2019年1月31日木曜日

欅坂46 日経エンタテインメント2018年5月号を手に入れた

欅坂46を表紙特集した日経エンタテインメント誌はすでに数冊あって、そのすべてを読んではいないのだが、たまたまそこに2018年5月号があったので手に入れた。
ピンナップがついて15ページの特集。さらに「けやき坂46パーフェクトガイド」もついて100円。

もう1年経とうとしている2周年アニラ直前のイシュー。あの飛田給でのアニラからもうそんなに経つんだなあとしみじみ。
平手も志田もいなかったけど、今泉はいた時期。まだかろうじて21人の絆はあると信じられた時期。
この表紙はさらに米谷も原田もいない。なぜか石森、齋藤、佐藤、長沢もいない。たったの13人しかいない。なんでなん。

あんまり新鮮なことは書いてない。前年初めて「ROCK IN JAPAN FES」に出演した件について、
今野義雄「フェスへの出演はこちらから狙って働きかけたわけではありません。ロックカルチャーから、欅坂46を見つけて声をかけてもらった、と感じています。ロックミュージシャンならではの『次はどんなことをするのだろう』という予測不可能な部分を欅坂46から感じ取ってもらえたのかもしれません」
RIJFは織田も米谷も印象深かったと語っていたかと思うのだが、上村、小池も6万人には圧倒された様子。アイドルイベントにしか行ったことのない人は一度はRIJFに行ってみるべき。世界観が変わる。

そして、秋元から予測不能なことが欅坂の良さとか言われたり、メンバーの心が不安定な件について
織田「確かに最初からみんなでの大きな目標、というのはあまりなかった」
鈴本「どこに向かっていくのかは楽しみでもあり、不安でもあります」
予測不可能なことは楽しいけど、もうここから先は卒業者を出さないようにしてほしい。乃木坂の深川や橋本、西野みたいにしっかり卒業コンサートをこなしてみんなが納得する形で送り出すことのみを卒業と呼んでほしい。卒業ということばをキレイごとで使わないでほしい。
「ひらがなけやき」は「ひらがな推し」でしか見ていないのでまだよく知らない。なのでメンバーを知るうえでこの1冊は役に立った。

2期生の小坂さんと河田さんは美少女の雰囲気が強い。自分が高校生のときこんな子に出会っていたら命を吸い取られていたに違いない。
個人的に柿崎、潮、金村も関心が高い。もっと活躍してほしい。

ぶっちゃけ欅2期、ひらがな3期メンはまだ何も知らない。今後おぼえていくのも難しいかもしれない。

2019年1月30日水曜日

ゆっかねんほうとう

芦川から若彦トンネルを通って河口湖町へ出た。目的はこれ
昨年の夏、「欅って、かけない?」で、菅井友香と守屋茜がふたりでやって来た「ほうとう不動」
昼時に行ったのだが、この店がすごく繁盛していて活気がある。スタッフのテキパキした仕事ぶりに感心。
ちなみに、この上座はいつも空けておいてあるようだ。我々は2人客だったのでテーブル席を指定された。
ほうとう(1,080円)を注文。
自分、山梨名物「ほうとう」をいただくのは今回で3回目ぐらい。
初めて食べたときも、森高千里「ロックンロール県庁所在地」のメロディーで「ほうとう~♪ほうとう~♪」を口ずさんだw

この日は気温が正午ごろでも3℃ほど。寒くてお腹も減っていたのでとても美味しかった。

さらに「馬刺し」(1,080円)を注文。意外に高いものなんだな。菅井友香が始めて馬刺しを食べたのもこの店。実は、自分もまだ一度も馬刺しを食べたことがなかった。ゆっかーと同じ店で馬刺しを初体験。
これが半解凍の霜降りみたいな薄切り肉が7きれほどだけだった。馬刺しってこういうものなのか。
ま、珍味という感じだな。人生で初めて食べたけど、もういらないかな。そんなに何度も食べたくなるようなものでもない。
ついでに、ゆっかーとあかねん(オタはこのふたり形態を「ゆっかねん」と呼ぶ)が、河口湖アクティビティマリンスポーツ「フライボード」をやった現場を見て来た。
いつものように、同じ場所に行って「同じだ」と感じる。ただそれだけ。
この場所が湖を渡ってくる風速10mぐらいの北風で体感気温氷点下の寒さ!こんな寒さはここ数年で初めて!というぐらいに震えあがった。写真を撮ってさっさと退散。

