2018年12月29日土曜日

アガサ・クリスティー「杉の柩」(1939,1940)

アガサ・クリスティー「杉の柩」恩地三保子訳ハヤカワ・ミステリ文庫(昭和51年版)の第13刷を手に入れた。100円。
SAD CYPRESS by Agatha Christie 1939,1940
これも自分は知らない作品だったのだがクリスティ愛好家たちの間ではかなりの人気作らしい。期待して読み始める。
これも「5匹の子豚」のように女の人が殺人の汚名を着せられてる場面からスタート。

余命わずかな資産家未亡人、婚約者同士の姪と甥、そして未亡人がただごとでない愛情を注ぐ美少女メアリイ…という、クリスティらしいラブロマンスと貴族のお屋敷で起こる遺産相続のお話。

遺言を残さなかった未亡人の死後(実はモルヒネによる毒殺)2千ポンドが被相続人エリノアからメアリイへ遺贈される。
だが、メアリイは直後にサンドイッチで毒殺。(メアリイはクリスティ作品で一番の美少女らしい)

メアリイを殺す動機と機会を持っていたのはメアリイの出現のせいで婚約破棄となったエリノアだけ。
すべてがエリノアに不利という状況でポアロ登場。だが、まったく突破口を見出せない。

で、第3部の法廷シーンが真相編。ポアロがもたらした情報で意外な真実と真犯人が判明する。

クリスティの真犯人は動機がドライな場合が多い。遺産が最終的に誰の元へ行くのか?そいつの正体ってこいつじゃね?と考えると、その結末はなんとなく予想はついていた。
自分にはそれほど意外なラストという感じはしなかった。
あの薬物の効能は知らなかったけど、アイツの行動は十分怪しいと思ってた。

ポアロおじさまはまたしてもラストで若い男女の恋のキューピッドになってる。おしゃれなラブロマンスとサスペンス。

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