2018年12月14日金曜日

A.C.クラーク&G.ベンフォード「悠久の銀河帝国」(1990)

A.C.クラーク&G.ベンフォード「悠久の銀河帝国」(1990)の山高昭訳2005年ハヤカワSF文庫版(2005)がそこにあったので手に取った。
アーサー・C・クラークの文庫本はいつも探しているのだがなかなか出会えない。100円だったのでラッキーと思い買って帰った。
BEYOND THE FALL OF NIGHT by Arthur C. Clarke & Gregory Benford
グレゴリー・ベンフォード(1941-)は何冊かハヤカワ文庫で名前を見かけるハードSFでは有名な作家だけど、自分はまだ1冊も読んだことがない。

これ、家で調べてみたら、官吏としての仕事をしつつ大戦中からSFを書いていたアーサー・C・クラークによって1946年に書き上げられた処女長編。
完成度に不満を持っていたクラークは後に「都市と星」として改作。そしてグレゴリー・ベンフォードが続編を書いた。
第1部がクラーク「BEYOND THE FALL OF NIGHT」、第2部がベンフォード、セットにしてこの1冊。

これ、地球人類の20億年を描いている。太陽系へ進出した人類はやがて侵略者によって地球の一都市ダイアスパーに押し込められひっそりと生き続けてすでに5億年。地球のほとんどは砂漠。太陽も弱弱しくなり月ももはや存在せず。すでに人類は人類でなく進化。

動く道路など科学文明はあるのだが、ずっと壊れず動くものだから、どうして動くのか?誰も疑問も持たず、愚かな市民たちは誰も都市の外に出ようとも思わない。過去の記憶も失われ神話のようでしかない。(今の日本のことを想わずにいられない)

第1部はダイアスパーで7000年ぶりに生まれた子アルヴィンが主人公。リスというダイアスパーでない村へ探検しやがて宇宙へ飛び立つ。
第2部はクレイとシーカーのバディ逃避行ものへと変貌。

いろいろな読者評を見てみると、クラーク作の部分は創造力が読者をはるかに超えるさすがの出来栄えらしい。それに対してベンフォード作の部分がダメらしい。

実は自分はクラーク部、ベンフォード部も想像を超えすぎていてあんまりよくイメージができなかったw 最後までページをめくるのが忍耐だった。

やっぱりベンフォード部の進化しすぎた生物がさらによくイメージできない。旧人類最後の女性とアライグマの奇妙な旅。正直ついていけない…。
この本はあまりオススメはできない。それにしても邦題は作品イメージを正しく伝えていない。

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