2018年12月31日月曜日

満島ひかり X 江戸川乱歩「お勢登場」

待望の満島ひかりによる江戸川乱歩短編作品映像化も、2018年末、12月30日BSプレミアム夜11時から放送された。
今回は「お勢登場」「算盤が恋を語る話」「人でなしの恋」の新作3本を一挙まとめて放送。今回も3本ともに淵邉恵美がプロデューサー。

江戸川乱歩といえば明智小五郎なのだが、今回の満島は明智を演じなかった。悪女ヒロインを演じている。
まず1本目「お勢登場」演出 佐藤佐吉、朗読 眞島秀和

これは自分もまだ読んだことがなく存在も知らなかった作品。大正15年「大衆文芸」に発表当時は好評を博したらしい。

病弱な主人(宮藤官九郎)は子どもとその友だちと家でかくれんぼをしていた。長持ちの中に入ったところはずみで鍵がかかってしまい閉じ込められる。そこに妻(満島ひかり)が不倫から戻ってくるのだが…という、悪女ホラー。

話の筋は今日ではそれほど新鮮さはないのだが、満島の衣装はいったいなんだ?美術と衣装、ヘアメイクが斬新。そこばかりに目が行く。
BGMが昭和歌謡?これも映像と雰囲気に合っていない違和感選曲。
2本目「算盤が恋を語る話」演出 森ガキ侑大、朗読 松澤匠

これは読んだことがあって、映像化したら面白いだろうなと思っていたのだが、主人公Tがハライチ岩井勇気なのは意外だった。シュールでとぼけた味わいが出せるものと期待した。

だが、オチを知ってる状態で見ると長く感じたw これも現代人が見たらどってことないストーリーかもしれない。嶋田久作がチョイ役出演している。

なにげに美術さんががんばってる。BGMはTRICKドラマシリーズっぽい。
ロケ地が以前から行ってみたいと思っていた山形の有名な遊園地廃墟だ。
3本目「人でなしの恋」演出 渋江修平、朗読 満島ひかり

これも読んだことがある。裕福な名士の家に嫁いだ新妻が体験した出来事を語って聞かせるホラー。
夫(高良健吾)がどこかヘンだ。自分以外の誰かに心を囚われているようだ。毎晩妻が寝静まってから蔵の中へ入っていく…。

これも今日それほど意外という感じもしないストーリー。「ほぼ原作通り映像化」とテロップが出ているものの、乱歩が書いていない余計な動きだらけw ま、そこが演劇人たちの見せどころ。

人形の出来が素晴らしすぎる。この人形のおかげで良い映像が撮れていた。

やっぱりオチを知ってる状態で見ると長く感じる。暗闇の中で人形を破壊する満島の映像が長い。BGMがラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。

2018年12月30日日曜日

北川景子「サウスバウンド」(2007)

「間宮兄弟」の次の森田芳光監督脚本作が奥田英朗の小説の映画化作品「サウスバウンド」(2007 角川)。

「間宮兄弟」に引き続き北川景子が出演しているので見る。北川は2度森田に映画に呼んでもらえたことに感謝しとても嬉しかったとのこと。自分、まだ奥田英朗は1冊も読んだことがない。

全共闘の闘士だった破天荒男(豊川悦司)とその家族が主人公のホームドラマ。

小学生の息子「お父さん、お客さんだよ。出ないの?」父「あれ(社保庁職員)は客じゃない。押し売りだ。」というような会話をしているような家庭。この父親がなんら働いてない。
妻(天海祐希)もかつての闘士?すらっと背が高くしっかりハキハキした人。
小学生の長男は正義感が強くとてもしっかりした常識的若者。

北川は豊悦の長女(グラフィックデザイナー)役だが、スーツ姿で疲れ切って家に帰ってくるシーンしかない。「わたし、1人暮らしすることにするわ」
「間宮兄弟」「モップガール」とほとんど変わらない質感の表情でそこにいる。小学生の妹の名前はモモコだ。出演シーンは少ない。

台東区が舞台のようだ。小学生が近所のフィリピンパブのホステスに詳しくなってるシーンとか可笑しい。「俺はこんな国を脱出したい」と小学生に思わせるような、いじめと暴力の酷い街として描かれてるw 大人たちも酷い。

子ども同士のケンカ事件を契機に家族そろって父の故郷である沖縄西表島へ移住。「これで汚い東京の空気ともお別れだ」
荒れ地の中の廃屋のような家に子どもたちは困惑。まるで「北の国から」。親たちは楽しそうだが子供たちは将来が不安。子どもを小学校に通わせる気もない両親ってどうなん?