2019年1月29日火曜日

ザンビ村

乃木坂46メン総出演「ザンビ」第1話を見て、すぐに友人とロケ地へと向かった。
ちなみに、このドラマは御殿場市、群馬県高山村、その他でも撮影されているのだが、
今回我々が向かった先がここ。村をさ迷い歩く齋藤飛鳥のシーン。バスを降ろされ突然の雷雨で一夜を明かしたら他のメンバーが誰もいない。
山梨県笛吹市芦川町鴬宿の集落。ここは行政上は笛吹市だが、甲府市から伸びる谷筋のどん詰まり。
南側を東西に御坂山地が走る。大石峠を越えれば河口湖町へと出る。近年、若彦トンネルが開通し東京からやや近くなったかもしれない。それでもやはり山の中に取り残され時間が止まったような小さな集落。

この集落が狭い傾斜地に張り付くように寄棟造り、入母屋造り、かぶと造りの家が建っている。家の土台は石垣を積んで平らにしてある。
ドラマの画面を見ると緑が濃い。だが、我々の訪れた日は、
日が差していたのだが、がっつり冬型の気圧配置で冷たい北風が吹いていた。標高650mで気温は0℃。肌がひきつる寒さだ。
本国寺
生徒たちをバスから強引に降ろして雷雨。お寺の本堂で夜を明かすはめに陥る。こんなん、引率の先生の責任問題になるだろ。
堀未央奈が開けた扉。鍵がかかっていなさそうで開かなかったので本尊は拝めず。
この寺が調べてもあんまり情報がない。だが、この集落はとても歴史がありそうだ。
この集落を30分ほどウロウロ歩いたのだが、芦川に沿って走る自動車道で老婆を2人ほど見かけただけだった。ほとんど人の気配がない。
この道は街道の宿場町だった名残が感じられる。
この稲妻シーンだけは
長徳寺のこのあたりから撮影されたものだと推測。

今回、「ザンビ」という深夜ドラマのロケ地を調査したことで、芦川という集落について初めて知ることができた。
昭和が終わり平成も終わる今、赤い屋根の家々が次の時代も生き延びているかどうか…、危機感を持って見守りたい。

冬季はやっていないようだが古民家カフェや民宿なんかもあるようだ。キャンプ場もあるようなので、またいつか、春か秋に来たい。

「ザンビ」というドラマが最後まで見て面白いのかは、過去の秋元企画ドラマを見る限り、それほど期待できないかもしれない。

2019年1月28日月曜日

松岡圭祐「万能鑑定士Qの事件簿」Ⅰ・Ⅱ(2010)

松岡圭祐「万能鑑定士Qの事件簿」の第1巻と第2巻「力士シール篇・上下」(角川文庫)を読んだ。
平成22年の書き下ろし文庫。自分が読んだものは4年後の平成26年の第18刷。このシリーズは人気でよく売れたらしい。
自分、まだ1冊もこの作家の本を読んだことがない。

以前に綾瀬はるか主演映画で万能鑑定士を見て、ちょっと面白かったのと、友人がこれを数冊持っていたので読もうとした。
だが、都心のガードレールなどにゲリラ的に貼られつづける謎のシールという地味事件と、ヒロイン凜田莉子の波照間島でのバカ女子高生時代が細かく長いのとで、途中で読むのを止めていた。今回が2度目のトライ。

