2025年7月14日月曜日

本上まなみ「ほんじょの虫干。」(1999)

本上まなみ「ほんじょの虫干。」を2004年新潮文庫初版で読む。1999年に学習研究社より刊行されたものに加筆修正し一部写真を入れ替えての文庫化。

ひさしぶりに寄り道したBOで110円購入。ほとんど読み込まれた痕跡のないほぼ新品なので連れ帰った。自分、これの学研版初版を持っているのだがもうどこに行ったのか忘れた。

たぶん学研BOMB!に連載されていたものに、1998年10月のギリシャ旅行記を加えてまとめて単行本化したもの。なので22歳から23歳ぐらいの本上まなみさんの日常エッセイ集。
当時は本上さんを大人のキレイな女性と認識していたのだが、今思えば、ほぼ乃木坂メンのような年頃だったのかよと。

原稿用紙に万年筆で締め切りに追われて書いたものらしいのだが、やっと演技のキャリアを開始した若手女優の書くその内容はブログのようなもの。それほど凝った文体にはならない。

1998年はもう遠い昔。ギリシャの通貨がドラクマだったりする。この四半世紀で世界だけでなく日本社会もだいぶ変わってしまった。
本上さんも今年50歳で19歳になる長女と12歳になる長男がいるらしい。
本上さんは24歳で突然40代の既婚男性編集者と結婚してしまったという点以外で、嫌いなところはひとつもない。

ちなみに、大阪で生まれ学生時代を京都の短大で過ごした本上まなみさんは読書人。
自分はこの本を読んだ遠い昔に本上さんの影響で樋口一葉記念館や菊坂の旧居跡へ行ったりもした。
あと、立原道造(1914-1939)という詩人建築家の存在を知ったのも本上さんのエッセイによる。
文庫巻末解説は中島らも氏だが、40代のうつ病と投薬による体調不良、そして「タヒにたい」願望と近視乱視老眼三重苦など、ひたすら酷い時期に本上まなみを知った…というようなことが書かれてる。
ちなみに中島らも氏はこの文庫解説を書いた2か月後に急死。

2025年7月13日日曜日

赤川次郎「いつか誰かが殺される」(1982)

赤川次郎「いつか誰かが殺される」(1982)を角川文庫で読む。
こいつもキャンプ先BOで110円購入本。表紙装丁が渡辺典子&古尾谷雅人で映画化されたときのもの。自分は未視聴。
1984年3月に角川文庫初版で、自分が手に入れた版は8月で15刷。このころの赤川次郎は超売れっ子作家。

資産家妻の婿養子になってる浮気婿養子、裁判所から逃走した連続殺人犯、殺し屋、登場人物のほとんどが反社で道徳心のない人々。ややこしいことになって入り乱れるカオス展開。人の命が軽すぎる。

こういうのヒッチコック映画とかで昔からあるのかもしれないが、読んでいて気持ちよくない。
毎日金を稼ぐことと生活に追われる庶民を弄んで楽しむ上流階級はみんな4ね!

赤川次郎の文体はわかりやすいという世評だが、これはあまりスッキリしない。そもそもプロローグからして意味不明。いろんな人々がそれぞれで騒動。時系列もバラバラ。もうちょっとわかりやすいものを書こうか。自分はあまり面白く読めなかった。

2025年7月12日土曜日

Perfume「巡ループ」をTHE MUSIC DAY で初披露

Perfumeが日テレ7月期新ドラマ「ちはやふる-めぐり-」主題歌「巡ループ」THE MUSIC DAY (7月5日)で初披露
歌唱に入る前のトークでは「アーティストのてっぱん差し入れ」という話題。かしゆかが持ってるのは「空也最中」。それ見たことも食べたこともない。
「ちはやふる-めぐり-」から當真あみ原菜乃華も応援に登場。ちなみにPerfumeの3人はスタジオ記者発表でサプライズ登場で當真あみにはすでに会っているとのこと。
Perfume歌唱前にふたりから曲紹介。
「巡ループ」の振り付けは見る人が見ればエモい。
今年の9月にはPerfume東京ドーム公演2DAYSがある。

2025年7月11日金曜日

阿部和重「グランド・フィナーレ」(2005)

阿部和重「グランド・フィナーレ」(2005 講談社)という本をもらってきたので読む。群像2004年12月号に発表。132回芥川賞受賞作。あとは短編3作を加えた一冊。
発表からじつに20年を経て自分の目に届いた。事前にどんな内容なのかまったく知らない状態で読んだ。

