乙一「銃とチョコレート」という作品を読む。これはもともとジュブナイル向け講談社ミステリーランドとして出たのが最初。文庫化もされているのだが、今回自分は2013年講談社NOVELS版で読む。乙一を読むのは久しぶり。
ヨーロッパの架空の国が舞台らしい。登場人物たちがみんな欧州人の名前だから。宮沢賢治の童話のような世界観かもしれない。主人公は「移民の子」だという理由で差別されている。
だがそれは間違っていた。心根が正しいのは主人公の少年とその母親だけだった。ぜんぜん話が予想の通りに進まない。なにこのピカレスク小説?
英雄と思われていた人が英雄ではない。国家は人々をダマす。
講談社ミステリーランドという児童向けシリーズのうちの1冊のはずだが、読者にどのようなメッセージを送るつもりだったのか?おそらく目に見えていることは真実ではないということか。
怪盗ゴディバが盗んだ宝石の隠し場所をめぐる冒険。それなりの謎解き推理や、登場人物の意外な正体なんかもあったのだが、自分はあんまりおもしろく感じなかった。
悪人同士が争う裏切り抜け駆け展開は横溝正史のようでもあった。
児童向け読物なのでひらがなが多くて読みづらさも感じた。
2019年8月31日土曜日
2019年8月30日金曜日
西野七瀬「宇宙の仕事」(2016)
乃木坂46の西野七瀬が2016年に女優として単身出演したドラマ作品に、福田雄一監督脚本の「宇宙の仕事」(全10話)がある。Amazonプライムオリジナルのドラマ。長回しのほぼ舞台作品。
出演者がわりとコメディ界の実力者。福田組の常連たち。そんな中にカワイイ代表でいるのが西野七瀬。香織という役名がある。
これ、もともと福田雄一の劇団舞台に元ネタがあるらしい。ほぼ「女子ーズ」と同じネタ。
内閣府によって市民から選抜された男女6人。月につくられた基地の一室で、地球侵略にやってきた宇宙人に侵略を止めて立ち去るように説得する使命を負わされる密室劇。
ムロツヨシが出演者筆頭。妻子ある日本のサラリーマン代表。たぶん外回り営業で時間はなんとかなる。だが、恐ろしい妻から家庭の仕事を押し付けられるので、現場と言う名の地球防衛の最前線から地球に戻ろうとする。
賀来賢人はロックミュージシャン。ライブの合間にやってくるのだが、やってるバンドがエアーバンドw 楽器を弾くことができない。観客も動員できない。ただただカッコつけるだけ。
菅田将暉はバカ受験生。勉強があるので帰りたい。このドラマの出演者は全員地球を守ることなんかどうでもいい。仕事に帰りたい。
最近いろんなところでよく見かけていたおばさん女優は池谷のぶえ。エグザイルガチ勢レジ打ちパートおばさんという設定が絶妙で良い。
内村コントLIFEや欅坂の「残酷な観客達」というドラマにも出ていた。今回初めて名前を覚えた。
中学体育教師役の俳優は橋本じゅん。とても舞台俳優っぽい演技。この人はシンゴジラに出てた。初めて名前を覚えた。父兄からのクレーム対応などに日々忙しい。
西野だけが「野暮用」というふわっとした理由で現場を離れたがる。家が貧しい、マッチを売らないといけない、幼い弟がいる…など。じつはただの女子大生ゲーマーw
男たちを舐め切って自身の可愛さでやりたくないことを避けて乗り切る、ある意味現代の美少女代表。
西野が目立つのは第5話以降。
かわいいもんだから男性たちが甘やかす。宇宙人との交渉も「怖いですう~」で忌避。
日本のサービス業や窓口業務やテレホンオペレーターはキチガイクレーマーと直に対峙しすぎ。ヨーロッパの窓口とか分厚いガラスで客と仕切られ下部にある小さなか回転窓から書類や現金のやり取りをする。おかしなクレーマーが来ても「こわ~い」で即遮断できる。日本も見習うべきだが、10年以内にあらゆるサービス業はAI化するかもしれない。
監督もカメラマンも西野七瀬のかわいさをまだよくわかっていなかったようだ。第5話の西野の横顔が、薄暗い場所で困惑顔なら誰でもそうかもしれないが、かなりブサイクに撮られてしまっている。西野の魅力をわかってない!と憤ったw
毎回の宇宙人役がたぶん舞台俳優かコメディアン。佐藤二朗、大水洋介といった福田組常連のほか、アルコ&ピース、鈴木拓、シソンヌ、志賀廣太郎、山本美月といった意外な面々がゲスト出演。福田雄一特有のグダグダくだらない内容ゼロ脚本の長回しを熱演していて感心する。
第5話のゲルバーバ星人役の上地春奈には特に感心。
地球を侵略するために恒星間旅行してきた凶悪なはずの宇宙人と、相互に認識の度合いをさぐりさぐりしながら交渉してる様子を見て笑おうっていう舞台作品。下北沢の小さな小屋でネタを見せられてるよう。
相手によって舐め切った対応したり、無礼だったり下品だったり、恫喝したり、異常になれなれしかったりする、日本の至るところで日々よくみるようなやり取り。
これがよく見る大人同士がもめてるような風景。役所の窓口に間違ってやってきてしまったクレーマーのよう。また、自分は最近の日韓の外交交渉や経済産業省での韓国担当者との噛み合わないやりとりもきっとこんなもんだろうと想像。
第9話は超絶くだらない下品な下ネタなので家族で見たりすることは絶対にオススメできない。
西野七瀬は演技が上手いなと感じた。この舞台っぽいドラマ出演で得たものは大きかったはずだ。
西野七瀬が出てなかったら見なかったのだが、このくだらなさには呆れつつも感心した。一体どれだけのリハーサルをしたんだろうか。
主題歌はGLIM SPANKY「時代のヒーロー」。かれこれGLIM SPANKYに4年ほど注目してるけどなかなかブレイクしてくれない。
出演者がわりとコメディ界の実力者。福田組の常連たち。そんな中にカワイイ代表でいるのが西野七瀬。香織という役名がある。
これ、もともと福田雄一の劇団舞台に元ネタがあるらしい。ほぼ「女子ーズ」と同じネタ。
内閣府によって市民から選抜された男女6人。月につくられた基地の一室で、地球侵略にやってきた宇宙人に侵略を止めて立ち去るように説得する使命を負わされる密室劇。
ムロツヨシが出演者筆頭。妻子ある日本のサラリーマン代表。たぶん外回り営業で時間はなんとかなる。だが、恐ろしい妻から家庭の仕事を押し付けられるので、現場と言う名の地球防衛の最前線から地球に戻ろうとする。
賀来賢人はロックミュージシャン。ライブの合間にやってくるのだが、やってるバンドがエアーバンドw 楽器を弾くことができない。観客も動員できない。ただただカッコつけるだけ。
菅田将暉はバカ受験生。勉強があるので帰りたい。このドラマの出演者は全員地球を守ることなんかどうでもいい。仕事に帰りたい。
最近いろんなところでよく見かけていたおばさん女優は池谷のぶえ。エグザイルガチ勢レジ打ちパートおばさんという設定が絶妙で良い。
内村コントLIFEや欅坂の「残酷な観客達」というドラマにも出ていた。今回初めて名前を覚えた。
中学体育教師役の俳優は橋本じゅん。とても舞台俳優っぽい演技。この人はシンゴジラに出てた。初めて名前を覚えた。父兄からのクレーム対応などに日々忙しい。
西野だけが「野暮用」というふわっとした理由で現場を離れたがる。家が貧しい、マッチを売らないといけない、幼い弟がいる…など。じつはただの女子大生ゲーマーw
男たちを舐め切って自身の可愛さでやりたくないことを避けて乗り切る、ある意味現代の美少女代表。
西野が目立つのは第5話以降。
かわいいもんだから男性たちが甘やかす。宇宙人との交渉も「怖いですう~」で忌避。
日本のサービス業や窓口業務やテレホンオペレーターはキチガイクレーマーと直に対峙しすぎ。ヨーロッパの窓口とか分厚いガラスで客と仕切られ下部にある小さなか回転窓から書類や現金のやり取りをする。おかしなクレーマーが来ても「こわ~い」で即遮断できる。日本も見習うべきだが、10年以内にあらゆるサービス業はAI化するかもしれない。
監督もカメラマンも西野七瀬のかわいさをまだよくわかっていなかったようだ。第5話の西野の横顔が、薄暗い場所で困惑顔なら誰でもそうかもしれないが、かなりブサイクに撮られてしまっている。西野の魅力をわかってない!と憤ったw
毎回の宇宙人役がたぶん舞台俳優かコメディアン。佐藤二朗、大水洋介といった福田組常連のほか、アルコ&ピース、鈴木拓、シソンヌ、志賀廣太郎、山本美月といった意外な面々がゲスト出演。福田雄一特有のグダグダくだらない内容ゼロ脚本の長回しを熱演していて感心する。
第5話のゲルバーバ星人役の上地春奈には特に感心。
地球を侵略するために恒星間旅行してきた凶悪なはずの宇宙人と、相互に認識の度合いをさぐりさぐりしながら交渉してる様子を見て笑おうっていう舞台作品。下北沢の小さな小屋でネタを見せられてるよう。
相手によって舐め切った対応したり、無礼だったり下品だったり、恫喝したり、異常になれなれしかったりする、日本の至るところで日々よくみるようなやり取り。
これがよく見る大人同士がもめてるような風景。役所の窓口に間違ってやってきてしまったクレーマーのよう。また、自分は最近の日韓の外交交渉や経済産業省での韓国担当者との噛み合わないやりとりもきっとこんなもんだろうと想像。
第9話は超絶くだらない下品な下ネタなので家族で見たりすることは絶対にオススメできない。
西野七瀬は演技が上手いなと感じた。この舞台っぽいドラマ出演で得たものは大きかったはずだ。
西野七瀬が出てなかったら見なかったのだが、このくだらなさには呆れつつも感心した。一体どれだけのリハーサルをしたんだろうか。
主題歌はGLIM SPANKY「時代のヒーロー」。かれこれGLIM SPANKYに4年ほど注目してるけどなかなかブレイクしてくれない。
2019年8月29日木曜日
宮崎駿「崖の上のポニョ」(2008)
宮崎駿監督のジブリアニメ映画「崖の上のポニョ」(2008)も金ローでやってくれたので見る。今回初めてタイミングが合ったので見れた。最初で最後のつもりで見た。
もう10年以上昔の映画だとは信じられない。もっと最近の映画だと思ってた。
何の予備知識もないのだが、当時観に行ってた人から「わけわからん!」と聞いていた。
たぶん海の生き物ファンタジー。風景的に瀬戸内か松島?リアス式海岸っぽくもある。海の底がゴミだらけ。
ツーブロック少年とのファーストコンタクトが「金魚だ!」。海で金魚を拾うなどということはありえない。海で拾った生き物をいきなり水道水にぶちこむのもありえない。
ママの職場は老人介護施設?幼稚園の隣?老婆によればポニョは人面魚。人面魚が陸に上がると津波がくるらしい。
岬の丘の上の一軒家が良い家。父親は航海士か。きっとお金を持っている。
海まで小径を下ればダイレクトでインできる。
航行中の船から照明をつかって簡単な通信ができる5歳児がすごい。
ポニョにはブリュンヒルデという本名が?ワーグナー「神々の黄昏」なのか?