やがて現実が。東京の開発企業が違法に土地を占拠していると脅してきた。物分かりのよさそうな島の駐在さん(松山ケンイチ)が「さすがにまずい」と言ってくる。開発業者、県警とも闘うことに。そのへんはリアルなようでリアルでない。企業側の弁護士のへらへらした態度はリアルで感心。

まったく笑えないアナーキー夫婦一代記。この夫婦の理想は北センチネル島のような政府統治も介在しない石器時代の生活か?
豊悦はこのキャラにまったく合っていない気がした。家族愛コメディ?と思いきや、ラストで家族を棄てて逃亡。子どもたちへの責任は何も考えていない?実は両親は宇宙人なので宇宙に帰りますというシーンに見えた。

子役が下手すぎるという意見があるようだが、自分は上手すぎる子役は不要という立場。淡々として無表情なほうがリアル。この映画は演技素人の人も出演していたようだ。
そしてストーリーは荒唐無稽に終始した。どのシーンもシュール。

大人たちに振り回される子供たちを見て、オウム事件やヤマギシ会も連想した。ハチャメチャ映画だった。森田芳光、何を描きたかった?

2018年12月29日土曜日

アガサ・クリスティー「杉の柩」(1939,1940)

アガサ・クリスティー「杉の柩」恩地三保子訳ハヤカワ・ミステリ文庫(昭和51年版)の第13刷を手に入れた。100円。
SAD CYPRESS by Agatha Christie 1939,1940
これも自分は知らない作品だったのだがクリスティ愛好家たちの間ではかなりの人気作らしい。期待して読み始める。
これも「5匹の子豚」のように女の人が殺人の汚名を着せられてる場面からスタート。

余命わずかな資産家未亡人、婚約者同士の姪と甥、そして未亡人がただごとでない愛情を注ぐ美少女メアリイ…という、クリスティらしいラブロマンスと貴族のお屋敷で起こる遺産相続のお話。

遺言を残さなかった未亡人の死後(実はモルヒネによる毒殺)2千ポンドが被相続人エリノアからメアリイへ遺贈される。
だが、メアリイは直後にサンドイッチで毒殺。(メアリイはクリスティ作品で一番の美少女らしい)

メアリイを殺す動機と機会を持っていたのはメアリイの出現のせいで婚約破棄となったエリノアだけ。
すべてがエリノアに不利という状況でポアロ登場。だが、まったく突破口を見出せない。

で、第3部の法廷シーンが真相編。ポアロがもたらした情報で意外な真実と真犯人が判明する。

クリスティの真犯人は動機がドライな場合が多い。遺産が最終的に誰の元へ行くのか?そいつの正体ってこいつじゃね?と考えると、その結末はなんとなく予想はついていた。
自分にはそれほど意外なラストという感じはしなかった。
あの薬物の効能は知らなかったけど、アイツの行動は十分怪しいと思ってた。

ポアロおじさまはまたしてもラストで若い男女の恋のキューピッドになってる。おしゃれなラブロマンスとサスペンス。

2018年12月28日金曜日

長澤まさみ「痩せた?とか言ってくる男の人は失礼」

ネタがないときは長澤まさみを話題に何か書く。
長澤まさみはかつてニッポン放送でラジオパーソナリティーをやっていたとき、トークで「男の人って失礼な人が多い!(怒)」「痩せた?って誉め言葉でもなんでもない(怒)」と、女性の容姿の変化について言ってくる男への怒りをぶちまけたことがあるw もう6年以上も前のことだが。

まさみは2010年に激ヤセしたときがあって、当時男性たちから失礼な物言いを受けたことが多かったらしい。
ちなみに話は変わるのだが、まさみは「TOKIOカケル」(10月31日放送)というトークバラエティ番組にじつに9年ぶりに出演した。
そのとき過去出演VTRが出て、M岡がポロっと「昔より若くなってる」と言った。「それよく言われる」と、一見嬉しそうにも見えたまさみだったのだが、「昔は老けてたってこと?!」と返した。
まさみの思想哲学が変っていないとすれば、このとき内心ムカついてたかもしれないw
ちなみに、20歳ごろのまさみは沖縄やハワイでロケがあったりサーフィンを趣味にしていたりで自由奔放に日焼けしていた時期があった。この時期のまさみの顔は肌がいまよりもカサカサしているように見える。

「都市伝説の女」ごろから美容と健康に本腰を入れ始め、そして31歳の今、世間の女性たちからも憧れられる自然体な美の頂点にいる。
PS. 長澤まさみとは直接関係はないのだが、今年のFNS歌謡祭(12月5日放送)で、髪をばっさり切ったmiwaが長澤まさみみたいだ!激似だ!と世間をザワつかせた。
こんな美人だったんだ!って驚いた。初めてmiwaを女として意識して見たかもしれないw 
今までの茶運び人形みたいな黒髪ロングはあんまり女性ウケはよろしくなかった。ショートにして一気に大人に変身した。このショートのmiwaのほうが断然イイ!こっちが大正解!
miwaと云えば男性共演者とナチュラルに接したとしても、何をやっても世間の女性たちから「あざとい」と嫌われ気味に感じていた。今年28歳になってようやく女性の目と人気も意識するようになったのかもしれない。

