2019年2月19日火曜日

アガサ・クリスティー「NかMか」(1941)

アガサ・クリスティー「NかMか」の早川書房2004年クリスティー文庫版(深町眞理子訳)を読む。
N or M ? by Agatha Christie 1941
トミー&タペンスベレズフォード夫妻が活躍する人気作らしいので楽しみにして読む。こいつも100円で手に入れたのだが、1ページ目が落丁しそう。

第2次大戦時下の英国。フランス戦線の戦況が芳しくなく重苦しい雰囲気。
中年ベレズフォード夫妻は何か仕事を見つけないとと焦ってる。40代半ばで老いぼれ扱いされることを嘆く。ふたりの子供もすっかり大きくなっている。

グラント氏がやってきてトミーに仕事の話を持ち掛ける。英国情報局員が死の直前にもらした「NかMか?ソング・スージー」の意味とは何か?ヒトラーの諜報員NとMの正体を探るべく、トミーはメドウズという偽名を名乗りリーハンプトンの無憂荘(サン・スーシ)へと単身向かう。

長期滞在の手続きをして滞在客と挨拶。するとそこにブレンキンソップ夫人という偽名を名乗る妻タペンスが!w
ふたり仲良くドイツのスパイを探り出すスリルとサスペンスの冒険。

だが、前半は何も起こらず地味展開。そこに普通にいて普通の生活をしている英国人たちの世間話。
当時の英国の人々のヒトラー観、ドイツ人観、アイルランド人観、ソ連観などを知れる。英国にもドイツに共鳴するファシストは存在していた。

半分まで読んで、ロンドンから疎開してきた若い母親の2歳の娘が外国人に誘拐される事件が発生。敵の正体に気づいたトミーも囚われの身。

だが、タペンスはぼんやり天然のようでいて、敵を上回る罠をしかけていた!
ラストでスパイMの正体が明かされるのだが、自分は過去のクリスティの手口から予想の範囲内だった。それほど意外でもなかった。

クリスティ女史の痛快な傑作スパイスリラー娯楽作!充分に楽しめた。自分、この本で初めて「第五列」という言葉を知った。

2019年2月18日月曜日

Perfume「FUTURE POP」ツアーをWOWOWさんが放送

Perfume 7th Tour 2018「FUTURE POP」2018年12月12日横浜アリーナ公演の模様を、2月16日にWOWOWさんが放送してくれた。

WOWOWさんは毎回ツアーの様子を放送しているのだが、ツアーは久しぶり。わくわくして鑑賞。

自分は2nd「GAME TOUR」からすべて行っていたのだが、今回のツアーを欠席してしまった。8年ぶりに開催されたファンクラブトゥワーも行ってない。
横浜アリーナは⊿ツアーのとき追加含めて4回行ったはずw 毎日東京横浜の往復で疲労困憊していた記憶。大阪や名古屋も行った。あれはさすがに行き過ぎた。

横アリはコンサート専用アリーナとして生まれ変わったらしい。ひとつぐらい行きたかった。
以前はオタとして他のオタには負けたくない!という強い欲求があったのだが、もうそんなことにこだわっても仕方がないと思うようになっていた。もうライブもそれほど行きたいという欲求もない。ライブは若いもんに任せて自分は放送で楽しむとするか、という心境。

背景に映りこむ映像が大変に力が入っていてすごいのだが、ミニマルと簡潔さも感じた。照明、テクノロジー、衣装、コレオグラフ、そして中田ヤスタカの先鋭な音楽の総合芸術メガコンサート。

2018ツアー12月12日横浜アリーナのセットリストは以下の通り
01.Start up
02.Future Pop
03.エレクトロ・ワールド
04.If you wanna
05.超来輪
06.FUSION
07.Tiny baby
08.Let Me Know
09.宝石の雨
10.Butterfly
11.スパイス
12.TOKYO GIRL
13.575
14.Everyday
P.T.A.のコーナー
15.FAKE IT
16.FLASH
17.Party Maker
18.天空
19.無限未来
今回のWOWOWさんの編集では13曲目「575」はカットされた。

あ~ちゃんソロ歌唱で始まるButterflyに驚愕!この曲はGAMEツアー以降、ずいぶん長い間やったことなかったのではないか?新たに振付をつけたんだな。
初めてみる振付が多かった。「スパイス」もいつ以来なのかわからない。なんか、感動。
PTAのコーナーをずいぶん長い時間やってた。会場に医者や弁護士、IT社長がいないか聴いていた。3人はそろそろ結婚を意識している年頃。

