2023年9月30日土曜日

浜辺美波「やがて海へと届く」(2022)

浜辺美波の出演作リストに「やがて海へと届く」(2022年4月1日公開)という映画があるので見ておく。主演はたぶん岸井ゆきの。

原作は彩瀬まる。監督は中川龍太郎。脚本は梅原英司と中川龍太郎。音楽は小瀬村晶。
制作はひかりTV、WIT STUDIO、ビターズ・エンド、日活、Tokyo New Cinema、Filmarksほか。PG12指定での公開。配給はビターズ・エンド。

開始数分はアニメを見せられる。湖谷真奈(岸井ゆきの)は親友卯木すみれ(浜辺美波)の死を受け入れられない。ラウンジの給仕の仕事中もボーっとしがち。気づけば涙を流してたりする。
すみれの元カレ遠野敦(杉野遥亮)が湖谷の仕事場を訪ねてくる。

部屋の後かたずけ(形見分け)に湖谷の助言が必要。親しくしていた友人の死後のリアル。ダンボール箱を見てしょんぼり。あ、すみれが持ってたビデオカメラが出てきた。

そして回想。サークル勧誘で華やか大学生たちが強引に話しかけてくる。ヒロイン真奈は引き気味。そこにすみれ(華のあるかわいこちゃん)が突然登場。こいつは社交的で世渡り上手そう。
コンパで飲んで気持ち悪くなってる自分の口に手をつっこんで吐かせてくれるすみれ。さらにキス。え?!(これはバカ男たちが近づかないようにするため?)

夏になるとふたりは仲良くふたりで旅行に出かけたりする。水色ワンピース黒髪ロングの浜辺美波の可愛さは異常。岸井ゆきのって、小柄な浜辺(156cm)よりもさらに小柄。調べてみたら150cmか。もしかすると140cm台かもしれない。
大雨の夜、髪を切ったすみれは真奈を訪問。2か月ぶりに再会。お互いに何かを強制したりしないことが仲良しの理由。お互いに「どこか行きたいところある?」とかトーク。狭いベッドで一緒に寝る。なんか百合映画っぽい。
そしてすみれから遠野くんを紹介される。遠野くんのアコギ伴奏ですみれはPUFFYを歌う。イイ感じ♪ 浜辺はえへらえへら笑ってる演技がすごく上手。

そして再び現在。あの時代は明るく太陽が照らしてて、すみれの死後は寒色。遠野と真奈はすみれの実家を訪問。
すみれの母が鶴田真由さん。真奈にすみれが好きだった青い服を着るようにすすめてくる。この人は90年代は美人女優だった。娘を亡くした母を演じるようになってしまった。

すみれ母はビデオカメラは受け取らなかった。そして真奈は遠野が婚約したことを知らされる。真奈は部屋でひとりすみれの遺品のビデオカメラを見る。またまた回想のすみれ。遠野と同棲を始めたすみれ。真奈は遠野が苦手なので複雑な気持ち。

遠野は真奈とすみれが最後に行った居酒屋。さらに真奈の勤務先の主任(光石研)の突然の死(自死)。ここで真奈の口からぽろっとすみれの死が「津波」によるものであることが視聴者に知らされる。え、えぇぇ…。

そして映画後半の舞台は陸前高田へ。防潮堤の高さに圧倒される。すみれはまだ「発見」されていない。真奈「ここに彼女がいるとは思えない」

そこにあった公民館で中嶋朋子が聴き手となって震災の生き証人たちの証言集をビデオカメラで撮影してる。みんな身内が津波で行方不明。話してるうちに涙ぐんだりする。予期してなかった展開。
今度はすみれ側視点での回想が始まる。よくわからなかった回想シーンをなぞってくれる。喪失の哀しみ。
浜辺の初めて見るヘアスタイルが新鮮だった。

2023年9月29日金曜日

アンドレア・M・シェンケル「凍える森」(2007)

アンドレア・M・シェンケル「凍える森」(2007)というドイツでベストセラーとなったらしい本の邦訳が集英社文庫から出てるので読む。

1922年3月31日から4月1日未明にかけて、南バイエルンの大農園で6人が頭部を鶴嘴でたたき割られて殺害されたという「ヒンターカイフェック事件」を知りたいと思えばこの本に行きつく。いまもSNSで話題になるドイツの未解決事件。
夫婦と娘、孫娘は、何らかの手段で順番に納屋へおびき寄せられて殺害されたとみられ、その後、犯人は納屋から母屋に入り、男の子と使用人を殺害した。
という、ドイツの世田谷一家殺害事件。

この本、読み始めて早々に選んだことを後悔した。ヒンターカイフェック事件そのものを描いたノンフィクションでなく、事件からインスパイアされて、舞台を1950年代に設定し、固有名詞も変更し、村の人々の独白証言語りスタイルの舞台ドラマのような小説だった。

著者は無名の専業主婦で、語り口が上手いと思えない。1ページあたりの文字数も少ないし、情報量も少ない。
なによりも、数ページごとに祈りの言葉のようなページが挿入されるのもテンション下がった。
松本清張の帝銀事件や下山事件みたいな調査ルポを期待してたので困惑と落胆。一応最後まで読んだけど、これは読まなくてよかった。驚きも何もない。

2023年9月28日木曜日

広瀬すず「水は海に向かって流れる」(2023)

広瀬すず主演映画「水は海に向かって流れる」を見る。今年の6月に公開。原作は田島列島。監督は前田哲。脚本は大島里美。音楽は羽毛田丈史。制作はスタジオブルー。配給はハピネットファントム・スタジオ。

韓国アイドルみたいなおかっぱ頭の愚鈍そうな少年熊沢直達(大西利空)がどしゃ降りの雨の夜、駅に降り立つ。この少年はキングダムで信の幼少期を演じていた子だ!

そこに愛想のない鋭い目をした榊千紗(広瀬すず)がおじさんの代理で迎えに来て、少年を日本家屋に案内。少年はなぜそんなにポカンとした顔なんだ。
すずは無表情で手際よく料理(牛丼?肉が高級そう)を作る。
少年は通学に便利なおじさんの家に住むことになる。この家は男子学生を下宿させているのか。今はこういう家もシェアハウスって呼ぶのか。すずはこの家を切り盛りする家政婦みたいなものか?

茂道おじさん(高良健吾)は漫画家?!優しそうだがまるで威厳のない素っ頓狂な普段着。

高校の通学路の土手で捨て猫を発見。飼い主を探す少年。クラスのカワイ子ちゃんが楓(當真あみ)。自分、この子はまだなんとなくしか知らなかった。初めて演技を見る。この楓ちゃんの兄が同じ下宿の泉谷颯(戸塚純貴)。女装するヤバいやつだが、怪我してる捨て猫を拾ってすぐ病院につれていくお金も余裕もある優しいやつ。
相談もなく下宿で飼い始めるのに、千紗は猫を見て笑顔。こういう下宿って生き物飼うの禁止だろ普通。
ヒロイン榊のお父さんと同級生で東大教授生瀬勝久が帰国するというのでBBQ。この人もこの家に住んでるのか?
これがアメリカスタイル?でっかい肉を焼いて切り分ける。なんだかこのヒロインの表情がいつも怖い。なんで?