PS. そして長澤まさみはニッポン放送「浦井健治のDressing Room」(12月16日放送回)にゲスト出演した。

まさみはいつものように普段着テンションでサバサバ。6歳年上の浦井にもタメ口。浦井の歌と演技とやさしさを褒める。浦井もまさみの演技とマジメさと自然体ぶりをほめちぎる。

まさみのセレクト(よく聴いてる曲と紹介)でSteve Lacy「Dark Red」をON AIR

自分はまさみを中学生からみているので、現在31歳のまさみの落ち着いた大人の女性ぶりを見て聴くとちょっと寂しさも感じる。

浦井と長澤は現在、豊洲のIHIステージアラウンド東京で公演中の「メタルマクベスDisc3」で夫婦役を演じている。連日4時間舞台を日によっては2公演やってる。
ゲネプロ公開のとき「まさみ、太った!?」と世間をざわつかせたのだが、これはたぶん、もう何度も舞台を経験しているまさみならではの長期公演を乗り切るための知恵。

2018年12月27日木曜日

内田康夫「贄門島」(2003)

内田康夫「贄門島」(2003)を読む。平成21年角川文庫版(上下巻)で読む。これは友人の本棚にあったので読む。

自分、19歳を最後に内田康夫を1冊も読んでいない。たぶんこれが3冊目ぐらいの内田康夫。
浅見光彦は架空の人物だが北区にゆかりのある人物ということで親しみは持っていた。だが、本としてそれほど関心は持てていなかった。この名探偵についてあまり予備知識を持っていない。

浅見の今は亡き父親(大蔵省官僚)が、南房総にあるという架空の島で体験した生死の境をさまよった事故と不思議な体験が主題。

平成に起こった様々な事件を、内田康夫が浅見光彦を通して語らせている。北朝鮮による日本人拉致と不審船事件がなければ生まれていなかった作品。平成が終わろうとしている今、読むのにぴったりかもしれない。

民宿も駐在所もない。島内に車は2台だけ。公共事業もない。外部との接触をなるべく断って暮らしている贄門島の人々。対岸の集落とは犬猿の仲。
だが、豊かな漁場を保っているために海産物資源でやっていけているという設定の島。

浅見はたまたま出会った同業者と島に渡ったのだが途中ではぐれてしまう。後日水死体で発見。重要参考人になる。
高圧的で無能な警察から取り調べ。だが、兄が警察庁幹部とバレると刑事たちは低姿勢。あー、やだやだ。おそらく内田先生も警察が嫌いなんだろう。

島付近で不審船を目撃した漁師が不審死、女教師の失踪、地元選出議員の秘書の小田原での謎の死。

これ、なんにも期待せずに読み始めたら、意外に面白い。90年代以降の新本格の潮流と別の我が道を行く新社会派。歴史ウンチクを多く盛る。
小野不由美「黒祠の島」のような閉鎖的な島の秘密が暴かれるというエンターテインメント長編ロマン。
島で育って東京へ出たヒロインと浅見のちょいエロラブコメ要素もw 

自分は十分楽しめた。文体を古めかしくすればきっと横溝正史っぽい。てかクオリティに置いてほぼ横溝。

え?浅見光彦って33歳なの?これまで何人も浅見を有名俳優が演じてきたけど、上品でおっとりした感じを出せるぴったりな俳優って思いつかない。

北区西ヶ原の平塚亭が出てきて驚いた。昔はよく滝野川図書館まで自転車で行っていた。途中にある和菓子屋が気になってはいた。あそこが浅見光彦行きつけの店だったのか。

2018年12月26日水曜日

黒島結菜「アシガール SP」(2018)

2017年の秋に放送されていた「アシガール」が続編スペシャルドラマとして2018年クリスマスイブに帰ってきた。
このドラマは幅広い世代から大人気。多くの人が夏ごろから放送日を待っていた。

黒島結菜、去年よりも痩せた?黒くなってるし男の娘成分が強くなってるw
永禄年間に残ったヒロイン唯と若君様の祝言。これで夫婦に。

健太郎は「今日から俺は」でさらに人気。NHKが夜9時代に放送を持ってきた理由は、健太郎ファンをおびき寄せるため?
なんと健太郎は今年6月に伊藤健太郎に芸名を改めていた!知らなかった。
黒島、このドラマだとアホ顔がめだつ
タイムマシンとラブコメ。天才発明家の弟、現時点でできないことは未来の自分に託す。まるでドラえもん的世界観。

ホーキング博士はかつて未来人にパーティーの招待状を書いてみたことがある。だが、未来人はパーティーにやってこなかった。つまり、未来の自分から未来の技術でつくられた道具は送られてこない。実際はありえない。
若君が自刃したという歴史を知った唯は再び戦国時代へ。若君の窮地を救う。
一緒に来ちゃった
新婚
「壁ドン」ゆいなのデレる表情が良いw
ふたりはこういう関係
ふたたび走り出す。また戦国の世へ。

ひょっとすると、また続編があるの?また1年後とか?