表題作は本全体の4分の3を占めるので長編と呼べるかもしれない。第1部と第2部に別れているっぽい

もう冒頭から文学作品という感じで、主人公の状況があまりピンと伝わってこない。DV離婚して8歳愛娘と会うことができないという37歳中年男。どうやら娘のためにプレゼントを買っている。
だが夜のクラブで酔っ払った友人から主人公が離婚した真相が語られる。

まったく予想してなかった話。ニュースとかで耳にはするけど、ほぼ日常会話に登ることのないあの社会問題を扱ってる。その世界はそういう仕組みになっているのか。

ネタバレになるので書かないが、この主人公はかなりサイテーな部類。女性読者からはかなりの嫌悪感に違いない。こいつの性癖はこの社会で居場所がない。
司法から刑事罰は受けていない。社会的制裁も受けてない。だが映像制作の仕事を辞めて実家へ帰るらしい。

ギャル女Iにホテルであけすけに自身のやってきたこれまでを語る。そしてIは思っていることを主人公に説く。Iの主人公への嫌悪感。
ここでこの小説は終わってもいいように感じた。だが、第2部へ続く。

老いた母と兄家族の家に身を寄せる。家でじっとしてるなら問題ないが、ぬいぐるみ(AIで会話できるやつ?)を持って近所を散歩。それは世間体が悪い。

なんでタイトルが「グランド・フィナーレ」なんだ?まさかこの後さらに最悪なバッドエンドが?と身構えて読み進めるのだが…、えっ?!そんなところで急にバッサリ終わるの?
これぞ文学作品だわ。さすが芥川賞だわ。

馬小屋の乙女(新潮2004年1月号)
この短編、最後のオチが意味わからんw なんでこのタイトルなんだ?

新宿ヨドバシカメラ
森山大道氏の写真とコラボする企画のために書かれた短編。新宿の歴史などにも触れてるので紀行文か何かと錯覚するかもだが、こんな短編をヨドバシカメラさんは認めてるのか?女子学生が読んで意味わかるのか?

20世紀
Sony製CD-R商品発売にあわせてホームページで発表された5章に別れた紀行文ふうな短編。

2025年7月10日木曜日

齋藤飛鳥「恋の闇」(2025)

今年の日テレ4月期ドラマ「恋の闇」に齋藤飛鳥が出演していたことを忘れないためにここに記録し備忘録とする。
あすかちゃんは第6話以降の登場。その突然の登場の仕方にヒロイン岸井ゆきのでなくても視聴者がビビる。
暗くて不幸で重い飛鳥ちゃん。それは本人もオタも待ち望んだものかもしれない。
ピタリとはまる役。まるでドールハウス。
飛鳥ちゃん本人は暗い本や映画ばかり見てるのに、根暗と思われるのは嫌らしい。いまひとつ飛鳥の性格をつかめていない。本人もそう簡単に他人にわかってたまるかと思ってるかもしれない。
ドラマを見始めたのが途中からなので全体構造がよくわかっていない。

2025年7月9日水曜日

坂東眞砂子「死国」(1993)

坂東眞砂子「死国」を角川文庫で読む。坂東眞砂子(1958-2014)を読むのはこれが2冊目。

1993年にマガジンハウス社より刊行、1996年に角川文庫化。自分の手に入れたものは1999年の15版。同年に映画化されたときの表紙装丁。ちなみに自分はまだ映画を観たことがない。

ひさしぶりに立ち寄ったBOで110円購入。ほかに欲しい本がなかったのと、夏はやっぱホラーじゃろというわけで連れ帰った。

読み始めて半分読んでもホラーという気がしない。スリルもサスペンスもない。なんだこれ。
四国は死国?それ、四国4県民は認めるのか?この本を読むと石鎚山も仁淀川も今後そういった意味で見るようになるかもしれない。

少女の霊が強く思慕し執着する男を冥界へ連れて行く…というジャパニーズホラー。正直、そんなに怖くもない。日本らしい情感たっぷり。僻地の田舎村の人間関係って嫌だよねというラブロマン。

2025年7月8日火曜日

ドストエフスキー「悪霊」(1973)

ドストエフスキー「悪霊 Бесы」(1973)を新潮文庫上下巻で読む。
江川卓(えがわ たく 1927-2001)という訳者はロシア文学の世界でよく見る名前だが、今回初めて読む。この人は東大法学部卒でロシア語は独学で学んだと文庫カバー裏に書いてある。それはすごい。

農奴解放令以後のロシア青年をドストエフスキーなりに論評して批判した文学作品だと聞いていたのだが、上巻を読んでる途中から読み始めたことを後悔した。これは「カラマーゾフ」よりもさらにページをめくる推進力がない。読むのに5日を要した。

