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2026年9月4日金曜日

中本奈奈「時をかける少女」(1997)

1997年11月8日公開の中本奈奈主演「時をかける少女」(角川春樹事務所)を観る。今になってやっと見る。1994年内田版を観た直後に続けて見た。
製作・監督は角川春樹。脚本は伊藤亮二、桂千穂、角川春樹。音楽は松任谷正隆、熊谷幸子。

これ、今までまったく見ようと思わなかった。自分は古本漁りしてるとたまに中本表紙の「時をかける少女」角川文庫を見かけていたのでその存在は知っていた。中本奈奈はほどなくして芸能界を引退してるらしい。中本奈奈の知名度がほとんどないためにほとんど見られもせず回顧もされず話題にも上らない。
この映画、全編モノクロフィルムで撮影されたというアート映画。その表現はまるで昭和20年代の映画を見ているかのよう。前衛映画な感じもする。今作は原作の雰囲気に近づけるために昭和40年代に舞台設定。

ヒロインの中本奈奈の顔がちょっと怖い。1997年当時のモデル女優に多いタイプだったのかもしれない。顔は鋭い感じなのに古風。

両親が伊武雅刀倍賞美津子。意外。娘の吉沢和子が夜遅くなっても帰らない件で「監督不行き届きだ」と妻を責める家父長的な父。見ていて二時代も三時代も前の映画な気がする。
祖母役は久我美子さんだ。久我侯爵家のお嬢様だ。ガチ華族女優ならではの上品さ。
自分、まったく知らなかったのだが、深町一夫役が中村俊介。今まで見たどの深町一夫よりもいちばん未来人ぽい。ふつうに転校生として教室にやって来るのだが、クラスメートは担任教師・野村宏伸から深町くんが20歳であることを告げられる。大学入学のために日本の高校に入る必要が?そんなん言わなければいいのに。

英語教師役で早見優さんも出演。さらに榎木孝明さんも出演。渡瀬恒彦さんも出演してて俳優陣が豪華。なのになんで何の話題にもなってないのか?

この映画のロケ地が飛騨古川町と松本市。
ヒロインと深町が通う高校ロケ地が松本深志高校。長野県では屈指の名門進学校。タイムリープの法を犯した深町は時空警察に追われ逃げ回るという今までにない設定。松本城でも鬼ごっこ。

この未来警察が髭面もっさり頭。時局から北朝鮮による拉致事件を連想する絵面。未来警察なのに現代警察署を普通に利用?深町くんが未来から来た理由はお婆さんの少女時代を見たいから?そんな理由で?!

ウィキを見ると、ロケ地が「長野県松本市の弘法山古墳」と書かれているのだがそれは間違い。更埴市(現・千曲市)の森将軍塚古墳が正しい。昨年の秋にこの古墳に行ってきたときこの映画のロケ地だという情報いっさいなかった。和子と深町の別れのシーンがやたら叙情的で長い。
重要なキャスト浅倉吾郎役は早見城という人だがこの人のことは不明。原作ではずんぐりむっくり赤ら顔という設定だが、この男はワイルド系。和子の腕時計の件でやたらと「返して!」と催促されている。なのに返そうとしない。見ていてイライラ。

この映画の吾郎は実家がバイク店?そこの従業員に見知った顔の青年がいる。たぶん田中哲司さんだ…と思いながら見てると、映画のエンドロールにしっかり名前があった。この映画のウィキにも田中さんの名前はキャストにないし、田中哲司さんのウィキの出演歴にもこの映画については書かれていない。

主題歌は松任谷由実「夢の中で〜We are not alone, forever」「時のカンツォーネ」
ナレーションで原田知世さんも参加している。最初はどこがそうなのかわからなかったのだが、大人になった和子の独白シーンがそうらしい。

2026年7月20日月曜日

吉岡里帆「九龍ジェネリックロマンス」(2025)

「九龍ジェネリックロマンス」(2025)という映画があるので見る。吉岡里帆が主演なので見る。乃木坂の梅澤美波が出てるので見る。
原作は眉月じゅん。監督は池田千尋。脚本は和田清人。制作はROBOTで配給はバンダイナムコフィルムワークス。

マンガ原作の実写映画化。何も予備知識がない。
九龍城砦の不動産会社で働く女の記憶をめぐる幻想的な異世界物か?と考えながら見る。きっと「かまくら物語」とかみたいなやつ?かと。

池田千尋監督の映画はたいてい好印象なのだが、この映画は見始めて早々に退屈し始めた。なんだこれ?その世界観がまるでぼんやりしてよくわからない。
風景は中国風なのに登場人物は日本語を話す。
水上恒司という役者は近年邦画の世界で見かけるけど自分はまだよく知らない。
栁俊太郎くんがかつての永瀬正敏がやりそうな役。ノスタルジックなカメラを構えながら街を闊歩。残念ながらこのモデル俳優の演技は棒に感じた。

美術セットがあまりかつての香港に見えない。憧れの九龍城砦に見えない。
でも、「ジェネリック」なんだし、ストーリー上それでいいのかも…と想いながら観ていたのだが、やっぱり浅草サンバカーニバルの路地裏を想わずにいられない。日本人がノスタルジーを感じるかつての香港の喧騒と湿度と埃と脂の感じが見えない。
なぜに中国訛の日本語を話すチャイナ娘がいるのか?