2018年12月25日火曜日

加藤シゲアキ版「犬神家の一族」(2018)

12月24日クリスマスイブ、フジテレビはゴールデンになんと「犬神家の一族」スペシャルドラマを持ってきた。これ、情報が解禁されてから放送まで短かった気がする。劇中の中禅寺湖の冬枯れの風景とか見ると、撮影はわりと最近だったのかもしれない。

平成最後の金田一耕助はジャニーズ加藤シゲアキ(31)。フジテレビ版金田一シリーズは10年ほど前までSMAP稲垣吾郎が務めていたので、ジャニーズが引き継いだ形か?

ひょっとするとこれは見なくてもいいかな…とも思ったのだが、見ておかないと後悔するかもしれないし。友人と洋酒にチキンやポテトをつまみながら、いろいろツッコミながら見た。

自分、市川崑の76年映画版は何度も繰り返し見てるけど、それ以外はよく知らない。2006年セルフリメイク版は1回しか見ていない。原作は15歳ぐらいのとき1回読んだが内容はもう忘れている。なので76年版と比較しながら見てしまう。

冒頭の犬神佐兵衛の臨終シーンでこのドラマのキャストがわかる。佐兵衛翁はなんと里見浩太朗だ。この人はすでに年齢的に佐兵衛翁より上かもしれないけど、今も健康的でさわやか。あの強欲で女たち娘たちを不幸にした怪人という感じはしない。室内シーンが暖色系だ。

古館弁護士は小野武彦。この人は今回のキャストで唯一昭和20年代30年代の人物に見えた。木戸内務大臣のよう。だが、76年映画版での封建時代を思わせるような、へりくだってかしこまって汗ふきふきお仕えするというのでなく、やや尊大な感じがした。事務所の応接室がかなり豪華。
松子、竹子、梅子の三姉妹が黒木瞳、松田美由紀、りょう。
昭和20年代に結婚適齢期を迎えた長男がいるということは明治生まれの女に違いないが、そんなふうに見えない。りょうは塚本晋也監督の「双生児」ではリアルな明治大正日本髪で前時代の雰囲気を出した人だったのに。
このドラマはそういうリアルさは不要と割り切って、現代に合わせた美術と演出だった。

遺言状公開の場面に小夜子がいない。今回割愛された。この子のお腹に佐智の子どもがいるということが、佐智が殺されるような酷い奴という前提になっていたのに。
金田一耕助登場シーンの街並みがまるで幕末明治。もう昭和20年代を感じさせる街並みはどこにもないのか?
そして、あっと声をあげた。市川崑版と那須ホテルのロケ地が同じだ!
それに警察署シーンも同じロケ地。今回のロケ班スタッフは探し回る時間と余裕がなかったのか。

旅館の女中が平祐奈。可愛らしさと愛嬌という点でぴったりだが、喋りはやはりイマドキJKという感じ。
76年映画版ではこの女中は金田一さんの助手を務めて買って出るなど活躍したのだが、今回は旅館シーンのみの脇役。
この子の姉・平愛梨は加藤シゲアキと、上戸彩が出てた「金八先生」で共演している。加藤はあの中学生当時から顔がたいして変わっていない。

あと、戦後直後の食糧難にしては旅館のご飯が豪華な気がした。映画版だと石坂浩二は米袋持参「これでたのむよ」と言っていた。
肉団子?この当時は田舎のほうが都会よりも生活の質が高かったようだ。

旅館といえばもう一つ、復員服姿の男が出没するシーンの旅館は完全に割愛。2時間ドラマということで実質1時間45分ほど?いろんな箇所を削らないといけない苦労も感じた。

犬神製薬が犬神製糸になっていた。映画版での大陸のケシと軍部、珠世の祖父・大弐神官(性的不能者)と佐兵衛の衆道の関係なんかもすべて変更カット。映画でできたことはもうテレビドラマではできなくなってる。

旅館の玄関で金田一さんがホームズのような優秀な探偵アピールをするシーンには呆れた。ここは気に入らない。
事件現場にもずうずうしく進入。警察署長の制止を無視し「あー、はいはい、これは」と頼まれてもいないのに講釈。金田一さんてこんな人だっけ?