ポニョが人間になって波間を走るシーンの音楽がワーグナーっぽかった。
海の底で暮らしてる男の声が所ジョージ。いろいろぶつぶつつぶやいて説明してくれるのだが、結局何でそうなのかは見ていてわからない。たぶん人魚姫がモチーフ。
ディザスタームービー?!
ママが子供を助手席に乗せているのにカリオストロの城のルパンのような運転。台風なのに軽自動車で海に突っ込むとか危険極まりない。津波を車で逃げるシーンはどうしたって震災を連想。
この母親の行動も常識とリアリティがないファンタジー。あの状況で落ち着いていても無意味。もっとしっかり慌てて逃げろ。
てか、誰も災害が起こった認識がない?悠々と舟遊び。
この長編アニメーション映画は物語としての常識的な骨格が見えてこない。ファンタジーであればなんでも許される。たぶん、なにか意味を読み解こうとする行為はムダ。演じてる役者たちもさっぱり意味がわからなかっただろうと思う。は、半魚人?!
最後は大橋のぞみと一緒にポニョポニョ唄えばそれでよいというアニメ。強く困惑した。
もう10年以上昔の映画だとは信じられない。もっと最近の映画だと思ってた。
何の予備知識もないのだが、当時観に行ってた人から「わけわからん!」と聞いていた。
たぶん海の生き物ファンタジー。風景的に瀬戸内か松島?リアス式海岸っぽくもある。海の底がゴミだらけ。
ツーブロック少年とのファーストコンタクトが「金魚だ!」。海で金魚を拾うなどということはありえない。海で拾った生き物をいきなり水道水にぶちこむのもありえない。
ママの職場は老人介護施設?幼稚園の隣?老婆によればポニョは人面魚。人面魚が陸に上がると津波がくるらしい。
岬の丘の上の一軒家が良い家。父親は航海士か。きっとお金を持っている。
海まで小径を下ればダイレクトでインできる。
航行中の船から照明をつかって簡単な通信ができる5歳児がすごい。
ポニョにはブリュンヒルデという本名が?ワーグナー「神々の黄昏」なのか?
ポニョが人間になって波間を走るシーンの音楽がワーグナーっぽかった。
海の底で暮らしてる男の声が所ジョージ。いろいろぶつぶつつぶやいて説明してくれるのだが、結局何でそうなのかは見ていてわからない。たぶん人魚姫がモチーフ。
ディザスタームービー?!
ママが子供を助手席に乗せているのにカリオストロの城のルパンのような運転。台風なのに軽自動車で海に突っ込むとか危険極まりない。津波を車で逃げるシーンはどうしたって震災を連想。
この母親の行動も常識とリアリティがないファンタジー。あの状況で落ち着いていても無意味。もっとしっかり慌てて逃げろ。
てか、誰も災害が起こった認識がない?悠々と舟遊び。
この長編アニメーション映画は物語としての常識的な骨格が見えてこない。ファンタジーであればなんでも許される。たぶん、なにか意味を読み解こうとする行為はムダ。演じてる役者たちもさっぱり意味がわからなかっただろうと思う。は、半魚人?!
最後は大橋のぞみと一緒にポニョポニョ唄えばそれでよいというアニメ。強く困惑した。
2019年8月28日水曜日
A.ホロヴィッツ「カササギ殺人事件」(2018)
昨年話題になった一冊に「カササギ殺人事件」(山田蘭訳 創元推理文庫 2018)という本があるので読んでみる。たまには最新の推理小説も読んでみる。
上巻の最初からいきなり名探偵アティカス・ピュントの人気シリーズの最新刊!新聞各紙評論家が絶賛!というていの架空の本(書の中の書)を読ませられる。これが長大。
舞台は1955年の英国サマセット州の田舎サクスビーオンエイヴォン村。とある屋敷の家政婦が亡くなり葬式の準備中。 パイ屋敷の当主夫妻、妻の愛人、村の医師、家政婦の息子、その婚約者、村中がザワザワしている。
この本の中の本の主人公はギリシャ系ドイツ人難民の老人ピュント氏。この人がこれまで数多くの難事件を警察と協力して解決してきた名探偵。設定がポアロに似てる。
コードに足を取られて階段から転落死した家政婦メアリの息子ロバートの婚約者ジョイがピント氏のアパートメントに相談にやってくる。村人から犯人だと疑われている!どうしよう?
この探偵が手術で取り除けない脳腫瘍があり、医者から余命三か月の宣告。いろいろ終活するつもりだったけど、事件の捜査に乗り出す。なんか、すごく地味な人間ドラマっぽい。
50年代英国の田舎の貴族の屋敷が舞台。何も働いていない当主と妻、家政婦、庭師、村人たち、という登場人物。たしかにアガサ・クリスティーっぽい映像が頭に浮かぶ。だが、それほど文体と語り口は似ていないように感じた。
やがて当主のマグナスが中世の剣で頭部を切り落とされた状態で発見される!
やっぱり遺産相続問題なの?古代ローマのコレクション盗難事件?この屋敷で家政婦と夫の息子兄弟の弟が池で溺死するという暗い過去も判明?!なんか、古典的英国ミステリーっぽい。
だが、結末が欠落している。いきなりバッサリ終わる。
下巻は急に現代へ。クリスティの時代からiPhoneのある時代へ。
「カササギ殺人事件」の著者アラン・コンウェイが自殺したらしい。出版社のボスと編集者がザワザワしてる状況で始まる。
編集者スーザンが下巻の主人公。人気作家の原稿がこの状態では出版できない。原稿とかデータとかどこかに残されていない?アランの秘書、弁護士、姉に話を聴きに行く。
状況を知るうちに、アランは殺害された?!という疑惑が深まる。
この作品は作家の死と、作家の残した推理小説の二重構造の謎解き。2作品を同時に読んでいるような感覚。
下巻は読んでる途中ちょっと退屈。長くてすでに上巻のことを忘れてしまってるw
この作品は途中で読むのをやめようかと思ったほど地味展開。冗長さを感じた。それほどの驚きもない。英国ミステリーと映画ドラマの愛好家に向けた一冊だったかもしれない。
面白さと退屈さが同居し相殺。結果、自分的には70点ぐらい?の出来だったように感じた。
この本はたくさん売れたらしい。2018年9月に発売され、自分が読んだものが2019年1月の第8刷。おそらく今後、BOの100円棚にたくさん並ぶ予感がする。
MAGPIE MURDERS by Anthony Horowitz 2017タイトルがヴァン・ダインっぽいけどこれはアガサ・クリスティーオマージュらしい。クリスティ作品を調べているとAmazonオススメによく上がってしまう。
上巻の最初からいきなり名探偵アティカス・ピュントの人気シリーズの最新刊!新聞各紙評論家が絶賛!というていの架空の本(書の中の書)を読ませられる。これが長大。
舞台は1955年の英国サマセット州の田舎サクスビーオンエイヴォン村。とある屋敷の家政婦が亡くなり葬式の準備中。 パイ屋敷の当主夫妻、妻の愛人、村の医師、家政婦の息子、その婚約者、村中がザワザワしている。
この本の中の本の主人公はギリシャ系ドイツ人難民の老人ピュント氏。この人がこれまで数多くの難事件を警察と協力して解決してきた名探偵。設定がポアロに似てる。
コードに足を取られて階段から転落死した家政婦メアリの息子ロバートの婚約者ジョイがピント氏のアパートメントに相談にやってくる。村人から犯人だと疑われている!どうしよう?
この探偵が手術で取り除けない脳腫瘍があり、医者から余命三か月の宣告。いろいろ終活するつもりだったけど、事件の捜査に乗り出す。なんか、すごく地味な人間ドラマっぽい。
50年代英国の田舎の貴族の屋敷が舞台。何も働いていない当主と妻、家政婦、庭師、村人たち、という登場人物。たしかにアガサ・クリスティーっぽい映像が頭に浮かぶ。だが、それほど文体と語り口は似ていないように感じた。
やがて当主のマグナスが中世の剣で頭部を切り落とされた状態で発見される!
