2019年1月21日月曜日

多部未華子「フィッシュストーリー」(2009)

伊坂幸太郎「フィッシュストーリー」の映画化(2009)を見る。ずっと見ようと思っていたのだが、公開から10年経とうとしている今になってやっと見た。伊坂幸太郎の映画は毎回中村義洋が監督。

これ、橋本奈々未が好きで何度も見た映画らしい。そんなわけもあって見る。

巨大彗星接近中で地球最期の日を迎えている。めんどくさそうな中年男性石丸謙二郎が電動車椅子で無人の街を徘徊。客とパンク談義してるレコード店の店長と客に「なんで避難しないの?」

1975年、セックスピストルズよりも早かったというパンクバンド「逆鱗」のレコーディングシーン。高良健吾がすごくそれっぽい。このバンドがすごくぽい。70年代は感じなかったけど。

そして1982年、濱田岳が運転する車での「呪いのレコード」談義。濱田は不良たちの気弱な使いパシリ男。合コンで会った女から「あなたはいつか地球を救う」と予言される。
自分、ここから濱田オフビート映画になるのかと予想してた。

だが、1999年のノストラダムスの大予言。そしてまた話が飛んで2009年、修学旅行中にフェリーにただ一人取り残され北海道まで行く羽目になったおっちょこちょいJK多部未華子、びーびー泣いているとカルト宗教団体のシージャックに遭難。
正義のヒーローに憧れていたというコック森山未來の思わぬ大活躍。警察官はこれぐらい簡単にできてほしいという機敏な動きで複数のテロリストを瞬殺制圧。
と思いきや、やっぱりあのキモ笑顔男が邪魔をする。テロリストはちゃんと最後まで息の根を止めておかないといけないという教訓。

で、ロックバンドのあるある青春ストーリーになる。音楽が時代を先取り過ぎて売れない。あと1枚レコーディングして解散か。それにしてもあのプロデューサーはクソ。

この映画、時系列の並べ方と、物語の意外なつながりと、ストーリーのテンポ感といろいろ面白い。青春ロック映画として成立してるのに全体としてマンガっぽいミラクルファンタジーっていう。

伏線回収がババババっと短時間に凝縮されて終わるラストが異様。そこ、あんまり映画っぽくないかもしれないが自分は好き。それがパンクというもの。
橋本奈々未がこの映画を好きだったというのもなんとなく理解できた。

大川内利充(DRIVE FAR)、江口のりこ、大森南朋、なにげにみんな名演。それにきっといろんな奇跡が起こってる。みんなどこかでつながってる。そんな映画。オススメ。

主題歌は斉藤和義「Summer Days」。多部未華子は斉藤和義大好き女優。

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