18歳のヒロインが沖縄から上京し就職を目指すも、不況の最中どこにも就職口がないという悲哀をかみしめる。そして小さなリサイクルショップでバイト。オーナーから学習するコツを学び、鑑定士としての知識を蓄えていく過程が描かれる。

「使える豆知識」を披露しつつ、バナナを使ったトルコ料理教室を隠れ蓑にする犯罪らしき何かを見破るのが第1巻「力士シール篇」の上巻。
読んでいて「へえ」と思うこともあるのだが、面白いと思うこともなく読み進めた。

ただ、話の途中で舞台となっている日本がハイパーインフレに陥りアジア最貧国になり下がっているという設定はまったく新しい。シミュレーション小説なの?

第2巻である「力士シール篇・下」は正体不明の偽札造り犯とアジトを追うのだが、公共交通は完全にマヒ。社会も大混乱。物価は数十倍で日本円は紙くず同然という、まるでSFな状況でヒロインと角川の記者・小笠原は孤立無援の独自追跡。

ヒロインは新聞記事から百科事典、カタログのたぐいまでほとんどすべて暗記しているような、シャーロック・ホームズのような人物。ケンミンSHOW的な知識、その業界の人しか知らないような知識、過去の判例までも熟知。エアコンの室外機を見ただけで地域を言い当てる。

苦労して沖縄まで渡航し調査するもムダ脚。だが、最後にたどり着いたのは…。
スケールの大きな意外な動機と犯人。期待しないで読んだけどそれなりに面白く感じられた。
そうか、お金のない人々は社会をハイパーインフレにしてしまえばいいんだ!

あまりリアリティはない。だが、ルパン三世とか好きな人は楽しく読めるかと思う。
この本で描かれる政府首脳と官僚、マスコミはもうちょっと冷静に事態を分析できないものか。無能すぎ。

次の世代のことなどお構いなしに自分だけお金をいっぱい貯め込んだのに、人手不足で老後にサービスを受けられなくなる老人たちのことも想いながら読んでいた。

だが、移民を受け入れよう(カネで奴隷を買おう)と言い出すのが経済界の偉い人たち。国の有り様を変えても自分たちだけ逃げ切ろうという…。
この本を読んで、そんな浅ましさのこともちょっと思い浮かべた。

2019年1月27日日曜日

広瀬すず「ちはやふる 結び」(2018)

足掛け4年に渡って第3部まで製作された映画「ちはやふる」(2018 東宝 ROBOT)の完結編をようやく見た。

今の時代、「上の句」「下の句」「結び」と3作もシリーズが作られ、ちゃんとヒットさせた主演女優広瀬すずは時代を代表する若手女優といっていい。

ただ、期間が開くと「前作でどこまで行ったんだっけ?」とすでによくわからなくなる。たぶんどんどんさらなる強豪が現れる。ひとつの競技を極めるということは限のない闘い。

広瀬すずが超絶美少女すぎてもはや泣くw 同世代女優を圧倒する別格の可愛らしさに言葉を失う。
開始1分のカメラが切り取るカットが新機軸。松岡茉優のかるたクイーンも性格が悪くて人間性が酷くて最悪。無視されて目が点になるすずちゃんが可哀想!w 
競技カルタの現場ってあんな記者がたくさんいて熱気にあふれてるの?ニコ動中継なのに?

この回から登場する新キャラかるた名人(賀来賢人)が意味わからないぐらい強くて怖い。まるでカルタ廃人。
狭い村内マイナー競技で頂点を極めまくると人間はこんな感じになるかもしれない。これ以上強くなって何の意味が?希望もなくなるかもしれない。

ガチが進みすぎると周囲はドン引き。ちはやの陽気なバカがきっと世界を救う。笑いの要素の大切さを序盤から強く感じる。

会話のテンポがとても心地よい。笑いのセンスが新鮮。
これは原作が持つテイスト?それとも小泉監督ならではの才能?「タイヨウのうた」における「知ってます。わりと詳しく知ってます。」みたいな間合いの会話が多くてニヤッとしてしまう。これは「上の句」「下の句」ではあまり感じなかった。
唯一寒さを感じるのが松岡が謎キャラに見せるミーハーさ。

