2023年9月17日日曜日

赤川次郎「三次元の殺人」(1995)

赤川次郎「三次元の殺人」(1995 集英社コバルト文庫)を読む。「Cobalt コバルト」誌1994年8月号から1995年4月号まで3回に渡って掲載されたものの単行本文庫。表紙と本ページイラストは張佐和子。

自分、赤川次郎をそれほど読んでこなかった。昨年末から今年4月にかけて、図書館除籍本リサイクルで、80年代90年代の古い赤川次郎文庫本を何冊かもらい受けて来た。こんな機会でもなければ膨大すぎる著作を残した赤川次郎を敢えて読もうという気は起きなかった。これから折を見て読んでいく。

大御所ベテラン俳優を祖父に持つ香月千晶はミステリー好きの18歳女子高生。母は中堅女優。実の父は12歳のころに舞台上での事故で死亡。現在は母が再婚した義理の父がいる。そして叔父は映画プロデューサーという映画と芸能の一家。

祖父香月秀治70歳の誕生日で一家が食事というときに、秀治と深い仲だった元女優が自宅バルコニーから転落死。この元女優は回想録を書こうとしていた?
さらにヒロインの叔父も自室で急死。睡眠薬が原因?

この一家の主治医で、32歳でありながら総合病院の外科副部長というエリート青年で、千晶の恋人三崎がいっしょに犯人を捜す…という青春ミステリー。
この32歳が18歳JKと家族公認の仲だからなのか、至る所で抱き合ってキスしたりしてる。そういうの、許されるのか?

久し振りに赤川次郎を読んだのだが、世評ほどに文体がわかりやすいとはいえないなと感じた。ジュニア向けだからなのかもしれないが、読んでいて「?」となって数行戻るという箇所が何度もあった。

あと、アリバイトリックとか一切ない。真犯人が別に犯行を隠そうと策を弄してもいない。事件と何も関係なさそうな千晶のクラスメートも刺殺?!最後は三崎が真犯人を脅迫しておびき出して自供させる…。そんな2時間ミステリーのようなベタ展開。
正直、今この本を大人が読むべきかどうかはわからない。

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