わりと静かな映画なのに役者たちが暑苦しい。とつぜんでかい声を出されるの苦手。
梅澤美波がチョイ役でもったいない。せっかくの外仕事なのに、オタ界隈でちっとも盛り上がってた記憶がない。

吉岡里帆の演じるヒロインですら魅力を感じなかった。途中でしっかり集中して見るのを止めた。早く終わることを願った。
これはマンガのままのほうが余韻と奥行きを感じられるやつだったに違いない。せいぜいアニメまで。

白昼夢のような、ブレードランナーのような、ビューティフルドリーマーのような、惑星ソラリスのような精神世界仮想現実SF映画。ほとんど魅力を感じなかった。
もっとアート映画に全振りして背景を暗くして見えないようにしたら、もっと見れる映画になったかもしれない。

これを見た後にウォン・カーウァイ「恋する惑星」(1995)をちょっと見返したのだが、こっちはガチのノスタルジー。映像だけでビシビシ伝わる。

2026年2月14日土曜日

ジャッカルの日(1973)

「ジャッカルの日 The Day of the Jackal」(1973)を見る。昨年NHKBSで放送されたのを録画しておいたやつで。
原作はフレデリック・フォーサイス「ジャッカルの日」。監督フレッド・ジンネマン。脚本ケネス・ロス。ユニバーサル・ピクチャーズ映画。同年に米英仏日で公開。

フォーサイスの原作はすごく面白い。誰でも一度は読むべき。そして、この映画はほぼ原作に忠実。
フランス国家中枢と内務治安の幹部たちが正体不明の英国人殺し屋ジャッカルを追う警察サスペンス。
フランスが舞台だが全編ほぼ英語のみ。もしかして英語吹替え版?

殺し屋ジャッカルはエドワード・フォックスという俳優だが自分はよく知らない。
この人はスーパー有能で非情。親切にしてくれた一般人すらも邪魔になれば即座に殺す。なのであの非情なラストも仕方がないと視聴者に思わせる。

カジュアルに街のマルシェで西瓜を買って、次のシーンで特注銃の標準機調整テストに使われるとか面白い。
この人には殺し屋として何も落ち度がなかった。アルジェリアを売り渡した裏切り者ドゴールを始末したい組織がダメ組織。殺し屋を雇ったことがバレたためにフランス警察から追い回されるハメになる。ああ、そんな仕事を引き受けるんじゃなかった。

鳩の世話してるときに警察総監から緊急呼び出しされる有能おじさんルベル刑事がマイケル・ロンズデール。「薔薇の名前」「ミュンヘン」を見た人なら一目でわかる。

ドゴール大統領の命を狙う殺し屋がフランス国内に侵入したという国家の危機の責任者にされるシーンが面白い。見た目がぜんぜん鋭そうに見えない。こんな普通のおじさんがフランス警察の臨時のトップに?
ジャッカルがイタリアからフランスへ、アルファロメロで入国するのだが、ドゴール時代はこんなにも出入国管理の現場が厳格で緊張感のあるものなのか。
そして、普通の田舎駅にも自動小銃構えた兵士がいる。怖い。

そして、解放記念日のパリの街角でパレードを見る市民。人相が悪く挙動が不審に思われると、あんなに酷い取り調べを受けるのか。何も怪しい所持品なくても何もねぎらいや謝罪の言葉もない。

この映画、見始めた最初は、ああ古い映画だなと感じたけど、ドゴールのフランスを違和感なく撮影できてて良いなと感じた。ポンピドゥー時代のフランス。
活字で読んだだけではイメージできないパレードと退役軍人への叙勲イベントの映像がとても良いし貴重。たぶんもうパリで同じような撮影はできない。

今のフランスからは想像できないぐらいに、パリの街に一切まったく黒人がいない。これが自分が子どものころイメージしてたパリ。
暗殺が失敗に終わる場面では、現代人の誰もがペンシルベニア州バトラー近郊でのトランプ大統領暗殺未遂事件を連想。こちらの犯人もジャッカルと同じことを想って死んだに違いない。

ルベル警部に呼び止められて付いていった警察官は悲劇。死後昇進してもな。残された家族に少しはお金が入るのかな。

謀略と諜報の世界の非情。英仏両国警察組織の必死のパッチ。娯楽作として面白く見れた。この映画を今見て良かった。

2026年2月6日金曜日

映画「ゼロの焦点」(昭和36年)

昭和36年の松竹映画「ゼロの焦点」を見る。最近NHKBSで放送されたものを録画しておいたもので見る。モノクロ作品。
原作は松本清張、脚本は橋本忍山田洋次。監督は野村芳太郎。音楽は芥川也寸志

主要3キャスト女優は久我美子高千穂ひづる有馬稲子
失踪した新婚の夫の行方と過去を探し歩くヒロイン女優の久我美子は、一条関白家と久我侯爵家の血筋を引く娘という高貴な家柄。

鵜原憲一は南原宏治。鵜原兄が西村晃、室田社長が加藤嘉。昔のおじさん俳優はみんな若い時からおじいさんのような風貌。

原作を活字で読んだばかり。なのでどの場面も状況がよくわかる。この時代の映画脚本は原作本の駆け足ダイジェストのようになっている。
ラストはヒロインが室田夫妻に崖の上で考察を語り聞かせるスタイル。そういうのはよほど証拠を固めておかないと反論されて終わるはず。聞き込み捜査で得た情報を一気に語る。