自分の理想の金田一耕助は石坂浩二。知的だけどたよりない感じ。吃音でビビリ。繊細さと鈍感さ。ひょうひょうとしてどこか抜けたところがあって人懐こく優しい。それでいて緻密な計画で人を殺すような冷酷な犯人には容赦なく果敢に立ち向かう。
その点で加藤はかなりいい点を取っているのだが、顔が少年。声質と喋りもイメージと違っていた。

警察署長が生瀬勝久だとどうしてもTRICKの矢部に見える。犬神家の娘婿に板尾がいるのも笑ってしまう。
この物語のヒロイン野々宮珠世は高梨臨。これもちょっとイメージが違う。イマドキのチョイ美人。
10年以上前から知ってる女優さんだがサッカー選手(あまり好きでない)と結婚したのでもう関心ないw 
珠世に仕える猿蔵は大倉孝二。映画版での怪人的に人間離れした異様さと程遠くイメージが違う。
この物語の主役のスケキヨ。今回のゴムマスクのデザインが初めて見た瞬間からダメだこりゃと思った。映画版はぼってり唇が厚く首が太くふてぶてしい感じ。目の周りが黒くギョロっとしてる。今回のは完全に星野源。ツイッター世論を調べてみたら同じことを思っている人がたくさんいたw

黒頭巾を取ってさらに間髪入れずゴムマスクもめくって見せるのも怖さ半減。
その後の遺言状開封での修羅場を見ると、やはり市川崑は偉大だったと感じないではいられない。

佐武佐智はもっとギラギラした性欲強そうなホストみたいな俳優にしてほしかった。佐智はフィギュアスケートの選手にしか見えなかった。

そして衝撃の青沼菊乃襲撃シーンw 市川崑の白塗りも相当にヘンテコだが、今回は三姉妹が般若のお面w
菊乃を演じた女優は安藤聖という女優さんだが、この人は元おはガールだ!まだ女優を続けていたのか。

脚本も演出も分かりやすい言葉や表現に置き換わっていた。違和感を感じたことが多かった。昭和20年代を知ってる人はもう制作の現場にはいない。
「女性工員を見染めまして」という表現もおかしい。「女工に手を付けた」でエエやん!
珠世のボートに穴が開いていたと聞かされた古舘弁護士の「またですかあ」という反応が軽くて可笑しい。人が殺されかけたんだぞ!w
スケキヨ本人を松子夫人の前に出してから犯人を問い詰めるシーンも気に入らない。映画版で高峰三枝子が見せたふてぶてしく嫌らしい流し目と挑戦的な笑みを浮かべての金田一さんとの対決シーンがなかった。黒木はずっと焦燥してる感じ。

松子夫人の琴の師匠・梶芽衣子はぴったり配役。

時間的制約もありだいぶ端折った感じになっていた。脚本も演出も練り込まれた感じがしなかった。これで視聴者に物語の面白さが理解できたのかな?

これはダメかも…と思った。だが、ネット世論を見てみると「面白かった!」「怖かった!」という意見が多かった。え、世間はそんなにもピュアなの?
事件を解決して金田一さんは去っていく。よく見ると向こう側に蒸気機関車の煙が見える。もう今の子供たちはそれが何かすらもわからない。今後も金田一さんが人気名探偵であり続けるには作り手側の努力がいるかもしれない。

横溝正史の原作がよほど面白かったんだろうと思う。さすが長い間多くの俳優たちによって演じてこられた名作だと感じた人が多い。横溝正史は日本のシェイクスピアかもしれない。

「犬神家」「獄門島」「笛を吹く」「八つ墓村」はしばらく要らない。できることならあまり知られていない作品を、横溝オタ識者と脚本家にがんばってもらって、時間も金もかけて作ってもらいたい。
その点でNHKの満島ひかり江戸川乱歩は大胆すぎる新機軸。とても立派で良い仕事をしている。NHKのほうが民放よりもチャレンジしてる。

2018年12月24日月曜日

のん(能年玲奈)「毎日がクリスマス2018」@横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホール

2013年春のNHK朝ドラ「あまちゃん」主演女優能年玲奈は現在、「のん」として音楽活動をしている。ちなみに、自分はまだ一度も「のん」と呼んだことがない。これからも能年玲奈で通すつもり。

横浜赤レンガ倉庫1号館でクリスマスワンマンライブを行うというのを、前日になって友人から教えられた。行く!と即答。自分はまだ一度も能年玲奈をナマで見たことがない。

本来なら我々ふたりは今年9月30日に日比谷野音で能年を見るはずだった。だが、台風で中止。2列目という良席チケットを持っていただけに残念だった。そのリベンジを横浜で果たしてきた。
なんと、友人が取ってくれたチケットが1列目!w マジか?!そんな奇跡はこれまでのライブ人生でたぶん2回ぐらいしかない。

