もう15年以上昔の映画。奥付を見ると2003年9月13日東宝出版から発行。発売時の定価は700円。
主に製作者側から見た撮影日記と裏話がメイン。長澤、小栗、伊藤、塚本それぞれ1ページと本人直筆コメントがある。それ以外でこの4人のファンがこの1冊を持つべき理由はあまりない。
まさみ直筆コメントを見てみる。
まさみは2012年夏に東野圭吾ミステリー「シャレードがいっぱい」で書道の先生を演じたとき「祖母が書道の先生で母と兄は字が上手いけど自分はチョー下手」と言っていた。でも、これを見るとそう下手でもないと思う。
「頑張らずに頑張る」はこの当時のまさみの座右の銘。以後15年、苦労を苦労として見せないのが長澤まさみだった。先ごろ千秋楽を迎えた「メタルマクベス」を見た人もそれは感じたのでは?と思う。
「ロボコン」は2003年3月15日にクランクイン。340人のエキストラを入れて試合のシーンは3月31日。クランクアップは4月14日。まさみは中野九中から堀越へと進学する春休み。
ここで古厩智之監督が、長澤演じる里美のキャラがどのように生まれたかを語る箇所を引用
里美が操縦ってのは最初から決めてました。長澤が操縦がウマくてホントに良かった。里美が「めんどくさがり屋」ってのも早いうちから決定。
里美がトラックの上で歌うのは山口百恵の『夢前案内人』です。当日まで歌を決めきれず長澤に「何が好き」って聞いたら「百恵ちゃん」と即答が。そこへ堀越Pが「夢前案内人しかないでしょう」と断言。里美の趣味はそんな風に決まりました。
里美に関してあとは長澤が作ったものが大きいですね。冒頭保健室でぽかーんと口を開ける奴だとは僕は知らなかったし、竹内(塚本高史)の尻をあれほど蹴飛ばす奴になるとも思わなかった。長澤の身体がどんどん動いていって、僕はとても面白がれたのです。監督にとっても長澤の予想外な個性だった。
そしてロボットの製作現場が徹夜ギリギリの作業。長澤は操縦を短時間で猛練習をしたという
古厩(監督)「彼女は短時間に驚くほど上達しましたよね。あれは才能かな。長澤がダメダメだったら成り立たなかったもの」
清久(撮影)「最初に作ったロボットはいろんなトラブルを想定して、別の人が遠隔操作出来るように考えてたんです。でも、それが無理になって長澤がやらざるをえなくなった。彼女がダメだったら、たぶん、この映画はそこで終わっていたかもしれないですね。」
古厩「僕はね、内心『やった!』と(笑)。だって他の人が影で操縦するって絶対無理だろ、と思っていたので……」
宮川P「また長澤の操縦が繊細かと思うと、突然大胆になって(笑)。箱の取り方もガーンと。ロボットの操縦って、結構キャラクターが出て面白いのね」という座談会部分を読むと、長澤まさみがキャスティングされた段階でもう「ロボコン」という映画の奇跡は始まっていたとしか思えない。
ちなみに、行定監督が「セカチュー」に長澤を起用することを決めたのは「ロボコン」を見たから。まさみはもう最初からいろんな奇跡を起こしていたw
この「ロボコン」という映画、以前は見るのが難しい映画だったのだが、サブスク時代になってAmazonプライムやhuluなんかで簡単に見られるようになったようだ。2018年11月になってとつぜんWOWOWでも放送された。
長澤まさみ少女時代の大傑作ともいえる「ロボコン」が多くの人の目にふれるようになって良かった。
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