辺見庸「ゆで卵」(1995)の平成10年角川文庫版を無償でもらい受けて来たので読む。有志の人が図書館に寄贈したものの、古い本なので所蔵しないでそのまま「ご自由にお持ちください」というコーナーから持ち帰った本。
目次を見た感じだと、たぶん食に関するエッセイのようなものかと。平成7年に単行本として書き下ろされたものらしい。
表題作「ゆで卵」はこの本全体の4割を占めるボリューム。臭いゆで卵を食べながらフラッシュバックしてくる記憶。ベトナムのニョクマム、中国人の愛人だった女とのセッ〇ス、そして神谷町駅でうずくまる一群…。
自分、女の臭いとか行為とかを事細かく語るおっさんが好きじゃないw そんなことどうでもいいだろ!と吐き捨てたくなる。元記者だったやさぐれ中年男のやさぐれ日常私小説文芸作品。
40代男の性とかそんな具体的に汚いところまで書かれても…。たぶん若い女性読者は全員どんびき。
単行本が出た直後から賛否が別れ、母校の大先輩から「あまりにも品位を欠く内容と表現に驚愕し赤面した」とお叱りの手紙まで来たそうだ。辺見「私は俗情を俗念そのままに書いてみたかったのだ。気取らず、高踏ぶらないで。」
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