会場に行くと、自分がいつも行っているような音楽イベントと客層がまったく違っていて驚いた。すごく年配の男性客が多い。そして妙齢の女性。おそらく、音楽ファンというよりは朝ドラでファンになった人が多かったのではないか?SOLDOUTで当日券なし!
この日はギターボーカルのん、ギター、ベース、ドラムというバンド編成。
実は自分はまだそんなにのんバンドがどのような音楽をしているのか?予備知識があまりなかった。すでに音盤をリリースしているというのに。すまん。

のんは2013年から2014年によくテレビに出ていたのだが、そのときはあまりしゃべりが得意でないように思っていた。だが、曲間MCでは朴訥でありながらありながらわりと雄弁。テンション高めに上ずった声でしゃべり続ける。これがわりと面白い。どかんどかんウケていた。のん、大人気だ。

それに能年は顔立ちが端正でハンサム。汗ばんだ顔がキレイ。鼻が高くとがって前へ突き出ている。瞳がキラッキラ輝いていた。色白で細くてスタイルも良い。
まるでAKBが着るようなチェックのスカート、黒いタイツにハイカットブーツ。だが、深紅のひらひらするものがピン止めしてあってまるで不動明王のようだった。

自分は能年の顔から3メートルほどの距離からやや見上げる状態でライブを見ていた。ずっと口あんぐりぼんやりして見ていた。あの「天野アキちゃん」が遮るもののない目の前にいる!5年越しの邂逅。5年前、天野アキに恋していたことを想い出せた。

ぶっちゃけちょっと音楽性と楽曲のクオリティに戸惑った。のんの発声は普段の喋り声とほぼ同じだったように感じた。あまり音程を感じない歌唱だ。これはヘタウマパンクロックが適した声ではないか?

自分はまだアルバムを買っておらず、のんのライブ定番曲をまったく知らないのだが、ジュディマリカバー曲、フジファブリック「若者のすべて」、忌野清志郎カバー「I LIKE YOU」、矢野顕子さんにダメモトでお願いして作ってもらった曲「わたしはベイベー」、暑い最中に作った日比谷でやるはずだった新曲「青い灼熱」、そして「エイリアンズ」「スーパーヒーローになりたい」「RUN!!!」「へーんなのっ」「タイムマシンにお願い!」なんかをやったと記憶している。ギターソロも弾いていた。
ちなみに今日12月24日はフジファブリック志村の命日だ。

アンコールで能年はどの曲をリクエストされてもできる自信があったらしいw
物販シールはギターのヘッドに貼ることを勧めておきながら、「のんのファンだってばれてもいい人は」と付け加えていてw

あと個人的にツボだったのが、合間合間に「喉を潤しますね」とオーディエンスに報告することだ。
このイベントをのんは毎年続けるつもりらしい。音楽活動ももちろん継続してもらいたいが、はやく女優能年玲奈もテレビに還って来てほしい。ネット配信ドラマは見てなかった。妨害するレプロと忖度するテレビ局に負けないように、今後も能年を応援したい。

PS.この日の横浜は暖かくて小雨がぱらついた。スケート場ができていた。
赤レンガ倉庫内部は多くの人で身動き取れないほどに混雑していた。

2018年12月23日日曜日

日本初の航空機死亡事故現場

埼玉県所沢市は航空記念公園があって、日本の「航空発祥の地」とされている。それと同時に日本初の航空機事故による犠牲者を出した場所でもある。

先日、所沢方面へ出かけたついでに記念碑を見て来た。それは墓地の中にある。かなり立派な石碑としてそこにある。

そこに所沢市教育委員会の立て札があったので読んでみた。
所沢市指定文化財(史跡)
木村・徳田両中尉墜落地 
所沢市は日本初の飛行場が開設され、「航空発祥の地」として 知られていますが、航空界初の犠牲者が出たのも、この所沢の地でした。 
大正二年(1913年)3月28日、陸軍省は航空機の重要性を説くため、貴族院・衆議院議員を対象に青山練兵場で観覧飛行を行いました。その帰路、木村鈴四郎砲兵中尉と徳田金一歩兵中尉の搭乗したブレリオ機は、午前11時59分、所沢飛行場を目前にして突風を受け左翼が折れて墜落、両中尉とも即死でした。 
事故現場は、旧松井村下新井柿木台(現在の所沢市下新井)にあたります。両中尉の所沢での葬儀は、3月31日におこなわれ、会葬者は所沢飛行場から飛行機新道、日吉町を通り所沢駅に行き、停車場まで見送ったといいます。事故後、両中尉の記念塔を建ようとする運動がおこり、やまと新聞社が中心となって義金を募集、 墜落現場の土地を購入して、両中尉の銅像記念塔が建設されました。 除幕式は一周忌にあたる大正三年(1914年)3月28日に 挙行されています。
この記念塔は、昭和四年(1929年)に所沢駅前へ移され、 さらに何度か移転を繰り返しましたが、昭和五十六年(1981年) に所沢航空記念公園内に移され、現在に至っています。 「記念塔の移転後、ここ墜落地跡には、根府川石で作られた「木村・ 徳田 両中尉殉職記念碑」が建立されました。
平成二十三年三月 所沢市教育委員会
飛行場はもうすぐそこという場所での無念の墜落事故だった。そっと手を合わせてきた。