千紗が直達くんを見る目が冷たい理由は生瀬おじさんが説明。千紗の母は直達の父(北村有起哉)とW不倫駆け落ちしたという過去があった。「そんなに嫌なら嫌がらせして追い出せば?」「あの子はいい子だよ」その会話を盗み聞きする直達と楓。いきなりヘビーな事情を共有。

日本家屋の庭で物干ししてるシーンを見て「海街Diary」を思い出す。すずちゃんはだいぶ大人になってしまった。
千紗の母の不倫先熊沢(北村)がそれと知らずに歌川家を訪問して千紗と玄関でバッタリ顔を合わせてしまう。すずの顔がさらに怖い。常に怒ってる。
北村有起哉の冴えないおっさんぶりが酷い。あの愚鈍そうな少年の父というのがとても納得いく。すずのセリフが食い気味なのが良い。ツンツンしたすずの魅力がさく裂。ポテサラドカ食いするすずが可愛い。(ゆで卵食ってるすずもかわいい)

いくら大衆価格の店だとしても中華料理屋で料理をいくつも並べられるその財力はいったいどこから?
紹興酒で酔ったすずの喋り方イントネーションが夏木マリさんみたいだった。

母親に裏切られた娘は「私、一生恋愛しないんで」という娘に育つ。以来いちども母と会ってない。
国民的妹広瀬すずが大人のお姉さんを演じたということで、これは見ないわけにはいかない映画だった。すずの見どころがたくさんあった。どのシーンでも表情がバッチリ決まってた。脚本も良かった。母と対面したときのすずの顔が修羅だった。

というような、ちょいコメディーありの爽やかファミリードラマ。でもちょっと長いかな。
當真あみちゃんがすごく良い。この子もキメ顔で若手女優レースを勝ち上がってきた感。一方で主人公少年の演技は見劣りした。子猫かわいい。
主題歌はスピッツ「ときめきpart1」(Polydor Records)。

2023年9月27日水曜日

スエトニウス「ローマ皇帝伝」

帝政ローマ五賢帝時代の歴史家スエトニウス(Gaius Suetonius Tranquillus 70?- 130?)による「ローマ皇帝伝 DE VITA CAESARUM」が岩波文庫(国原吉之助訳 1986)上下巻で出てるので読む。これが本邦初の完訳版だったらしい。

シーザーから始まって、ユリウス=クラウディウス朝の5人、四賢帝の年の4人、フラウィウス朝ドミティアヌスまで、計12人の帝政ローマ元首の事績、戦争、政治闘争を記述。世評、風刺、落書きの類まで渉猟し、皇帝の知られざる個人生活までも細大漏らさず記載した皇帝伝。

自分がこの本の存在を知ったのはアルベール・カミュが戯曲「カリギュラ」を書くために参照にしたらしいことから。

正直、歴史小説などと違って、ほぼ同時代の秘書官兼公文書官による著作。
知らないことばかりだった。教科書が教えてくれない初めて知ったローマ皇帝の人柄と知識、
  • カエサルは癲癇で気を失うことがあった。
  • カエサルは色を好み放埓であったが、貞操に関してニコメデス王と同棲していた風評も。
  • カエサルは薄毛に悩んでた。
  • アウグストゥスは家具調度品が質素だった。食事はありふれたものばかりを、いつでもどこでも、湿らせたパン、1本のきゅうり、レタスの葉、すっぱいリンゴ、ほんの少ししか食べなかった。酒はほとんど飲めなかった。
  • ティベリウスは阿諛迎合を嫌った。追従めいた言葉は躊躇なくその場で発言を遮り、叱責し訂正させた。
  • そしてありとあらゆる残虐な刑罰。性に関しても変態。ティベリウスが死んだときローマ市民は歓喜。
  • カリグラ、クラウディウス、ネロ、もれなく邪知暴虐。思い付きでありとあらゆる残虐な刑罰。「阿鼻叫喚の石段」てなんだよ。そもそも剣闘士の殺し合いなんかを楽しんでる時点でローマ市民も異常。
  • ローマ皇帝たちは剣闘士という娯楽を適切に提供できるように市民に気を使ってた。「パンと見世物」ってそうゆうことか。正しく裁判をして、市民から税金を徴収し戦争して公共事業と食料を賄って、市民に娯楽を与える。それが元首の仕事。
  • 天寿を全うして穏やかに死んだ人の方が少ない。ガルバ、オト、ウィテリウス、もれなく悲惨な死。
  • クラウディウスは63歳?ガルバは74歳?ウェスパシアヌスは69歳?中世の王たちは40代とかで死んでるのに、古代ローマは意外に長生き。
  • ヴエスビオス火山の噴火、ローマの疫病と大火があったのはティトゥス帝のとき。コロッセオが完成(80年)したのもこの皇帝のとき。
教科書では記号にすぎない人名が、この本を読んだことで初めて生きて実在した人物だと実感できた。古代ローマの通貨単位セステルティウスがなかなか覚えられない。

2023年9月26日火曜日

乃木坂46「透明な色」(2015)

2015年1月リリースの乃木坂46「透明な色」通常版がそこに売られていたので救出。
もう坂道CDは中古だろうと増やさないようにしていたのだが、アルバムが110円なら買っておこうかと。通常版アートワークがなかなか良いと感じたし。

01.「OVERTURE」から15.「あなたのために弾きたい」まで全15曲を収録したファーストアルバム。
たぶん、3年目のバスラに向けてオタたちの気持ちを高めていくためのアルバム。これが出た時点でのほぼ乃木坂ベストアルバム。

このアルバムに収録されている楽曲もたぶんほぼ持ってる。乃木坂のすべての音源を手に入れるには、初回盤ABCと全て購入しないと手に入らない。
オタ化を自制していた自分は、すべてを買っていない。虫食い状態で音源がHDDに入ってる。

自分が乃木坂というアイドルグループを初めて認識したのが2015年の紅白。1月から2月にかけて、当時は過去の「乃木坂ってどこ?」や「乃木坂工事中」「NOGIBINGO!」「AKB show」、出演した歌番組なんかがほとんど動画サイトなんかにUPされていた。遡って見て行ってほぼ半年はそれだけしてた。

過去シングルはほぼ中古(だいたい110円)でそろえてしまった。CDに関しては無課金。
だが、自分は友人にも乃木坂過去動画を見せて、後に神宮2回、さいたまスーパーアリーナ1回、東京体育館でのアンダーライブ、3期生お見立て会、3期生プリンシパル、東京ドーム1回、へと出かけた。
なのでそれなりに料金を払って、2年ほど楽しませてもらった。そしてオタ卒w 

現在の5期生はいちおう名前はわかるけど、漢字で書くことはできないと思う。オタとして十分な各個性とパーソナルな情報は持っていない。乃木中も見たり見なかったり。流して見てる。

今も日々、テレビ出演などをチェックしてる1期2期メンは西野七瀬、齋藤飛鳥ぐらい。
現役で気になるメンは山下、与田、賀喜遥香、清宮レイ、菅原咲月、池田瑛紗、五百城茉央ぐらいかなあ。
最近は早川さんが卒業したけど、自分はあんまりそのへんのことを追ってない。乃木中も習慣として惰性で見たり見なかったり。

2023年9月25日月曜日

岡嶋二人「99%の誘拐」(1988)

岡嶋二人「99%の誘拐」(1988)を講談社文庫(2004)で読む。第10回吉川英治文学新人賞を受賞したとある。

昭和50年年末、末期がんで残された時間がわずかになった病床の男が、息子に向けて手記を書いている。
昭和43年、三億円事件が世を騒がせていた時期よりもちょっと前に起こった、イコマ電子社長の5歳息子が幼稚園登校する前に自宅から誘拐されるという事件が起こった。

犯人が要求してきた金額が5000万円。アメリカの親会社の業績悪化に伴い、これから国内で半導体生産工場を立ち上げようという時期に、どうしても必要だった金を身代金として支払い、夢を諦めた男の無念。

犯人は身代金を金塊に替えるように要求。新幹線の時刻など細かく指示を出し、最終的に瀬戸内海のとある地点で海中に遺棄させた。おそらくこの金塊は犯人グループによって回収されたものと思われていた。

だが、昭和62年夏。瀬戸内を潜っていたダイバーが金塊を引き揚げようとして溺死してたことが判明。これは、12年前に起きた児童誘拐事件の身代金として海中に遺棄された金塊だ!