真剣佑の瞬殺「好きな子いる」の居合のような間合いも良い。
瑞沢新入部ワガママ男の希望が通らないと即「辞めようかな」がタイミングよく言い方が良い。こいつむかつく。

美男美女目当てだけでそんなに入部希望者って来る?その中にいきなり150キロの球を投げるような即戦力になるようなキモガチ勢って現実にいる?あんなデモンストレーション競技を見せられたら誰でも敬遠どころか興味すら失う。「正気の沙汰じゃない」w
自分なら入部しても10首も覚えられずに茶を濁す。

優希美青を久しぶりに見た。とても存在感があった。入学早々に男漁り1年生女子とか怖い。
野村周平と並んで歩くシーンではカメラがずっと優希だけを撮っている。大事な会話がスマホでLINE画面ってそれ、映画でやっていいのか?たまになら変化球でいいのか。なんでそう撮る?ってちょっとびっくりする。

高校生は受験勉強もある。野村周平は「ビリギャル」でも受験生だった。何年受験生やってんだ。東大理三だと?そんなとこ一般的な都立から目指すやつは部活なんかやらない。Z会だ。
こいつの学力テストの成績が下がることを示すシーンがわかりづらい。ちょっと考えないと意味がわからなかった。
部をつくるのに最低5人集めろとか杓子定規なことを先生が言うなよ。ひとりでもいいだろ。藤岡東高の先生のキレがお笑い芸人っぽい。

瑞沢高校以外がもれなく暑苦しい。敗退していく高校の顧問たちがそれっぽい名言を言おうとしてて笑う。北央メンがひょっこりはんみたいでやっぱりキモい。

これまで見てきていまだに競技カルタ団体戦の意味がよくわかっていないw 運命線での戦術とか解説されてもよくわからない。中盤での挫折シーン、脂汗かいて緊迫してる絶望的状況も、え?どういうこと?って自分だけわからない。

お気楽高校生すずは受験でカルタ部を去る野村に不満をぶつけるのだが、そこは仕方なくない?なにせ東大受験だぞ。そこまで犠牲を求められないだろ?
「なんで?なんで?なんで?」すずにそこまで言われたら、自分なら何もかも捨てるけど。そこはスカした男子高校生役のプロ野村。

準クイーン役の清原果耶を初めて認識した。自分、清野菜名って人と間違えていた。マジギレしてる芦田愛菜みたいな風貌。
ちはやと「取ったのアタシ!」という言い争いはどう決着がついたのか?

クライマックスは幼なじみ同士の対戦。勝敗の分かれ目のアヤのようなものがよく理解できないので、ずっと?が浮かんでる。どっちが勝ったのか?それすらわからない。

だがやっぱり「結び」も名作だった。3本見たひとは十分に満足でお腹いっぱい。「ちはやふる」は結局すべて最良に幸せな実写映画化だったのではないか?
キャストとスタッフはこの3部作を誇っていい。3本とも高いクオリティで完走した。
主題歌はPerfume「無限未来」。こちらも名曲。

2019年1月26日土曜日

畠中恵「アイスクリン強し」(2008)

畠中恵「アイスクリン強し」(2008)を読む。今回手に入れたものは2011年講談社文庫版。100円で購入。

畠中恵は「はたなか」ではなく「はたけなか」と読むのが正しいって、経歴を読んで初めて知った。名古屋の美術系短大卒業後イラストレーターを経て作家に転身した人らしい。

この本を読んでみようかと思ったきっかけは乃木坂46の井上小百合が同名の舞台に出演したから。それに畠中は人気作家だし、1冊ぐらいは読んでみようかと。

自分、「若様組まいる」を先に読んでからの「アイスクリン強し」だった。この「アイスクリン」のほうが先に書かれたものらしい。こちらのほうが登場人物も少なく話がわかりやすくすらすら読める。