やっぱり遺産相続問題なの?古代ローマのコレクション盗難事件?この屋敷で家政婦と夫の息子兄弟の弟が池で溺死するという暗い過去も判明?!なんか、古典的英国ミステリーっぽい。
だが、結末が欠落している。いきなりバッサリ終わる。
下巻は急に現代へ。クリスティの時代からiPhoneのある時代へ。
「カササギ殺人事件」の著者アラン・コンウェイが自殺したらしい。出版社のボスと編集者がザワザワしてる状況で始まる。
編集者スーザンが下巻の主人公。人気作家の原稿がこの状態では出版できない。原稿とかデータとかどこかに残されていない?アランの秘書、弁護士、姉に話を聴きに行く。
状況を知るうちに、アランは殺害された?!という疑惑が深まる。
この作品は作家の死と、作家の残した推理小説の二重構造の謎解き。2作品を同時に読んでいるような感覚。
下巻は読んでる途中ちょっと退屈。長くてすでに上巻のことを忘れてしまってるw
この作品は途中で読むのをやめようかと思ったほど地味展開。冗長さを感じた。それほどの驚きもない。英国ミステリーと映画ドラマの愛好家に向けた一冊だったかもしれない。
面白さと退屈さが同居し相殺。結果、自分的には70点ぐらい?の出来だったように感じた。
この本はたくさん売れたらしい。2018年9月に発売され、自分が読んだものが2019年1月の第8刷。おそらく今後、BOの100円棚にたくさん並ぶ予感がする。
2019年8月27日火曜日
長澤まさみ「水着で海で泳ぎたいけどサメが怖い」
ここ数年のあいだにまさみオタになった人はこれから大変だ。なにせ長澤まさみの第1次人気ピークは2005年。もう15年経とうとしている。多くの書籍雑誌が入手困難になっている。
まさみは活動初期から多くのCMに出演しているので、アイドルに特化した広告宣伝業界誌CM-NOWに何度も取り上げられている。
先日この2005年7‐8月号も手に入れた。これもおそらく発売当時に買ったものが実家押し入れにあるはずだが、そこに100円で売られていたのでゲット。
たぶんこの号がまさみのCM-NOW初表紙号?このまさみは日向坂の河田さんにちょっと似てる。
まさみは高校3年生でもうすぐ18歳になるという時期。この春から4社の新CMに出演するという大ブレイク期。NTT西日本、コーセー、カルピス、シードのCM撮影について感想を語っているインタビューページを含めて9ページの表紙巻頭特集。これはオタならぜひ持っていたい一冊。
あまり面白いことを語っている箇所もないのだが、
ちなみに、まさみは水着グラビアは13歳が初で16歳でラストという他のアイドル女優とは異なる経歴を持っている。18~20歳の時期にまったく水着写真を残さなかった。
このインタビューのように実際に海に泳ぎに行ったかどうかは不明だが、まさみは20歳ごろプロのインストラクターにサーフィンを習っていた時期がある。その時期は浅黒く日焼けしていた。その後はまったくサーフィンの話を聞かない。事務所に止められたのかもしれない。
まさみは活動初期から多くのCMに出演しているので、アイドルに特化した広告宣伝業界誌CM-NOWに何度も取り上げられている。
先日この2005年7‐8月号も手に入れた。これもおそらく発売当時に買ったものが実家押し入れにあるはずだが、そこに100円で売られていたのでゲット。
たぶんこの号がまさみのCM-NOW初表紙号?このまさみは日向坂の河田さんにちょっと似てる。
まさみは高校3年生でもうすぐ18歳になるという時期。この春から4社の新CMに出演するという大ブレイク期。NTT西日本、コーセー、カルピス、シードのCM撮影について感想を語っているインタビューページを含めて9ページの表紙巻頭特集。これはオタならぜひ持っていたい一冊。
あまり面白いことを語っている箇所もないのだが、
「水着着て、海で泳ぎたい。最近海が好きになったんですよ。前はサメがいるから…と思って怖かったんだけど。」
「前にあったじゃないですか!暖かくなってサメが日本に来ちゃって危ないって。そのニュースを見てから『海には入らない!』って思ってたんだけど、今年の夏は水着で海で泳ぎたいです!」言ってることがこどもで可愛い。まさみは意外に日々ニュースを見ている。
ちなみに、まさみは水着グラビアは13歳が初で16歳でラストという他のアイドル女優とは異なる経歴を持っている。18~20歳の時期にまったく水着写真を残さなかった。
このインタビューのように実際に海に泳ぎに行ったかどうかは不明だが、まさみは20歳ごろプロのインストラクターにサーフィンを習っていた時期がある。その時期は浅黒く日焼けしていた。その後はまったくサーフィンの話を聞かない。事務所に止められたのかもしれない。
2019年8月26日月曜日
中島岳志「血盟団事件」(2013)
中島岳志「血盟団事件」(2013 文芸春秋)という本があるので読む。
昭和3年に起こった昭和最大のテロ事件「血盟団事件」について、教科書に数行書かれたこと以外に自分は何も知らなかった。深編笠を被った着物姿の被告たちの写真をこどもの時に歴史の本で見て恐怖を感じた。
松本清張「昭和史発掘」を読んで以来、なにか自分に適当な本はないか?と探していてこれに出会った。
血盟団事件って何? 群馬県川場村出身の怪僧・井上日召が流浪の末にたどり着いた茨城県大洗町で、祈祷などで貧しい農民らの病気を治しているうちに、寄付で御堂が建ち、弁舌とカリスマ性で日本改造と昭和維新の思想を同じくする同士を集め、腐敗しきった政財界のトップたちを狙うようになった事件。
この本は冒頭が川崎長光へのインタビュー。5.15事件で陸軍側の参加を制止し、血盟団側から裏切り者と思われた西田税を狙撃した人物。後年ずっとインタビューを拒んでいた。なんと筆者が会って話を聞いたとき99歳!この人は101歳まで生きたらしい。
井上準之助(前蔵相)に銃弾を浴びせて殺害した小沼正(20)、三井財閥の番頭・團琢磨を射殺した菱沼五郎、そして井上日召、みんな戦後長くまで生きていてびっくり。
菱沼は戦後、小幡五朗に改名し自民党から茨城県議になってたことを知ってびっくり。ちょっと昔まで人を殺したじいさんでも議員になれたことに驚いた。
大洗の護国堂には今も血盟団員の肖像写真が掲げられていると知ってびっくり。
5.15事件の三上、古賀もみんな戦後長く生きていたことをしってびっくり。恩赦後に政権ブレーンとなってた四元義隆にもびっくり。
この本の前半は事件に至るまでのそれぞれの血盟団員の生い立ち。
井上はべつに家が貧しかったわけでもないが問題児。前橋中、早稲田大、そして満洲では革命勢力の諜報活動もする。常に「もう死んでもいい」というやけっぱち人生。そして禅宗、日蓮、法華経に出会う。
大川周明、安岡正篤ら知識エリートとは相いれないものを感じ、上杉慎吉に失望。
大洗出身で、銀座で着物を上流階級相手に売ってた小沼は、貧乏にあえぐ農村と無関係に贅沢な東京の人々に嫌悪感。
国民は日々の暮らしに苦しんでいるのに政治家は党利党略と疑獄と汚職、財界は政治家と手を結んで国民を搾取。命は捨て石。流血革命しかない!海軍の青年将校藤井斉も接近。
宗教的救済を求めてたらいつのまにか革命を計画する団体へと変貌。どうやったら革命が起こるんだろう?陸軍、海軍、民間、各勢力が一緒になって考えるもいいアイデアが浮かばない。
陸軍側は三月事件、十月事件の失敗で血盟団側とどんどん溝が出来ていく。陸軍「血盟団は足手まといだわ」血盟団「こいつら自分の野心しかないわ」
そして血盟団は「一人一殺」テロへ。日蓮主義、国家主義、神秘のテロ集団へ。政党政治、財界、特権階級からターゲットを数名ずつ選ぶ。
そして狙撃事件。この本のラスト10分の1ページほどしか描かれない。小沼ー菱沼の段階であっというまに足が付く。全員逮捕。
この事件の2か月後に5.15事件が起こる。そして政党政治は戦争が終わるまで断絶。
この本は淡々と調べた事実の列挙で、読んでいてそれほど面白くもなかった。劇的に謎が解かれることもない。事件そのものの劇的描写がごくわずか。そこに至るまでの背景のみ。
読んでいて今現在の日本ととても似ていると感じた。逃れられない生活の困窮、企業の労働搾取。その一方で贅沢な暮らしをしてる上流階級の存在。政治は国民を見ていない。絶望と怒り。
池袋で起こった暴走事故は、上級国民と庶民の差別的取り扱いに対し、一瞬で怒りが燃え上がることを示した。一部の特権階級への怒りは今もくすぶっている。
PS. 日テレの情報ニュース番組ZIPを見ているとたまに團遥香という人を見かける。最初は女子アナかと思ってたのだが、この人はレポーター仕事などをしているタレント女優らしい。
変わった名前なので「もしや…」と思い調べてみたら、父親が建築家の團紀彦、祖父が作曲家の團伊玖磨、高祖父が團琢磨という、華麗なる一族の令嬢だった…。
おそらく、数年以内に政官財の毛並みの良い御曹司と結婚してるに違いない。
昭和3年に起こった昭和最大のテロ事件「血盟団事件」について、教科書に数行書かれたこと以外に自分は何も知らなかった。深編笠を被った着物姿の被告たちの写真をこどもの時に歴史の本で見て恐怖を感じた。
松本清張「昭和史発掘」を読んで以来、なにか自分に適当な本はないか?と探していてこれに出会った。
血盟団事件って何? 群馬県川場村出身の怪僧・井上日召が流浪の末にたどり着いた茨城県大洗町で、祈祷などで貧しい農民らの病気を治しているうちに、寄付で御堂が建ち、弁舌とカリスマ性で日本改造と昭和維新の思想を同じくする同士を集め、腐敗しきった政財界のトップたちを狙うようになった事件。
この本は冒頭が川崎長光へのインタビュー。5.15事件で陸軍側の参加を制止し、血盟団側から裏切り者と思われた西田税を狙撃した人物。後年ずっとインタビューを拒んでいた。なんと筆者が会って話を聞いたとき99歳!この人は101歳まで生きたらしい。
井上準之助(前蔵相)に銃弾を浴びせて殺害した小沼正(20)、三井財閥の番頭・團琢磨を射殺した菱沼五郎、そして井上日召、みんな戦後長くまで生きていてびっくり。
菱沼は戦後、小幡五朗に改名し自民党から茨城県議になってたことを知ってびっくり。ちょっと昔まで人を殺したじいさんでも議員になれたことに驚いた。
大洗の護国堂には今も血盟団員の肖像写真が掲げられていると知ってびっくり。
5.15事件の三上、古賀もみんな戦後長く生きていたことをしってびっくり。恩赦後に政権ブレーンとなってた四元義隆にもびっくり。
この本の前半は事件に至るまでのそれぞれの血盟団員の生い立ち。
井上はべつに家が貧しかったわけでもないが問題児。前橋中、早稲田大、そして満洲では革命勢力の諜報活動もする。常に「もう死んでもいい」というやけっぱち人生。そして禅宗、日蓮、法華経に出会う。
大川周明、安岡正篤ら知識エリートとは相いれないものを感じ、上杉慎吉に失望。
大洗出身で、銀座で着物を上流階級相手に売ってた小沼は、貧乏にあえぐ農村と無関係に贅沢な東京の人々に嫌悪感。
国民は日々の暮らしに苦しんでいるのに政治家は党利党略と疑獄と汚職、財界は政治家と手を結んで国民を搾取。命は捨て石。流血革命しかない!海軍の青年将校藤井斉も接近。
宗教的救済を求めてたらいつのまにか革命を計画する団体へと変貌。どうやったら革命が起こるんだろう?陸軍、海軍、民間、各勢力が一緒になって考えるもいいアイデアが浮かばない。
陸軍側は三月事件、十月事件の失敗で血盟団側とどんどん溝が出来ていく。陸軍「血盟団は足手まといだわ」血盟団「こいつら自分の野心しかないわ」