身代金支払いとイコマ電子をカメラ会社リカードに吸収合併された生駒洋一郎の息子慎吾は25歳になり、リカードの社員となってカナダ支社で働いていた。
そして、リカード会長の孫(中2)が誘拐。身代金は10億円。全額をダイヤモンドに替え、金属容器に入れ、受け渡しを慎吾にさせる合成音声による女性の声で犯人から電話。

そして、東北道、蔵王へ、犯人からの指示のまま大追跡。
だが、この本の読者は、犯人が慎吾の作り出したコンピュータープログラムと音声であることを知っている。
そんなバカな?というストーリーのようでいて、これは今現在の技術力であながち不可能じゃなくなっている。

いったいいつどこでバレるのか?と思って読むのだが、最後までスカッと鮮やかな復讐劇。1人の死者も怪我人も出さずに、父を陥れた汚いやつらから倍返し以上の仕返し。誰もがこんな復讐をしたい。日本を壊した竹中平蔵と経団連に同じことをしたい。

2時間ぐらいであっという間に読んでしまった。見たことない展開で飽きることなく一気に読んでしまった。余計なことは語りすぎない文体が良い。これも面白かった。

2023年9月24日日曜日

二階堂ふみ「ふきげんな過去」(2016)

二階堂ふみ小泉今日子と共演した「ふきげんな過去」を見る。2016年6月の公開。7年前の映画なので二階堂は女子高生役。
監督・脚本は前田司郎。オリジナル脚本の企画らしい。制作と配給は東京テアトル。

果子(二階堂ふみ)は北品川の運河の傍で暮らす高校生三年生。いつも不機嫌。かなり変わってる印象。
映画開始からずっと苦い顔した怒った二階堂の顔のカット。バンドマン彼氏山田裕貴のバンドをこき下ろす。雨傘を引きずって歩いてる。

喫茶店で岩波文庫「小さき者へ・生まれいずる悩み」を読んでいる。水を注ぐウェイトレス店員が昔あった「やすのりちゃん事件」のことを知ってるかどうか聞いてくる。子どもをワニに食われた話とかしてる。見ていてぜんぜん様子がわからない。
北品川も蓮月庵もすごく昭和…どころか大正な感じがするしアジアの片隅感がする。
庶民の暮らし。赤ん坊を背負って働いてるおっかさんとかここ10年まったく見たことがない。女たちの風景がまるで中国の南部の地方都市のよう。
北品川ってビルとかマンションとか建っても、運河に張り付いて暮らしてる人々は江戸の昔から変わっていないのか。この食堂兼飲み屋が宿場町のよう。

橋の上でクルマが事故ったり、それでもヒロイン果子のテンションが低すぎドライすぎ。
ヒロインは黒い服とツバの広い黒い帽子の高良健吾の姿をあちこちで目撃する。こいつは何者?「ちょっとよくわからない」ずっと怪訝な顔。

死んだことになっていた蓮月庵の未来子(ヒロインの伯母、小泉今日子)が18年ぶりに突然現れる。まるで「あまちゃん」の春子さん。

「蓮月庵」の女主人とサトエ(ヒロインの母)は相談のうえ、嫌がる果子を説得し未来子を果子の部屋に住まわせる。
未来子は前科持ち?何かの事件から逃げている?死んでるので戸籍がない?!生きてると逮捕される?未来子の頭には爆弾の破片が入ってる?未来子は過激派みたいな左翼運動活動家か何かか?

とにかく見てて「?」というドラマ。ぜんぜん様子が見えてこない。説明してくれない。
未来子は果子ぐらいの年の頃に爆弾をつくってヤクザの事務所を爆破?!それで家族は賠償とかで貧乏に?
ヒロインはイライラしながらだんだん人間関係がわかってくる感じ。それは視聴者も同じ。

未来子はいつまでここにいるのか?サトエの赤ん坊に早く名前をつけないと?母はどこか体が悪いのか?やすのりちゃん事件って何?…というような会話をずっとしている。
果子は父板尾と未来子の関係を疑う。伯母さんの過去がわからなすぎてイライラが募る。

そして未来子と果子はスコップかついで船で出かけて廃墟へ。過去を掘る…と思いきや、目的は硝石?爆弾製造?!
いやもう見たことのないドラマすぎてカオスすぎてひたすら困惑。居心地悪くて長く感じた。ヘンテコではあったがそれほど面白く感じなかった。演劇人の作った映画という感じがした。

ダラダラ夏普段着から制服夏服に変わったとたん二階堂ふみが5割増しで可愛く見えた。
あと、マンションのフローリング床をどたどた歩く非常識な人を見るとイライラする。

2023年9月23日土曜日

W.アイリッシュ「黒いアリバイ」(1942)

ウィリアム・アイリッシュ「黒いアリバイ」(1942)を稲葉明雄訳1977年創元推理文庫版で読む。
BLACK ALIBI by William Irish 1942
デトロイトの三流酒場を回る歌手にすぎなかったキキは南米の大都市シューダ・レアルに移って、マネージャーのマニングと組んでから成功をつかみつつある。

マニングがどこからか連れて来た黒豹を連れて新聞記者たちに写真を撮らせるつもりが、その黒豹が大勢の人々や歓声やカメラのフラッシュといった刺激を浴びて、その場を混乱させ、衆人環視の中でひと暴れして逃走。大規模な捕物をしたのにそのまま行方不明。マニングくんはマネージャーをクビ。

そしてシューダ・レアル市で見つかる女性の惨殺死体。夜間に木炭を買いにお使いに出された少女テレサ・デルガド、恋人との逢引きに抜け出した令嬢コンチータ・コントレラス、夜の女クロクロ、アメリカ人観光客サリイ・オキーフ、みんな黒豹によって無残に切り裂かれた状態で発見。

警察は何の疑いも持たずに黒豹の仕業だと決めるつけている。爪や毛が見つかっている。
マニングはそこに異議をさしはさむ。誰も黒豹の目撃者がいない。石でできた都市のどこに隠れ潜む場所があるというのか?
それに獣がこれほど残虐なことをするだろうか?しかも被害者はすべて若く美しい女性…。

しかも、地元警察のロブレス警部がマニングの指摘にまったく耳を貸さない。こいつの目は節穴だし無能すぎる。しかも頑固。不信感しかない。

マニングくんは、恋人コンチータ嬢を失い廃人同然のベルモンテくんと、友人サリイを失ったマージョリイに、真犯人への敵討ちを持ち掛ける。犯人を罠におびき出す。
だが、犯人のほうが上手。マージョリイの命が危ない!

とても古典的な殺人鬼サスペンス。犯人の正体も古典的。令和の今これを読んでも、もうそれほどの新鮮味もないかと。
もうあまりアイリッシュ(ウールリッチ)作品を読み漁ってるという人も見かけない。

2023年9月22日金曜日

W.アイリッシュ「黒いカーテン」(1941)

ウィリアム.アイリッシュ「黒いカーテン」(1941)を宇野利泰訳1960年創元推理文庫(1973年14刷)で読む。
アイリッシュおよびウールリッチはいつも探してるけど、今はもうあまり読まれていない?古本であまり見当たらない。
THE BLACK CURTAIN by William Irish 1941
ニューヨークのティラリー・ストリートの路上で瓦礫の中で人々が見守る中で意識を取り戻したフランク・タウンゼント君。妻ヴァージニアが自分を待ってるので早く帰ろう。だが、そこにいた子供から自分のかぶっていた帽子を拾って渡されるのだが、見た覚えのないイニシャルが書いてある。

アパートに帰れば大家夫人が顔色を変える。夫人は引っ越した?自分が会社に出かけてる間に?不審なものを感じながらヴァージニアの移転先を訪れる。ヴァージニアは自分を見てやはり驚いた様子。どうやら自分は3年半も記憶を失ったまま行方不明だった?

タウンゼントの顔を見て尾行してくる男がいるので地下鉄に飛び乗って巻いた。拳銃を持って追いかけてきてた様子が尋常じゃない。
妻の身の安全を確保してからタウンゼントは「自分とは何者か?」について調査。図書館で自分失踪の時期の地方紙を調べる。
どうやら自分はダン・ニアリングという名前でニュー・ジェリコのディードリッチ邸で下男のように働いていたのだが、主人のハリーを殺害し逃走中?!