なんか、しばらくライブに行かないうちに「歯磨きの歌」じゃない知らない歌をやってた。「あーってやって♪ いーってやって♪」

グループ分けは「さん・じゅっ・さーい(30歳)」今月15日にあ~ちゃんが30歳のバースデーを迎えたことで、Perfumeは3人とも30代に突入。

3人のスタイルがアスリートのように細くて、その完璧な美しさに改めて驚愕!みんな美容と健康には相当なケアしてるに違いない。
自分、男というものはいつまでも20歳前後のグラビアアイドルみたいな体型が好きなままのかかな?と、以前はちょっと心配していたのだが、Perfumeもまさみも30歳ぐらいの体型を一番美しいと感じるw

Perfumeのコンサートは新規で若い人も増えていると感じた。それでいて30代40代がまだまだ主力として現役で頑張ってるという。

自分にはもうすでに2020TOKYO新国立開会式の映像が見えている。Perfumeが出ない民族の祭典はありえないと考えている。それさえ見届ければ3人の結婚も容認できる…かもしれない。

2019年2月17日日曜日

ルドルフ・キッペンハーン「暗号攻防史」(1997)

文春文庫にルドルフ・キッペンハーン「暗号攻防史」(1997)という1冊がある。100円だったので買って読んでみた。2001年に日本に紹介された本。
CODE BREAKING by Rudolf Kippenhahn 1997
暗号の歴史読物としてもっとも安価で入手しやすい本のひとつ。インド系英国人サイモン・シンによる「暗号解読」(新潮社)より10年古い。
ドイツ人が主にドイツ人に読んでもらうために書いた本?平文としてところどころドイツ語が出てきたりする。

人類と暗号の歴史トピックを冒頭でささっとおさらい。このドイツ人ライターはなんとゾルゲ・スパイ団の無線技士マックス・クラウゼンの使用した暗号から書き始めている。これはサイモン・シンの本にはなかったトピックだ。

ジュール・ヴェルヌの小説「マティアス・サンドルフ」に登場する型紙暗号、アメリカ海軍が第2次大戦中まで使用していたジェファーソン・ホイールもシン「暗号解読」には取り上げられなかった気がする。暗号とは言えない秘匿暗号もさらっと触れる。

そして、第一次大戦におけるコードブック暗号でのドイツの手痛い失敗。マグデブルク座礁事件からツィマーマン電報が英国経由でアメリカにバレるまで。

カエサルの単一換字式暗号、ヴィジネル暗号、その他の暗号戦史をおさらい。
ここはシン「暗号解読」とだいたい内容で被っているのだが、扱う種類は多い。
この時点までは世界は単純な暗号を使っていた。そしてエニグマへ。

著者がドイツ人だからか?エニグマが解読されるまでの記述が多い。
アラン・チューリングという天才と悲劇についても触れる。シン「暗号解読」とかぶるけど、初めて聞くエピソードも書いてある。
ポーランドチームが解読に大きく貢献したことが強調されている。英国は不当に自国の貢献を強調してると不満を述べている。

そして公開鍵暗号、素数の問題と続くのはシン「暗号解読」とほぼ同じ。
「暗号攻防史」は銀行ICカードと暗証番号、電子マネーに関する説明が多い。このへんになると自分は読んでもなんとなくしかイメージできなくなる。
暗号の未来と量子コンピュータにちょこっと触れるけど、シン「暗号解読」ほどではない。

今後日本人はプログラミングが必修科目となっていくらしいが、暗号と素数と公開鍵暗号と電子マネーについて、自分もちゃんと学校で教えてほしかった。

2019年2月16日土曜日

本田翼「ゆうべはお楽しみでしたね」

本田翼は気づけばドラマ出演が絶えない人気女優。今回はMBS製作(関東ではTBS)の深夜ドラマ「ゆうべはお楽しみでしたね」

これ、マンガ原作があるらしいが、「ゆうべはお楽しみでしたね」というタイトルが、一体どんなドラマなのか?まったく想像できなくて素晴らしい。おそらくほとんどの人が一生涯一度も言わないセリフかもしれない。

