2018年2月19日月曜日

吉村昭「海も暮れきる」(1980)

吉村昭「海も暮れきる」という本がそこにあったので買って帰った。自分が手に入れたのは1985年版講談社文庫の1992年第3刷。100円。

尾崎放哉(1885-1926)という俳人の小豆島での晩年を描いている。自分はこの人を「咳をしても一人」の自由律俳句の人という知識以上のものはもっていなかった。放哉を知りたいというより吉村昭の本だからという理由で手に取った。

この本を読み始めてすぐに後悔した。あまりに悲惨すぎてもはやホラーだと思った。読んでいて他人事だと思えず苦しすぎた。
端的に説明すると身寄りもお金もない独居中年男闘病孤独死日記。こんなに読んでいてつらい本は初めて。

俳人なのだから、俳句で生活していたのかと思っていた。間違っていた。俳句で食べてはいられない。

一高から東京帝国大学法学部を経て生命保険会社で要職を勤めるエリートだったのに、あまりの酒癖の悪さから人生を転落。満州へ渡りそこでも酒で問題を起こす。酔うとやたらと狂暴になって他人を見下し攻撃し顰蹙を買う。
会社をクビ。夫人と別れ京都、須磨、浜田を寺男として流浪。托鉢などして生きながらえる。寺の勢力争い嫌気がさす。やっぱり酒で問題を起こして追い出される。

大学時代の先輩で「層雲」を発行していた俳人・荻原井泉水の紹介で小豆島へ渡る。井上一二という醤油蔵を営む俳人を頼るのだが、この人は大して親しくもない他人。
あとは寺の庵に住んで巡礼者の賽銭を糧に、足りないぶんは食べ物を分けてもらう極貧生活。日々俳句を作って暮らす。

この人は生活をする能力がなかった。働く気力も体力もなかった。ひたすら金の無心をする手紙を書く。それも大して親しくもない人々へ甘える。プライドが高いのに卑屈で心が不安定。相手の表情から蔑みや困惑を敏感に読み取る。井上も住職も不親切だと心で罵りいらだつ。で、金もないのにやっぱり酒に逃げて問題を起こす。

自業自得、自己責任という人もいるかもしれないがこの人は肺病を患っていた。寒さに震えるも炭も買えない。はげしく咳をして熱を出して寝込むのに薬も買えない。
それでも自分の俳句を評価してくれる少ない人がたまに多少のお金を与えてくれたりする。ガリガリに痩せ廃人同然になっていく。貧乏が寿命を縮めた。

肺病は悪化すればするほど頭が冴えるらしい。絶望の中で傑作を残した。
なにがたのしみで生きてゐるのかと問われて居る
自分も同じ。生きててそれほど楽しいこともない。他人事じゃない。

戦前の日本の農村部の貧困の酷さは知ってるつもりだったのだが、住宅と衣服と最低限の食料と暖房と医療がないと絶望的に悲惨。ソ連(ロシア)の50代以上の人々は西側の人々は哀れだと教えられて育ったそうだが、それはあながち間違っていない。とにかく日本は今も貧しい。

放哉には小豆島に渡る前に台湾に行くという選択肢もあった。台湾なら寒さに震えることもなかったかもしれない。
それに地方であっても都市部の郊外なら、寺子屋でこどもたちに英語でも教えて収入を得られただろうに…と思った。だが、肺病の先生にこどもを預けたい親はこの時代にはいないか。

享年42歳。読んでる最中は90歳ぐらいの老人のように思えた。1日1日がサバイバル。

吉村昭も若い自分に結核で死を意識した。放哉には親近感を持っていた。書簡などを調べてこの本を書きあげた。放哉の心理を読み取って補完して読者に伝える。

とにかく暗い気分になる1冊なので、よほど人生が充実して豊かな人以外は読んではいけない。自分もこんな最期を迎えるかもしれない…って気分になる。

2018年2月18日日曜日

長澤まさみ「ドラゴン桜」(2005)

2005年夏にTBS系で放送され大反響だったドラマ「ドラゴン桜」を12年ぶりに正月に見た。数年前に録画した再放送をようやく見る気になった。

超底辺高校にやってきた債権者代表弁護士が「東大に行きさえすれば人生OK」と生徒たちをダマして学校を再建するドラマ。東大原理主義ドラマ。実際にこのマンガドラマを信じた人はいなかったと信じたい。
私立高校が潰れるという事態はありえそうだと想像できるのだが、債権者説明会があんなものなのか?先生たちが生徒以上に醜態をさらすものなのか?ドラマなのでいろいろ盛ってるかとは思う。
見た当時はとても面白く感じたけど、展開と結末を知ったうえで見ると期待していたほどではなかった。大学受験というテーマに自分はもう関心を失っている。

主演は暴走族上がり弁護士・阿部寛。ヒロイン英語教師は当時人気絶頂だった長谷川京子。長谷川の演技が今見てもかなり見劣りがする。それにぜんぜんかわいくないw

そして当時高校3年生だった長澤まさみが最底辺高校に通う生徒役で出演している。
生徒役の主演クラスが山Pとまさみ。3番手グループで新垣結衣、小池徹平、サエコ、中尾明慶も出演。サエコを除いてすべて今現在も俳優業で活躍中。サエコがたいしてかわいくないw 
その他の全校生徒はドラマの最初のほうだけでその後まったく出演シーンがないw
長澤まさみと新垣結衣、このふたりは約13年前から輝いていた。