ヒロイン禎子の推察と室田夫人の説明がそれぞれ映像であるところは映画として良い。
鵜原兄はあんなに鋭く頭がよく犯人をガン詰めしてたとは驚き。
清張が描かなかった行間の女同士のドラマがかろうじて映画として見る価値を感じる。

原作もたいして面白くなかったが、映画ですらもそれほど面白くない。昭和36年当時の金沢と能登の風景を見れることは貴重。

2026年2月5日木曜日

映画「黒蜥蜴」(昭和43年)

丸山明宏(美輪明宏)さん主演の江戸川乱歩作・三島由紀夫戯曲版の「黒蜥蜴」(松竹・昭和43年)を見る。昨年11月にNHKBSで放送されたもので。

自分は知らなかったのだが、これって深作欣二監督作だったのか。音楽は冨田勲さんだったのか。てか美輪明宏さんって今現在何歳なんだ?

おなじみの名探偵明智小五郎役は木村功。自分はこの俳優をよく知らない。
川津祐介さんが黒蜥蜴の手下役で出演。この俳優は亡くなってもう4年経つ。

松岡きっこさんの若いころを見るのは今作が初めて。ものすごくセクシー。ほぼ全盛期の仲間由紀恵の質感。
見ていてとても戯曲らしさを感じる。主に会話劇。セリフのひとつひとつが装飾過多でおよそ日本人が普段使う日本語らしくない。オープニングでピアズリーのイラストが使われているのでオスカー・ワイルドを意識したものかもしれない。

会話劇にカーチェイスやアクションを加えたもの。役者たちの挙動に時代を感じる。カットには深作欣二を十分感じる。今見れてよかった。
西村晃さんも人相の悪すぎる刑事役で出演。丹波哲郎さんも脇役出演。三島由紀夫も黒蜥蜴の犠牲者として特別出演。
主題歌は丸山明宏「黒蜥蜴の歌」(作詞作曲、丸山明宏)

2026年1月31日土曜日

永野芽郁「はたらく細胞」(2024)

2024年12月公開のワーナーブラザーズ映画「はたらく細胞」を見る。金曜ロードショーでやてたので。
監督は武内英樹。脚本は徳永友一。キャスト筆頭に永野芽郁佐藤健の名前があるので、この二人の主演作かもしれない。

何の予備知識もなく見た。見れば生物学や生理学の知識が身に付くかもしれない教育番組のつもりで見始めた。
登場人物たちは皆、この映画のもうひとりのヒロインといえる芦田愛菜の内部にいる、赤血球だったり白血球だったりキラーT細胞だったりマクロファージだったりヘルパーT細胞だったりNK細胞だったりの擬人化。
これが見ていて誰が誰だかわからない。見ながら調べたりしてようやく気付く。

山本耕史、仲里依紗、松本若菜、染谷将太、板垣李光人、加藤諒、加藤清史郎といったキャストは見ればすぐわかる。
だが、佐藤健と塚本高史は顔が白塗りなので、どこかで見た顔だな…と、ずっと頭に?マークが浮かびながらの視聴。
片岡愛之助と小沢真珠は「翔んで埼玉」とほぼ同じ質感での登場。アクの強すぎる怪人たち。なにやってんの?

映画序盤は新鮮で見ていて面白かった。しかし、芦田愛菜が白血病になって…以降はよくあるやつで困惑し退屈し閉口。Fukase(SEKAI NO OWARI)登場以降の、そういうシリアスなやついらん。阿部サダヲのう〇このくだりは要らない。
正直、これは小学生中学生が見ればいいやつ。とても大人が見る様なものではなかった。映画らしくなかった。途中から早く終わってほしくてスマホいじりながら見た。

しかし、カラダ内部の細胞たちにとって、病気になるとはほぼ戦争のようなものだということは学んだ。
中学高校生物とか習う以前にこれを見てる子は、見ていない人よりはスタート地点で前に立っている状態と言えるかもしれない。

音楽はFace 2 fAKE。主題歌はOfficial髭男dism「50%」(IRORI Records / PONY CANYON Inc.)

2026年1月5日月曜日

加藤小夏「BLUE FIGHT 〜蒼き若者たちのブレイキングダウン〜」(2025)

加藤小夏さまが出演している2025年1月31日公開の「BLUE FIGHT 〜蒼き若者たちのブレイキングダウン〜」を見る。

見始めて自分の知らない若手俳優ばかりしか出てないので、てっきりB級C級不良ケンカ映画だと思ってた。なんと三池崇史監督の映画だった。原作 者の樹林伸が脚本を担当したらしい。制作はYOAKE FILMで配給はGAGA。製作総指揮は朝倉未来という人だが、普段格闘技をまるで見ない自分にはよくわからない。

イクト(木下暖日)とリョーマ(吉澤要人)は少年院で出会う。イクトは濡れぎぬで収監されスモウレスラーみたいな看守にイビられる。それは理不尽。
イクトのおっかさんが篠田麻里子さんでびっくり。もうそんな大きな子どもがいる設定?そしてやはり拘置所にいる父親(冤罪?)が高橋克典さんでびっくり。
リョーマのおっかさんも 土屋アンナでびっくり。この母の息子は不良になりそうだ。