ドラクエゲーマー本田翼が一緒にゲームをするべく岡山天音と駅の外で待ち合わせ。
これ、完全に「モテキ」の藤本幸世じゃん!アイコンから勝手に相手を同性だと思い込んでいた点も一緒。
待ち合わせ場所が京王堀之内というビミョーさが素晴らしいチョイスw いまだかつてドラマの舞台になったことのない駅ではなかろうか。ネイルサロン勤務の本田が史上空前にギャル。

主人公(岡山)はアニメショップでバイト。親から相続した一軒家に住んでいるという羨ましい設定。この設定もあまり見かけない。
でもってふたりは一緒に住むことに。男の側は相手を異性として意識しまくるが、女は眼中にない感じ。ときどき優しく対応するけどツンデレ。これはたまらない。

本田の親友(筧美和子)が主人公を強引にホテルに誘うとか、ヒロインはそれと知らずに嫉妬ともやもや感。だがやがてだんだんと…という、恋愛ドラマでよくある展開。新鮮さとベタさのいいバランス。このドラマは面白い。

普段家でゲームをしているリアルな本田を見ているかもしれない…と感じることはファンにはたまらない喜びのはず。こういう目をして画面を見てるんだ。

ゲームしかしない男がゲームしかしない美女と出会って恋をする話。それはすべてのオタの夢。
今後も注目…と思いきや!全6話で終了。びっくり。最後まで「モテキ」と同じ展開でびっくり。本田翼の愛くるしさは安定の高水準。
そして、平成最後のフジ月9ヒロインに本田翼が決まったようだ。平成と後平成をまたいで本田は人気女優。

2019年2月15日金曜日

ラリイ・ニーヴン「インテグラル・ツリー」(1983)

ラリイ・ニーヴンというハードSFの巨匠作家の本を初めて読んでみた。
そこに「インテグラル・ツリー」(1983)の1986年ハヤカワSF文庫(小隅黎訳)1992年第4刷が100円で売られていたので買っておいたもの。
「ナウシカ」を見てすぐに読み始めた。きっとナウシカのような独特の世界の住人の戦いを描いていたはず。
THE INTEGRAL TREES by Larry Niven 1983
実は自分、この本を15歳か16歳ごろ読んでみたことがあるのだが、世界観がまったくイメージできず途中で挫折した。

T3(恒星)から2.5×10⁸キロはなれた中性子星をドーナツ状にとりまくガス円環体の中にあるスモークリング内部は水や泥や植物が漂う世界。そこにインテグラル記号の形をした巨木が浮遊。
恒星間旅行でたどり着いた人類の子孫の成れの果てが、樹に寄生する形で独自進化。

汐力(タイド)という重力がある樹の端房で、綿状の葉っぱを食べたり、キノコやら他の生物やらを狩ってなんとか小さな集落をつくって生き抜いてる。引力が弱いので人間は背が伸びている!?

日本の縄文と弥生時代の間のような感じ。階級があり、勢力争いや他の部族と戦争。こんな世界で生きていくのはつらい。

これを正しく作者のイメージした通りにその世界を脳内に描けているひとはほとんどいないに違いない。読んだ人が100人いれば百通りの映像になっているはず。自分の想像力ではとてもイメージし難かった。
素晴らしい表紙イラストがなければ自分はその世界をまったくイメージできなかった。

人によっては楽しめるかもしれない。だが、自分にはその世界観に驚嘆しつつも、それほど楽しめなかった。世知辛い生存競争。自分はあまりオススメできない本だった。

2019年2月14日木曜日

Perfume「音楽と人」2018年9月号 Future Pop

Perfumeが表紙の「音楽と人」2018年9月号 がそこにあったので手に入れた。昨年夏のFuture Popリリース期の最重要インタビュー掲載号。

これ、公式からもアナウンスが出ていたはずだけど、めっきり書店へ行かなくなったために買いそびれていた。5か月ほど経って100円でゲット。表紙がちょっと凸面に弛んでいる。

この号も10年以上Perfumeにインタビューを続けている金光氏による。3人それぞれ個別にインタビューした後に3人一緒のインタビュー。これがなかなか面白い。
この号もまだまだバックナンバーが買えるようなので、それほど多くは引用しないで感想のみを書く。