やがて自分のことを知ってる女と再会。女が止めるのにもかかわらず、タウンゼントは自分の無実を晴らすべくディードリッチ邸に潜入捜査。

これ、200ページにも見たない短めの長篇で、2時間ぐらい過ごすのにちょうどいい感じ。
読んでてずっと「?」という展開だが、その真相はわりとベタな2時間サスペンスドラマといった感じ。令和の日本人が今これを読んでもそれほど満足感があるかどうか。

2023年9月21日木曜日

東京公園(2011)

2011年6月に公開された青山真治監督脚本の映画「東京公園」があるので見ておく。ずっと録画したまま放置していた。もう12年前の映画。

原作は小路幸也「東京公園」(新潮社 2006)。主演は三浦春馬。制作はディーライツ、配給はショウゲート。震災でそれどころじゃなかった時期に公開された映画だったので、宣伝とか見た記憶がまったくない。

志田光司(三浦春馬)が公園で写真を撮っている。使用機材がCONTAX 167MTだ。手慣れた手つきでレンズを交換してる。
公園で遊んでる見ず知らずのファミリーに「大学で写真撮ってるんですけど写真を撮らせて」と言ってるシーンはちょっと緊張する。もうイマドキ気軽にOK出してもらえるとは思えない。
三浦春馬くんを見ると、ああ、もう死んでしまってこの世にいないんだなあと哀しみ。

ベビーカーを押して散歩してる女性(井川遥)の写真を木陰から撮影してると、やっぱり男から「何やってる?」と肩に手を置かれて威圧的に尋問される。こいつは歯科医の初島隆史(髙橋洋)。「勝手に撮影するのはやめるんだ」と言い残して勝手に去っていく。

写真学生光司の自宅(日本家屋)の部屋にはなぜか散歩してた女性のポートレートが貼ってある。どうゆうこと?「誰かに似てる…」?!
ヒロ(染谷将太)と同居。こいつがゲームなどしてる。撮ってきた写真を見て感想などを求めるというコミュニケーション。
光司のバイト先(おしゃれバー)に富永美優(榮倉奈々)。なんか、榮倉の演技が場違いで下手な感じがする。

先日のあの嫌な歯科医から電話で公園に呼び出される。(光司は写真家として名刺を持っていた。怪しまれたらちゃんと名刺と学生証を見せることでトラブル回避してるらしい。)
初島百合香(井川遥)を尾行し彼女の写真を撮ってほしいのだという。それって探偵業の届け出がなければ犯罪になるかもしれない。
1日2万の日当を提示される。光司は依頼を引き受ける。「写真はメールで送れ」「僕、デジタルはやらないんです」するとすかさず歯科医は5万を上乗せ。

バイト先に光司の義理の姉・美咲(小西真奈美)がひとりでやってくる。この女優最近あまり見ないな。
そこに松葉杖の美優。店長宇梶剛士(ゲイ)と4人楽しくトーク。

尾行撮影ターゲット女性の出没場所は歯科医からメールで知らされる。それが東京各地の有名公園。その都度、急いで出かける。歯科医の目的は一体なんだ?(この時代はまだガラケー?)
光司は職業探偵でない。女性から「こいつ、何度も見かける…」ってバレないのか?それにこの女性はなぜにベビーカーで東京各地の公園に出没?見ていて謎しかない。

光司の家で飲むために榮倉(死んだヒロの元彼女)が料理や手土産持って来るのだが、ここで初めて幽霊としてのヒロも交えて3人で炬燵を囲むシーン。
この映画にこの設定がなぜ必要?なぜかさらにムダにグロいゾンビ映画シーンもある。なぜか和服姿の酔っ払い紳士役で島田雅彦さんも出てる。

母が倒れたと聞いて、光司は美咲と一緒に両親の暮らす伊豆大島へ。(竹芝から伊豆諸島へ向かうフェリー風景を見ると懐かしい。一度しか乗船したことないけど。)
光司の両親が長野里美と小林隆。このふたりはドラマで主人公の両親役ですごくよく見る。
ところどころ会話から光司と美咲のこれまでにあったことを知る。推測する。なんか家族ドラマっぽい展開。

美優によれば美咲は光司のことを愛してる?!
美優が鋭い。歯科医が光司に尾行撮影を依頼した公園の位置関係が渦巻き?!
えっ、大学の考古学サークルって化石発掘もするの?

いやこの映画、音楽もほとんどなくてずっと静かで、テンポゆっくりすぎで、文芸作品をそのまま映像化したかのようで説明セリフが多く、起伏もなくひたすら退屈。
「ドライブマイカー」並みにひたすら長く困惑。どうりでどこでも話題になってないわけだ。
青山真治監督ってもう過去の人になってるな…と思ったら、2022年3月に亡くなっていたことを知った。

2023年9月20日水曜日

ジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄」(2000)

ジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄」倉骨彰訳 草思社(2000)上下巻を読む。2000年代前半のベストセラー。ずっと視界に斜めから入ってて、いつか読まなきゃなと感じてた。やっとGW前に読み通した。

著者は医師でカリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部教授。生理学、進化生物学、生物地理学の専門家。ニューギニアで鳥類生態学も研究。
GUNS, GERTMS, AND STEEL The Fates of Human Societies by Jared Diamond 1997
1万3000年前に5つの大陸に到達した人類は狩猟採取で生きていた。みんな同じような生活してた。だが、いつからどこでどうしてこんなに格差が広がった?

なぜスペインのピサロ部隊は圧倒的多数だったインカ帝国を滅ぼしたのか?なぜ逆にインカ帝国の側が海を渡ってスペインを滅ぼせなかったのか?
なぜ新大陸の先住民の側が逆にヨーロッパに渡って征服しなかったのか?
なぜアフリカの黒人たちは鉄器を持ってシマウマに乗ってヨーロッパに攻め込まなかったのか?

そんな疑問の数々に著者は結論を急がず慎重な歩みで優しく語りかける。この本は表紙を見ると何やら難しそうに感じるかもしれないが、高校生でも十分に読めるし内容を理解できる。
予想以上に平易でわかりやすく、かつ、内容が知的。高校世界史ではほとんど習わなかった範囲。読み始めてすぐにことの重要性を感じる内容。とても面白いし満足度が高い。ページをぐんぐんめくれる。

上巻はほぼ人類がどうやって農耕に適切な食料を選択し広まっていったかを詳細に解説。これが発表から四半世紀経っているので、すでに常識化してたり、どこかで見聞きしたり知ってることも多い。だがそれでも目からうろこのことばかり。

ヨーロッパ人の持ち込んだ病原菌によって、アメリカ先住民が壊滅的な被害を受けたことは知っていた。だが、なぜその逆の事態、先住民の持っていた病原菌でヨーロッパ人は倒されなかったんだろう?

自分、この本のタイトルの中に「病原菌」とあるのがよくイメージできなかった。大型の草食性哺乳類の種類が多かったユーラシアでいちはやく馬、牛、羊、山羊、豚、犬を家畜として飼うことが可能になったわけだが、そのことによってユーラシア大陸の人類は動物の持っていた突然変異した病原菌に感染し免疫を持つことができていた。

長い年月を経てヨーロッパ人はすでに病原菌の免疫を持っていた。ヨーロッパ人は銃と鉄、馬、そして自らは感染しない病原菌という細菌兵器で、新大陸先住民を倒していった。まさに濡れ手に粟。そういうことだったのか!

