2019年1月26日土曜日

畠中恵「アイスクリン強し」(2008)

畠中恵「アイスクリン強し」(2008)を読む。今回手に入れたものは2011年講談社文庫版。100円で購入。

畠中恵は「はたなか」ではなく「はたけなか」と読むのが正しいって、経歴を読んで初めて知った。名古屋の美術系短大卒業後イラストレーターを経て作家に転身した人らしい。

この本を読んでみようかと思ったきっかけは乃木坂46の井上小百合が同名の舞台に出演したから。それに畠中は人気作家だし、1冊ぐらいは読んでみようかと。

自分、「若様組まいる」を先に読んでからの「アイスクリン強し」だった。この「アイスクリン」のほうが先に書かれたものらしい。こちらのほうが登場人物も少なく話がわかりやすくすらすら読める。

生きるためにしかたなく警察官を目指す旧幕藩体制では旗本の子息たちだった川瀬らを描いたのが「若様組まいる」だった。「アイスクリン」は築地居留地で育ち西洋菓子職人を目指す皆川が主人公。

文明開化を従来のイメージ通りに描いた時代小説。みんなお金もなくトホホな状況。将来に何も明るい展望を描けないけど、どこか明るい。

西洋菓子元年を描いているけど、それほど新鮮な知識とか蘊蓄とかは描かれない。
文体が平易だし、話し言葉が現代語w たぶん高校生大学生が楽しく読める時代小説ドラマ。たぶんみんな現代的爽やかイケメン。

だが、明治の諸問題も扱う。貧民窟とかコレラとか。ま、スウィーツ職人も事件を捜査する刑事ドラマみたいな。

「舞台若様組」で井上小百合がやった子爵家お嬢様は名前のみしか出てこないキャラクター。勝手に三角関係の一角にいる人。

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