そして血盟団は「一人一殺」テロへ。日蓮主義、国家主義、神秘のテロ集団へ。政党政治、財界、特権階級からターゲットを数名ずつ選ぶ。
そして狙撃事件。この本のラスト10分の1ページほどしか描かれない。小沼ー菱沼の段階であっというまに足が付く。全員逮捕。
この事件の2か月後に5.15事件が起こる。そして政党政治は戦争が終わるまで断絶。
この本は淡々と調べた事実の列挙で、読んでいてそれほど面白くもなかった。劇的に謎が解かれることもない。事件そのものの劇的描写がごくわずか。そこに至るまでの背景のみ。
読んでいて今現在の日本ととても似ていると感じた。逃れられない生活の困窮、企業の労働搾取。その一方で贅沢な暮らしをしてる上流階級の存在。政治は国民を見ていない。絶望と怒り。
池袋で起こった暴走事故は、上級国民と庶民の差別的取り扱いに対し、一瞬で怒りが燃え上がることを示した。一部の特権階級への怒りは今もくすぶっている。
PS. 日テレの情報ニュース番組ZIPを見ているとたまに團遥香という人を見かける。最初は女子アナかと思ってたのだが、この人はレポーター仕事などをしているタレント女優らしい。
変わった名前なので「もしや…」と思い調べてみたら、父親が建築家の團紀彦、祖父が作曲家の團伊玖磨、高祖父が團琢磨という、華麗なる一族の令嬢だった…。
おそらく、数年以内に政官財の毛並みの良い御曹司と結婚してるに違いない。
2019年8月25日日曜日
土屋太鳳 X 芳根京子「累 かさね」(2018)
土屋太鳳と芳根京子が主演した「累 かさね」(2018 東宝)という映画があるので見てみる。マンガ原作があって後に作者によって小説化。昨年9月に映画が公開された。
ふたりのNHK朝ドラ女優W主演なので話題作だったはず。自分はこんな映画が公開されてたことをぜんぜん知らなかったけど。
累は顔に醜い傷があり劣等感を持っている。周囲から忌嫌われ酷い目に遭わされている。醜い容姿という役なのに十分美人に見える。芳根京子の顔が自分は好き。
舞台関係の仕事をしてる浅野忠信が舞台演劇に連れ出す。美人で自信満々だが伸び悩んでる女優ニナ(土屋太鳳)とファーストコンタクトからして異常。いまどきこんな嫌な女優いる?この土屋太鳳が美人。この気の強い女優が憑依したときの芳根がさらに美人。
累は女優だった母から受け継いだ口紅を塗って口づけをすると相手と顔が入れ替わる。野心のある美人女優は醜い天才女優のチカラを利用し成功を夢見る。入れ替わって代理でオーディション。
開始数分見ていてなんかマンガっぽいし話に入り込めない。なんだこりゃ?登場人物がみんなヒステリックでエキセントリック。嫌な奴だらけ。
だがこれは前例のない役。正反対の二人が何度も入れ替わる。芳根も土屋も「ガラスの仮面」みたいに難しい役だったに違いない。丁々発止の火花を散らす。
オーディションで勝ち取った役の舞台稽古が始まる。キスして入れ替わったふたりには制限時間がある。
演出家は演技下手の土屋のときは「素人だろ!」とダメ出し。やっぱ累じゃないと。
だが、累の弱点はキスシーン。「男の人としたことないんです」という相談に演出家がキス。なんだこの役得。マネージャーも女優が演出家とそういう関係になるのを容認。
やがて本物の恋に。男をめぐって争う土屋と芳根のシーンにすごく惹かれる。なんかエロい。
ぶっ倒れて4か月眠ったニナの顔で「かもめ」を演じきった累は舞台を成功させ大スターに。そして「サロメ」の舞台へ。
ストーリ上、こんなのどっかで破綻が出るとヒヤヒヤしながら見る。どう着地するんだ?予測がつかなすぎて見てて疲れる。
都合のいいときだけ中身が入れ替わる人生。ニナは苦悩と恐怖。累の過去を探り出す。
なんかこの映画は深いかも。楳図かずおや乱歩も連想する幻想怪奇。
劇中劇「サロメ」の土屋太鳳があまりに完成度が高い。フィジカルがすごい。あまりの素晴らしさに泣いたw
村井國夫さんを久しぶりに見たら爺さんになっていた。こんな厳しい爺さん演出家と仕事をしないといけないとしたら舞台役者なんてなりたくないw
この映画化は野心的。土屋太鳳と芳根京子という女優の輝きを見るための映画。このふたり、こんな美人だったんだ!と驚いたし再発見した。北島マヤと姫川亜弓の再来を見た。女優って心底スゴイと思えた。広くオススメする。
主題歌はAimer「Black Bird」。こちらも素晴らしい出来。
ふたりのNHK朝ドラ女優W主演なので話題作だったはず。自分はこんな映画が公開されてたことをぜんぜん知らなかったけど。
累は顔に醜い傷があり劣等感を持っている。周囲から忌嫌われ酷い目に遭わされている。醜い容姿という役なのに十分美人に見える。芳根京子の顔が自分は好き。
舞台関係の仕事をしてる浅野忠信が舞台演劇に連れ出す。美人で自信満々だが伸び悩んでる女優ニナ(土屋太鳳)とファーストコンタクトからして異常。いまどきこんな嫌な女優いる?この土屋太鳳が美人。この気の強い女優が憑依したときの芳根がさらに美人。
累は女優だった母から受け継いだ口紅を塗って口づけをすると相手と顔が入れ替わる。野心のある美人女優は醜い天才女優のチカラを利用し成功を夢見る。入れ替わって代理でオーディション。
開始数分見ていてなんかマンガっぽいし話に入り込めない。なんだこりゃ?登場人物がみんなヒステリックでエキセントリック。嫌な奴だらけ。
だがこれは前例のない役。正反対の二人が何度も入れ替わる。芳根も土屋も「ガラスの仮面」みたいに難しい役だったに違いない。丁々発止の火花を散らす。
オーディションで勝ち取った役の舞台稽古が始まる。キスして入れ替わったふたりには制限時間がある。
演出家は演技下手の土屋のときは「素人だろ!」とダメ出し。やっぱ累じゃないと。
だが、累の弱点はキスシーン。「男の人としたことないんです」という相談に演出家がキス。なんだこの役得。マネージャーも女優が演出家とそういう関係になるのを容認。
やがて本物の恋に。男をめぐって争う土屋と芳根のシーンにすごく惹かれる。なんかエロい。
ぶっ倒れて4か月眠ったニナの顔で「かもめ」を演じきった累は舞台を成功させ大スターに。そして「サロメ」の舞台へ。
ストーリ上、こんなのどっかで破綻が出るとヒヤヒヤしながら見る。どう着地するんだ?予測がつかなすぎて見てて疲れる。
都合のいいときだけ中身が入れ替わる人生。ニナは苦悩と恐怖。累の過去を探り出す。
なんかこの映画は深いかも。楳図かずおや乱歩も連想する幻想怪奇。
劇中劇「サロメ」の土屋太鳳があまりに完成度が高い。フィジカルがすごい。あまりの素晴らしさに泣いたw
村井國夫さんを久しぶりに見たら爺さんになっていた。こんな厳しい爺さん演出家と仕事をしないといけないとしたら舞台役者なんてなりたくないw
この映画化は野心的。土屋太鳳と芳根京子という女優の輝きを見るための映画。このふたり、こんな美人だったんだ!と驚いたし再発見した。北島マヤと姫川亜弓の再来を見た。女優って心底スゴイと思えた。広くオススメする。
主題歌はAimer「Black Bird」。こちらも素晴らしい出来。
2019年8月24日土曜日
メアリー・シェリー「フランケンシュタイン」(1818)
山本政喜訳1994年角川文庫(改定新版)で読む。この訳は戦後間もない時期に出たものらしい。1968年に初文庫化されたものがこれらしい。
自分、つい最近までフランケンシュタインが、200年前に18歳英国人少女メアリー・シェリー(Mary Wollstonecraft Shelley、1797-1851)によって書かれたゴシック小説だという事実を知らなかった。日本だと文化文政年間。ブラム・ストーカー「ドラキュラ」よりもさらに100年古いヨーロッパを描いてる。
小説フランケンシュタインをモンスターパニックホラーだと思い込んでいた。それは完全に間違いだった。
ジュネーブのスイス人青年フランケンシュタイン君はバイエルン・インゴルシュタットの大学へ進学。それまでの家族の物語が「それ必要?」ってぐらいくわしく書かれる。姉エリザベート、友人クレルヴァル、そして父とのやりとりがごく普通の爽やか青年。
やがて化学で死者を蘇生させる。そのへんの詳しいことにはまったく触れない。
読んでも読んでも期待したような怪奇展開にならない。肩透かし。
この怪物が蘇生後「え?」って思うのだが、スッといなくなる。やがてフランケンシュタインくんの幼い弟が何者かに殺されたという知らせが。
故郷へ帰る。そこで巨大で醜い怪物を目撃。
この怪物がたいして騒ぎにもならずに長距離移動してて疑問だが、200年前なら野山で暮らせば見つからないのかも。
弟殺害の罪で無実の人間が死刑になってる。200年前とはいえ酷い展開。
ぜんぜん期待通り予想通りにストーリーが進まなくてちょっとイライラしたw
開始が他人から受け取った書簡形式だったり、「私」がフランケンシュタイン青年だったのが、途中では「私」が怪物になってたりする。
正直、それほど面白くも感じなかった。ストーリーとして稚拙。200年前の小説なので致し方ない。読み難さに困惑。
姿が醜く恐ろしいというだけで社会から疎外された怪物の憎悪と復讐は創造主フランケンシュタインへと向かう。青年フランケンシュタインの愛する人々が次々と殺される。青年の復讐心も怪物へと向かう。
メアリーは急進革命思想家の父と女権運動活動家の女傑を母に生まれ、バイロンとも親交があったため、このような作品を生み出せた。
社会から疎外された怪物の憎悪が社会そのものへと向かう。まさに現代社会にも通ずるものがあるかもしれない。
2019年8月23日金曜日
浜辺美波「実写版 妖怪ウォッチ」(2016)
2016年の冬休み映画「妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン」(東宝)に黒島結菜が出ているというので、ようやく見てみた。
これ、開始数分アニメなのだが、空をシロナガスクジラが飛び、ホゲーと声を発すると世界が実写世界になるという画期的な構造を持った映画。
主人公の少年と3D妖怪アニメたちだけが世界がおかしくなってしまったことに困惑する。
ケータ少年は自分の手を見て「どうなってんだ?!」と戸惑う。部屋を見て、自分を鏡で見て戸惑う。少年は自分に毛穴があることに戸惑うw
妖怪たちも街へ出てみると、道路のちょっとした窪みにつまづいたりしてパニック。
母親(三津谷葉子)を見て戸惑う。「へー、そんななんだ」w 父(戸次重幸)がゴルフの話をしていて違和感を感じる。
ガールフレンドのフミカちゃんの家に行ってみる。こっちも実写になっていて戸惑うけど、アニメ以上可愛らしくてケータ少年はポーッとなる。
あと、ジャイアン的な小学生役で澤部が出てて笑った。
黒島結菜はエミちゃんという中学生(?)役だが、出演シーンはほぼワンシーンのみ。
ネコよりイヌ派という事実にジバニャンが激しく動揺w
で、再び上空をクジラが飛び声を発すると世界はアニメへ変わる。クジラが飛ぶたびに世界がアニメと2次元を行ったり来たり。
実はこの世界をおかしくしていたのは、バレエへの夢を事故で断たれた入院中のカナミ(浜辺美波)だった。
自分、この映画を黒島めあてで見たのだが、浜辺美波は黒島の出演シーンより数十倍出演時間が長い準主役。
現実世界の住民浜辺はアニメの世界なら自由に空でだった踊れる。そんな少女の空想がクジラと邪悪な何かと結びついてしまった。このままではこの世界と妖魔界が破壊されてしまう!