人類が家畜として飼いならし容易に繁殖させるようにできた動物は意外なほど数が少ないことを知った。
家畜とするには何でも食べてくれる雑食性、群れをつくる従順性、リーダーに従う必要がある。
気性の粗さや攻撃性、不規則性、なわばり意識、デリケートで複雑な求愛活動を伴う困難な繁殖活動があるものは、人間が家畜にするハードルがかなり高い。近世以降に家畜化に挑戦して成功した事例はない。人類は数千年かけて、わずかな野生動物を家畜にできたにすぎない。

あと、農耕が広まったのには、その大陸が南北ではなく東西に広がっていたことが重要という事実も目からうろこだった。植物は自生してた緯度が変わると気温や日照時間が変わって育てられない。東西方向と南北方向では農耕とその技術が伝わっていく時間に大きな差がある。
結果、北米大陸で先住民が農耕を始めた時期が遅れた。新たに外部からやって来たヨーロッパ人たちに対抗できるまで文明を発展できなかった。

下巻は文字の誕生と伝播、小規模血縁集団が集権国家になっていく過程。なんか急に難しい。
そしてニューギニアとオーストラリアのケース、中国のケース。そしてアフリカ。
各大陸での格差は民族の優劣ではなく、住んでた大陸の条件がすべてだった!という本。

2023年9月19日火曜日

西野七瀬「0.5の男」(2023)

「0.5の男」を見る。2023年5月から6月にかけてWOWOWで放送された連続ドラマ(全5回)。
主演は松田龍平。これ、監督に沖田修一と玉澤恭平、脚本に沖田修一と牧五百音。沖田作品にはハズレがないので期待して見る。

第1話家族以外と話す」
Q太郎こと立花雅治(松田龍平)40歳は両親の実家暮らしの無職。
何が面白いのかリビングでテレビを見て笑い転げる。母(風吹ジュン)と朝から茶飲み話。腰痛持ち父(木場勝己)が朝の散歩(囲碁教室?)に出かけると部屋へ戻ってネットゲームというノーストレスな毎日で無精ひげ。

ある日から性格きつめ妹沙織(臼田あさ美)の塩谷夫妻(共働き)が立花家に加わる。ボロい日本家屋を2世帯が住む家へ建て替えリフォーム。リフォーム業者(井之脇海)はこの家が2世帯ではなく2.5世帯になることを知っている。だから雅治は「0.5」なのか。
息子雅治には事前に何も相談がなかったのだが事態を察する。狭い集合住宅から引っ越す妹夫妻の連れて来た幼い子どもたちと顔を合わせざるを得ない。
妹の長女恵麻が最近よく見る白鳥玉季だ。「キモっ。アレと一緒に住むの嫌なんですけど。」この春から中学生(小学校の友人たちとは別れて別の中学)のイラついた問題児。さっそくスマホを買ってもらってLINEデビュー。

雅治は普段は母の作るタッパー飯。唯一出かけるコンビニで買うものがじゃがりことモンスターエナジー。なぜに旅行用スーツケースを引きずってる?って思ったら、ネカフェに行ったのか。親意外とは極力顔を合わせたくない。
ゲーム実況をやって金を稼げばタワマンに引っ越せると仲間たちからそそのかされるも、現実はそう上手くいかない。

新築家族と顔を合わせないように、深夜にこっそり実家に戻る。
母曰く、息子雅治はかつてハウスメーカー営業マン青年と同じようだった。母と息子のやり取りはメモふせん。

いやこれリアル現代日本家庭に沖田監督ならではの視線で斬り込んだドラマだわ。脚本も演出もアイデアにあふれてる。
第2話昼に外へ出かける」
未就学の児童がいる住居は朝から騒々しい。この子が保育園に行きたくないとギャーギャー大騒ぎ。これは近所迷惑。これは大人の男が一番見たくないやつ。
この新居を映すカットがドラマのクオリティじゃない。映画にしても良い企画だった。

母が階段で転落して怪我。甥の蓮は保育園にいかずに部屋の壁に落書き。暴れ回る男児に沙織はさらにイライラ。家事をまったくしない雅治にもイライラ。

漣を保育園にお迎えにいかないといけないのに母はまたしても転倒。雅治がお迎えに行かざるをえないのだが、お隣さん(広岡由里子)に挨拶されたらもう家に戻らざるをえない。この男はそこまで心が病んでるのか。

姪の恵麻は友だちのいない中学で孤独だし孤立。やがて早退を繰り返しほぼ不登校。転校は子どもにこんなにも重いストレスを与える。安易に転校させるのは子どものメンタルに良くない。
しかし、そのことによって、当初は気持ち悪いと思っていた引きこもりの伯父に共感していく。

漣くんが保育園から逃亡と連絡。この子はとにかく「ごはんがべちゃべちゃするから」と言い訳して保育園に行くのを嫌がる。
体力のない雅治は土手を転がり落ちる。そこに漣。そして学校を早退した恵麻。全員不登校。
この回終盤から保育士田崎瞳(西野七瀬)登場。この家族とのファーストコンタクトが異常。西野も土手を転げ落ちてゲロを吐くw

第3話電動自転車に乗る」
恵麻は相変わらず早退。しかし家で雅治と顔を合わせるのは嫌がる。しかし、ネットでは相手が雅治とは知らずにQ太郎とゲームして会話。蓮は雅治となら幼稚園へノリノリで通園。

雅治は園長(大島蓉子)からゲームクリエイターだと思われていた。なので女職場の保育園でパソコン設定を頼まれる。ああ、人は頼られ信じられることで「働く」というきっかけとモチベーションを得ていく。

保育園へ行くことで西野七瀬保育士と話をする機会が増える。恵麻が思春期で雅治を嫌う件でアドバイスしたりする。
臼田あさ美ママの復帰した職場の雰囲気がヘンテコ。いつも熱い会議中。恵麻の中学の担任から職場に電話が来て恵麻の不登校がバレる。

ヒステリックに怒るママから逃れるために、つい雅治の部屋に入って鍵をかけて籠ってしまう。母と雅治のやりとりメモを見つけて、かつての雅治が自分と同じだったことを悟る。
人と人がちゃんとコミュニケーションとれてるほうが、むしろ普通なことじゃないなと感じる。
雅治のアドバイスによって恵麻のママパパが恵麻にやさしく話しかけるシーンはちょっと泣いた。たぶん人はほんとはみんな優しい。沖田ドラマに悪い人はいない。恵麻が人間関係で悩むクラスの女子も性悪な子はいない。コンビニの外国人店員ですらも適切に距離を持ったやさしさを感じた。

第4話アイスをおごる」
雅治はついにゲーム仲間とのオフ会にも行けるようになる。電車に乗って。もうこれはかなり回復段階にあると言えるのではないか?
オフ会で出会った旧知のゲーム仲間が隣の家の、やはり引きこもり高校生だったという奇蹟。

恵麻も割れたスマホ修理に行った電気屋が、同級生でグループの中心女子の家だと知る。この子も同じネットゲームをやっている。やっぱりQ太郎という人物が人々の中心に居る。Q太郎は恵麻に良い作用を与えてる。

え、雅治と保育士西野がつきあってるって噂になってる?いったい誰がそんな噂を?
気づけば雅治はもう挙動不審の不審者でなくなっていた。誰とでも喋れるようになっていた。
しかし、保育園で元上司(安井順平)に話しかけられたら、蓮くんを連れ帰るのも忘れ、発作を起こしたかのように部屋に逃げ帰る。ああ、職場で嫌なやつだった人は病理のような存在でしかないということだな。

「引きこもり」問題に対する沖田監督からの回答とメッセージ。優しい眼差しと適度な距離間の干渉。
原因はやはり職場と社会。余裕を失った厳しいリアル社会が優しい人を傷つける。優しい人とそうでない人のギャップに起因。
あの元上司を無理矢理に雅治と引き合わせるのは謝罪のためとはいえ、やりすぎに感じた。

このドラマ、恵麻役の白鳥玉季がかなり重要な存在だと感じた。この子はこの年代の子役としてとても重要な役を話題作で連続で演じてる。感心しかない。

最終話働く」
いくつかの事件とイベント。そしてすべて好転し収束していく。家族の希望。みんな他人をバカにしたりする悪意のない優しい善良な人ばかりだ。
腰が痛いのに往復4時間かけて買ってきた酒が家の前の道路でぶちまけられ失われても笑って済ませられるエピソードが、このドラマの真価を語ってる。
主題歌は工藤祐次郎「たのしいひとり」。毎回エンディングが良いなと感じた。
沖田修一監督の人間への優しい眼差し。今の日本はこの人の映画をもっと必要としている。
ドラマなので映画よりは台詞で説明してる。LINEを読まないと理解できないので、音声読み上げが必要かもしれない。

西野七瀬の出演シーンは思ってたより少なかった。「シャイロック」に比べたら10分の1ぐらいだったかもしれない。衣装がほぼ保育士のそれ。色気とか何もない。

2023年9月18日月曜日

赤川次郎「白い雨」(1985)

