横溝正史「首」を平成8年改版「金田一耕助ファイル11」角川文庫で読む。
4本の金田一短編を収録。どういうわけか以前は「花園の悪魔」が表題だったものが「首」に改められた。
こいつもワクチン打ちに行った先で110円で連れ帰ったもの。では順に読んでいく。この「金田一耕助ファイル」シリーズは巻末解説など一切ないため、各短編の初出などは一切不明。
「生ける死仮面」
昭和20年代の杉並区で発生した「雨月物語~青頭巾~」のような事件。男色家と噂される彫刻家の自宅アトリエで美少年の腐乱死体が発見され、彫刻家は死仮面に彩色しようとしていた…。
実は少年は大地主の息子辰男?辰男の両親、実の母、彫刻家の元妻も登場。死体は辰男のものではない?バラバラ死体が見つかって…。
昭和20年代の吉祥寺、井の頭公園周辺はまだ田舎だったんだなあと。
「花園の悪魔」
これは以前読んだことがある。温泉地の花壇でヌードモデルの死体が発見。犯人は姿をくらました慶大生?金田一さんは等々力警部を百草園にハイキングに誘って真相を教える。
ラストは犯人主観。
「蠟美人」
軽井沢の林の中で発見された身元不明の若い女性の全裸腐乱死体。畔柳博士が頭蓋骨に肉付けする方法で顔を復元したことで、良人を殺害後に失踪中の女優立花マリではないか?!と騒然。マリと結婚した名家伊沢一族の事情。
これも金田一さんが意外な真相を解き明かす。
「首」
岡山に立ち寄った金田一さんは磯川警部と山奥の湯治場。休養のために来てるのに、やはり未解決事件の捜査。300年前に義民の首が置かれてた滝の途中に突き出た岩を見せられる。実は昨年も同じ現場で湯治場の養子が狩猟で泊った小屋から行方不明になり、やはり同じ場所で生首になって発見。そして今回も映画撮影ロケ隊の監督が生首に…。
他に見ない展開で読んでて面白くはあった。
以上4本、NHKの横溝短編集池松金田一ではやいとこ製作してほしい。
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