この当時の新垣結衣はギャル役が縦続いた。ヒロインの友だちとか恋のライバルとか3番手4番手キャストとしてドラマに出演していたので致し方ない。しかも背が高いのでちょっと怖いギャル。それでも新垣結衣は人気爆発していった。
山Pをめぐる恋の三角関係も描きそうなものだが、そこはほとんどない。ひたすら大学受験をめぐるヒューマンドラマ。
今回見て驚いたのがメインキャストの生徒たちがほぼみんな演技が上手だが、なかでも長澤まさみが、贔屓目に見てることを差し引いても、演技が一番上手。表情のアップのカットが多い。時間が長い。

ドラマ中盤で小料理居酒屋を経営する唯一の肉親である母親(美保純)が脳梗塞で倒れるという、これから受験勉強をしないといけない18歳には厳しい試練が訪れる。ここから先、ぼんやり少女だったまさみは表情がガラッと変わる。
母親が倒れて最初の夜に山Pと橋の上で会うシーン、阿部寛に受験をやめると告げるシーン、校舎裏で「自分で言え」のシーン、「人生を180度変えるつもりが360度変わって元にもどっちゃった」のシーン、どれもがスーパー名シーン。
ここを見れば長澤まさみが10代から一流の女優であったことがよくわかる。時間をもたせて視聴者を引き付けられる女優は稀有な存在。
長澤まさみは2015年ごろから女性たちの間で「以前は嫌いだったけど最近は好き」という声が高まった。だが、そう思った人は鈍感だったとしかいえない。ぽっと出のアイドル女優はなかなか認められない。「ドラゴン桜」でのまさみの演技と清楚な美貌は誰が見ても圧倒的だったのに。
まさみは2005年当時から立派な演技をしていたしスタイルも良いし圧倒的美貌を持っていた。Tシャツ姿を見ればまさみが特別な存在だったことがよくわかる。
ギャルJK新垣結衣はこの時点ではカワイイと気づいていた人は多くなかったかもしれない。顔立ちがややユニーク。だが、制服の着こなしはさすが。
10代で演技を仕事にしたアイドルたちはたいてい「泣く」演技が最初のハードルになって淘汰されていく。生き残っていく人はみんなカメラの前で泣けた人達だ。それは日本芸能村の悪しき習慣と思いたい。
長澤まさみも新垣結衣も最初からそこで人と違っていた。まさみは清楚なヒロインをビシッと高い精度で期待されるものを出した。新垣も演技を始めた初期からギャルという自分の引き出しにない役柄を適切に演じきった。

母が倒れるまさみ、父蒸発で借金まみれの山下、ライバルがアイドルとして活躍してるサエコ、家に居場所がない小池、双子の弟が名門校に通う中尾。このドラマの生徒の設定がどれもドラマ脚本として素晴らしい。どう転んでも面白いはず。

立場が逆転されそうだからと試験本番に食中毒サンドイッチを渡す弟が最低すぎ。足元を見て楽器を安く買いたたくリサイクルショップも極悪。いろいろと社会の酷さを2005年当時の子供たち教えたドラマ。
模試会場にこんな服装で行く水野(まさみ)。周囲の男たちは試験どころじゃないだろう…って思った。

東大に行かないとダマされ続けるぞ!と言われた若者たち。その後10年、ダマされていないだろうか?
現在の日本の労働力不足は若者にとって有利な展開のはずなのだが、果たしてそうなってるかどうか。奨学金で親子2代自己破産とか、こどもが生まれてきたこと自体が間違いだったとしか思えない。どんだけ貧しい国なんだ。

富の公平な再分配のために、若者たちは何かサービスをしたら、羽振りのよさそうな中高年からはチップを取る習慣を社会全体に広めたい。
とくに竹中小泉のように日本をアメリカ化した人には、チップをくれなきゃ何もサービスを与えないというようなムーブメントを期待したい。

2018年2月17日土曜日

エラリー・クイーン「シャム双子の秘密」(1933)

エラリー・クイーン「シャム双子の秘密」の角川文庫新訳版(越前敏弥・北田絵里子 訳)を手に入れた。
2014年の初版だった。多少水ヨレしてる箇所があったけど100円という弱気な価格がついていたので買って帰った。
THE SIAMESE TWIN MYSTERY by Ellery Queen 1933
これ、たぶん10代のころ1度読んでる。ミステリーはオマケみたいな山火事ディザスター小説だった気がする。
今回、新訳版で読み返してみた。やっぱり山火事と「カニ人間」意外の要素は何も覚えていなかった。

愛車デューセンバーグで父クイーン警視と旅行中のエラリーくん。悪路を走行中に山火事に巻き込まれる。もうこの一本道を行くしか他にない。その先にある館を訪問。ひと晩の宿を請う。

こいつが山火事によって下界から遮断された館というクローズドサークル。山火事が迫りつつあるという切迫した状況で物語が進行。

そこで主人の外科医が書斎で射殺される。闖入者にすぎない2人は身分を明かして捜査開始。その場にいただけで上から目線で尋問されたり命令されたりする。もし自分が事件関係者になったら嫌だな。

トランプの「スペードの6」ダイイングメッセージから「夫人が犯人だ!」と決めつけるも、トランプは被害者が自ら掴んだものではないことに気づいて撤回。

次に、破かれたトランプと指紋の付き方のロジックから、犯人が左利きであることを証明して左利きの人物を捜す。こいつが犯人だ!
なんか、あてずっぽうなエラリーがやらかしまくり。

だいたい殺人罪はほぼ死刑の時代に、大した証拠もなく犯人呼ばわりされたら、誰だってパニくる。
得意げに犯人を指摘しておいて二転三転させるエラリーくんも酷いが、容疑者が逃ようとしただけで後方から狙撃し弾丸が肺に達する重傷を負わせる父クイーンもクズ。「だって犯人だって云うから」とか言い訳がヒドすぎる。