2018年12月22日土曜日

本田翼「手紙」(2018)

本田翼が東野圭吾ドラマ「手紙」(テレビ東京)に出演。12月19日に放送されたので録画したものをゆっくり見る。

「手紙」は2006年にも沢尻・山田・玉山というキャストで映画になっているのだが、そちらは未視聴。
実は自分、東野圭吾をほとんど読んだことがないのだが、たぶんこのドラマはミステリー作家東野圭吾らしさがあまり感じられない社会派人間ドラマ。

兄(佐藤隆太)が盗みに入って老婆を殺してしまい強盗殺人犯になってしまう。兄は刑務所、弟は社会の荒波を漂う。

居酒屋でバイトしててもバカ同級生たちが騒々しく周囲の客に知れ渡るように過去を話す。最悪すぎる。(これが原因で仕事を失ったとしたら、訴えればお金を取れるのでは?)
優しく接してくれた店長(渡部いっけい)も「なんで教えてくれなかった」「嘘はいけない」とか言う。一見優しく見える人も鈍感に傷つける。

そんな兄弟の往復書簡による人間ドラマ。ぶっちゃけ暗くなるだけなのでそんなに見たくなかった。亀梨がひたすら悲哀を漂わす。殺人犯の弟は殺人犯に準ずる扱い。日本、いまもまだ江戸時代w
本田翼は産業廃棄物処分工場の事務員?
新しく職場にやってきた亀梨がイケメンなもんだから、さっそくリンゴの入ったタッパー持って接近w 最高の笑顔で歓迎会に誘う。明るい本田はこのドラマの希望。
暗い亀梨に「オマエも唄えよ!」というグラサンセンパイからの無理矢理要求。しかたなく坂本九を歌い周囲をうっとりさせる。ここ、まるでBECKみたい。

刑務所内部から出された手紙には桜のハンコ(検閲印)って、それ本当?だとしたら周囲にそこに犯罪者の身内や知り合いがいると教えてるようなもんだ。

定時制の数学教師(広瀬アリス)ですらイケメン亀梨には優しいw「わからないことがあったら何でも質問して」この広瀬がすごく美人だった。若い男女がふたりきりで個別授業とか許されるのか? 

この広瀬が身分の違うお嬢様だった!何を間違ったのか亀梨を高級レストランで両親に紹介。さらに亀梨を苦しめる。生き地獄。両親が榎木孝明と西田尚美がわかりやすすぎる上流家庭夫婦w 中村倫也のマウントの取り方w

日本村社会の嫌なシーンの連続。途中から兄からの手紙への返事を弟に代わって本田が手紙を書くという展開が新しいかも。

本田翼が母親役って初めてか?!何も知らず見ていてちょっとたじろいだ。
「あの子と遊んじゃいけないって言ったでしょ」娘までもが差別にあう。
主人公はまるで瀬川丑松。「へえ、ここに住んでんだ」とジロジロ部屋の中を眺めて言いふらす眞島秀和の気味の悪さが酷い。
小日向のアドバイスがたいして役に立たない。「犯罪加害者の家族が胸を張って生きたいなんて甘え」ここまで生き地獄のように苦しんだ主人公にかけるような言葉じゃない。

犯罪加害者家族が酷い差別にあってしまう問題を啓発するドラマだったので、見ていて何も楽しくない。この社会は責め苦で地獄。フィクションにしてもつらい。

2018年12月21日金曜日

司馬遼太郎「国盗り物語」第3-4巻 織田信長 編(1967)

ひきつづき司馬遼太郎「国盗り物語」第3-4巻 織田信長編(1967)を読む。

自分が今まで読んだ本や映画やドラマだと信長は怖い上司か恐ろしい魔王。信長が尾張を支配していく様子を描いた大河ドラマを見ていない。

第3巻は斎藤道三の一人娘・濃姫が信長に嫁ぐ場面から始まる。うつけもの信長なら、いつか尾張を併呑するのも簡単だろう…という魂胆の斎藤道三。

婿に一度会いたいと会合をセッティング。この会見の様子がちょっと面白い。信長のだらしのない服装を見て平服に着替えるも、礼服で現れた信長の若武者ぶりに不機嫌になる道三。

だが、爽やかな信長に自分と同質なものを見抜いた道三は娘婿を支援していく。
第3巻の真ん中あたりで道三は偽子・義竜に討たれる。取り乱す信長。

斎藤道三が眼をかけたもう一人の若者が明智光秀。この本のもう一人の主人公。光秀は美男だったらしい。
道三崩れによって諸国を流浪。京都で足利将軍の元を訪ねて細川藤孝と知り合う。次に一乗谷の朝倉を訪ねるも5代目義景は凡庸。