多くの人物が登場するのだが、この時代のロシア青年たちの容姿と風貌がなにもイメージできない。ロシア人の習慣も、日々ロシア史やなにかに触れようと心がけてる自分ですらよくイメージできない。

ニコライ・スタヴローギンという青年が主人公だとあたりをつけて読んでいたのだが、上巻ではそうでもない。
読んでいてどうでもいいホームドラマと人々の軋轢。細部が細かいしくどい。読んでてしんどい。長すぎた。
ステパン氏という家庭教師先生の言うフランス語がすべてカタカナ表記?

下巻だと話が革命家たち中心?人がどんどん死んでいく。
最後はスタヴローギンくんの遺書なのだが、これは発表時に雑誌側から掲載を拒否されたという。

「悪霊」というタイトルは「ルカによる福音書」から採られているそうだが、そんなことはたぶんほとんどの日本人は無関係だし知らないに違いない。この小説を令和日本人が読む必要性を感じない。いやもうドストエフスキーは読まないかもしれない。
たぶん、現代のロシア人もプーチンも悪霊が憑りついているに違いない。いやたぶんプーチンが悪霊。ロシア人はもうこれ以上世界に迷惑をかけるな。

2025年7月7日月曜日

Perfume「直角二等辺三角形TOUR」DVD

2009年秋のPerfume「直角二等辺三角形TOUR」横浜アリーナファイナルのDVD(2010年1月)をHOジャンク箱の中から発掘。110円。
もう15年も前のものならそんな値段にもなるか。このライブ映像は現在はBlu-rayで見れるので、重篤なオタはそちらで見てるのか。
家に連れ帰って最初から見てると、このころが一番楽しかったなとしみじみ想った。4日間職場から横浜へ通った。開演ギリギリで着席したりした。
でももうライブはとっくに卒業。オタというものは全員が気持ちのいい人ではない。会場に行くといろいろとストレスを感じてしまい、その後は家で視聴するようになった。
1曲目の「NIGHT FLIGHT」は今見ても画期的だし革新性を感じる。素晴らしすぎて泣く。
まだまだPerfumeの3人がまるで中学生女子のような初々しさ。
このDVDはすでにディスク1の周縁部で腐食が始まっているらしい。14曲目「I still love U」で盛大にブロックノイズが発生し途中で止まってしまった。それで弱気の110円という値段になっているのか。
実家に置いてあるDVDはたぶん10年以上見ていない。今現在どういう状態になっているのかチェックが必要だが、確認するのも怖い。ゼロ年代のデジタルメディアというものは10年すら耐えられず経年劣化する。消費者をダマすのも大概にしてほしい。
あと、この公演の映像はアンコールパートに入るとクオリティがガクッと落ちる。映像収録カメラに何かトラブルでもあった?音楽とテンポの合わない映像を挟むのはやめてほしかった。

2025年7月6日日曜日

本田翼「北くんがかわいすぎて手に余るので、3人でシェアすることにしました。」(2025)

7月1日からカンテレ制作の本田翼主演ドラマ「北くんがかわいすぎて手に余るので、3人でシェアすることにしました。」が始まってる。火曜11時からの30分ドラマ。

番宣とかちょくちょく出てたらしいのだが自分はどれもほとんど見てない。ドラマタイトルも覚えられていない。
てか、最近も本田はこんな年下の男の子たちと一緒に住むドラマに出てた気がする。
今回のドラマの30代40代女性しかみないやつではないか?現に自分もこのドラマはしっかり見る気分になれていない。

自分はもうテレビのバラエティ番組とかまったく見てないので、お笑い芸人とかまるで知らない。だが、警察官役で出ている芸人がものすごく警察官としてリアル。こんなおじさん巡査ってよく見る。第1話はそこしか感心しなかった。
あとは走る本田翼。33歳になってもかわいい。この時期の屋外ロケ撮影は暑くて大変だろうと思う。

