2023年8月14日月曜日

エラリー・クイーン「靴に棲む老婆」(1947)

エラリー・クイーン「靴に棲む老婆」(1947)の越前敏弥「新訳版」が2022年に出ていたので読む。
1954年にハヤカワ・ミステリで出て以来の68年ぶりの新訳?これは読もうと思っても古本を見つけられなかったので助かる。
THERE WAS AN OLD WOMAN by Ellery Queen 1947
ニューヨークの裁判所で癇癪男による名誉棄損裁判の訴えが棄却される様子をやれやれな感じで目撃するクイーン親子とヴェリー警部。

エラリーくんはポッツ家の弁護士パクストン氏と意気投合しポッツ家について詳しく話を聴く。エラリー「ポッツって、あの有名な安価な靴製造販売会社のポッツ?!」
女社長でお金持ちのコーネリア・ポッツ老母も出廷してたのに負けて癇癪。
サーロウ・ポッツは裁判で負けて怒りのあまり、銃砲店で14丁もの銃を買って帰ってザワザワ。

チャーリー・パクストンはポッツ家の末娘シーラと恋仲で結婚したい。だが女当主コーネリアが頑固ババアが反対してるし、たぶん遺産もくれない。
エラリーはチャーリーの招きでポッツ家に行く。この家の家族がみんな変人だし狂人。コーネリアの前の夫(失踪)との間の3人の子、サーロウ(癇癪持ちで名誉棄損裁判を起こしてばかり)、ルーエラ(自称発明家)、ホレイショ―(お菓子の国のような離れに住む子ども大人)。
その一方で現夫スティーヴンとの3人の子はまとも。シーラのふたりの兄ロバートとマクリンの双子兄弟はポッツ製靴の副社長。

サーロウは夕食中にロバートに名誉棄損されたと口論。決闘を申し込む。エラリーは考えた末に銃弾を空砲に入れ替えて置く。
だが、翌朝の決闘でロバートは銃弾によって死亡。また銃弾が入れ替わった?入れ替えた犯人がいるとすればポッツ家の人々しかいない…。
サーロウが買った14丁の銃が捜索したら12丁しかない。

さらに双子のマックも射殺されているのが発見される。そして老婦人当主が自然死。遺言状の公開。そこに書かれていたこととは……。

資産家偏屈老人当主のお屋敷、変人家族たち、遺言状、わりとベタな展開。
遺言状公開から「面白いかも!」と期待できた。
だがやっぱり…、いつものエラリーだった。それほど驚きもなかった。

調べてみたら、ひょっとしてアメリカって決闘罪ってない?!なぜにサーロウは異父弟を決闘で死なせてるのに逮捕されてない?誰からも非難されてない?
あと、今作がニッキー・ポーター初登場作?

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