この映画、自分の知ってる場所が出て来た。赤羽の岩淵水門だ。あと、「散歩する侵略者」にも登場した土浦の505モールも登場。
バレエの先生が武井咲でびっくりした。とてつもなく美人の先生だ。武井はたしかドラゴンズファンなので、あの青いコアラの妖怪がドアラに見えたに違いない。
エンマ大王が山﨑賢人。ぬらりひょんが斎藤工。そっちの世界までも実写化されてしまい本人たちが戸惑うも、自分たちの美しさを容認w
このころの浜辺美波が今とは別人なぐらいに顔がふっくらしてる。体型もふっくら。
でもってクジラの妖怪と邪悪浜辺とケータと妖怪たちの戦い。クジラ男がどうみてもエイリアンに見えるw
このアニメと実写のハイブリッド映画、「アニメを超える感動がある」というキャッチコピーに偽りなし!
なに、この異常な面白さ!これは子どもだけでなく大人が見ても十分に面白かった。広くオススメする。
これ、開始数分アニメなのだが、空をシロナガスクジラが飛び、ホゲーと声を発すると世界が実写世界になるという画期的な構造を持った映画。
主人公の少年と3D妖怪アニメたちだけが世界がおかしくなってしまったことに困惑する。
ケータ少年は自分の手を見て「どうなってんだ?!」と戸惑う。部屋を見て、自分を鏡で見て戸惑う。少年は自分に毛穴があることに戸惑うw
妖怪たちも街へ出てみると、道路のちょっとした窪みにつまづいたりしてパニック。
母親(三津谷葉子)を見て戸惑う。「へー、そんななんだ」w 父(戸次重幸)がゴルフの話をしていて違和感を感じる。
ガールフレンドのフミカちゃんの家に行ってみる。こっちも実写になっていて戸惑うけど、アニメ以上可愛らしくてケータ少年はポーッとなる。
あと、ジャイアン的な小学生役で澤部が出てて笑った。
黒島結菜はエミちゃんという中学生(?)役だが、出演シーンはほぼワンシーンのみ。
ネコよりイヌ派という事実にジバニャンが激しく動揺w
で、再び上空をクジラが飛び声を発すると世界はアニメへ変わる。クジラが飛ぶたびに世界がアニメと2次元を行ったり来たり。
実はこの世界をおかしくしていたのは、バレエへの夢を事故で断たれた入院中のカナミ(浜辺美波)だった。
自分、この映画を黒島めあてで見たのだが、浜辺美波は黒島の出演シーンより数十倍出演時間が長い準主役。
現実世界の住民浜辺はアニメの世界なら自由に空でだった踊れる。そんな少女の空想がクジラと邪悪な何かと結びついてしまった。このままではこの世界と妖魔界が破壊されてしまう!
この映画、自分の知ってる場所が出て来た。赤羽の岩淵水門だ。あと、「散歩する侵略者」にも登場した土浦の505モールも登場。
バレエの先生が武井咲でびっくりした。とてつもなく美人の先生だ。武井はたしかドラゴンズファンなので、あの青いコアラの妖怪がドアラに見えたに違いない。
エンマ大王が山﨑賢人。ぬらりひょんが斎藤工。そっちの世界までも実写化されてしまい本人たちが戸惑うも、自分たちの美しさを容認w
このころの浜辺美波が今とは別人なぐらいに顔がふっくらしてる。体型もふっくら。
でもってクジラの妖怪と邪悪浜辺とケータと妖怪たちの戦い。クジラ男がどうみてもエイリアンに見えるw
このアニメと実写のハイブリッド映画、「アニメを超える感動がある」というキャッチコピーに偽りなし!
なに、この異常な面白さ!これは子どもだけでなく大人が見ても十分に面白かった。広くオススメする。
2019年8月22日木曜日
宮崎駿「千と千尋の神隠し」(2001)
金ローで「千と千尋の神隠し」をやっていたので見た。宮崎駿の代表作で日本映画史上の傑作!スタンダード!という評価らしい。今回しっかり最初で最後のつもりで見通した。
小学生とその両親、新居へ引っ越し。あれ、路を間違えたか?祠のある未舗装の山道へと分け入るとそこに、廃墟テーマパークが?!
この父親があまり日本人にはいない陸軍大将のような風貌の大男。何か不安を感じ嫌がる娘のいう事も聴かずにぐんぐん進んでいく。
そんでもって異界へ。草原の丘の向こう側に街が?!
この風景が伊香保や鬼怒川の寂れた一画のような街並み。昭和ノスタルジーというか、今もそこにある風景の10数年後のような寂れ方。(エンドロールを見ると、協力に草津温泉の名前があった)
そんでもって四万温泉みたいな赤い橋の上で少年と出会う。今すぐ帰れ!やっぱり人間が入ってはいけない場所だった。気づいたら両親は豚になってた…。なにそれ怖い。
自分、今日の今日までまったく「千と千尋の神隠し」について基本設定すら知らずに過ごしてきた。なんとなく「日本のアリスインワンダーランド」だと思ってた。
日本の小学生のなりたい職業第1位は「働きたくない」だそうだが、この映画は少女の求職と労働のつらさがテーマか?
日本は今度ますます少子化(無子化)が加速する。自分の子どもがこんな酷い目に遭う可能性が高いというのに、子どもを持ちたい? この映画がさらに少子化の要因になった気がした。どこか「安寿と厨子王」も連想。
自分、このアニメの知識を堀未央奈とバナナマンのやりとりでしか知らなかったw
クサレ神さまとか、カオナシとか。やっと意味がわかった。この2神のエピソードは面白かったのだが、そのほかはそうでもない。白い竜とハクの話とか、双子の婆さんの話に自分は退屈。やはり1回見ただけでは分からないことが多い。何のメタファー?
千尋は魔女婆さんに千という名前に変えられ逃げ出せない状況下に置かれ無理矢理働かされる。両親を失った不幸で口下手少女が、羽振りの良い男性客(不潔な老人だったりキモ男だったり)を相手に接客サービスを強いられる。
自分、この風呂屋のシーンを見て、もしや?!と思いツイッター検索してみた。やはり多くの人がそれを連想していた。この映画は日本の性風俗産業もテーマ?!
この映画を見た少女は、お父さんお母さんを助けるために、自分も千のように一生懸命働かないとけいない!という心理的な何かを埋め込まれたかもしれない。
それでも湯屋のシーンの想像力には圧倒された。近年、多くのアニメ映画の巨匠が誕生しつつあるけど、宮崎駿の表現力は別格。
ネットの実況とか見たけど、リンさんというキャラが重要だと初めて知った。理想のお姉さん。理想の上司という扱い。人気が高い。
ここ数年で未視聴だった宮崎アニメ、ジブリアニメを順調にやっつけてる。次は「ポニョ」を見る。
この映画を実写化するなら千は原田葵しかいないと思ったw ハクは該当者が思いつかない。
小学生とその両親、新居へ引っ越し。あれ、路を間違えたか?祠のある未舗装の山道へと分け入るとそこに、廃墟テーマパークが?!
この父親があまり日本人にはいない陸軍大将のような風貌の大男。何か不安を感じ嫌がる娘のいう事も聴かずにぐんぐん進んでいく。
そんでもって異界へ。草原の丘の向こう側に街が?!
この風景が伊香保や鬼怒川の寂れた一画のような街並み。昭和ノスタルジーというか、今もそこにある風景の10数年後のような寂れ方。(エンドロールを見ると、協力に草津温泉の名前があった)
そんでもって四万温泉みたいな赤い橋の上で少年と出会う。今すぐ帰れ!やっぱり人間が入ってはいけない場所だった。気づいたら両親は豚になってた…。なにそれ怖い。
自分、今日の今日までまったく「千と千尋の神隠し」について基本設定すら知らずに過ごしてきた。なんとなく「日本のアリスインワンダーランド」だと思ってた。
日本の小学生のなりたい職業第1位は「働きたくない」だそうだが、この映画は少女の求職と労働のつらさがテーマか?