もらってきた赤川次郎その2「白い雨」(1985)の光文社文庫版(1987)を読む。
赤川次郎というとミステリーなのだが、これは「長編ホラー小説」と銘打ってある。
自分が手に入れた本は1995年40刷!なのでわりと読まれた本なのかもしれない。

奥多摩の山の中を歩く大学生ワンダーフォーゲル部の男女グループ。なんだかギスギスしてる。それに貞操観が軽い。
そして飲んだくれ父と娘の児童虐待家庭。そこに都会で働いて金を送金する母が数年ぶりに帰ってくる。

さらに、週末は妻が両親と暮らす田舎に帰ることを義務付けられた気弱な青年。妻は浮気しても開き直ってるし、両親の借金の肩代わりまでさせられてる。

そして、疲れているのに夫と姑に運転を強要され、いびられ、さらに山道でガス欠となりパニック妻。

それぞれ多角的視点で描かれているのだが、もうどれも読んでて厭味しかしない。なんでこんなの読み始めたんだ?って思った。

そこに謎の白く発光する雨が降る。雨に打たれた者はもれなく発狂?それぞれで地獄のような殺人が発生。人間の理性が崩壊。それぞれの恐怖。ミストのようだしゾンビ映画のようでもある。

自分、今まで赤川次郎を読んでそれほど感心したこともなかったのだが、これは感心した。面白かったし、そのままホラー映画にできそうな内容。

2023年9月17日日曜日

赤川次郎「三次元の殺人」(1995)

赤川次郎「三次元の殺人」(1995 集英社コバルト文庫)を読む。「Cobalt コバルト」誌1994年8月号から1995年4月号まで3回に渡って掲載されたものの単行本文庫。表紙と本ページイラストは張佐和子。

自分、赤川次郎をそれほど読んでこなかった。昨年末から今年4月にかけて、図書館除籍本リサイクルで、80年代90年代の古い赤川次郎文庫本を何冊かもらい受けて来た。こんな機会でもなければ膨大すぎる著作を残した赤川次郎を敢えて読もうという気は起きなかった。これから折を見て読んでいく。

大御所ベテラン俳優を祖父に持つ香月千晶はミステリー好きの18歳女子高生。母は中堅女優。実の父は12歳のころに舞台上での事故で死亡。現在は母が再婚した義理の父がいる。そして叔父は映画プロデューサーという映画と芸能の一家。

祖父香月秀治70歳の誕生日で一家が食事というときに、秀治と深い仲だった元女優が自宅バルコニーから転落死。この元女優は回想録を書こうとしていた?
さらにヒロインの叔父も自室で急死。睡眠薬が原因?

この一家の主治医で、32歳でありながら総合病院の外科副部長というエリート青年で、千晶の恋人三崎がいっしょに犯人を捜す…という青春ミステリー。
この32歳が18歳JKと家族公認の仲だからなのか、至る所で抱き合ってキスしたりしてる。そういうの、許されるのか?

久し振りに赤川次郎を読んだのだが、世評ほどに文体がわかりやすいとはいえないなと感じた。ジュニア向けだからなのかもしれないが、読んでいて「?」となって数行戻るという箇所が何度もあった。

あと、アリバイトリックとか一切ない。真犯人が別に犯行を隠そうと策を弄してもいない。事件と何も関係なさそうな千晶のクラスメートも刺殺?!最後は三崎が真犯人を脅迫しておびき出して自供させる…。そんな2時間ミステリーのようなベタ展開。
正直、今この本を大人が読むべきかどうかはわからない。

2023年9月16日土曜日

朝倉かすみ「田村はまだか」(2008)

朝倉かすみ「田村はまだか」(2008 光文社)を読む。この作家の本を初めて読む。
読まないといけない積読本がたくさんあるのに、友人の本棚にこれがあったので借りて読み始めた。GW中にいろんなことしながら半日で読んだ。

第30回吉川英治文学新人賞受賞作だというから、それなりに多くの人に読まれたに違いない。小説宝石に2006年から2007年にかけて全6話で掲載された連作。

札幌ススキノの小さなスナックに男女5人が集まった。全員40歳で小学校の同級生。そして脱サラマスター46歳(バツイチ)。
みんなで酒飲みながら、田村の思い出話をしながら、電車が遅れてまだやってこない田村を待つ。登場人物が全員中年。

新入社員だったころの上司の話、養護教諭と男子生徒、隣の家の女子大生ブロガー、不倫と離婚、そんなこれまでの人生回想フラッシュバック。そしてみんな口々に「田村はまだか」という各話。

そしてついに田村からの電話。しかしそれは田村の妻となっている同級生中村からのものだった…。

舞台作品にありそうな文芸作品。読んでてわりと感心はした。第4話は40独身男が隣に住む赤ちゃんのころから知ってる女子大生のブログを発見する話なのだが、美大生を「やりまくってんだろうな」とかいろいろ想像してる場面は、女性読者のほとんどが嫌悪しただろうと思った。

あと、表紙イラストの男は田村じゃない。

2023年9月15日金曜日

小松菜奈「ムーンライト・シャドウ」(2021)

2021年9月公開の映画「ムーンライト・シャドウ Moonlight Shadow」を見る。
原作は吉本ばなな。監督はエドモンド・ヨウ。脚本は高橋知由。音楽はトン・タット・アン。メ〜テレとスターダスト、MAM FILMの制作。エレファントハウスの配給。
今作が小松菜奈の初単独主演長編映画らしい。

これはいけない。冒頭最初の独白台詞カットから小松菜奈がかわいくないw 中年アジア人女性感がする。やはり外国人監督にまかせるとこういうことになる。

さつき(小松菜奈)は冬枯れの草原を飼い猫?を探して歩いていて日没、そこにひとし(宮沢氷魚)。

ひとしの弟・柊(似てない)とゆみこ(アフリカ系ハーフ?)のカップルをさつきを引き合わせる。手作り料理をふるまうパーティー。さらに大がかりな「ピタゴラスイッチ」遊び。(こんなの流行ってんの?)
ずっとどうでもいいような会話劇。

まさかそこで寝てた男が起きだして踊り始めるんじゃないだろうな…と思ってたら、やっぱり踊るんかい!なんだか台湾とか東南アジアの映画っぽい。

死者と出会える「月影現象」について会話する恋人たち。
小松と宮沢の別れる場所が東京羽村堰のあの橋の上だ!多摩川土手をランニングする小松菜奈が細い。
恋人を喪失した悲しみ映画?日本人死生観しみじみ盆踊り映画?!黄泉がえり系映画?
臼田あさ美は一体何?多摩川が三途の川なの?恐山なの?

商業映画ぽくない。静かなアート系文芸映画。途中で寝てしまうこと必至。退屈の極み。

2023年9月14日木曜日

野村胡堂「奇談クラブ」(昭和6年)

野村胡堂「奇談クラブ」を読む。友人から借りて読む。昭和6年に四条書房から刊行されたものの2018年5月河出書房新社からの復刊。全5話を収録。解説を含めると405ページ。

野村胡堂(1882 - 1963)がいつの時代の人かすら自分は知らなかった。この人が「銭形平次捕物控」の作者だということはクイズ的に知っていた。
1882年生まれなので、小川未明、野口雨情、鈴木三重吉と同じ年。金田一京助とは盛岡中学の同級生。

東京駅前にあるビルの一室。吉井合資会社の吉井明子(22)の主催する、有閑階級名士たちによる、面白くて不思議な話の数々。
奇談クラブの設定が江戸川乱歩「赤い部屋」に似てる。胡堂は乱歩よりも12才年上。
メンバーが語って聴かせる話がすべて享保年間から幕末の話。なので、ずっと時代劇を読んでる感覚。

第一話「紅唐紙」
木曽檜問屋で財を成した一家の財宝探し。古書店で10銭均一で売られていた和本を珍田博士が買い求めたことから起こった騒動。

第二話「魔の笛」
5人を祟り殺した呪いの笛。怪談ホラーのような内容。

第三話「湖心亭」
新婚の友人伊東夫妻の別荘へ向かう三国(水泳選手)は食堂車で妖艶な美女と出会うのだが、この女が伊東へ復讐するためにやってきた奇術師?!
わりと古典的な探偵スリラーのような展開。