出所したふたりの面倒を見る板金工場の人が波岡一喜でびっくり。行きつけのバーテンが金子ノブアキでびっくり。
格闘家を夢見るふたり。キックボクシングジムの会長が寺島進さんだが、この人は毎回軽~い面白いおっちゃん役のスペシャリストだ。

で、少年たちの主要キャストから脇役まですべてが三池監督によるオーディションで選抜された若手俳優たち。全員誰も見たことない人たちなので、見ていて新鮮な気持ちでドラマを見れる。まるで高校生に見えなかったりする。棒演技だったりする。でもそこが三池監督の狙いだったのかもしれない。

不良たちがケンカして、そこに中学時代から馴染みのある美少女たちがいて、そして最終的に街のボスグループ(GACKTさん何やってんの?)とファイトして、さらにBreakingDown本大会で父を冤罪に落とし込む悪徳検事の東大生息子キックボクサーと対決して…という、まるで少年漫画のようなドラマ映画。
この映画の花は加藤小夏と田中美久のかわいこちゃんふたり。田中はともかく、高貴な透明感美少女の加藤小夏お嬢様が(実際は25歳ぐらいだが)、あんな不良とつきあうなんてありえないだろと思った。
小夏さまがわりと熱いシリアスな演技で存在感を出していた。てっきり出演時間はわずかだろうと予想してたけど、想ってたよりもかなり出演シーンが多かった。華奢な体型にブレザー制服がよく似合う。まだまだJK役をたくさんやってほしい。

田中美久はコンパクト体型なのにとにかく胸がでかい。それに適度に生意気そうで良い。田中のグラビアをいやらしい目で見てるとこを見つかって加藤小夏さまに半殺しにされたい。俺を鉄パイプで殴ってもいいから、小夏さまをつい「夏希ちゃん」と呼び掛けてしまった田中美久を許してやってほしい。
男女が真剣な話をしてる現場に「あれ~?」って絡んでくるチンピラグループって令和の今もいるの?ベタすぎて笑った。

全員のキャラがいいと思った。だがストーリーと展開は荒唐無稽。

2025年12月17日水曜日

教皇選挙(2024)

映画「教皇選挙 Conclave」を見る。アマプラで見れるようになってだいぶ経つので、この冬やっと見る。日本語吹き替え版。

アメリカとイギリスでの公開はそれぞれ2024年10月と11月。日本での公開はキノフィルムズ配給で今年3月。
監督はエドワード・ベルガー。脚本はピーター・ストローハン。原作はロバート・ハリス。
これ、ローマ教皇選出の過程を描いてる映画だけど、ジャンル的にはサスペンスミステリー?言語は英語?たまにイタリア語。

日本の社会問題や不幸な人々や現実世界のドラマを見てると気分を病む。こういう日本社会とはまるでかけ離れた遠い場所での利害関係のない出来事を描く映画で気を紛らわせる。

登場人物たちがみんな枢機卿。なので老人か初老男性。前教皇の死から始まるあれこれ。
教皇選挙ってトム・ハンクスの「天使と悪魔」でも見た。

ちなみに、自分はバチカンに行ったことがある。システィナ礼拝堂に入ったことがあるw 信じられないかもしれないが本当だ。だが、システィナ礼拝堂よりも、塔のてっぺんに登ったことが印象に残ってる。頂上に近づくにつれて螺旋階段が狭くなる。あと、売店で歴代教皇の説法カセットテープとか売ってたのをも印象的。

あと、ひたすら投票を繰り返すだけって能がないなって思った。上位2名の決選投票にしないのに理由があるのか。
しかし、主人公は選挙を仕切るローレンス枢機卿。積極的に精力的に動いていろんな有力候補者たちの秘密を握っていく。まるで探偵のように裏で選挙を操っていく。得票を変えていく。それは野心?良心?

なんか、みんなが権力への野心を持ってるかのようで嫌だなって思った。感情の起伏が激しいお坊さんって嫌だな。
枢機卿個人に与えられる部屋がすごく広いなって思った。

イスラムテロに対して、今日の世界をめちゃくちゃにした英国や米国の映画人がキリストの愛を説く。対立はよくない。
そしてまったく意外な新教皇の誕生。そして驚天動地の真相。それはいつか起こりうる…という現在進行する世界の時事ネタ。
観ていて、50年後ぐらいの未来を描いてるようにも感じた。

英国人と米国人目線のフィクションローマ教皇選挙。英国人はこういう賢く立ち回る頭脳派紳士が好き。
あと、日本にも天台座主を扱う映画とかあってもいいと思った。
誰も知らないアフガニスタン・カブールの大司教がやってくるシーンとか、三谷幸喜なら梶原善を配役して笑いに変えるシーンだと思った。

2025年12月9日火曜日

シックス・センス(1999)

M・ナイト・シャマラン監督脚本の「シックス・センス」(1999)を令和の今になって初めてやっと見る気になった。夜中に見始めて朝4時w フランク・マーシャル制作のハリウッド・ピクチャーズ映画。日本での公開当時も大きな話題。