生きるためにしかたなく警察官を目指す旧幕藩体制では旗本の子息たちだった川瀬らを描いたのが「若様組まいる」だった。「アイスクリン」は築地居留地で育ち西洋菓子職人を目指す皆川が主人公。

文明開化を従来のイメージ通りに描いた時代小説。みんなお金もなくトホホな状況。将来に何も明るい展望を描けないけど、どこか明るい。

西洋菓子元年を描いているけど、それほど新鮮な知識とか蘊蓄とかは描かれない。
文体が平易だし、話し言葉が現代語w たぶん高校生大学生が楽しく読める時代小説ドラマ。たぶんみんな現代的爽やかイケメン。

だが、明治の諸問題も扱う。貧民窟とかコレラとか。ま、スウィーツ職人も事件を捜査する刑事ドラマみたいな。

「舞台若様組」で井上小百合がやった子爵家お嬢様は名前のみしか出てこないキャラクター。勝手に三角関係の一角にいる人。

2019年1月25日金曜日

新垣結衣「恋するマドリ」(2007)

2018年の話題作ドラマだった「獣になれない私たち」も結局1回も見なかった。
だが、このドラマのキャストを見て2007年公開の「恋するマドリ」と同じじゃんと気づいた。新垣結衣松田龍平菊地凛子が共演している。

引っ越しから始まる物語。出会い、そして三角関係、そして別れ。ほろ苦い青春を描いている。
10年ぶりぐらいに見てみた。この映画はぜんぜん地上波でもBSでもCSでもやらない。サブスクでも見ない。

だが、映画女優新垣結衣11年の歴史でこの作品こそが最高傑作。同年公開の「恋空」はガッキーがカワイイことしか取り柄のないどうでもいい駄作。
姉(江口ひろみ)の出来ちゃった結婚で北品川の平屋一戸建てから目黒川沿いのアパートへ引っ越す美大生ガッキー。ボソボソ喋る挙動不審コミュ障男・松田龍平と出会う。

この男が実は研究室を構えて有機EL研究をしている技術研究室の主任。骨折してバイトができなくなった友人に代わってバイトへ行って正体を知る。実験の手伝いなんかしているうちに、いつのまにかなぜか恋心。

前の部屋に入れ替わって住むのが菊地凛子。忘れ物を取りに戻って交流が始まるのだが、菊池もかつての美大生(現在は一級建築士)で、ガッキーのように椅子をデザインしていた。

松田と菊池が元恋人同士(今も?)ということを知ったガッキー、なぜか和菓子屋でふたりを偶然を装って再会させようとする。挙動不審になるガッキーが良い。
ガッキーが手順を間違えたために、足りなかった緑色イエローの発光量が偶然アップ。これで発表会に間に合った!と思ったのだが、準備中にガッキーがミスで資料を破壊。

代わりになる資料を持っている心当たりは一つしかない。元恋人の菊池がそれを持っている。松田も菊池もまだガッキーが両者と知り合ってるということを知らない。

新垣「それください!あなたにもうそれは必要ない」あまりの剣幕に菊池は直観的に「イヤ!」と断る。
この二人は前のシーンでも知らず知らずに「置いていったものは他人にとられちゃう」という会話もしていた。そんな人生の機微のようなものがよく描けていて感心する。

ガッキーのがんばりが松田の窮地を救う。ハッピーな気分。だが、菊池の家に知らない別の男(世良公則)がいるのを目撃。傷つく松田。
実は男は菊池の父親だった。連絡がとれなくなる。だが、あれ?いつの間にか部屋に戻ってる。「実家の奈良の山にいたから電波届かなかったわ」
菊池は今日インドへ留学へ旅立とうとしていた。ガッキー「早く追いかけて!」