麓の消防本部から単葉機によって投下された手紙が「ごめん。あとはそっちで何とかして」感が酷すぎる。

相変わらず犯人を絞り込むロジックはわかるようなわからないようなもの。
だが、今回は警察の鑑識がいないので証拠もない非常事態。かなり特異な展開を見せる1冊で、犯人のミスリードの仕方は新鮮なパターンだった。

以前読んだときは山火事がどのようなものかよくイメージできなかった。湿潤な日本だと山火事といってもぷすぷす白い煙が立ち上ってる映像ぐらいしか見たことない。
だが、煌々と紅く山全体が燃えるカリフォルニアの山火事映像を見て初めて「シャム双生児」の山火事がよくイメージできた。

2018年2月16日金曜日

渡邊理沙「本当は全然ドSじゃないのに…」

ハッスルプレスさんが出してる「UNDER18 Cool アンダー18 クール」(2017年3月発行)というムック本がそこに100円で売られていた。表紙が渡邊理沙と小池美波の2冊あったのですかさずゲット。

これ、普通に買えば1冊1720円もする。生写真3枚ランダム封入というオタ買いアイテム小品。生写真が欠落してるにしても100円は弱気な価格。たぶん値付けを間違えてる。700円はつけてもいいはず。ISDNとか書いてない一般非売商品なので、おそらく中古店側が相場を把握できなかったに違いない。

いつも質の高いグラビアフォトを公開してくれるハッスルプレスさんには感謝しかない。この紙媒体はウェブで公開されてるものとは別カットか?比較してないのでわからないけど、こちらも相当にクオリティが高い。
特に優れていると感じるのが、1枚たりとも「その写真はかわいくない」というようなカットを選んでない点。

理沙さんのインタビューが掲載されている。「なんでクールって言われるんだろう?」「たぶん(欅書の)最初の人見知り部分が、収録中の発言とか雰囲気にも出ちゃったのかなって……」と、本当はクールじゃないのにと戸惑う理沙さん。

今現在AKBよりも坂道グループが隆盛なのは、小さい声でひと言発言して恥ずかしそうにするその恥じらいとハニカミぶりが、ドルオタ男子たちに受けているんだろうと思う。
男子が女の子をカワイイと感じる一番大事な要素は「恥じらい」。坂道の人気メンバーはみんなそう。(乃木坂では最近それが薄れつつあるように感じる)

ほんの一部だけ引用させていただく。クールと呼ばれ戸惑う理沙さんの心情がよくわかる箇所。

(ザ・クールと呼ばれることに慣れた?)
「もう抵抗はなくなりました。それをきっかけに私のことを覚えてくださったり、私と愛佳の組み合わせが好きで握手会に来てくださったりするファンの人がいるので、それはすごくありがたいなって」 
「ファンの人からはよく『全然クールじゃないじゃん』って言われますね。『冷たいのかな』って思われがちだから、握手会で不通にしゃべっただけで喜んでもらえることもあります(笑)。このキャラなので、最初のイメージよりも印象が悪くなることがないっていうのはすごくいいなって、最近気づきました(笑)」 
「だから今となっては、最初に"ザ・クール"っていう愛称をつけてくれた澤部さんには感謝です。あ、でも、クールはいいけど"ドS"はちょっと…」
クールではないと心の中で反抗しつつ、そう呼ばれることは悪くないって理沙さんは思ってた。それ、全然知らなかった。
近年のアイドルオタって、自身の「ドM性」をまったく隠さない人が多いな。ドMはもう恥ずかしいことじゃないんだよと。
すべての男は本当に愛おしい美少女の前ではドMなのかもしれない。可愛らしく気が強い美少女は「ドS」を期待されてしまう。
「握手会で『ののしって!』って言われることがすごく多いんですよ!何を言えばいいのか分からないのが本音です(笑)」 
「スタッフさんもそっちのほうがおもしろくなるのが分かってるから、私もそういうキャラでいたほうがいいのかなって。本当は全然ドSじゃないのに……。『ののしって!』って言われたら、いつも『早く帰れ!』って言ってます(笑)」
と、期待に応えてドSを演じてしまう理沙さんであった。いい子すぎて感動w
手慣れた握手勢はもう理沙さんにその話題はしないらしい。新参で握手に行く子もそこの話題は控えたほうがよさそうだ。
なお、このインタビューでは「オーディションに合格してから活動まで2か月空いたので、その期間に不安になって『やっぱやめようかな』と思った」「けど、もう世に名前が出ちゃってるし、ここでやめたらカッコ悪いかなって」とか注目の発言もしている。

「(アイドルとしてこうなりたいみたいなのは)模索中。」「無趣味なのでサーフィンとかスノボとか体を動かすことを趣味にしたい」などの発言も意外。この号は渡邊理沙が好きならぜひ持っていたい。

non-noモデルとしての活動も始めている理沙さんだが、まだ特集ページとかでは見ていない。なんとか人気モデルとしての成功を祈る。
この号は巻末の志田愛佳グラビアも素晴らしすぎ。インタビューでは志田さんもクールと呼ばれることに戸惑い「人見知りなだけ」と否定。志田さんによればメンバーで一番クールなのは織田奈那なんだそうだ。
志田さんが志田さんをよく理解してると感じてるメンバーは理沙、ねる、鈴本の3人で、何かあったらよく相談するのもこの3人らしい。

