのルール。
上村ひなの演じるのんびりヒロインの名前が結愛せるふ(ゆあせるふ)。親はなんでそんな名前をつけた?

ガールミーツホビー。DIYって、中学時代に本立てとか授業で作ったりして以後、まったくやったことがない。金槌とかのこぎりとかカンナとか高校時代まで部屋の片隅にあったことは覚えているのだが、以後全く何処へ行ったのかも覚えていない。
集合住宅住みでトントン釘を打つとかできない。上の階の迷惑非常識家族は子どもをドタドタ走り回らせるだけでなく木工工作もしている。〇んでほしい。
このドラマのロケ地がなんと新潟県の三条市

てっきり「燕三条市」という市があるんだと勘違いしていた。そういう人は新潟県外に少なくない。しかしその名前を出してしまうと燕市(人口7万7千)と三条市(9万9千)のそれぞれの市民は不機嫌になるらしい。
燕三条駅の名称は妥協の産物。たぶん、テキサスで言えばダラスとフォートワースみたいな感じ。ミネソタで言えばミネアポリスとセントポールみたいな感じ。

自分は十数年前に燕三条あたりのナイフフォークなど作ってる工場を見学に行ったりラーメン食べに行ったことがある。だがそれが燕市なのか?三条市なのか?まったく覚えていない。
ヒロインにDIYを手ほどきするくれい部長が櫻坂の土生みたいな美人。調べてみたら森山晃帆というモデル女優。すごく大人っぽいと思ったら25歳。すごく細い。身長は172cm。肩幅がなくてほぼ白くま。

あと、ヒロインせるふの隣家に同じ年の幼なじみぷりんがいる。この子は高専でAIを研究してる?!もう世の中そんなことになっているのか。
演じてるのは野口衣織(=LOVE)。自分は知らなかったのだが、たぶんわりと有名なアイドル。この子も23歳か。
てか、上村ひなのがいつのまにか19歳になっていたことが驚き。この子は日向坂冠番組では大喜利で笑いを飛ばすことが多い。この写真だとなんだか長濱ねるに似ている。

この手のドラマはマンガアニメキャラのテンションと雰囲気に寄せたデフォルメ演技。通常のドラマ映画で求められる自然な演技とは違う。それはそれで演じるのも大変だが、
今は高校にこんな設備と備品があるのか。こんな最新鋭の道具、自分は使ったことがない。ドラマではちゃんと前掛けやグローブ、ヘルメットなどをつけて取り扱っている。
あんまり「へえ」と驚けるようなDIY知識は今のところ得られていない。そんなに面白いわけでもない。興奮もない。女の子ゆったりまったり群像劇なのでそんなこと誰も期待してないだろうけど。