アンドレア・M・シェンケル「凍える森」(2007)というドイツでベストセラーとなったらしい本の邦訳が集英社文庫から出てるので読む。
1922年3月31日から4月1日未明にかけて、南バイエルンの大農園で6人が頭部を鶴嘴でたたき割られて殺害されたという「ヒンターカイフェック事件」を知りたいと思えばこの本に行きつく。いまもSNSで話題になるドイツの未解決事件。
夫婦と娘、孫娘は、何らかの手段で順番に納屋へおびき寄せられて殺害されたとみられ、その後、犯人は納屋から母屋に入り、男の子と使用人を殺害した。
という、ドイツの世田谷一家殺害事件。
この本、読み始めて早々に選んだことを後悔した。ヒンターカイフェック事件そのものを描いたノンフィクションでなく、事件からインスパイアされて、舞台を1950年代に設定し、固有名詞も変更し、村の人々の独白証言語りスタイルの舞台ドラマのような小説だった。
著者は無名の専業主婦で、語り口が上手いと思えない。1ページあたりの文字数も少ないし、情報量も少ない。
なによりも、数ページごとに祈りの言葉のようなページが挿入されるのもテンション下がった。
松本清張の帝銀事件や下山事件みたいな調査ルポを期待してたので困惑と落胆。一応最後まで読んだけど、これは読まなくてよかった。驚きも何もない。
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