まずは、チャットモンチーの武道館公演を見届けて来たというあ~ちゃん
愛するバンドの最期を見届けて、自分たちと重ねることはないか?との問いに
「最近はそういうことを考えなくなりました」「Perfumeにその日が来るなんて、まだ思わないですね。」という言葉が頼もしい。
その一方で「Perfumeは絶対に続いていかなきゃいけない、って使命感が今はない」とのこと。

あと、あ~ちゃんは英会話の個人レッスンをしているらしい。ずっとロスに住んでいた日本人ギャル先生らしい。あと、ヨガも始めたらしい。職人さんのつくるでっかいベッドも手に入れたらしい。
これまでを振り返って、ポリリズムのときは「いい思い出ができた。もうアイドルに後悔はない、ってしみじみしてたところもあった」と語る。
あとはもう、最良の結婚ぐらいしか手に入れるべきものがないかもしれない…。

そして2年後に迫った東京オリンピックについての注目の発言。
金光氏の「何か進んでる?」との質問に、あ~ちゃん「いや、全然(笑)」「そんな権力持ってない(笑)。でも東京オリンピックで何かやりたいんですよ!お願いします!何でもします!」まだまだ野望があるって素晴らしい。

自分、かなりガチでPerfumeは開会式のステージに立つべきアーティストだと思っている。今後、方々で声を大にしてPerfumeしか適任はいない!と言って回りたい。
今のところ候補者はPerfume、スカパラ、椎名林檎、宇多田ヒカルあたりではないかと。間違ってもザイルや秋元AKBG、オノヨーコ、和太鼓、木遣り、獅子舞、アメリカでだけ有名な日本人ガールズバンドのたぐいでないことを祈りたい。

次に、「30近くなって『3人あわせてPerfumeです!』ってやってるとは思わなかったけど」というかしゆか
中田さんからFuture Popの音源をもらったとき、「できる限りいい音響で聴いてほしい。パソコンで聴くの絶対禁止。いい音響がないなら聴かないでほしい」とまで言われていたことが面白かった。
「ちょっとしたノリで動くことが、自分の人生を楽しくする一歩」という名言も残す。

そして、ゲーム実況を見ることにハマり「Dead by Daylight」という「残酷なゲーム」をバンバンやってるというのっち
30歳の誕生日について「あと2か月ぐらいで女の門出を迎えるんですよ!」という発言が新鮮w

今が一番楽しいというのっち、「そう思えば思うほど、これが最後かもしれないな、って思うことが多くなりました。」とのこと。
「不安はないですね。皆さんからの愛情も強く感じてるし、体力的な不安もない。まだまだ踊れそうだし。その期待に応えられるようにがんばります」という名言を残した。

3人一緒のインタビュー。8年ぶりのファンクラブトゥワーで「Take me Take me」を披露した件について、
あ~ちゃん「ハタチでTake me~♪って可愛いじゃないですか。〈お、連れてっちゃおっかな!〉って思うでしょうけど、29歳の〈Take me~♪〉はちょっと重いっす(笑)」
あと、「1日2回公演は膝が笑う。もう2回公演はやめようって幕張で決めました」も可笑しい。

みんな相変わらず面白い。この号のインタビュー記事は多くの人に読まれてほしい。アミタマリ氏によるグラビア写真も秀逸。

2019年2月13日水曜日

FATBOY SLIM / The Greatest Hits REMIXED (2007)

友人と食事に出かけた先の近くにHOがあった。よせばいいのに、何か暇をつぶせる面白いものでもないか?とジャンク品やCDを物色。煩雑にジャンクCDがぶちこんである青い箱の中からこいつを救出した。

FATBOY SLIM / The Greatest Hits REMIXED (2007 Skint Records / Sony Music Japan) の国内盤2枚組
ジャンク品なので盤に細かい傷が多少目立つものの108円なのでつい購入。

FATBOY SLIM / The Greatest Hitsはあまりに安価で中古でよく見かけるのだが、自分はあのタバコ片手に自信満々デブ少年が街を闊歩してるジャケットが好きでないので持ってなかったw

ファットボーイスリムの素材を、原形をとどめないほど自由にREMIXした21曲プラス、国内盤のみ「Because We Can」をボーナストラックとして付けたもの。