あと、高本彩花のグラビアページもある。高本はダンス歴が6年ある。高校は毎日がコントのように楽しく卒業したくなかったとのこと。
小池美波は「ギャグを返すこと」では他のメンバーに負けないという自信を持っているそうだ。「体力がない」「菊池桃子さんが好き」「恋愛に興味ない」などの発言も。

このイシューを手に入れると、いろいろと楽しい知識を得られる。

2018年2月15日木曜日

横溝正史「死仮面」

角川文庫の横溝正史「死仮面」を手に入れた。昭和59年版の昭和62年第7刷。こんな作品の存在を今日まで知らなかった。

その店にはこの時代の横溝角川文庫が20冊ぐらいあって歓喜したのだが、どれもとても状態が悪かった。以前の所有者がスナック菓子でもボリボリ食いながらページをめくったのか?ところどころ黄ばんでいて汚い。そんな中から2冊のみ選んだ。その1冊が「死仮面」。100円で購入。

この杉本一文イラストカバーの折り返しにストーリーのあらましがこう書いてあった。
昭和23年秋、「八つ墓村」事件を解決した金田一耕助は、岡山県警へ挨拶に立ち寄った。ところがそこで、耕助は磯川警部から、不気味な死仮面にまつわる話を聞かされる。
ここを読んで状態が悪くても買うことを決意。実は自分、金田一シリーズは昭和30年代以降の作品はあんまり好まない。戦後直後の悲しいものが好き。

実はこの「死仮面」という作品は1冊の本にまとまるまでにとても面白い経緯をたどった。横溝正史のファンならみんな知ってることらしい。

巻末の解説を中島河太郎氏が書いているのだが、この人物こそが今日この本を読めるようにしてくれた功労者。

昭和50年代に横溝正史作品のほとんどが角川文庫に収録されていった。昭和24年に名古屋で刊行された「物語」という雑誌に金田一耕助モノの未刊の長編作品が連載されていたらしいことが知られていたのだが、こいつが国立国会図書館に連載全8回ぶんのうち7回しか現物がなく、連載第4回ぶんがまったく不明。

当時の地方誌は東京では流通しいなかったらしい。雑誌といっても粗悪な紙の冊子で露店で並べて売られていたもの。出版社にも現存しておらず地元図書館にもない。近代文学館、大宅文庫を捜してもない。個人蔵で持ってる人がいないか呼びかけても反応がない。しかたなく中島氏が第4回分を想像で補筆して1冊にまとめ上げた。

当時の横溝正史は「悪霊島」執筆中で、もう「死仮面」を書きなおす気力がなかったらしい。そもそも本人がこの作品を気に入ってなかった?

他の作家によって補筆される。それ、モーツァルト「レクイエム」におけるジェスマイヤー、プッチーニ「トゥーランドット」におけるアルファーノのような状況。困難な仕事になることが予想される。

で、読んでみた。事前にどこが中島氏の補筆による章なのか知らずに読んだのだが、どこも気にならずに読み終わってしまった。つまり、まったく問題なく読めた。そもそも横溝正史の文体はとても平易でそれほど個性はないからな。この作品は中学生でも余裕で読めるだろうと思う。

野口という男が、停車場で倒れている身元不明女を拾ってきて岡山市の戦災バラックみたいな場所で3か月を一緒に過ごした後女死亡。死の間際にデスマスクを作ってある場所へ送り届けてくれと頼まれた…という口述書から始まる。
その後死体が腐乱。周辺近所が臭いと騒ぎ出して露見。死体を凌辱した跡があるということで男は取り押さえられ精神鑑定へ。移送中に旭川へ飛び込んで逃走。

冒頭のこれがなければ、女子高の寄宿舎が舞台の凡庸な遺産相続をめぐる殺人事件なので、まったく雰囲気が異なった作品になっていたに違いない。ヒロインは女子高生。ジュブナイル金田一っぽいテイスト。
けど、金田一さんから話される事件のあらましに、旭川に飛び込んで逃げた野口のその後の行動の記述がまったくなくて説明不足に思った。

この「死仮面」という作品は後の1998年に、春陽文庫から「完全版」が出ている。ってことは未発見だっ連載第4回ぶんが発見されたってこと?!
春陽文庫が悪名高いところで(?)、その後まったく出版されずに入手困難な状況が続いている。中古マーケットで高騰しているらしい。自分はマニアでないのでもう「死仮面」にはそれほど関心ないのでどうでもいいけどw ぶっちゃけ75点ぐらいの出来のように思う。

角川版には「上海氏の蒐集品」という作品も収録。昭和55年に「野生時代」7月号と9月号に2回掲載された横溝正史生前に発表された最後の作品。だが、解説を読むと昭和40年ごろに書かれたものらしい。

東京郊外の武蔵野の風景が、団地建設で変わり始めた昭和30年代なかごろ。足が不自由で記憶喪失の40代画家の男が知り合った近所の女子中学生との交流を描く。

この作品が「死仮面」とまったく違う味わい深い文学作品。松本清張の短編っぽい。戦争に人生を翻弄された男の短編映画っぽい。こちらの方が断然好き。

カワイイ中学生だった女の子が高校生になって、団地建設現場監督の40男と連れ込み宿にいる場面を目撃…って、それ辛いw
この悪女ともいえるコケティッシュな魅力の少女を、14歳から18歳ぐらいまで演じられる女優が思いつかない。今なら広瀬○ずとかいいかな?