第四話「女性の秘密」
この話が全5話の中で圧倒的に長い。読んでも読んでも終わらなくて呆れる。ほぼ時代劇映画のよう。
大正昭和の娯楽読み物の雰囲気。まあ面白いっちゃ面白いが。なんだか「仮面の忍者赤影」とか「大魔神」みたいなファンタジー要素を盛ってる。

第五話「鏨地獄」
彫物師小瀬川桂堂は江戸の美人として名高い上総屋お妙が何者かに拉致され、「来栖の化け物屋敷」へと運び込まれるのを目撃。弟珊之助、伝次といっしょに化け物屋敷に潜入。そこは碧眼紅毛の外国人とお侍、そしてオランダお鉄といった面々の住む「八幡知らず」のような屋敷だった。
自分としてはこれがいちばん面白かった。冒険譚といっていい。江戸時代の人々には古代ギリシャの裸体彫刻の価値は、異質なもの過ぎてまったくわからなかったに違いない。

正直、令和の今にこれを読む意味があるかはわからない。たぶん、子ども時代に時代劇で育った現在70代以上の人々には響く懐かしさがあるかもしれない。

2023年9月13日水曜日

浜辺美波、あさイチ プレミアムトークに登場

朝ドラ「らんまん」にヒロインとして出演中の女優浜辺美波(22)が8月25日「あさイチ プレミアムトーク」に生出演登場。
じつは自分、「らんまん」をぜんぜん見ていない。なので話題についていけない。だがそれでもしっかりチェック。

まず神木隆之介インタビュー。浜辺美波の印象は?という質問に「一筋縄じゃいかない芯の強いとがった役者」「挑戦的な目つきができる」「わたしがどうにかします!と言う目が毎回怖い」「困ったなという表現をしないのがすごい」と回答。
鈴木アナから「神木さんから浜辺って呼ばれてるの?!」という質問。浜辺「もともとはミーちゃんだったはずなんですけど、最近は浜辺率がだんだん上がってw」「私はお兄さんと妹の関係性だと思ってたのに、だんだん近所のこどもみたいな扱いw」

元気のない寿恵子に万太郎が軽焼きを作って食べさせるシーン。手を使わずそのまま口でぱくっと食べたのは浜辺美波のアイデアだった!?
このとき浜辺は、上京したての万太郎が寿恵子の和菓子店を初めて訪れた場面での万太郎を想い出したものだった。そういうのって演出家が指示してするものじゃないの?浜辺「段取りではやらなかったけど、テストぐらいから勝手にやり始めてw 監督もなにも言わなかったんでw」
浜辺美波は今回が初の母親役。早くない?「まだ22歳なんで」「子どもと遊ぶシーンが楽しくてしょうがない」
子役たちの母親を見て参考にして役作りにしたという。

娘のその子を亡くした場面は監督、神木、浜辺で相談して作り上げたシーンだという。浜辺は「子どもの死はドラマと言えどちゃんとやりたい。どう表現するかで今後の夫婦が決定する」と意見。もともと台本にセリフはあったけど、最終的に監督の英断でセリフなしで1分半を芝居だけで見せた。浜辺「もともと台本に意見を言うタイプじゃなかった。神木君が背中を押してくれた。」
気分が落ち込み暗くなってしまった浜辺の心持を変えたシーン。それは、母を見送るシーンに登場した郵便配達人ジョイマン高木だった!w

いろんな芸人がドラマに出てくれたけど、みんな「らんまん」の世界に入り込んだスタイルだったのに、ジョイマンさんだけ違った!w 段取りからああだったw 
博多大吉「え、これアリなの?」「ほんとうに元気をもらいましたw」「なんて面白いんだと!」
ジョイマンがオファー後に真剣に考えて来たというネタラップ「らんまん ジョイマン 今日はがまん ピザまん」に大吉さん「いちばん酷い」と痛烈なダメ出し。崩れ落ちる浜辺。
あと、ジョイマン高木はエゴサーチがすごいらしい。

さらに浜辺が元気をもらったというのがダブル前原。(すまん、その芸人をまったく知らない)
「浜辺さんはギリギリまで寝ていることがある」「浜辺さんのリアクションが独特」「けっこう恋愛相談にのってくれる」「浜辺はずっとふざけてる」
そして寿恵子にとっての「里見八犬伝」に相当する浜辺の愛読書が「ハリー・ポッター」。「同じものをずっと味わうのが好き。」
そして楽屋で食べているもの、「手羽元が好き」
今回、番組スタッフは東宝シンデレラオーディションの映像も紹介。特技披露を「ないです」とキッパリ拒否したエピソードは華丸さんも感心してよく知ってた。
地元石川を舞台にしたNHK朝ドラ「まれ」に14歳で出演した映像を自分は初めて見た。
主演の土屋太鳳はすごく子役浜辺に話しかけてくれたという。「素敵な方だった」「朝ドラの現場は独特」

マンガ紹介コーナーではインフルエンサー書店員がオススメのマンガ本を紹介。浜辺はアニメには詳しくてもマンガにはそれほど詳しくないということを知った。
終始浜辺が笑ってたのが印象的。笑顔が他人を幸せにできるレベルにないと国民的人気女優にはなれないのだと思い知った。それぐらい今の女優浜辺は完璧。

2023年9月12日火曜日

齊藤飛鳥「おコン草子」(2010)

齊藤飛鳥「おコン草子」(2010 童心社)という児童書をもらってきたので読んだ。
齊藤飛鳥(さいとうあすか)という児童文学作家がいることに驚いた。著者の名前に惹かれて読んでみた。(元乃木坂46のさいとうあすかは齋藤飛鳥と書く。乃木坂オタは齋藤という字に敏感)

たぶん「まんが日本昔話」的な世界観。わりと平和な世界観なので江戸時代が舞台か?
人間と狐のあいのこ少女おコンは顔にヒゲがあり、夜目が効き、体力があって機敏。実の父と母はいない。育ての母に相当する人はいる。長者さまの屋敷の長屋で奉公人として家政婦のような仕事をしてる。

長者の末息子の弥兵が生まれながらに病弱。医者から余命宣告されやせ細って寝たきり。弥兵はワガママで短気。だがおコンをキツネの子だからと差別しない。おコンは弥兵とは仲がいい。

おコンは弥兵の看病もしている。どうすれば弥兵の病が癒え元気になるのか?
村の鎮守社にお参りにいくと鈴が頭を直撃し昏倒w 
だが、夢で水神様から「イラズ山」に行き「なら梨」を取って来て弥兵に食べさせれば病はよくなる…とお告げ。

そしておコンは山へ。脚を踏み外して谷底へ転落。ムカデ妖怪の穴に落ちる。するとそこに同じく落ちていた20歳ぐらいの男(ハンサム)がいる。こいつは小綱という鬼と人間のあいのこだった。生きることに嫌になっててとにかくネガティブ。穴から出ようとしない。

小綱は人間の死体を食べる鬼。鬼子母神のように柘榴を好む。イノシシを素手で倒して生で食う。
小綱の助けを借りて、山頂にあるという「なら梨」をおコンはとって来れるのか?という冒険譚。
わりと現代的な物語。小学生女子が読めばそれなりに面白いかと。

2023年9月11日月曜日

作詞少女 詞をなめてた私が知った8つの技術と勇気の話(2017)

「作詞少女 詞をなめてた私が知った8つの技術と勇気の話」(2017 YAMAHA)仰木日向、まつだひかり(まんが・イラスト)を読む。
「作曲少女」から1年5か月後に出た、同じ著者、同じイラストレーターによる本。やっぱりハウツー本のようでいてラノベ小説。「作詞少女」よりも100ページ以上も厚い437ページ。

主人公江戸川悠(ゆっぴ)は軽音部の尚子から文化祭でやる楽曲の作詞を頼まれる。黒髪ロングでメガネで学級委員で読書家だから作詞もできるだろうと頼まれたらしい。
だが、メガネはゲームのしすぎ、学級委員は他に立候補者がいなくて。本はラノベしか読まない。中間テスト英語の点数は平均以下…。

がんばって作詞したのに尚子は何も言ってこない。どうやらボツにされたらしい。この詩が自己満足そのもので何も伝わってこない、よくあるダメポエム。
このヒロイン悠がわりと自信過剰でプライド高い。もう一度書かせて!