日本は今度ますます少子化(無子化)が加速する。自分の子どもがこんな酷い目に遭う可能性が高いというのに、子どもを持ちたい? この映画がさらに少子化の要因になった気がした。どこか「安寿と厨子王」も連想。
自分、このアニメの知識を堀未央奈とバナナマンのやりとりでしか知らなかったw
クサレ神さまとか、カオナシとか。やっと意味がわかった。この2神のエピソードは面白かったのだが、そのほかはそうでもない。白い竜とハクの話とか、双子の婆さんの話に自分は退屈。やはり1回見ただけでは分からないことが多い。何のメタファー?
千尋は魔女婆さんに千という名前に変えられ逃げ出せない状況下に置かれ無理矢理働かされる。両親を失った不幸で口下手少女が、羽振りの良い男性客(不潔な老人だったりキモ男だったり)を相手に接客サービスを強いられる。
自分、この風呂屋のシーンを見て、もしや?!と思いツイッター検索してみた。やはり多くの人がそれを連想していた。この映画は日本の性風俗産業もテーマ?!
この映画を見た少女は、お父さんお母さんを助けるために、自分も千のように一生懸命働かないとけいない!という心理的な何かを埋め込まれたかもしれない。
それでも湯屋のシーンの想像力には圧倒された。近年、多くのアニメ映画の巨匠が誕生しつつあるけど、宮崎駿の表現力は別格。
ネットの実況とか見たけど、リンさんというキャラが重要だと初めて知った。理想のお姉さん。理想の上司という扱い。人気が高い。
ここ数年で未視聴だった宮崎アニメ、ジブリアニメを順調にやっつけてる。次は「ポニョ」を見る。
この映画を実写化するなら千は原田葵しかいないと思ったw ハクは該当者が思いつかない。
2019年8月21日水曜日
西野七瀬「風を着替えて」(2016)
西野七瀬の2冊目の写真集「風を着替えて」(集英社)がそこに500円で売られていたのですかさず買い求めた。
これ、最近出たばかりだと思っていたら、え?!2016年9月の発売?もう3年たつの?!
BOでもちょっと在庫がダブりつつあるのかも。やっぱり500円で売られていた「乃木坂派」と一緒に買い求めた。
ポストカードもついていた。自分が手に入れた個体はシースルー黒ドレスで街角の壁に手をふれて振り返ってるカットのもの。
イタリアとマルタでのロケ。撮影は早大卒の木村伊兵衛賞フォトグラファー川島小鳥。乃木坂メンにとってはおなじみの人。いまどき写真家で食べていける人ってすごい。
すでにタイムライン上で見たカットが多いのかな?と思いつつページをめくる。水着カットはそれほどないが、十分に魅力的な未知の街角スナップショットであふれていた。これはすばらしい写真集だ。500円で手に入れてすまん。
PS. 西野七瀬は乃木坂46を卒業後、non-noモデル、バラエティ番組MC、そして女優として活躍中。
自分、美人でもなく女子人気が高いともいえない西野が女優としてやっていけるのか心配だったのだが、現在出演中の「あなたの番です」はかなり話題作になっている。自分はあんまり見てないけどw
このドラマは秋元の企画なので、ちゃんとすべての伏線が回収され満足感を残して終わってくれるのか?自分は懐疑的。西野のシーンだけ早送りでチェックしてるだけ。
西野がかなり可愛らしい。女子大生ファッション着こなしがおしゃれ。西野は細くて華奢なのに、脚は細すぎず健康的で魅力的。
しかも2クールドラマ。後半はかなり目立ってる。これは世間に見つかってしまったかもしれない。
ときどき心配そうな子犬のようなかわうそのような顔をするのがたまらないw
あと、土曜日朝放送中の「ライオンのグータッチ」も放送継続中。
この番組、放送開始時は迷走しているように感じたけど3年以上続いてる。
これ、最近出たばかりだと思っていたら、え?!2016年9月の発売?もう3年たつの?!
BOでもちょっと在庫がダブりつつあるのかも。やっぱり500円で売られていた「乃木坂派」と一緒に買い求めた。
ポストカードもついていた。自分が手に入れた個体はシースルー黒ドレスで街角の壁に手をふれて振り返ってるカットのもの。
イタリアとマルタでのロケ。撮影は早大卒の木村伊兵衛賞フォトグラファー川島小鳥。乃木坂メンにとってはおなじみの人。いまどき写真家で食べていける人ってすごい。
すでにタイムライン上で見たカットが多いのかな?と思いつつページをめくる。水着カットはそれほどないが、十分に魅力的な未知の街角スナップショットであふれていた。これはすばらしい写真集だ。500円で手に入れてすまん。
PS. 西野七瀬は乃木坂46を卒業後、non-noモデル、バラエティ番組MC、そして女優として活躍中。
自分、美人でもなく女子人気が高いともいえない西野が女優としてやっていけるのか心配だったのだが、現在出演中の「あなたの番です」はかなり話題作になっている。自分はあんまり見てないけどw
このドラマは秋元の企画なので、ちゃんとすべての伏線が回収され満足感を残して終わってくれるのか?自分は懐疑的。西野のシーンだけ早送りでチェックしてるだけ。
西野がかなり可愛らしい。女子大生ファッション着こなしがおしゃれ。西野は細くて華奢なのに、脚は細すぎず健康的で魅力的。
しかも2クールドラマ。後半はかなり目立ってる。これは世間に見つかってしまったかもしれない。
ときどき心配そうな子犬のようなかわうそのような顔をするのがたまらないw
あと、土曜日朝放送中の「ライオンのグータッチ」も放送継続中。
この番組、放送開始時は迷走しているように感じたけど3年以上続いてる。
2019年8月20日火曜日
コナン・ドイル「四つの署名」(1890)
アーサー・コナン・ドイル「四つの署名」を駒月雅子訳2013年角川文庫版で読む。
いきなりホームズがコカインを皮下注射してる場面があって驚く。ワトソン博士が諫めるのも聴かずに。19世紀ロンドンではコカインは普通に買えたの?!
明晰な頭脳を活かせる場がないと薬物で紛らわすのがホームズ?児童書ではこの場面はカット?
ヴァイオリン、ボクシング、化学研究、そしてコカインの愛用者。そんな設定があったとは知らなかった。
ホームズの元に相談に訪れた美女モースタン嬢は10年前に軍人の父が謎の失踪をしていた。そしてここ数年誰か知らない人から真珠が送り届けられ、その送り主から呼び出されているという。2人まで連れてきていいとの指示。ホームズとワトソンもついていく。
指定された場所でショルトー氏と対面。モースタン嬢が相続するべき財宝の件で兄の元へ。そこで兄の死体を発見。
この作品もヴィクトリア朝時代のロンドンの風俗があまりよくイメージできなくて困った。最後はテムズ川でのボートチェイス大捕り物。
「緋色の研究」と同じようにこの「四つの署名」も犯人の半生が壮絶。動機の独白部分が「モンテクリスト伯」なみに壮大。
「セポイの反乱」って中学生以来ひさびさに聴いた。
推理小説ではなく冒険探偵活劇エンタテインメント。面白さはそこそこに感じた。
THE SIGN OF FOUR by Sir Arthur Conan Doyle 1890こいつが自分にとって2冊目のシャーロック・ホームズ。すでに冒険と回想も手に入れているのだがこちらを先に読む。
いきなりホームズがコカインを皮下注射してる場面があって驚く。ワトソン博士が諫めるのも聴かずに。19世紀ロンドンではコカインは普通に買えたの?!
明晰な頭脳を活かせる場がないと薬物で紛らわすのがホームズ?児童書ではこの場面はカット?
ヴァイオリン、ボクシング、化学研究、そしてコカインの愛用者。そんな設定があったとは知らなかった。
ホームズの元に相談に訪れた美女モースタン嬢は10年前に軍人の父が謎の失踪をしていた。そしてここ数年誰か知らない人から真珠が送り届けられ、その送り主から呼び出されているという。2人まで連れてきていいとの指示。ホームズとワトソンもついていく。
指定された場所でショルトー氏と対面。モースタン嬢が相続するべき財宝の件で兄の元へ。そこで兄の死体を発見。
この作品もヴィクトリア朝時代のロンドンの風俗があまりよくイメージできなくて困った。最後はテムズ川でのボートチェイス大捕り物。
「緋色の研究」と同じようにこの「四つの署名」も犯人の半生が壮絶。動機の独白部分が「モンテクリスト伯」なみに壮大。
「セポイの反乱」って中学生以来ひさびさに聴いた。
推理小説ではなく冒険探偵活劇エンタテインメント。面白さはそこそこに感じた。
2019年8月19日月曜日
コナン・ドイル「緋色の研究」(1887)
アーサー・コナン・ドイル(1859–1930)によって生み出されたシャーロック・ホームズが世界一有名な名探偵であり、名探偵とその助手というコンビのパターンの始祖なことはずっと知っていた。
これまで小中高とそれぞれで一度は「読んでみようかな」と思ったこともあったのだが、ヴィクトリア朝時代の英国とか理解できないだろ…と、手に取りかけては棚に戻していた。
だが、もうこれまでにアガサ・クリスティーで英国人についてだいたいのことはつかんだw 読むとしたら今だろうと。
それに「シャーロック・ホームズ」は長編が4本、短編56本しかない。これはわりと簡単に読破できるのでは?と思った。
では何から読むか?それはもう初めてシャーロック・ホームズが登場した「緋色の研究」だろうと思った。
ホームズというと延原謙による個人全訳が有名。新潮文庫で今も手に入りやすいのだが、今回はたまたまそこにあった駒月雅子訳による2012年角川文庫版で読むことにした。
A STUDY IN SCARLET by Sir Arthur Conan Doyle 1887これがアフガニスタンから帰還した元陸軍医師ワトソン博士による回想録という形式で、第1章「シャーロック・ホームズという人物」から始まる。
ワトソンは第2次アフガン戦争で負傷し失意の帰国。ロンドンで寂しい生活。資金も底をつきルームシェア相手を探していた。
街でばったり再会した旧友スタンフォードくんがシャーロックという変わった男を紹介。
シャーロックはあらゆることに詳しいスーパーマンかと思っていたのだが、知識に偏りがあり、政治、文学、哲学、天文学に関しては常識以下ということを初めて知った。
自分は今までホームズをてっきり中年男性かと思っていたら、化学を研究する学生?新訳だととても若々しい印象。
で、ブリクストン通りローリストガーデンズでアメリカ人の死体が発見された事件で、刑事が相談にやってくる。すぐに馬車で向かって手がかりを捜す。
壁には血で「RACHE」という文字が!