実は自分はBecause We Canの音源を持ってなかった。日本人ならみんな知ってる「M1グランプリ」で聴いてる「ガンガンガンガン」言ってるあの入場SE曲w
こいつが乃木坂46山下美月の目覚まし推薦曲らしい。こいつを朝からかければスッと起きれるらしい。

Disc2のTrack01「Don't Let The Man Get You Down」が「この感じ、なんとなく 記憶が!」と思ったら、(Justice Mix)だった。

Disc1のTrack04「Weapon Of Choice」は (Junkie XL Mix)
Disc1のTrack08「Sunset (Bird Of Pray)」は (Darren Emerson Mix)

Disc2のTrack04「The Journey」は 日本人の耳に馴染む(The Fantastic Plastic Machine Red Special Remix)

2019年2月12日火曜日

鈴木友菜がなかなかブレイクしてくれない

non-noモデルの鈴木友菜(26)のブレイクが近い!と昨年のいまごろ書いたのだが、自分の思うとおりになっていない。

テレビに出るようになっていない。non-noでしか目にしない。日々、ツイッターとかで情報を追っているのだが、世間にあまりツイートされていない。これは一体…

痩せててスタイルがいいのに、胸が大きくグラマラス。それでいておっとり癒しの雰囲気。これは男性人気に火がつきそうだと1年半前ごろは強く感じたのだが。
SEVENTEENモデルだった5年前と比べて、今の鈴木友菜はとても美人。
non-noでは趣味の邦楽ロックのインタビュー連載ページを持っている。

non-noでの人気も新川や新木に及ばないのかもしれない。このままいくと佐藤ありさの二の舞になるかもしれない。そのうちミュージシャンと熱愛スクープが誌面に載ってしまうかもしれない。それは哀しい。

もう本人は女優にもバラエティにも関心がないのか?このままではファッションの世界のみの住民で20代を終えてしまうのでは?という危機感。

動く鈴木友菜はソフトバンクのCMぐらいでしか見られない。しゃべりがちょっと少女っぽすぎるかもしれない。

同じ年の本田の活躍ぶりをみると鈴木ももうちょっと活躍する余地はあるはずだ。誰か早く鈴木をブレイクさせてくれ。

2019年2月11日月曜日

イザベラ・バード「日本奥地紀行」(1885)

明治11年(1978)6月から9月にかけて、東京から粕壁を経て栃木日光へ入り、会津、新潟、山形、秋田、青森、北海道を苦難の旅をした婦人旅行家イザベラ・バード(1831-1904)の「日本奥地紀行」を読んだ。

この本は大変有名な旅行記。15年ほど前から何度もパラパラとめくって挿絵を眺めたり、一部を拾い読みしたりしてたのだが、今回、初めて最初から最後まで読み通した。
Unbeaten Tracks in Japan by Isabella L. Bird 1885
調べてみたら、平凡社東洋文庫には前4巻からなる新訳完全版も存在する。だが、今回自分が読んだものは高梨健吉訳の「普及版」(1973年 東洋文庫240)

1878年といえば日英修好通商条約によって江戸に英国代表部が置かれてから20年。西南戦争が終わって1年後。
西欧諸国からはまだまだ日本は謎の国。そんな時代に英国婦人(47歳)が外国人未踏地を一人旅。