「上海氏の蒐集品」はもっと知られていい良い作品。読者だけにしか真実が見えない鬱系社会派サスペンス。

2018年2月14日水曜日

CDJ1718でFLOWER FLOWER「月」

WOWOWさんがCOUNTDOWN JAPAN 1718を2月10日11日と2夜連続でダイジェストを放送。
FLOWER FLOWERは2017年12月31日DAY4のGALAXY STAGEに27時に登場。なのでダイジェスト放送のほんとうに最後の最後のほうにやっと登場。
放送された曲はCDJ1314のときと同じくまたしても「月」だった。今回の放送によってFLOWER FLOWERのフェス出演映像が3つに増えた。
ちなみにFLOWER FLOWER CDJ1718のセットリストは公式発表(rockin'onさんのクイックレポート)だと
M1 月
M2 神様
M3 コーヒー
M4 素晴らしい世界
M5 バイバイ
M6 スタートライン
M7 ひかり
というものだった。CDJ1314で「月」、RIJF2017で「マネキン」の映像が手に入ったので、できることなら「コーヒー」か「ひかり」が欲しかったところ。
深夜3時だというのに客が元気w 自分はチケットがまったく当たらずに行けてない。
yuiのステージ衣装はザンジバルナイトとほぼ同じ?だったことに今気づいた。
だが、自分はあまりこの衣装が気に入っていないので、できることなら春のライブは別のパターンが見たい。
「ひとつになろうよぉ」ではyuiのこの表情が出た。何か急に楽しいことを思いついた少女のような笑顔だ。久しぶりに見たyuiの良い表情だ。
この映像が一番最近のyuiとメンバーの映像。2ndアルバムリリース時にはまたMステとかJCDとかテレビに出て欲しいけどたぶんないかも…。
yuiは2月24日(土)都立シンボルプロムナード公園イーストプロムナード・石と光の広場でのオリンピック関連イベントに元キマグレン・クレイ勇輝らと一緒に出演する。他のメンツ的にそれほど人が集まるとも思えないが、長時間イベントなので見る側が過酷にならないか心配だ。

2018年2月13日火曜日

新山詩織 ライブツアー2018@赤坂BLITZ2月12日

久しぶりに新山詩織のライブに行ってきた。東名阪ツアーの赤坂BLITZファイナル。

新山ライブは自分にとっていつ以来だろう?と調べてみたら昨年9月のEXシアターぶり。
赤坂BLITZ自体が自分にとって本当に久しぶり。なんと活動休止直前のYUIがシークレットで降臨した2012年のステレオポニー解散ライブ以来のごぶさた。

それにしても寒い。今回はA40番台というチケットだったのでちゃんと早めに開場を待っていた。ステージ最前の方にも行こうと思えば行けたけど、BLITZは後方の1段高いスペースの最前の柵に腕をのっけて見ることにしている。難なくそのスペースをキープ。

たぶんAチケットが先行販売分でBチケットが一般発売分。Bチケットの待機場所にいた人が少なかった。たぶん100人未満。当日券も出ていたのでたぶんSOLD OUTはしてない。

それでも赤坂BLITZワンマンはギタ女シンガーソロワンマンにしては大変な場所。わりとしっかり客で埋まってた。
なかなか女子ファンが増えていない。たぶん97%ぐらいは野郎。その半分以上が35歳以上な感じに見えた。独りで来てる年配男性が目立つ。

後方スクリーンにこれまでの歩み的なドキュメンタリーっぽい映像が開演前と休憩転換時間に流された。

相変わらず地味な中学生のようなヘアスタイルの新山だが、この日は深紅のあざやかなパンツスタイルにノースリーブの白いシャツに黒いシースルーの上着を着たようなスタイル。
1曲目はデビューシングル曲「ゆれるユレル」では「アカサカ!」のシャウト。
2曲目「Don't Cry」の段階で、「ははあ、今日はシングル曲を順番にやっていく趣向だな」と思った。その通りだった。

6曲目「ありがとう」はキーボード山本健太のピアノと、座った新山のハンドマイクによる演奏。
「いい感じで目が輝いてます」前回のツアーでの大雪の想い出などの、朴訥としながらも楽しいトークを展開。新山さんと山本氏のトークはだいぶ落ち着いた大人の会話のように思えた。紳士と淑女の会話のようだった。

7曲目「隣の行方」はおなじみ金子健太郎氏とアコギ2本による「アコースティック初披露」演奏。
8曲目「あたしはあたしのままで」はドラム橋谷田真、ベース柳原旭、エレキギター新山というスリーピース体制。5年前の思い出話やツアーについてのトーク。
新山詩織のトークを聴いていると、この子は本当に育ちがいいんだなって感じる。ときおり微笑みながらの真面目会話。ほとんどふざけたことは言わない。

9曲目からはいつものバンド編成へ。こんどは刺繍の入った(?)黒いシャツに幾何学模様のスカート(?)姿。なんと9曲目は「愛は勝つ」。

アンコールでは「5」とプリントされた黒Tシャツでは新山ゼロ枚目シングル「だからさ」、そしてオーディションで唄った「丸の内サディスティック」弾き語り。

新山の感謝の手紙は場内がシーンと静かになってしんみりしすぎだった。
映写された映像ではリハ風景。スキニージーンズの新山、お尻が小さくていい感じ。
最後はもっと盛り上がれ!と「Everybody say yeah」で締めくくった。
新山詩織 2018年2月12日 赤坂BLITZ セットリスト
01.ゆれるユレル
02.Don't Cry
03.ひとりごと
04.今 ここにいる
05.絶対
06.ありがとう
07.隣の行方
08.もう、行かなくちゃ。
09.愛は勝つ
10.あたしはあたしのままで
11.恋の中
12.糸
13.Snow Smile
14.さよなら私の恋心
アンコール
01.だからさ
02.丸の内サディスティック
03.Everybody say yeah
いつも何かしら次のライブとか告知があるのが通例だが、今回のツアーファイナルではそれがなかった。
新山は決して順風な活躍ぶりというわけでもないのでいつも危機意識を持って応援している。2月10日に22歳になった新山のさらなる飛躍と活躍を期待している。