小児精神科医ブルース・ウィリスは表彰を受ける程に活躍する名医だったのだが、夜間に住居に侵入してきた元患者に銃撃される。このシーンがこの映画で一番怖い。こんな青年の相手をしないといけないとか、精神科医は大変だ。

そして、ハーレイ・ジョエル・オスメント少年を診ることになるのだが、この子が変わり者すぎて周囲が引いている。どうやらこの子は日常いたるところで死霊を目撃してビビりまくってる。それはまた大変だ。

この映画、映画ファンたちから予備知識がない状態でこれから見る人がうらやましいとまで言われる映画。しかし、四半世紀の間ネタバレなく過ごしてきた自分だが、やはり完全にネタバレを回避することは難しかった。ありとあらゆるサスペンスやミステリーやSFやホラーを読んだり観てしまった現代人はハードルが上がってる。

なので、もう初手から「たぶんそういうことだろう」という見方をしながら観ていたw なので、正直退屈してしまった。制作者にはもうしわけない。
最近見た「見える子ちゃん」のほうが驚けてしまった。

しかし、やはりそこに死霊がいるというシーンは夜中に見るには怖かった。
死んだ少女の父親にビデオテープを見せるシーンはちょっと笑ってしまった。わかりやすすぎて。
この映画を見ると、フィラデルフィアのような古い街って多くの死霊がいるようで怖くなったかもしれない。たぶん東京も京都も怖い。

自分、大人になるにつれて、死って体験する本人は認識できないからそれほど酷い体験じゃないんじゃないか?と想うようにしてから、ちょっとは心が安らかになれた気がする。ただ、そこまでに至る恐怖や痛みや苦しみや酷い状況が怖い。
あと、現在のブルース・ウィリスさんが重度の認知症になっていることは誰もがショック。

2025年12月4日木曜日

谷村美月「おにいちゃんのハナビ」(2010)

「おにいちゃんのハナビ」という映画を今年の夏にNHKBSで放送していたので録画しておいたものを今になってやっと見る。
監督は国本雅広。脚本は西田征史。制作はエネットで配給はゴー・シネマ。主演は高良健吾と谷村美月。新潟を舞台にした新潟ロケ映画。実際にあった話に基づいて描かれた映画らしい。

田舎町の病院を退院した少女谷村美月とその母宮崎美子。タクシー運転手が大杉漣さんだ。これは個人タクシー?この3人が家族なのか。町では夏祭り。
少女は頭がツルツル。どうやら白血病か?(谷村は実際にスキンヘッドにしたとのこと)
半年ぶりに家に戻ると19歳兄・高良健吾は引きこもりになっていた。まあ日本の各地でよくある話だな。

この町の誇りは大掛かりな夏の花火大会。みんなで夜空を見上げる。ヒロイン谷村の女友だちの中に岡本玲剛力彩芽がいることはすぐわかった。みんなすごくキャピキャピしてる。

来年成人式グループを見かけ、少女の兄も来年成人式だということ思い出す。引きこもり兄に母も父もみんな悩んでる。この兄は娘の治療のための引越しを契機に慣れない環境で引きこもりになってしまったらしい。引越し転向は子どもに多大なストレスを与える。
少女の高校の担任が佐藤隆太だ。わりと出演者が豪華だ。
妹は兄を気に掛ける。積極的に会話。火事ドッキリで家の外に引き出したりする。この妹がとにかく元気で明るく積極的。友人たちと兄を万代シティへ連れ出す。こういうことができる段階だと引きこもりとは言えない気がする。と思って観ていると、やっぱり兄はギリギリ。早く帰りたい。しかもチンピラにからまれる。

しかし中3で見ず知らずの人しかいない土地へやってきて孤立を深めた兄の気持ちを想うとそれはつらい。友だちもいないのだから悩みを共有し相談できる相手もいない。これは病む。

地元の成人たちグループに兄を入れようと頑張る妹。兄のバイトも探す手伝い。このJK妹がとにかく立派だ。
だがこの19歳兄の引きこもり問題はそれほど深刻ではない気がする。自ら望んで新聞配バイトができるのだから。
妹のおかげで兄はだんだんと心を開いていく。会話とコミュニケーションが成立してく。

しかし妹は再び病に倒れる。再び入院。どうする兄?
兄はもう一人で病院にお見舞いにやってこれるレベルに。
兄は田舎花火青年会に自ら入会。可愛い女の子(早織)も歓迎してくれるのだが一人よそ者を入れたがらない閉鎖的なやつがいるな。こいつが1人で会の雰囲気を悪くしてる。こういうやつを追放したほうが何でも上手くいくはず。

病院の先生が佐々木蔵之介。この人はいつも雰囲気が同じ。
妹は咳をして苦しそうになっていく。病状を知らされていない兄は不安がつのる。
やがて妹が余命いくばくもないことを知る。
臨終シーンがあまりに完璧に整えられていてリアルすぎてこんなん見てる側は誰もが気が滅入る。
あんなに元気で明るくポジティブな妹を若くして亡くすとか一生のトラウマ。両親も抜け殻。同級生も心の傷。
棺に入れたケータイに電話してみるシーンとか絶句。東京もんが新潟で冬を迎えるとか心を病むにきまってる。時間差で妹からメッセージ動画が届くとか、テクノロジーは残酷なことをする。