この時代はまだ指紋を検出するとか、法医学とか、現場保存とか、科学捜査とかいう概念がまったくない?
現在の水準ではホームズの言う事が酷い断定と決めつけ。とてもそのまま鵜呑みにできない。現代の我々からするとこんな捜査で犯人を逮捕できるとは思えない。
第2部からいきなり西部開拓の話になってびっくり。娘をカルト教団幹部の息子に強制的に結婚させられた父親の無念と、娘の婚約者だった猟師の若者の復讐の話になってびっくり。
ここに登場するカルト教団とは末日聖徒イエス・キリスト教会、つまりモルモン教のことだ。ブリガム・ヤング(1801-1877)のユタ入植の時代を描いている。
モルモン教徒は異教徒と娘を結婚させることを重大な教義への違反とみなしていた?!
19世紀英米文学もそれほど読んでいないのだが、当時の知識人たちは、ブリガム・ヤングとその一味を、独裁と秘密警察による反対分子の粛清、一夫多妻制を維持するために婦女子を誘拐する恐怖のカルト教団とみなしていたことを、この本を読んで初めて知った。
「緋色の研究」は戦前から日本の読者にモルモン教の恐ろしさを印象付けたに違いない。シャーロック・ホームズは世界中で読まれる本なので影響力は世界に及んだはず。
というわけで人生初めてシャーロック・ホームズを読んだのだが、意外に社会派で動機がしっかりしてて物語としてよくできていた。
PS. 乃木坂の佐々木琴子も「緋色の研究」を昨年読んだそうだ。面白かったそうだ。
2019年8月18日日曜日
浜辺美波「ピュア!~一日アイドル署長の事件簿~」全3話を見た
8月13日14日15日と3夜連続で浜辺美波と東出昌大が主演のミステリードラマ「ピュア!~一日アイドル署長の事件簿~」が放送された。(第2話第3話の放送日は台風情報で画面がわちゃわちゃしてしまって残念)
浜辺美波は黒薔薇純子というまったく売れない超絶腹黒アイドルを演じている。まるでNGTのように自分より人気のある他人の足をひっぱるw 制服ポケットに手を突っ込んで「エッヘッヘ」と下卑た笑いを浮かべ他人の弱みにつけこみ協力させる。
こいつが一日警察署長で警察署内にいるもんだから、捜査本部の置かれた殺人事件の捜査に積極的に介入。本庁捜査一課の刑事東堂(東出昌大)と一緒に聴き込み捜査する。
これが蒔田光治の企画脚本だから想像はしてたけど、雰囲気がほぼ「TRICK」の上田と山田。
傲慢でプライドが高くセコい大学教授がそのままキャリア警察官に、売れないマジシャンがそのまま売れないアイドルに置き換わった。
超デカ東出と小柄で華奢な浜辺がすっごい身長差凸凹コンビ。ここも阿部寛と仲間由紀恵っぽい。
なぜか犯罪捜査にだけ高い能力を発揮してしまう社会的弱者の女の子が犯人を暴く。社会的に地位の高い物が手柄を独り占め。これもTRICKのパターン。
浜辺は頭の大きさと身長と肩幅の比率がこども。浜辺の超絶腹黒さとずる賢さがエリート刑事東出を翻弄。蒔田脚本には「こいつ自分より下だ」という相手には増長し調子に乗りぞんざいな態度とダル絡みに出るパターンの人物が多い。たぶん蒔田氏の実体験に基づいた脚本w
この浜辺の顔芸と天才的魅力あふれた個性派女優っぷりがすごくて感心。
とくに第2話は霊能力者が呪いで人を殺すというトリック。しかも、謎に迫る東出と浜辺が部屋に閉じ込められガスで殺されそうになるところはまんまTRICKで何度も使われたパターン。BGMのセンスも似てる。
ただ、このドラマは堤演出みたいに脇役までもが存在感強すぎウザ過ぎないところが良い。
第1話に長澤まさみと東京中野のマンションでルームメイトだった大塚千弘が婦警役で出演。自分の知ってた大塚とかなり顔が変わっててしばらく気づかなかった。しばらく小林麻耶だと思ってた。
第3話は黒薔薇浜辺が冤罪の疑いをかけられる。急に言葉遣いが「オマエ」になる。警察は現実でもフィクションでも常にクソ。
浜辺美波は今現在、20歳前後の女優では広瀬すずに匹敵する別格の存在感の実力者。それはこのドラマを見た多くの人が感じただろうと思う。
浜辺美波は黒薔薇純子というまったく売れない超絶腹黒アイドルを演じている。まるでNGTのように自分より人気のある他人の足をひっぱるw 制服ポケットに手を突っ込んで「エッヘッヘ」と下卑た笑いを浮かべ他人の弱みにつけこみ協力させる。
こいつが一日警察署長で警察署内にいるもんだから、捜査本部の置かれた殺人事件の捜査に積極的に介入。本庁捜査一課の刑事東堂(東出昌大)と一緒に聴き込み捜査する。
これが蒔田光治の企画脚本だから想像はしてたけど、雰囲気がほぼ「TRICK」の上田と山田。
傲慢でプライドが高くセコい大学教授がそのままキャリア警察官に、売れないマジシャンがそのまま売れないアイドルに置き換わった。
超デカ東出と小柄で華奢な浜辺がすっごい身長差凸凹コンビ。ここも阿部寛と仲間由紀恵っぽい。
なぜか犯罪捜査にだけ高い能力を発揮してしまう社会的弱者の女の子が犯人を暴く。社会的に地位の高い物が手柄を独り占め。これもTRICKのパターン。
浜辺は頭の大きさと身長と肩幅の比率がこども。浜辺の超絶腹黒さとずる賢さがエリート刑事東出を翻弄。蒔田脚本には「こいつ自分より下だ」という相手には増長し調子に乗りぞんざいな態度とダル絡みに出るパターンの人物が多い。たぶん蒔田氏の実体験に基づいた脚本w
この浜辺の顔芸と天才的魅力あふれた個性派女優っぷりがすごくて感心。
とくに第2話は霊能力者が呪いで人を殺すというトリック。しかも、謎に迫る東出と浜辺が部屋に閉じ込められガスで殺されそうになるところはまんまTRICKで何度も使われたパターン。BGMのセンスも似てる。
ただ、このドラマは堤演出みたいに脇役までもが存在感強すぎウザ過ぎないところが良い。
第1話に長澤まさみと東京中野のマンションでルームメイトだった大塚千弘が婦警役で出演。自分の知ってた大塚とかなり顔が変わっててしばらく気づかなかった。しばらく小林麻耶だと思ってた。
第3話は黒薔薇浜辺が冤罪の疑いをかけられる。急に言葉遣いが「オマエ」になる。警察は現実でもフィクションでも常にクソ。
浜辺美波は今現在、20歳前後の女優では広瀬すずに匹敵する別格の存在感の実力者。それはこのドラマを見た多くの人が感じただろうと思う。
2019年8月17日土曜日
アガサ・クリスティー「予告殺人」(1950)
アガサ・クリスティー「予告殺人」を田村隆一訳1976年ハヤカワ・ミステリ文庫版で読む。これが自分にとってクリスティー49冊目。
チッピング・クレグホーン村の人々は地元紙広告欄の「殺人お知らせ申し上げます…」 という謎の広告で話題で持ち切り。
A MURDER IS ANNOUNCED by Agatha Christie 1950これがミス・マープル長編の第4作目。
チッピング・クレグホーン村の人々は地元紙広告欄の「殺人お知らせ申し上げます…」 という謎の広告で話題で持ち切り。
英国の田舎の人々の朝の会話が続く。新聞を複数取ってる家庭が多い。
好奇心があってヒマな村人たちはリトル・パドックスの女主人レティシアのもとへ集まる。時刻6時30分になると突然照明が消え押し込み強盗?やだ怖い!集まった人々困惑!
銃声の後に明かりがつくと、そこに外国人らしき男の死体。どうやら村のホテルで働くスイス国籍の男だった。
弾丸は女主人をかすめて軽傷。命を狙われたのは老婦人?
クラドック警部が捜査開始。その時間にリトルパドックスに居た人々に話を聴きに行く。
3分の1ほど読み進めたところでミス・マープル登場。なんとマープル婆さんは村のホテルに滞在中。
クラドック警部に捜査方針でアドバイス。真っ暗になってたのだから人々の証言は当てにならない。
レティシア夫人は若いころ秘書を務めた富豪から巨額の遺産を贈られている?それも病弱な妻が死んだ後という条件で?
レティシア夫人が先に死亡すると遺産が転がり込む妹の2人の子どもが存在?年齢的にあてはまりそうな人物がリトルパドックスに何人かいる!
重要な何かを見たか気づいた人物がさらに連続で殺される。
実はアイツの正体がアレで…とか、終盤にいくつか明かされる。それっぽかった関係性はちゃぶ台のようにひっくり返される。
誰の元へ遺産が行くのか?クリスティ女史らしいミステリーといえる。たぶん人によっては面白い。だが、自分としてはやや退屈。ちょっとムダに長い。
好奇心があってヒマな村人たちはリトル・パドックスの女主人レティシアのもとへ集まる。時刻6時30分になると突然照明が消え押し込み強盗?やだ怖い!集まった人々困惑!
銃声の後に明かりがつくと、そこに外国人らしき男の死体。どうやら村のホテルで働くスイス国籍の男だった。
弾丸は女主人をかすめて軽傷。命を狙われたのは老婦人?