2025年7月5日土曜日

新垣結衣、「恋空」で日本アカデミー賞新人賞

新垣結衣の女優として最初のブレイクが2007年公開の「恋空」。そしてこの年の年度末、映画賞レースの最後を飾る第31回日本アカデミー賞授賞式(2008年2月15日 グランドプリンスホタル新高輪)に登場。毎日そうネタもないので古い映像を掘り起こす。
新垣結衣は当時19歳。「話題の10代」とテロップが出てる。2007年のガッキー旋風はすさまじかった。そのまま年末に歌手デビューへと駆け上っていく。
映画女優として華々しい晴れ舞台。だが新垣結衣は後にどちらかというとテレビドラマ女優の道を歩む。次にこの映画賞イベントに呼ばれるのは10年後の「ミックス」。2018年3月2日の第41回授賞式。
忘れちゃいけないのが三浦春馬と一緒に舞台に上がったこと。なんとまだ17歳だった。
自分としては「恋空」は1回見ただけでいい映画。しかしこの映画での演技が主演のふたりとも評価された。日本アカデミー賞の選定基準は今もよくわからない。
今見ると「そんな時代もあったねと~♪」というメロディーを口ずさむ。
一体どうしてなんだ?と今も思う。
ちなみに、この時代の日本アカデミー賞には受賞俳優たちの華々しいレッドカーペット入場を前方からとらえるカメラ映像はなかった。なんとなく固まって会場入りする様子が映し出された。

2025年7月4日金曜日

竹本健治「眠れる森の惨劇」(1993)

竹本健治「眠れる森の惨劇」(1993)という本があるので読む。光文社カッパ・ノベルズの書き下ろし長編推理小説。
こいつは昨年秋に山梨方面へキャンプに出かけた先にあったBOで110円購入。
竹本健治はそれなりに有名なミステリー作家なのだが自分は今作が初めて。

函館・大沼の近くの山の中にあるミッション系女子高が舞台。日本人はこういう舞台設定が好き。綾辻行人「緋色の囁き」(1988)のような雰囲気があって良い。

寮生の問題児女子生徒2年生が校舎近くの森にある沼に死体となって浮かぶ。自殺?事故?それとも殺人事件?
さらに呪詛するような落書き。そして演劇部の美少女も謎の緑衣の怪人に襲撃され寮の窓から転落死。

この手のミステリーは登場人物が女子高生ばかりなので、どうしたって活字だけでは個性と特徴がつかみづらい。それにみんな美少女。剣道少女・飛鳥とミステリー好き少女・沙貴といったJKたちの活躍。

さらに、本因坊タイトルホルダー囲碁棋士・牧場智久(美青年)が突然登場。現在スランプ中でライバルたちとの対戦に苦しんでる。
そしてその彼女?都大会2位の剣道少女・武藤類子とペアになって事件の謎を解く。え、プロ棋士が女子高生とつきあってんの?なんで女子高生とふたりで北海道へ?
どうやらこの本は「智久・類子シリーズ」の第3作らしい。前2作を読まないとふたりの関係がよくわからない。

いや、それは合ってない。それほど事件を捜査してないし聞き込みもしてない。なんとなく謎が解ける。それも正しくない。たぶんこうだろうという推測を述べて終わる。

うーん、少女殺害とアリバイトリックは本格と言っていい。だが、このぐらいの内容なら中編でいい。満足度はほどほど。

2025年7月3日木曜日

赤川次郎「晴れ、ときどき殺人」(1982)

赤川次郎「晴れ、ときどき殺人」(1982)を1984年角川文庫で読む。3月に初版が出て12月で15刷になっている。この時代の赤川次郎は時の人。
今回手に入れた本は山梨方面へキャンプに行ったついでにBOで購入したもの。110円。
渡辺典子主演で映画になっているらしい表紙装丁。自分はまだこの映画を見たことがない。

また上流階級家庭が舞台のやつかよ…とページをめくる。19歳ヒロイン加奈子は心臓の悪かった母を亡くしたばかり。莫大な遺産を相続。
フランス窓と暖炉とマホガニー机のある豪邸の居間につぎつぎ人がやって来る。主治医、母の秘書、家政婦、ヒロインの婚約者、関連企業の社長たち、殺人容疑で警察から追われている青年、そして刑事。

母の過去には何か後ろめたい事件が?冤罪青年に偽証して死なせてしまった?加奈子は幼少時に誘拐された?

読んでる途中、これはアガサ・クリスティの「ねずみとり」や「招かれざる客」のようなおしゃれミステリー戯曲では?と思った。
厳密には戯曲でないのだが、ほぼヒロインの北里家の広い居間内部で起こるドラマ。これは舞台上演がちょっとの工夫で可能。

赤川次郎に感心した。こんなおしゃれな作風もあるのか。しかし、終盤にある関連企業社長同士の殺し合いはカオス展開。登場人物が多い。それに、どこの馬の骨ともわからない警察から逃走中の青年になんでそんな簡単に恋するわけ?ほぼ初対面でキスとかするわけ?「抱かれに行く」とか言うことがハシタナイ。