そのころ京都を武力で支配していたのが三好長慶松永久秀の極悪コンビ。松永が将軍足利義輝を殺害。将軍と接近できたおかげで朝倉家でそれなりに処遇してもらえてる明智光秀は危機感。幽閉されている足利義昭を救出する場面では獅子奮迅の大活躍。

美濃稲葉山が藤吉郎&竹中半兵衛コンビの活躍で織田方に落ちる場面で第3巻終了。

そして第4巻。国盗り物語全4巻で第4巻が一番分厚く608ページもある。織田信長という人を語るには最低これぐらいのボリュームが必要。

だが4巻も明智光秀がほぼ主役。ずっとめんどくさい上司でしかない足利義昭と織田信長との板挟み。信長の合戦を詳しく描いていない。家臣のこともそれほど触れない。

信長は光秀を有能だとは思っていたので重用はしたけど、理屈っぽく京都上流階級の常識に毒されてるところが大嫌い。一方で光秀も「何もわかってないくせに」と心で信長を蔑む。司馬が描きたかったのはそこ?

信長は結局最後まで何も好きになれる要素がない。元祖パワハラ上司ブラック企業。ケチで自分のことしか考えていない。こんな人の元で働いていても人生をムダにするし虚しい。
ポルトガル人宣教師が本国にあてた手紙で日本の労働力の安さに驚く記述があった。日本は中世も現代も変わってないなと思った。

道三、信長、光秀、みんな最期はあっけない。
司馬は最後に細川藤孝(細川幽斎)はその後の徳川から維新まで生き残ったなあと感嘆して物語を終える。

2020年の大河ドラマは明智光秀らしいけど、この本のように描けば面白くできるだろうと思う。

2018年12月20日木曜日

新垣結衣「陽のかげる丘」MVロケ地巡礼 その3

新垣結衣「陽のかげる丘」MVラストシーンの撮影ロケ地は木更津市の金田みたて海岸だ。これは背後に東京湾アクアラインと海ほたるが映っているので一番簡単な問題だった。
ここが11年前にガッキーが歩いたコンクリート護岸
右奥に見えるのが金田みたて海岸の潮干狩りのための施設。現在では漁港直営の店舗もできている。周辺の風景は今も昭和な感じだが、すこしづつ変化している。
ガッキーが監督と打ち合わせしながら座っていた場所はおそらくこの辺り。一部新しく作り替えられている。
「陽のかげる丘」MVクランクアップ地点はこのあたり。

以上をもって新垣結衣「陽のかげる丘」MVロケ地完結。
新垣結衣は2011年以来歌手活動が絶えているので、今後はもう行くべきMVロケ地が見当たらないだろうと思う。

2018年12月19日水曜日

新垣結衣「陽のかげる丘」MVロケ地巡礼 その2

引き続き新垣結衣「陽のかげる丘」(2007)MVロケ地巡礼。新垣結衣が想い出の小箱の鍵を取りにやってきた公園…、これが難問だった。
11年経っているというのに誰もこの場所について、ツイッター検索してもググっても誰も言及していない。
調査に1週間ほどかかってしまった。おそらく木更津で撮っているんだろうと、市内の公園を調べまくったのだが、このあずまやと一致してくれるものがない。袖ケ浦、富津、君津まで捜索範囲を広げたのだが、あまり田舎過ぎると周囲に住宅すらなくなってしまう。
だが、ようやくそれらしい公園を見つけた。木更津市祇園にある小櫃堰公園だ。
MVの映像からてっきりもっと山の中にあるのかと思っていたら、平地だった。
3本の送電線鉄塔が一致してくれた。
調査段階でこの巨石はなんだろう?と思っていた。この石からは手がかりがなかった。
あずまやはこの11年の間に新しいものに代わっていた。よく見ると旧あずまやの柱の跡が残っている。
ガッキーは真冬の服装をしているが、緑の色合いを見るとMV撮影時期は秋が始まったころではないか?
今回の現地調査の目的のひとつが、ガッキーが鍵を隠したさるすべりの樹が今もそこにあるかどうかを知るためだった。
この11年の間に木も大きく育った。だが、その形状からガッキーが鍵を隠した木は今も代わっていないことがわかる。
この百日紅の木に出会えてよかった。
あの頃のガッキーが今も変らずいてくれてよかった。
こういうピンポイント調査こそロケ地巡礼の醍醐味。

ちなみにこの公園は駐車場もあるので便利だが、天気のいい土日はほぼ満車になる。
周辺道路は悪名高い袖ヶ浦ナンバーの荒い運転ドライバーが目立つので注意。
では最後にラストシーンの撮影された金田漁港へ向かう。つづく。