では読んでて思ったことを
  • 一体何がそこまでさせる?!という苦難の旅 この人は生活のために働かなくていい階級。パークス公使のはからいで無制限に北海道まで陸路の旅ができた。婦人が一人旅をできるような国は当時世界で日本ぐらい?だが、それは日本人もしり込みするような過酷な旅だった。なにせ当時の日本人は数マイル先の情報も何も持っていない。
  • 書かれていることが率直すぎ!w 妹にあてた手紙がベースになっていて、日本人に読ませる想定でなかったためか、とにかく正直に辛辣な意見も包み隠さず書いている。だが概ね日本人の親切さと礼儀正しさには好意的。ほとんど浮浪者がいない。みんな働いている。
  • 蚤と蚊の大群! 一体なぜ?というほどに、どの土地に行っても大量の蚤と蚊に悩ませられている。防ぐ方法が蚊帳ぐらいしかない。当時の日本人には毒虫の防御方法が何もなかった?
  • 日本の内陸の村々が極貧で不潔!悪臭が酷い 150年前の日本の田舎の記述が読んでいて哀しくなる。おそらく生活排水の垂れ流しや肥溜めのせい?
  • 皮膚病患者が多い 毒虫に刺されまくって皮膚がただれ炎症を起こしているケースが異常に多い。大人も子供も。こどもたちの半数は疥癬しらくもに冒されている。しかも医療も受けられない。
  • 眼病患者が多い これは日本の農村の特色?眼炎をおこしてる人が異常に多い。明治時代になってもこれだと江戸時代以前は失明する人がもっと多かったに違いない。
  • 行っても行っても泥の道 日本の陸運はほぼ存在していない。文明国として歩みだした日本政府に対して「まず道路をなんとかしろ!」と建白。通常の外国人のように、大きな街道沿いの宿場町を観光旅行してればこんな目には遭っていない。
  • 馬がいない 当時の日本はやせ細った貧相な駄馬しかいなかった?泥道に躓く馬が多い。この馬に乗ることがよほどの苦行だったらしい。落ちないように必死。バードさんは背中を痛めて体調を崩している。
  • 食べ物が酷い 西洋人は肉を食べたがるのだが当時の日本では入手が困難。臭い米(雑穀)、味のついてない野菜、塩魚、ひどくいやなもののスープ(味噌汁)などを食べる勇気がすごい。
  • 日本男子の体格が貧相 日本に上陸した当初から日本の男が小柄で痩せて肌につやがないと指摘している。胸が凹んでいてみすぼらしいと指摘。洋服が日本人をさらにみすぼらしく見せる。
  • 50歳ぐらいだと推測していた女性が22歳と判明してショック! 当時の日本人女性はあっという間に老けてしまったらしい…。
  • 新潟をこき下ろしている 当時すでに開港していた新潟だが、信濃川が砂がたまりやすく港としてほとんど機能していない。外国船もほとんど入港しない。気候が悪い。
  • 秋田を褒めている バードさんは各地の町並みをもれなくみすぼらしいと酷評してるけど、西洋料理にありつけた久保田(秋田)は褒めているw 自然風景はたいてい褒めたたえる。山形の米沢平野は桃源郷!?
  • 日本にはプライバシーというものがない 外国人というものを初めて見た明治11年東北日本海側の人々。千人、二千人が珍しい外国人見物にやってきた!好奇心が強いのかもしれないけど、みんなぽかんと口を開けてただ見てるw 障子に穴をあけて覗いたり、勝手に襖を開けられたり。宿屋の主人から帰れと言われても「こんな見世物を独占する気か!公平に見せろ!」w
  • 一目見て逃げ出す子どもまで! 猿回しの大きな猿だと思われ憤慨のバードさんwま、日本人は1970年の大阪万博でも外国人というだけでサインを求めたぐらいだからな。
  • 日本人のこどもへの愛情 こどもたちと遊ぶ大人たちが楽しそう。こどもへの愛情を「崇拝」と表現。「私は、これほど自分の子どもをかわいがる人々を見たことがない。子どもを抱いたり、背負ったり、歩くときには手をとり、子どもの遊戯をじっと見ていたり、参加したり、いつも新しい玩具をくれてやり、遠足や祭りに連れて行き、子どもがいないといつもつまらなそうである。」「私は日本の子どもたちがとても好きだ。私は今まで赤ん坊の泣くのを聞いたことがなく、子どもがうるさかったり、言うことをきかなかったりするのを見たことがない。日本では孝行が何ものにも優先する美徳である。何も文句を言わずに従うことが何世紀にもわる習慣となっている」英国人はこうじゃなかったんだなあ。
  • 礼儀正しい警官もいればそうでない警官もいる 人だかりができると追い払ったり護衛もしてくれる。だが、何度もしつこく旅券を調べる警官は邪魔でしかない。
  • 秋田から青森にかけて集中豪雨に遭っている 東北は連日の雨でさらに悪路に。濡れた衣服を着ないといけない。泥だらけでボロボロになり果てる…
  • 伊藤 バードさん以外でただ一人のレギュラー同行者。従者にして代理人通訳で秘書にしてネゴシエイター。この青年が大変に有能。英語学習意欲も高い。バードさんの旅が無事に終わった最大の功労者。忠実な仕事ぶりで高く評価されるべきだが、バードさんはところどころで「巧妙に上前を撥ねている」「態度が不愉快」などこき下ろしているw 読んでる最中はわからなかったのだが、巻末解説によれば伊藤は18歳だったらしい。それはびっくり。室蘭ではいつのまにか現地娘と仲良くなってるw
  • 後半3ぶんの1がアイヌとの交流 アイヌの集落に滞在してアイヌの風習を観察するバード。伊藤から嫌がられる。伊藤「アイヌ人を丁寧にあつかうなんて!彼らはただの犬です!人間ではありません。」とか、この時代の標準的日本人の認識だったのかもしれない。日本人はみんな好奇心が強く西洋人女性の自分に注目するけど、アイヌ人はじろじろ見たりしない。いろいろ学術的にも貴重な記録。
という婦人旅行家が妹に語りかける素晴らしい19世紀ニッポン大旅行記。文明開化と無縁な田舎の旅。
昔の旅行記を読むと、一緒に過去の時代を旅している気分になれる。

