2023年9月18日月曜日

赤川次郎「白い雨」(1985)

もらってきた赤川次郎その2「白い雨」(1985)の光文社文庫版(1987)を読む。
赤川次郎というとミステリーなのだが、これは「長編ホラー小説」と銘打ってある。
自分が手に入れた本は1995年40刷!なのでわりと読まれた本なのかもしれない。

奥多摩の山の中を歩く大学生ワンダーフォーゲル部の男女グループ。なんだかギスギスしてる。それに貞操観が軽い。
そして飲んだくれ父と娘の児童虐待家庭。そこに都会で働いて金を送金する母が数年ぶりに帰ってくる。

さらに、週末は妻が両親と暮らす田舎に帰ることを義務付けられた気弱な青年。妻は浮気しても開き直ってるし、両親の借金の肩代わりまでさせられてる。

そして、疲れているのに夫と姑に運転を強要され、いびられ、さらに山道でガス欠となりパニック妻。

それぞれ多角的視点で描かれているのだが、もうどれも読んでて厭味しかしない。なんでこんなの読み始めたんだ?って思った。

そこに謎の白く発光する雨が降る。雨に打たれた者はもれなく発狂?それぞれで地獄のような殺人が発生。人間の理性が崩壊。それぞれの恐怖。ミストのようだしゾンビ映画のようでもある。

自分、今まで赤川次郎を読んでそれほど感心したこともなかったのだが、これは感心した。面白かったし、そのままホラー映画にできそうな内容。

0 件のコメント:

コメントを投稿