2018年12月4日火曜日

アガサ・クリスティー「カリブ海の秘密」(1964)

アガサ・クリスティー「カリブ海の秘密」(1964)永井淳訳 昭和52年ハヤカワ・ミステリ文庫版(昭和60年第19刷)を手に入れた。ちょっと汚れていたけど100円で購入。
A CARIBBEAN MYSTERY by Agatha Christie 1964 
こいつが自分にとって長編ミス・マープル4冊目。この本も何も有名じゃないが、クリスティの本はなんでも読んでみる。

甥のはからいで西インド諸島へ転地療養に来たマープル。日がな一日ビーチにいるかホテルで編み物してるしかない。他の客も有閑中高年ばかり。

たいして面白くもない同じ懐古談を何度も人に聴かせるおしゃべり醜男老人パルグレイヴ少佐の、インドアフリカでの誇張された武勇伝などに付き合うミス・マープル。

やがて殺人事件の話題になり、犯人が写った写真をマープル婆さんに見せようとするも、何かを見て焦って写真を引っ込め話題を変えた。
そして翌朝、死んでいる。ま、血圧も高かったらしいし、たぶん自然死だろうと埋葬。

だが、血圧が高いって誰が言ってた?死体となって発見される以前に血圧降下剤なんて洗面所になかったとホテルの黒人メイドが証言。
さらに、黒人メイドも何かを目撃したらしく、犯人を強請ろうとして刺殺体で発見される。

警察も捜査開始。マープル婆さんも独自に控え目に噂話を聴いて回って謎に迫る。この人、名探偵なのに英国婦人らしく控え目。どうせこんな年寄りの女の話なんて誰も聴いてくれないし…というスタンス。他にないキャラクターだ。

やがて3人目の犠牲者が出て、4人目をギリギリでマープル婆さんの名推理で阻止。アリバイとか一切出てこない。ただ人間観察のみで真相にたどり着く。

地味なようでいてなかなかの佳作だったように感じた。読んでいて退屈しなかった。

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