ポリコレとか関係ない時代、心の声をぜんぶぶっちゃけてる旅行記は面白い。
バードさんは日本の音楽が嫌いだったっぽい。三味線も調子はずれの唄も騒音にしか聴こえなかったっぽい。「日本人の車夫はひとりにすると歌い出してかなわん。アイヌ人は静かでいい」とかw

この本は一度は読んでみることをオススメ。NHK大河でイザベラ・バードをドラマ化希望。シャーロット・K・フォックスを希望。
自分も昔ヨーロッパをリュックサック一人旅をしたことがあったのだが、日々怒りのあまり日記に「イタリア人ファック!」とかそんなんばかり書き連ねていたw そしてその日記帳もチェコでスリに遭って失うという。

2019年2月10日日曜日

深川麻衣「日本ボロ宿紀行」

元乃木坂46の深川麻衣(27)が主演しているテレ東深夜ドラマ「日本ボロ宿紀行」を見ている。

乃木坂卒業生で一番女優として活躍しているのは深川かもしれない。初主演映画が評価されTAMA映画賞で最優秀新進女優賞を受賞したことは本人もファンも誇るべき実績。
(松井玲奈のほうが女優として活躍しているのは確かだが、乃木坂ファンは誰も松井を乃木坂卒業生と思っていないらしい)
自分はこのドラマを勝手に「孤独のグルメ」みたいな半ドキュメンタリーテイストを期待していたのだがやや違っていた。毎回ボロ宿を紹介しそこが舞台にはなっている。

父が亡くなり芸能事務所をひきついだ女社長兼マネージャー(深川)の趣味がボロ宿に泊まることだった。ただ一人残った一発屋中年男性歌手と地方ドサ回り営業へ出かけるついでにボロ宿に泊まるという話。ちなみに、ドラマ中に登場するボロ宿は実在する。

男性歌手がこの音楽性だと地方回りもなかなか難しいのではないか?人間と再生と出発のドラマ。
深川が確かな芝居をしていて熱い。深川は女優としては美人というわけでも可愛いわけでもないので、こういった深夜ドラマで個性派女優的な役回りは適切だと思われる。ダメ男を叱咤し有能に立ち回る「できる女」も適役。

裕福でない自分もこれまで何度かボロ宿に泊まっている。福岡では増改築を繰り返した普通の民家にも泊まった。石垣島では畳の床が傾いた民家にも泊まった。熊本と宮城では廃墟ビルのようなホテルにも泊まった。そういったホテル民宿のほうが忘れられない。

毎回冒頭ナレーションでこのドラマの趣旨が説明されるのだが、「日本はまだまだ廃れている」ってちょっと違和感。日本の地方が今後発展していくことはもうない。日本の荒廃は本格的に始まったばかり。
ちなみに、深川麻衣は俺のまさみと同じく静岡県磐田市の出身。

2019年2月9日土曜日

上九一色村

一年で一番寒い時期に友人と山梨方面にとある目的でドライブに出かけた。そのとき上九一色村にいい感じの郵便局を見つけた。
上九一色郵便局の建物。まるで大正時代。何かのロケにでも使ってほしい。
こういうものがちゃんと保存維持されている苦労をしのぶ。
この郵便局のある集落が道がとても狭い。日本の村は村内の道路を拡張しようとはまるで考えないらしい。
我々はこの集落のはるか低い場所を走っている広い車道にちょっと車をとめて、坂を上ってたどり着いた。
畑の向こう側に何か高札が見えた。だが、そこまで行く道がない。しかたなく幅50センチほどのあぜ道を歩く。どうやらこの地を支配した一族の墓らしい。