2018年2月12日月曜日

「賭ケグルイ」の面白さは異常

東宝芸能期待のアイドル女優・浜辺美波主演のTBS深夜ドラマ「賭ケグルイ」が始まっている。
これ、アニメ版もすでに放送されている人気作だが、自分は何の予備知識もなく見始めた。これまで4話が放送されている。

ギャンブルに強いことかどうかだけが人間の価値判断の基準になっている学園で、ギャンブルの天才少女がギャンブル生徒会の役員たちを倒していくドラマ。

お台場にカジノをつくる構想があるそうだが、中高生や若者たちにギャンブルのスリルと愉しさを教えてどうする?!と憤ったのだが、やだ、これ、面白い!w 高校生が学園内で1000万単位でギャンブルとかありえないだろ。生徒たちがなんら勉強している様子がないw
主演の浜辺美波が美少女だと評判だが、自分の感覚だと体型がまだ子どもw それに対して、昭和の名女優のような表情と言葉遣いと身のこなしのギャップ感がすごい。なんだかすでに大物感を漂わせてる。

その一方で、「散歩する侵略者」でも美少年ぶりで存在感を出していた高杉真宙くんが、まるで「土竜の唄」の生田みたいに落ち着きのない感じで、お笑い芸人のような独白とツッコミと顔芸を全力でやってるのが感心。まだ照れを捨てきれてないけど。「い、い、一千万~!」とか言い方が大げさすぎて面白い。それをさらりと受け流す浜辺といいコンビ芸。

このドラマを見ると、日本の役者たちの演技は独特すぎると感じる。歌舞伎芝居の時代から大して変わっていない。世界の映画にはこんな大げさに演技や演出は他にない。だが世界に合わせて変える必要はない。エイゼンシュテインの例もあるし。
だいたいヒロインの名前が蛇喰夢子(じゃばみ ゆめこ)ってすごいw 確かにこの子は蛇を喰っていく存在だ。
中ボスたちを倒していく過程が、少年ジャンプ的でわくわくする。ギャンブル生徒会が無様に負けた仲間に容赦ない。「やつは四天王の中でも最弱。ウフフフ」って感じが良い。美少女が美少女を倒してく。まるで「マジすか学園」を見ているような爽快感とカタルシス。
第1話での早乙女芽亜里(さおとめ めあり)役の森川葵のブサイクぶりがすごい。森川の個性派女優っぷりに関心しかない。夢子に敗れて焦燥する森川がすごい。こんなんコントで木梨憲武がやるような役w
この投票カードじゃんけんのシーンがジョルジュ・ド・ラ・トゥールの「いかさま師」という絵画そのままだった。
その一方で、第3話「ダブル神経衰弱」での皇伊月(すめらぎ いつき)役の松田るかがずっと美少女扱いだった。このキャラが最初の中ボスだが軽すぎるぶりっこ1年生。最初にやられる役としてぴったり。この学園の制服がまるでカジノのディーラー。
第4話では岡本夏美演じる西洞院百合子(にしのとういん ゆりこ)というキャラのすばらしさに感心したし震えた。まるで「犬神家の一族」の岸田今日子。ひょっとして座頭市みたいに耳でサイコロの音を聴き分けるの?
伝統文化研究会が、まるで「ちはやふる」のようなのに、ご本尊前で丁半賭博をやってるのが酷いw うっかり様式美のようなものを感じてしまう。海外の人が見たら日本にはこんなギャンブルがあると勘違いされそう。

夢子は西洞院を「最低ですわ」「人間として下の下」と挑発する。西洞院さんはきっと怒りが頂点に達すると目が開くと予想してたらその通りだった!こういうマンガドラマは期待した通りに進むことが面白くする上で重要。岡本夏美の表情の演技に感心した。

ヒエラルキーから転落した早乙女芽亜里を虐待する男子生徒がまるで中国人成金チンピラみたいな風貌。そこだけちょっと違和感。なんであんなヘンテコにキャラ変させた?

このドラマのヒロインは「TRICK」の山田や「ライアーゲーム」の秋山のように、一回カモになって様子を見て不正を見極め、逆転して相手を倒す。そこが爽快!こういう人材が日本外交に必要。
予備知識のないまっさらな気持ちで楽しめるドラマってすばらしい。今のところ自分としては原作の世界観も脚本も演出も大絶賛。今後の展開に注目。

ちなみにこの学園のロケ地は山形市にある旧山形県庁。5年前の東北旅行でたまたま「洋館がある!」と立ち寄ったことがある。

2018年2月11日日曜日

アガサ・クリスティー「邪悪の家」(1932)

アガサ・クリスティー「邪悪の家」(1932)のハヤカワ・ミステリ文庫(田村隆一訳)1984年版を手に入れた。
PERIL AT END HOUSE by Agatha Christie 1931,1932
この作品は創元では「エンドハウスの怪事件」、新潮文庫では「エンドハウス殺人事件」というタイトルになっている。この1冊も100円でそこにあったので手に取った。
この1冊はクリスティ女史の師で友人であったイーデン・フィルポッツに捧げると序文に書いてある。

探偵業をほぼ引退し悠々自適の生活を送るポアロ、友人のヘイスティングズと一緒に英国南海岸のホテルへ。
その地で古い館を所有する若く明るく天真爛漫で魅力的な美女ニック(20歳そこそこ?)と出会う。
話を聴くと過去3度命を狙われ、ポアロのすぐそばでも狙撃される。