そして兄は妹のために花火をつくり打ち上げる。熱心に指導する花火職人が塩見三省さんだ。
日本には打ち上げ花火にこんな意味合いがある地域があるとは。
あと、不慣れな土地で成人を迎え還暦まで土地の人々と接していかないと悟るとか、想像もしたことなくて絶句。いろいろと見ていて辛い感情。

主題歌は 藤井フミヤ 「今、君に言っておこう」なのだが、自分としてはここは「君は天然色」だろと思った。

2025年11月26日水曜日

新幹線大爆破(1975)

「新幹線大爆破」(東映 1975)は大変有名な映画だが未視聴だった。11月の3連休の最終日にBSで放送されるというので録画予約して友人と出かけて、帰ってきて友人と一緒に見た。

監督は佐藤純弥。脚本は佐藤監督と小野竜之助。出演は高倉健、千葉真一、宇津井健ほかの豪華キャスト。

東京発博多行き「ひかり109号」に爆弾を仕掛けたという脅迫電話。速度が80 km/h以下になった場合に自動的に爆発するという。この設定が世界に類がなくまったく独創的。
犯人グループは映画の最初から視聴者に明らかにされている。沖田(高倉健)と古賀(山本圭)。沖田は経営していた工場が立ち行かなくなり妻子とは離婚。古賀は左翼学生崩れ。山本圭は左翼インテリのスペシャリスト。

新幹線運転士が千葉真一。高倉と千葉、異常に男臭くギラギラしてる。
千葉は1500名の命が肩にのしかかる強いストレスから運行管制室の主任宇津井健に「そっちは気楽でいい」など文句タラタラ暴言を吐く。ここはちょっと笑ってしまった。

この時代の乗客は制御が難しい。騒々しい乗客たちが竜雷太鉄道公安官や小林稔侍運転士らをガン詰め。それはそうなるのも仕方ない。
乗客たちの質感や臨月の妊婦とかいう要素は昭和を感じた。

とにかくギリギリのミッション。現金の受け渡しとか、警察の必死の追及とか、予想外の障害とか、見ていて飽きずにハラハラできてテンポがよくて面白かったと言わざるを得ない。
しかし「そうなる?」とツッコミたくなる箇所もある。昭和の常識がわからない箇所もある。喫茶店が火事という箇所は唐突過ぎた。
あと、この映画は今もテレビドラマや映画で見る俳優女優も多くて見ていて驚く。なつかしい俳優も多い。藤田弓子多岐川裕美志穂美悦子さんはすぐわかった。
渡辺文雄さんは久しぶりすぎて名前を思い出せなかった。志村喬国鉄総裁、鈴木瑞穂捜査本部課長は昔の映画でよく見る俳優。
丹波哲郎さんはほぼ「砂の器」の刑事みたいだった。北大路欣也さんと田中邦衛さんはワンシーンのみの出演。

宇津井さんが警察の無能さに怒り心頭だが、それは致し方ない。むしろ必死で頑張ってるのにあとちょっとで鳥逃したりして気の毒。
杜撰な計画で仲間たちを死なせた沖田の哀れな最期も自業自得として仕方がない。あれだけ重大な事件を計画し実行した罪と代償。
この映画を見て、NETFLIXドラマ版も見たくなってきた。

2025年10月26日日曜日

原菜乃華「ババンババンバンバンパイア」(2025)

今年7月公開の映画「ババンババンバンバンパイア」も早くもアマプラで見ることができる。かなり子どもっぽい作品の予感がするのだが原菜乃華ちゃんが出てるのでチェック。

原作は奥嶋ひろまさによる少年漫画(秋田書店)。監督は浜崎慎治。脚本は松田裕子。主演は吉沢亮板垣李光人かもしれない。制作はダーウィン、テレビ朝日。配給は松竹。

劇場公開は2月の予定だったのだが、主演の吉沢亮が飲酒泥酔によるマンション住居侵入事件を起こしてしまい公開延期。いい年して何しとん?!と総ツッコミに遭った吉沢だったのだが、この映画の役どころも何しとん?というマンガキャラ。
18歳童貞の血がほしいバンパイア森蘭丸が板垣李光人くん15才の童貞を護るために奮闘するとか…ギャグマンガでしか許されない設定。

え、この映画ってミュージカルだったの?主人公森蘭丸の半生450年と立野李仁くんへの想いを歌で説明。なんか、2.5次元ミュージカル舞台みたいな演出。
板垣李光人は実年齢が23歳なのに15歳高1を演じるとかある意味すごい。
堤真一ってまた織田信長なの?すごく既視感。
李仁くんとかわいこちゃん篠塚葵(原菜乃華)とのファーストコンタクトがトーストパン咥えて「遅刻遅刻~」からの出会いがしら衝突。即ひとめぼれ。

李仁くんの実家が銭湯でバンパイア吉沢が番台に座ってるのだが、その葵ちゃんが「うちのお風呂が壊れた」とかでやってくるとかいろいろマンガでしかありえない展開。

原菜乃華の妄想がほぼ「恋わずらいのエリ―」と同じ質感。
この映画はBL界隈とか吉沢亮の全裸が見たい層には刺さったのかもしれない。女子高生にウケればそれでいいのかもしれないがギャグセンが子どもっぽすぎた。自分としてはひたすら寒かった。