自分は「いい感じに寂れた村」を見るといつも「金田一さんが歩いていてほしい」と想う。この村もそんな感じだった。
上九一色村というと、ある年代以上の人はみんな否応なくある事件を思い出す。でも、いい意味でだいぶ風化したんじゃないか。

2019年2月8日金曜日

長濱ねる「かんざらしに恋して」長崎発地域ドラマ

2月6日BSプレミアムで長崎発地域ドラマ 「かんざらしに恋して」が放送された。単発のローカル1時間スペシャルドラマ。ぶっちゃけ長濱ねるが出演しているから見た。

劇場を持たない坂道グループはその活動開始初期から劇団を志向していた。独自に公演など行っているものの、ほとんどそれはメンバーたちだけによるオタのための公演で、オタはそいういう活動を「村内活動」と呼び蔑む。
だが、今回の長濱ねるのように、非オタが見るドラマに単独出演することを「村外活動」と呼び讃える。長濱ねるという名前がクレジットされるNHKドラマ出演は偉業。
長濱ねるほどアイドルとしてとてつもないスケールを感じさせる存在は他にいない。こういったふっくらどっしりした肉感と存在感は一部の男子たちに心の安らぎとトキメキを与える。
のんびりおっとりした方言トークが癒し。知的なようで意外に天然で常識を知らなかったりするギャップも良い。しゃべりもかわいい。ねるはまだまだ多くの可能性を秘めている。
今回の役どころが現代的でクールな長崎地元民バイト。劇中でビールを飲んでるシーンがあるから大学生かもしれない。

で、ドラマ自体の感想だが、こいつが現代の日本の地方にある問題そのもの。見ていて絶望感と不快感しかなかった。

長崎スウィーツ「かんざらし」の名店を復活させる町興し。市が甘い言葉で誘い、退路を断って東京からやって来た若者に対し、「こんなの違う」と罵倒し拒否する地元の老人たちが酷い。客にすぎないのにバイト娘に「店長を呼んで来い」と命令するとかどんだけ偉そうなんだ。

断絶したものを再復活させることがどれほど難しいか!(だからクジラ漁を止めちゃいけない)
期待した味じゃなくても「偽物!」とか「東京へ帰らせろ」とか直接的に言うなよ。云うとしても英国紳士のようにやんわり言え。
失敗すれば「税金ムダにして!」とか言う。成功すれば手柄を独り占め。最悪な人間性としかいいようがない。

UターンIターンした人たちにゴミ置き場を利用させないニュースとか聞くと哀しい。老人たちはひっそりと誰もいない場所で死んでいきたいのか?南青山民も。

遠藤憲一(いかりやさんにしか見えなくなってる)が演じるへらへら軽くて頼りにならない何も考えていない市の職員にイライラ。こういう公務員ってリアルにいる。
前野朋哉が市長役でびっくり。みんなうすっぺらい。あ~、ドラマなのに見ていて気分悪いw
コーヒーと紅茶を間違えたとねるにクレームを言う女に怒り心頭w たとえそうであっても可愛いマスコット店員にそんなこと言うなよ。ムカついてるねるがかわいいw
「態度が悪い」とかいってキレてるやつのほうが大抵もっと普段から生活態度が悪い。「不寛容は恥」って社会にもっと徹底させたい。

接客態度についてねるに諭そうとする貫地谷しほりもうすっぺらい。店と店員を特定できる表現で辛辣な書き込みとかするやつの意見は放っておけ。ただだまって二度と行かなければいい。自分なんて、ずっと利用していた某池袋の家電量販店で3連続嫌な目に遭わされて以後8年間一度も行っていない。それが英国紳士的態度w
で、貫地谷しほりが苦心の末に正しい製法と本来の味に到達するのだが、そいつを食べさせられただけで老人たちは考えを改める。恥ずかしいぐらいうすっぺらいw 

けど、1時間ドラマなら仕方がない。貫地谷は破綻しかけた夫婦関係、遠藤は普賢岳火砕流で亡くなった親友というエピソードを挟んでかろうじてドラマを構成。

ちなみに自分はかんざらしというものを全く知らなかった。名前から寒天のようなものを想像していた。たぶん白玉みつ豆みたいなものだろう。