親切なおじいちゃんポアロはニックを護ろうと奮闘するも、花火パーティーの夜、ニックを監視してもらうために呼び寄せた従妹のマギーが一瞬の隙の間に射殺される。どうやらニックと間違って殺されてしまったようだ…。痛恨のポアロ。

ニックをさらに厳重に療養所に入れるのだが、今度は毒入りチョコレートで死にかける。
なかなか事件の真相に迫れない窮地のポアロ。
どうやらニックは婚約者の遺産を受け継いでるようだ。ニックが死んでしまったというウソ情報を流して反応を見てみることに…。

最後は館に全員を招いて真相を語る。あのいかがわしいと思っていた夫婦の正体がわかって、こいつが犯人だったのか?!と思いきや、さらなる急転直下の意外な結末!

この本、これまで読んできたクリスティ女史の本で、自分には一番面白かった!読んでて飽きる場面がまったくない。自分の選ぶクリスティ作品のベスト。

格キャラがいきいきとイメージできるし、何もモヤモヤする箇所がない。1本の良いサスペンス映画を見たかのような充実感。読み終わって「おおぉぉぉ…ぅ」と声をあげた。強くオススメする。

ポアロとヘイスティングズのやりとりもユーモア。だが、最後に犯人が自決できるよう準備したポアロは冷酷。
これ、日本を舞台にドラマ化するならニック(まさみ)、ライス夫人(文乃)、マギー(K木華)希望。

2018年2月10日土曜日

YUIのたこすべり台はどこか?

YUI聖地巡りネタがなにもない。しかたなく過去のものからネタを探す。どこか手軽に出かけられる場所はないか?
「Hello, Good-bye YUI」を最近またもう1冊手に入れた。パラパラめくっていてこいつが目に留まった。
rockin'on H 2008年5月号で初出だったこのカット。YUIがたこすべり台に座ってる。
あっというまに調べがついた。恵比寿東公園だった。YUIの右足付近のペンキのたれぐあいが、公園マニアな人がネットにあげてくれていた写真で一致した。

リキッドルームやAFURIらーめんのすぐ近くじゃん!なんで今まで気づかなかったんだろう?当時は画像検索やストビューで調べられるって考えてもいなかった。
だが、YUIが腰かけていたたこすべり台も、このリスのオブジェも、平成22年の整備で撤去されていた。失われていた。もっと早く行くべきだった。
今ではこんなたこすべり台が設置されている。これは酷いw なんでデザインを変えちゃうの?

PS. YUI改めyui率いるバンドFLOWER FLOWERのライブ&イベント出演が続々と決まっている。

3月25日大阪野外音楽堂から初の全国ツアーFLOWER FLOWER インコのhave a nice dayツアー8公演がスタート。やっと本気で攻める気になったっぽい。

5月3日(木)さいたまスーパーアリーナにて開催されるVIVA LA ROCK 2018への出演も決定。2014年は直前になって出演キャンセルになっただけにyui&バンドメンは思うところがあるに違いない。

4月28日29日には宮城県でARABAKI ROCK FEST.18に出演。このフェスはYUI初登場。
アラバキは近年なかなか人気が高くてチケット入手は難しそうだ。たぶん行けないだろうと諦めている。
ロキノンフェスにしか行ったことない人が初めてアラバキに行くといろいろと驚くかもしれない。
プロレスがあるのかよ!民謡があるのかよ!靴が泥だらけになるのかよ!夜が真冬みたいに寒いのかよ!
あれ?まふまふがベースで参加するEGO-WRAPPIN'が出演アーティストにないの?

5月19日(土)20日(日)には御殿場のACO CHILL CAMP 2018にも出演。天気が良ければ季節的に気持ちいいキャンプが出来そうだなあ。

yuiは2月24日(土)東京2020ライブサイト in 2018に出演が決定している。
yui単独出演ということは弾き語りか?このイベントが調べてみてもよくイメージできない。ひょっとして朝早く行って整理券とか手に入れるタイプのイベントか?寒い屋外とか大変だなあ。

yui単独でもうひとつ、3月18日(日)横浜赤レンガ倉庫イベント広場でのみんなあつまれ2017にも出演が決定している。これも朝早く行って整理券とかもらわないといけないパターンか?これもまだよくイメージできていない。

全部行く!と意気込んでるオタもいるかもしれないが、これだけのライブイベントに行くとなると体力、精神力、財力が必要w 自分は何にいくべきか?直前までしっかり考えて見極めたい。

そんなことよりなにより3月14日に2ndアルバム「スポットライト」がリリースされる!
これまでライブで演奏された曲との比較などの研究で、オタたちは今後さらに忙しくなるかもしれない。

2018年2月9日金曜日

芦原すなお「雪のマズルカ」(2000)

芦原すなお「雪のマズルカ」(2005 創元推理文庫)を読んだ。どんな本なのかもわからなかったのだが、カンで面白そうだと購入。100円。

自分、芦原すなおという作家をまったく知らなかった。調べてみたら直木賞も受賞してるベテラン作家。

私立探偵だった夫が事故(不審死?)で亡くなって、絶望の末に探偵事務所を継いだ妻による探偵稼業の日々という短編4本。日本で女性の私立探偵ものはめずらしい。

これが予想以上にハードボイルドで驚いた。
ドラマや映画で拳銃を頭に突きつけるシーンはよくあるけど、この女探偵は躊躇なく引き金を引く。

この作家の書く文体が名前の通りすなおで無駄がなくスッキリしていてとても読みやすい。カギカッコで実際に話してる言葉、それ以外は心の声とつっこみ。わかりやすい。

どんな面白い本でも自分とは相いれない冗長な台詞とかあったりするものだが、この本にはそんな雑味が一切なかった。この作家、自分ととても合ってる。高校生でもすらすら読めると思う。それでいて味わい深い。広くオススメする。