2025年10月16日木曜日

新垣結衣「違国日記」(2024)

2024年6月公開の映画「違国日記」を見る。
原作はヤマシタトモコによる同名漫画(祥伝社FEEL COMICS)。脚本・監督・編集は瀬田なつき。音楽は高木正勝。制作はジャンゴフィルム。配給は東京テアトル。

新垣結衣が孤児となってしまった姪を引き取る小説家・高代槙生(こうだい まきお)を演じてる。新垣結衣はずっと映画には消極的なテレビドラマ女優だと思ってた。やっと映画女優に本腰を入れ始めた。
もう一人の主人公15歳・田汲朝(たくみ あさ)はオーディションで選ばれた新人早瀬憩
朝ちゃんはいきなり交通事故で両親を亡くす。中3でいきなりそんな目に遭うと何をしていいのかわからない。とても重苦しいドラマの始まり。
葬式で槙生は朝を引き取ることを決意し宣言。ここ、予告編で見たときにすごく暑苦しいファミリードラマなんだろうなと感じた。35歳でいきなり中学生を引き取るとか、ぜったい面倒で暑苦しい様々な軋轢と問題を抱えるはず。頑な女と頑な中学生女子な展開になるだろうと。

だが、この中3女子はぜんぜんめんどくさくなかった!子どものはずだが、槙生が姉を大嫌いな理由とか説明したくないからとピシャリと遮る。結婚もするつもりのないドライヒロイン。ガッキーのやる役はこんなのが多い。
だが、予想に反してこの槙生という女性はそれほど性格がドライでもキツイわけでもなかった。姉とは決定的に不仲だっただけで、それ以外はちゃんと常識人。姪と正しく大人として接する。

早瀬憩演じる朝ちゃんも子どもに見えてちゃんと大人。まったくの新人若手女優なので過去作も他作でも見たことがなく新鮮な状態で見れた。

あと、新垣結衣と夏帆の共演が驚き。ともに十代のころにチョコレートCMで共演して以来。ふたりともスラっと背が高い。すっかり大人になった。

小宮山莉渚と伊礼姫奈、滝澤エリカとった若手女優もフレッシュ。
小宮山演じるえみりは朝ちゃんに同姓の交際相手がいることを告げるのだが、なんでわざわざ交際と伝える?同姓なら女ともだちというていでよくない?まだ女子高生なのに。

染谷将太は両親を亡くした朝の相続した遺産や事故賠償を管理する弁護士。ああ、両親をこんな亡くし方するとこういうシステムがあるのか。染谷はほぼワンシーンのみの出演。
両親を失うときっと不幸な一生になりそうなものだが、この遺児はかなり恵まれている。ちゃんとレベルの高い高校に進学し、マックブックPROを自分の意思で購入し、軽音部に所属しベースまで買っている。生活の面でまったく悲惨な目には遭っていない。
それに小説家ガッキーもラノベ小説がヒットしてマンションも購入してる。お金のシビアな話とか一切なくて肩透かし。もっと悲惨な現実とか待ち構えているのかと恐る恐る身構えていた自分はなんだったのか。

重苦しい家族ドラマを予想していたのに肩透かし。脚本も演出もカットもすべてとても雰囲気が良い。嫌な人がまったく出てこない。見ていて不快になる要素がまったくない。

どちらかというとガッキー槙生よりも、15才女子高生朝ちゃん早瀬憩サイドのほうが主演と呼ぶのにふさわしい感じがした。まるで「海街diary」の広瀬すずのような質感だった。
139分の映画だがそれほど長く感じなかった。雰囲気が良くてカットが良いと飽きがこない。
軽音部ヒロインの劇中歌のサウンドと構成がどこかで聞いた様な気がしたのだが、チャットモンチーだった橋本絵莉子か!

2025年10月15日水曜日

原菜乃華「見える子ちゃん」(2025)

2025年6月6日公開の実写映画「見える子ちゃん」を見る。今年の夏公開なのに早くもアマプラ配信。
原作は泉朝樹「見える子ちゃん」(KADOKAWA)。監督・脚本は中村義洋。音楽は堤博明。主演は原菜乃華。制作はツインズジャパン。配給はKADOKAWA。

女子高生ヒロイン四谷みこ(原菜乃華)はある日を境に突然霊が見えるようになってしまう。文化祭でのクラス出し物決めの最中も、教室内で霊を目撃しビビる。
スマホでネット検索して得た情報から、見えている霊が見えていないようにふるまうことがベターだと知る。以後、霊を無視するようになる。
怖いものを見ている原菜乃華の「不味いものを喰った」かのような表情がとても良い。そんな表情ですらも可愛らしく美しく魅力的。原は今とても波に乗っているアイドル女優。

で、ヒロインの親友でクラス委員の百合川ハナ(久間田琳加)が葬式から帰って以来、何やら悪霊が憑りついている。それが視覚的に見えることがみこには恐怖だし圧迫感。ハナがやたら腹が減ってやたら菓子パンをむしゃむしゃ食べてる。