だが、ぼんやりのんびり男の「やっぱやめとくわ」にガッキー激怒。このへんのやりとりはガッキーによくある演技演出。菊池から「父です」と真実を告げられるシーンのガッキーの表情もよく見るガッキー。

ガッキーは空港へと走る。ガッキーを引っ越し業者中西、屋形船の船頭世良が助ける。このへんのシーンがロックを感じる。ちなみに音楽担当はスネオヘアー。
警備員を振り切って今まさにインドへ向けて飛ぼうとしてる飛行機に、展望デッキから「出てこい!」と叫ぶガッキー。このシーンが異常に面白い。警備員に引きずられていくガッキーはこの映画でしか見たことない。

この映画、ガッキーの隣人内海桂子師匠が大活躍。「若い人って可哀そうだねえ」のシーンとかなにげに名場面。上手くいったと笑みを浮かべてスポーツカーを運転して去っていくシーンも名場面。

別れかけていた松田と菊池を再びくっつけた恋のキューピッドとなったガッキーは部屋でひとりぼっち。切ない。そして桜の咲く季節にまた引っ越し。新垣結衣の歌う「メモリーズ」がバックに流れ旅立っていく。とても爽やか。
この映画、公開当時は「何も起こらなくて退屈」「パッとしない」と言われていた。「恋空」のほうが人気が集まった。当時の人々は一体何を見ていたのか?

ガッキーが好きな人はもちろん、そうでない人も見ろ!と言いたい名作。

2019年1月24日木曜日

綾辻行人「びっくり館の殺人」(2006)

綾辻行人「びっくり館の殺人」講談社ミステリーランド版を児童書コーナーで見つけて手に取った。

調べてみたら、七戸優装画挿絵で児童書として2006年に出版されたこの版が初出。しかし、同年には講談社文庫版も出ている。

自分はたいてい文庫本を選ぶのでこいつを買うのに逡巡した。しかし、初版だし、200円だしということで買って帰った。BO相場はたぶん200円。
こいつを購入して1週間後ぐらいに文庫版を100円で見つけてちょっとブルーw でもこちらの判も手元にあっていい。しっくり手に馴染む。

いきなりクリスマスの密室殺人の現場からスタート。青年が小学生時代に体験した事件を回顧する形式。

児童書なので主人公が10才の小学生。漢字には振り仮名がふってあるし表現が平易で子どもに語り掛けるよう。挿絵もある。この雰囲気は小学校高学年男子にはたまらない。

芦屋あたりが舞台?お屋敷町にある洋館が気になる三知也くん。たまたま門が開いているので中に入るとバルコニーから声をかけられる。同じ年の少年・俊生くんと友達になる。

「びっくり館」は体が弱く学校に通えない俊生くんと当主の祖父の二人暮らし。たまに家政婦と家庭教師がやってくる。
俊生くんには梨里香というお姉さんがいたのだが、この屋敷で死んだ?両親は?そのへんは口を濁す。
三知也くんも中学生だったお兄さんをイジメ自殺で亡くしていたという過去が。

サンタのような白いあごひげの祖父はちょっと怖そうなのだが、なぜか梨里香という人形でいきなり腹話術を披露して小学生たち困惑。しかもこの老人が狭心症の発作を起こす。

俊生くんは祖父の留守中に三知也くんをリリカの部屋に案内。この館が壁に埋まってるびっくり箱を順番に開けると隣の部屋の扉が開くしくみ。
そしてクリスマスの夜の惨劇。

これ、鹿谷門実が事件とまったく関係なく1回登場するのみで笑った。最後まで読んでもあの1回しか登場しないw

児童向けとはいってもやっぱり大人の読者を満足させる1冊だった。広くオススメする。
これも映像化は難しい。
今の子どもは叙述トリックを理解できるの?てか、小学生のころの自分にはその意味を理解できなかったかもしれない。ラストはなにやらホラーをほのめかす。