ヒロインは自分を利用しハメて窮地に落とした奴らを許さない。今の日本の若者たちも見習いたい。

あと、ヒロインが41歳ということにも驚いたし意外に感じた。だからここまでハードボイルドなのか。
読書中ずっと誰が配役として適任か考えてた。ちょっと前なら原田美枝子か真矢みきだろうな。今この年台なら…米倉涼子とか内田有紀とか観月ありさとか矢田亜希子とか松たか子とかいなくもないけど、どれもイメージと違う。

そこでまだちょっと若いけどまさみですよ。まさみはたぶん38歳ぐらいの役もできると思うから。それに体も鍛えてるし。

2018年2月8日木曜日

西野七瀬「電影少女」

西野七瀬主演のテレビ東京深夜ドラマ「電影少女」が始まってる。

こういうマンガがあることはなんとなく知っていた。自分は第2外国語が中国語だったために、「電影少女」をずっと「ティエンインしょうじょ」と読んでいた。
この企画を聞いたとき「何してくれる」って思った。おじさんたちが会議をするとこんな昔のマンガのリメイクしか思いつかないのか?って思った。

どうせ超絶つまらないのだろうと予防線を張って観たのだが、あれ?意外にまあまあ面白い。
第1話の監督がパフュオタにとってはおなじみ関和亮さんだった!こんなドラマの監督もまかされる人なのか!?脚本も一昨年のNHK「獄門島」の喜安浩平だ。この人はわりと乃木坂と仕事をしているけど、ちゃんとした脚本を書く。

ヒロインのビデオガールが呼ばれて飛び出たのが25年ぶりで時代遅れ…という設定が良い。サダコのごとくテレビ画面から登場しようとするのだが、テープがひっかかって出られないとか、早送りしようとすると走査線ノイズが走ったりとか。
80年代のアイドル全盛期の酒井法子がモデルだからか?ヘアスタイルとコスプレ衣装がやや珍妙。
だが、西野七瀬は時代の最先端をゆく乃木坂46のエース。男コトバを使い、パンチラや入浴シーンなど多少のお色気も見せる。清純派アイドルグループとしてその加減は絶妙。

もうひとりの主人公野村周平が西野オタたちから嫌われてる。もう何年も野村はこういうスペシャリストだ。
この主人公が暗い。マンガイラストを描き友人たちと映画作りを夢見るのだが、この議論の様子が深夜ドラマにしては画をつまらないものにしている。
高校生なら「桐島、部活やめるってよ」の神木くんのようなバカホラーをつくっていてほしい。ひたすらバカに徹してほしい。
頭がばっかーんと割れて血がどばどばぁ~っと噴き出すバカアイデアとかを面白おかしく話し合ってほしいのに、マジメか。
清水尋也の顔が苦手だw 「高校入試」「渇き。」ぐらいしか見てないけど今も慣れないタイプのジョジョ顔。飯豊まりえもそれほど可愛く見えない。

放送開始直後から西野七瀬がガリガリだと一部で話題になっていたようだ。西野はnon-noモデルなので、洋服が似合う細さをキープするために努力していることがわかる。アフリカ系モデルのような体型だ。自分もちょっと驚いた。
身長は159㎝と日本女子のリアルな平均的体型なのにスタイルがよく見える。
西野の小顔と首の長さと肩の張りかたと腕の細さのバランスが美しいと思う。自分が理想とするまさみや本田翼に近い。

西野は人によっては「鼻が」「口が」と、可愛くないように言う人もいる。だが、その人となりを知れば知るほど、尊いほどの愛くるしさと可愛らしさを感じられる。

メンタルが弱くておとなしい。部屋でイラスト描いて過ごしてる。嫌なことは顔にでるけど業務笑顔はプロフェッショナル。
今年で24歳になるのでこれからももっと活躍してほしい。ビオレUVのCMに単独出演が決定したようだ。
PS. 先日、老舗アイドル誌ボムBOMB2014年5月号を手に入れた。この号が乃木坂が初めて表紙を飾ったボム。そこに100円であったので連れ帰った。付録が欠落してるにしても弱気な価格。

乃木坂関連雑誌はとてつもなく数が多い。多すぎるぶん、みんな必要な箇所はスキャンでもして処分するのかもしれない。自分も100円でもよほど気に入ったカットや新鮮な情報でもないと買わない。

ボムでは伝統的に表紙巻頭特集をするアイドルに自身のカラダのパーツについてどう思うか?という、今ではギリな質問をする。西野、生駒、橋本、堀、白石の5人にしれっと「バストについて」も訊いている。とてもいい大人がアイドルに直で質問できるようなことじゃない。
橋本「とりあえずバストにいいと言われることは全部試しました。結果、これです(笑)。」
白石「普通だなと思うけど、やっぱサイズはもうちょっとほしいかな。」
と回答したのに対し、
西野「そんなに大きくなりたい希望もなく、今のままで別にいいかな♪って感じですね。」
生駒「中性的な体型に憧れるのでこのままでいいです。」
堀「洋服をサラッと着られるので、そんなに大きくなる必要もないかな。」
という回答には恥じらいもあるのかもしれないが、率直な想いかもしれないと理解した。あまり大きくても男性から性的視線をあびてしまうし、そこは微妙なところ。

19歳なあちゃんのスタイルが普通にかわいらしい。