図書室で作詞ノートを書いてると、メッシュ短髪で小柄なギャル伊佐坂詩文に絡まれる。ゆっぴの側から「静かにして!」と注意したからなのだが。
このギャルがなんだか言葉のチョイスがすごく性格悪そう。実はこの詩文は女子高生という正体を隠し、話題のドラマ主題歌の歌詞も書いてるプロ作詞家SiE。「作詞をなめてる?(怒)」
叔母の喫茶店でバイトしてる詩文と店で再会したゆっぴはその正体を知る。ゆっぴは詩文から作詞を教えてもらうことになる…。

このふたりがプライド高く気の強い自信家同士。ケンカ腰会話が面白い。結果、「作曲少女」より面白い。

仲良く作詞を教え教わる二人だったのだが、詩文が悠を突き放す急展開。なんか暑苦しい。詩文の悩みは現代日本では贅沢な悩み。
後半はまるで老人の独白みたいになっていく。音楽に乗った歌詞とは洗脳呪術?テーマが大きすぎ。まるでカラマーゾフ。

2023年9月10日日曜日

作曲少女 平凡な私が14日間で曲を作れるようになった話(2016)

「作曲少女 平凡な私が14日間で曲を作れるようになった話」(2016 YAMAHA)仰木日向、まつだひかり(まんが・イラスト)を読む。
これ、音楽ハウツー本のように見えるかもだが、ラノベ。

主人公山波いろはは16歳高校2年生。帰宅部で見た目も頭脳も何もかも普通。自分だけの特別な何かを見つけたくて焦ってる。焦ったあまり作曲をしてみたいと考え、なけなしの小遣いでキーボード(リサイクル品)と音楽理論本と初心者向け本を買っては見たものの、「作曲なめてた。これ無理なやつだ…。」と、途方に暮れる。

だが、ヒロインの教室にはヘッドホンをしてぬいぐるみ帽をかぶって、休み時間は机に突っ伏して寝ている超高校級天才作曲家(プロ)黒白珠美がいる!
さっそく話しかけて作曲を教えてもらうことになる。このへん、展開が急。

ヒロインいろははほぼ音楽知識皆無。作曲を教えるいうてもほぼ心構え。あとはパソコンで初歩の初歩。この高校生作曲家先生はほぼ「耳コピ」しか教えない。好きな絵を模写して絵を学ぶように、音楽も好きな曲を耳コピしろ!

だが、それは難しい。いろはちゃんはベース音というやつが馴染みがなく、たぶん普段聴いたこともない。「なぜ聴き取れない?」「なぜわからない?」そこが天才作曲家にはわからない。珠美といろはは仲たがい。
しかし、再び相互理解。珠美もかつてテニスに挫折した経験を思い出す。最初に突破できない壁を越えるためには、どうすれば?

この本を読んだところで作曲はできないと思う。楽譜どころか図表すらない。「キー」という概念を説明するために、鍵盤はどこから弾いてもドレミ音階ということを示すために、鍵盤の絵はある。

登場人物は17歳のふたりのみ。ふたりとも(とくにヒロインが)すごくピュア。

おそらく、音楽のことが何もわからない中高生に音楽に親しんでもらうきっかけになってくれれば…という一冊。あっという間に読み終わる329ページ。

2023年9月9日土曜日

志田音々、佐渡ロングライド

志田音々は今年の5月21日にNHKBS1の番組「チャリダー★快汗!サイクルクリニック」内の「ロングライド女子部」として、佐渡島で開催される自転車の祭典「佐渡ロングライド210」に参加していた。8月に2週に渡って放送された。
この番組が、自分が志田音々に関心を持つようになって初めて事前に予約録画して見た番組。もしかすると、これが自分の志田オタとしての最初の一歩かもしれないw

番組ではレギュラー?「運動経験ほぼなし」「ロードバイク歴4か月」と紹介。過去放送回では50kmに挑戦して泣いたこともあったらしい。
志田の公式YOUTUBE動画で、駒沢公園をロードバイクで1週2㎞を45周して90㎞走るという動画を見て感心したことがあった。あれはこの番組のためのトレーニングだったのか。
朝から夕方までずっと…という件で、番組ゲストのプロ自転車競技者も目を丸くして驚いていた。
志田はまだ未経験の130kmコースに挑戦。意気込みを訊ねられ「自信しかないです!」と回答。一体その自信はどこから?
スタートが朝6時15分。制限時間は9時間45分。夕刻4時までにゴールできないと失格となる。
スタート前にインタビュー。運動経験のほぼない志田は学生時代は勉学に励んでいた。「中学受験では第一志望に入れて達成感があった」「大学受験では第一志望に入れなかった」「達成感が12歳以来大きいのがない」と答えていた。
このイベントは地元佐渡の人々の協力と支援によってできている。休憩所で参加者をおもてなし。自分、こういったスポーツ大会に参加したことが小学生以来まったくない。単独で山歩きに出かけたことしかない。

志田のリアクションと反応がいちいち面白い。サービス精神とユーモア。好きになってしまう。
自分、数年前のGWに友人と車で行ったことがある。このイベントのスタート地点にあったキャンプ場に泊まった。ここからスタートして北側を先にして島をぐるっと回った。暑くも寒くもなくいい季節だった。
だが、5月下旬はそろそろ暑いのでは?
島を一周する道は起伏が激しい。登って下って。登りはたぶん相当にキツイ。志田さんの自分を叱咤するテンションが独特だった。やはりユニークな人だ。
自分、通学でも通勤でもイヤというほど自転車に乗った。高校まで40分かけて自転車で通ってた。
赤羽から柴又帝釈天までゆっくりのんびりママチャリで行ったことがある。このときは荒川を下って行ったのだが、行も帰りも日差しから逃げ場がないことがキツかった。お尻も限界に痛くなった。そんなことを想い出した。

赤羽からお台場を目指したこともあったが、レインボーブリッジをどうやったら渡れるのかわからず引き返したこともあった。駒場の前田侯爵邸まで行ったことある。
この3つのうちのどれかが自分史上自転車最長ロングライドw たぶんせいぜい往復40km。
なので自転車で130㎞ってちょっと想像できない距離。
番組MCやコメンテーターたちが、志田さんを見て「これは無理そう」と思ってたらしい。もう相当に限界ギリギリ。

それに志田さんが他の参加者に比べて、もうあきらかに体型が華奢。すっごく痩せている。
脚も腰も悲鳴をあげる痛さ。しかもお腹も痛いという。
それでも走る志田さん。同伴者のために風よけを務めるほどの責任感。やはり自分が見込んだだけのことはある。
上り坂に対して悪態を突く志田さんの独特さに番組MCもコメンテーターも失笑w いや、ユニークだわ。
スタートから約9時間でゴール。ギリギリにならずにわりと時間的には余裕のゴール。
達成感に涙する志田さん。「一皮強くなれた気がする」
日々トレーニングを積み経験もある参加者たちであっても、泣きながらゴールするほど過酷な挑戦。そんなの自分は体験したことない。すごい。
これほどツラく厳しい体験をした志田さんの勇姿。もっと多くの人に見てもらいたい。知ってもらいたい。

今後、志田さんがどの方向でどうなるのが目標なのか?自分はまだわからない。写真集でトップを目指すのか、武道館でコンサートをするのか、映画やドラマでの主演を目指すのか?とにかく志田さんに「達成感」を体験する高みへと到達させたい。応援したい。
たぶんこれは恋だと思う。「今この子を護るために死にたいランキング」第1位。

6年前に佐渡に行ってほぼ同じような道を旅したので、いろいろ思い出しながら楽しく見れた番組だった。