2019年1月13日日曜日

二階堂ふみ「オオカミ少女と黒王子」(2016)

「オオカミ少女と黒王子」(2016 ワーナー)を見る。これもたぶん少女コミックスウィーツ映画。こんな映画が多すぎる。何の予備知識もない。

主演は二階堂ふみ山﨑賢人。自分が二階堂ふみを見るのは「神聖かまってちゃん」映画以来2作目。ほぼこの人気女優の主演作を見るのは初めてと言っていい。山﨑賢人は「管制塔」以来もう何本見たかわからなくなってるぐらい。

冴えないアタシが学園の王子様に選ばれるというよくあるマンガ。しかも王子様がドSという、近年よくあるタイプのマンガ。

実はこれを手に取った理由はクラスのリーダー格グループ(ガヤ)のひとりとして武田玲奈が出てるから。
開始1分、楽しい学園生活ダイジェスト映像の後、「あ~ダリィ~」って感じで玉城ティナが「彼氏がエッチのとき手を縛らせろとか言ってきて最悪~」とか言うw
それに池田エライザが「男ってバカ。AVの見すぎぃ~」とか応える。

玉城と池田の間にいるのはおそらく「暗黒女子」でも玉城と共演していた小島梨里杏という女優だ。この子もかなりかわいい。
女子高生でありながら自由に楽しくやっている。そんな極悪カルテット。こいつらは最後まで何もいいところがない薄っぺらさ。たいして悪いことでもないのにサイテーとか言うなよ。

え?このグループで二階堂が一番背が低くてぶっちゃけ公開処刑されてないか?かなりこの4人に見劣りすると言わざるをえない。
二階堂演じるヒロインの真の友人役は門脇麦。このふたりがあんまりカワイクないw
ヒロインに彼氏がいるように協力偽装。全員彼氏持ちグループで話題が彼氏のことばっかり。なので自分も彼氏が存在するていで会話せざるをえないという…。

「彼氏がいるとか絶対嘘だよね~」とリア充友だちからはお見通し。今の私立女子高のトイレはこんなホテルみたいなのか?女子たちが化粧を直しに来るような場所になっていて驚いた。

街でたまたま見かけたイケメン男子・山﨑に接近。無言で正面から写真を撮るヒロイン。これが彼氏と嘘をつくオオカミ少女。
たぶん渋谷パルコ前シーンはゲリラ撮影。かなり長回しで移動距離も長いのだが通行人が誰も傷にならない。走る二階堂らをチラっと見て撮影であることを察して邪魔にならないように通り過ぎていく。さすが東京渋谷だ。
学園内を走るシーンも後ろからカメラが追いかける映像が良い。

この王子様がドS。二階堂「え?」と放心。適度にブスでリアリティーがあって良い。「イケメンだと思ったらとんだ詐欺師だよ」「おまえが言うな」二階堂と門脇の会話はカメラが振り子のように動く。

彼氏のふりしてやってもいいけどと無理難題を押し付ける山﨑、困り顔でそれにつきあう二階堂。本当のカップルのようにしていても、人の目がなくなれば「ウザいから失せろっつてんの」「躾が必要だな」これはこれで楽しそうだ。

そこに第3の男も出てきたりする。そのシーンを引き画で撮ったりする。動くカメラによるカット割りとか感心しっぱなし。
黒王子に「行くな」と命令されても「普通の恋がしたい」と気になる男子とデートに行くとか予想外なヒロイン。

だが、金銭を要求されないのがイジメと違うところ。そのへんは現実的でない少女コミックファンタジー。

インスタ映えとかいう世相を反映。リア充を装わないといけないとか大変だ。
黒王子「あいつらが本当に好きなのは恋愛してる自分だろ」「周りからリア充に見られる自分が好きなだけで相手のことなんか大して好きじゃない」とかいう事が何だか深い。
風邪で寝込んだ黒王子を看病して帰る二階堂が「今夜はブギーバック」を口ずさむシーンとかサブカル映画感もする。なのに挿入歌のほとんどが洋楽ポップス。そこはちょっと嫌。

黒王子から初めて「ありがとな」って言われたヒロイン、初めて「お母さん」って言ってもらえた継母みたいだった。

黒王子の姉として菜々緒も登場。「まさかアナタ、男を顔で選ぶようなおバカさんじゃないわよね?」「あなたプライドないの?」こちらもドS。
優しいのに暗い日下部くんを演じたのが吉沢亮。初めて認識。山﨑と「キングダム」に出演する。
グラビアアイドル久松郁実がワンシーンのみ出演してる。あまりにチョイ役で逆にびっくり。

この映画、古典落語のような味わいがあって面白い。監督が廣木隆一でなにも期待していなかったのだがわりと楽しく見れた。十分に大人の鑑賞にも耐える。
クライマックスの再会シーンが遠い場所から引き画で撮って近づいてる映像でちょっと驚いた。なんでそんな撮り方するん?ってちょっとザワザワする。

今まで見たあらゆるスウィーツ映画で一番面白かった。オススメ。二階堂ふみを見直した。
主題歌はback number「僕の名前を」

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