そんなみこのの変化に気づいているのが生徒会の二暮堂ユリア(なえなの)。この子もユニークな魅力的キャラ。除霊に挑む。
以上の主要JKトリオキャストがとても面白くて魅力的で良い。
新しい時代の新感覚ホラーコメディという評判に偽りなし!演出やテンポに新鮮な魅力を感じたし、まさに新時代Jホラーといって過言でない面白さ。そして青春映画としての爽やかな後味も感じた。

クラスメートや先生や家族の描き方にもムダがいっさいない。嫌だなという瞬間もない。ひたすら見ていて楽しかった。これはホラー映画とは言えないかもしれない。なにせ誰も死んでない。霊が憑りついても体調を崩す程度。
霊能力者生徒会の存在も楽しい。すごく頼もしく感じる。
だが、その驚愕の真相と仕掛けには驚いた。完全に騙された。鮮やかすぎてとても満足感。ホラー映画を見たはずなのに爽快感だけが残ったし自然と笑顔になっていたw

女子高生クラスメートたちですらも個性的で楽しかった。登場人物とキャラがで機材適所に輝ていた。文化祭でお化け屋敷とか、自分は経験しなかった。すごく楽しそうで羨ましい。
この映画に携わったすべてのスタッフと出演者たちに感謝。
主題歌はBABYMONSTER「Ghost」(Sony Music Labels Inc.)

PS. この映画を見たら即、あの悪霊を剥がしてくれる鳥居のある神社ロケ地へと向かった。友人と映画を一緒に見て、ロケ地に出かけ、そのへんにあったつけ麺屋で食事をして帰って来るという休日レジャー。

2025年9月29日月曜日

加藤小夏「私の知らないあなたについて」(2022)

加藤小夏の出演作リストに「私の知らないあなたについて」(2022)という映画があるので見ておく。2022年12月にいちおう劇場で公開された映画らしいけどまったくその存在を知らなかった。

監督・脚本・編集は堀内博志。制作はパーフェクトワールド。配給はトリプルアップ。主演は佐々木ありさ
加藤小夏は出演俳優として2番目にクレジット。加藤以外の俳優名を誰一人として自分は知らない。若手俳優たちによる青春群像劇映画?

よく知らない人の訃報(自死)を知ってちょい戸惑いと気分が沈んだ大学生ヒロイン慶子…という冒頭シーンからわかりずらくてちょい困惑。その人は自分に告白して断ったら死んだ?つまり原因は私?!それは微妙に嫌だ。
この映画は加藤小夏のスマホ通話声から始まる。真美(加藤小夏)が自責ヒロインを「葬式には行くな」と説得。意外に感情的で暑苦しい。
見慣れたはずのコンビニや町の風景ですら異質に見える。ああ、なんだか不穏で暗そうな映画だ。

慶子と真美は就職活動中。自分、映画やドラマで就職活動の風景を見たくない。
しかし、加藤小夏さまのスーツ姿には胸がときめく。今まで見てきた加藤小夏ドラマ映画でこれが一番大人に見える。性格もキツそう。このふたりの女子大生はべつに仲良しじゃない?!

真美は彼氏の劇団の劇団員男を紹介してくる。慶子は真美の彼氏に高い感心。え、親友の彼氏を奪いにかかってる?!
自分がこの男なら小夏さまにあの女と交際しちゃダメだと伝える。就活そっちのけで劇団の練習場所に来るし、人の彼氏をかってに親しげに「たっくん」呼ばわり。真美も困惑。てか周囲も困惑。なんなのこのヒロイン。
てか美人女子大生小夏さまと彼氏のいる設定の小夏さまに自分が困惑。怖い顔してる小夏さまに困惑。こういう小夏さまを自分は見たくない…。

なにも状況のわからないヒロイン。見てるこちらもわからない。
そしてコロナという新しい日常がやってくる。検温&ソーシャルディスタンス。
真美も高熱で寝込んでる。なのに就活をしてない慶子に真美はブチギレ。劇団もコロナで公演中止。

公演は劇場でなく配信へ。演目がカップルの別れ話と三角関係。つきあった彼氏は家でゲームしかしてないヒモ。そして修羅場。
あれ、この舞台が見ていて意外に面白い。慶子って女優の才能があるのでは?
公演の配信を見ていた真美も「こいつすげえな」という表情。
しかし演技中に慶子は転倒?!頭部を打って大量出血し病院へ。なんだかカオス。劇団は解散?

退院した慶子は呆然となりつつ劇団員といっしょになぜか自死した男の亡くなった場所へ?それは贖罪?

そしてなぜかコンビニ店員宮田へ視点が移る。なんで?この暗い男はいろいろ騙されてる?
え、そういう時系列?こいつが自死した不幸な青年?これは渡辺淳一みたいな文芸作品?

ええーーっ、その解釈も違うの?何度も期待と予想を裏切られる。
構成にはかなり驚いた。てかずっと頭の上に「?」が浮かんでた。なんでこんな究極にわかりづらい野心的な構成?

それになんと暗い映画なんだろうか。意外に社会派。この世界には光のまったく当たらない場所で地べたをはいつくばってる人がいる。
加藤小夏の出番が意外に多かった。小夏さまのクールな美貌が好きな人には十分に見る価値がある。画面が暗くてよく見えないけど小夏さまのナマ脚にときめく。だがしかし、不幸な青年の存在に気分は落ち込む。