クラドック警部が捜査開始。その時間にリトルパドックスに居た人々に話を聴きに行く。
3分の1ほど読み進めたところでミス・マープル登場。なんとマープル婆さんは村のホテルに滞在中。
クラドック警部に捜査方針でアドバイス。真っ暗になってたのだから人々の証言は当てにならない。
レティシア夫人は若いころ秘書を務めた富豪から巨額の遺産を贈られている?それも病弱な妻が死んだ後という条件で?
レティシア夫人が先に死亡すると遺産が転がり込む妹の2人の子どもが存在?年齢的にあてはまりそうな人物がリトルパドックスに何人かいる!
重要な何かを見たか気づいた人物がさらに連続で殺される。
実はアイツの正体がアレで…とか、終盤にいくつか明かされる。それっぽかった関係性はちゃぶ台のようにひっくり返される。
誰の元へ遺産が行くのか?クリスティ女史らしいミステリーといえる。たぶん人によっては面白い。だが、自分としてはやや退屈。ちょっとムダに長い。
2019年8月16日金曜日
小松菜奈「溺れるナイフ」(2016)
溺れるナイフ(2016 ギャガ)という少女コミック原作映画があるので見てみる。
菅田将暉と小松菜奈というヤングスター主演の話題作だったらしいけど、自分は何も予備知識がない。
東京でモデル活動をしていた中学生15歳夏芽(小松)は父の都合で実家旅館のある湊まち浮雲町へ気の向かないまま引っ越す。
小松の母親が市川実和子ってすっごい納得できる。この顔からこの娘が生まれたことがすごく納得できるw
人がたくさんのお座敷から抜け出したヒロイン。海になんとなく浮かんでるwコウ(菅田)に出会う。こいつが転校先の同級生。神々しい金髪美少年。
小松菜奈は東京からの転校生で芸能人。同級生たちから羨望の眼差し。そのなかの一人が上白石萌音。田舎中学生役がハマリすぎ。
田舎に引っ越してもモデル仕事が舞い込む。写真集の話が持ち込まれるのだが、有名写真家役がドレスコーズの志磨遼平。こいつは役者もやったことがあったのか。
こいつが自身の美的価値観に1ミリもブレがない。だが、失礼で嫌なやつすぎて権力を持っていることが信じられない。
田舎で目立つ菅田と小松、気づいたらデキてまうw ダダこねる小松がかわいい。夏のJC小松の薄着がまぶしい。
すっごい固定カメラロングショット長回しとか面白い。ロケ地が美しい。
このヒロインがやたら男に振り回されカメラの前でぐるぐる回るシーンが多い。たぶん意図的演出。
仮面をつけた火祭りとかとんでもなく奇祭。祖父が倒れたと嘘でJCヒロインを車で拉致するキモ泊り客が怖い。こいつが出て来た瞬間にそれを予感できる悪質すぎサイコパス。胸糞悪すぎ。このシーンがすごく嫌。サラッと流せ。どうせわかりずらい演出映画なんだから、発端と結果だけ示せばいいのに。
終盤になって2回目に出て来たときは本当に嫌な気分になった。こいつは一体なんのメタファー?たぶん夏目漱石「道草」の養父のような男女を引き裂く病理的存在。
こいつを含めてこの映画の脇役男性キャストはなぜかみんなセリフ棒読み。たぶんあえての演出?
フラれた男がカラオケで吉幾三を歌うシーンにつっこんだw そんな高校生いる? けど、このシーンはとても面白かった。この男が究極に理想的にいい人。美少年に対して普通の人。
BGM楽曲のせいで日本映画っぽさがまったくなかった。
女性監督はセンス良いアピールの強いMVみたいな映像作品を取りがち。女子は気の置けない友だち男より危険な男に惹かれがち。
不幸な10代カップルの話。あのときはキレイに見えたものが今はもうどうでもいい存在に見えている不幸。
ぜんぜんストーリーに入り込めないし、主人公ふたりにも感情移入できなかった。ラスト20分が見ていて地獄。映画としては意味の解らない演出。まったく納得のできない新感覚ヘンテコ映画。ぶっちゃけ超絶つまらなかったです。たぶん原作も読む価値ないと思う。
菅田将暉と小松菜奈というヤングスター主演の話題作だったらしいけど、自分は何も予備知識がない。
東京でモデル活動をしていた中学生15歳夏芽(小松)は父の都合で実家旅館のある湊まち浮雲町へ気の向かないまま引っ越す。
小松の母親が市川実和子ってすっごい納得できる。この顔からこの娘が生まれたことがすごく納得できるw
人がたくさんのお座敷から抜け出したヒロイン。海になんとなく浮かんでるwコウ(菅田)に出会う。こいつが転校先の同級生。神々しい金髪美少年。
小松菜奈は東京からの転校生で芸能人。同級生たちから羨望の眼差し。そのなかの一人が上白石萌音。田舎中学生役がハマリすぎ。
田舎に引っ越してもモデル仕事が舞い込む。写真集の話が持ち込まれるのだが、有名写真家役がドレスコーズの志磨遼平。こいつは役者もやったことがあったのか。
こいつが自身の美的価値観に1ミリもブレがない。だが、失礼で嫌なやつすぎて権力を持っていることが信じられない。
田舎で目立つ菅田と小松、気づいたらデキてまうw ダダこねる小松がかわいい。夏のJC小松の薄着がまぶしい。
すっごい固定カメラロングショット長回しとか面白い。ロケ地が美しい。
このヒロインがやたら男に振り回されカメラの前でぐるぐる回るシーンが多い。たぶん意図的演出。
仮面をつけた火祭りとかとんでもなく奇祭。祖父が倒れたと嘘でJCヒロインを車で拉致するキモ泊り客が怖い。こいつが出て来た瞬間にそれを予感できる悪質すぎサイコパス。胸糞悪すぎ。このシーンがすごく嫌。サラッと流せ。どうせわかりずらい演出映画なんだから、発端と結果だけ示せばいいのに。
終盤になって2回目に出て来たときは本当に嫌な気分になった。こいつは一体なんのメタファー?たぶん夏目漱石「道草」の養父のような男女を引き裂く病理的存在。
こいつを含めてこの映画の脇役男性キャストはなぜかみんなセリフ棒読み。たぶんあえての演出?
フラれた男がカラオケで吉幾三を歌うシーンにつっこんだw そんな高校生いる? けど、このシーンはとても面白かった。この男が究極に理想的にいい人。美少年に対して普通の人。
BGM楽曲のせいで日本映画っぽさがまったくなかった。
女性監督はセンス良いアピールの強いMVみたいな映像作品を取りがち。女子は気の置けない友だち男より危険な男に惹かれがち。
不幸な10代カップルの話。あのときはキレイに見えたものが今はもうどうでもいい存在に見えている不幸。
ぜんぜんストーリーに入り込めないし、主人公ふたりにも感情移入できなかった。ラスト20分が見ていて地獄。映画としては意味の解らない演出。まったく納得のできない新感覚ヘンテコ映画。ぶっちゃけ超絶つまらなかったです。たぶん原作も読む価値ないと思う。
2019年8月15日木曜日
夏目漱石「こころ」(大正3年)
(そういえば5年前に朝日新聞は100周年を記念して「こころ」を再連載してた。)
漱石を読むことすら十数年ぶり。「道草」を最後に一度も手に取ってなかった。
そして今、「こころ」に小学生以来2回目の挑戦。当時は旺文社文庫だったのだが、今回はなんと中条あやみ表紙の2016年集英社文庫版。
てゆうか、中条が表紙で「おや?!」と思って手に取った。最初のページに漱石の写真資料なんかも掲載されている版。
主人公の書生「私」と「先生」の出会いは鎌倉の海だった。それ、今回初めて知った。読んだ当時はまだ一度も行ったことがなく、まったく鎌倉のイメージなんてなかった。
何度も鎌倉へ出かけ、夏の由比ガ浜の海と空の色を知ってる今、漱石の「こころ」がカラー映像で脳内にバッと広がる。
もちろん当時は134号線もない。人々は着物姿で、茅葺屋根の家と畑、その間を人力が走る時代。それでも長谷の後ろに見える山とか鎌倉の地形を把握してるほうがイメージしやすい。
この先生が登場した先から影がある。小学生の時はそういうところを全然読んでなかったw 雑司ヶ谷霊園でのやりとりもあからさまにプライバシーに立ち入ろうとする若者への壁を作っていた。
昔は池袋周辺あたりなら平気で自転車で出かけていたけど、雑司ヶ谷霊園は2回ぐらいしか通ったことがない。あんまりよく覚えてなくてイメージできない。
先生は家で何もしていないようだ。働いたこともない?ひょっとすると高等遊民ってやつ?先生とその奥さんには何か暗い過去のようなものが?「恋は罪悪」とは?
主人公は実家の父がもう長くない。先生から「財産のことはしっかり聴いておけ」とか言われたり、母親からは「仕事の口をはやく見つけろ」と催促されたり、ビミョーに嫌なことがつづく。そして父危篤であたふた。
そこへ先生からの手紙「これをきみが読む頃はもう自分は死んでるでしょう」急展開!
後半は先生の半生独白と遺書。長い。両親が相次いでなくなり財産を親戚にちょろまかされるとか普通に嫌。
そしてKという友人が登場し、下宿のお嬢さんをめぐって恋の駆け引き。
結果、Kは自殺するのだが、先生はそれほど批判されるようなことはしていないように思える。
今日でも若者たちは普通にやってるようなこと。良心の呵責に耐えかねて自殺するようなことでもない。「こころ」は味わい深いっちゃ味わい深いが、やはり終わりが唐突。
現代人にはピンとこない話になっている。明治から大正という時代の変わり目の人々のこころを描いた作品。いまも現代人に読まれている不思議。
小学生以来読み返して、文体が意外に平易だなと感じた。やっぱり後半部分はほとんど覚えてなかった。
私とKが房州を旅行してるのだが、保田、富浦、那古、鯛の浦という地名が出て来た。行ったことがあって知ってる地名だとイメージがわく。知らないと地名もただの記号。
あと、夏目漱石が49歳で亡くなってたことを知って何気にショック。自分は勝手に60代ぐらいのイメージでいた。
2019年8月14日水曜日
アガサ・クリスティー「死への旅」(1954,1955)
アガサ・クリスティー「死への旅」を高橋豊訳1977年版ハヤカワ・ミステリ文庫で読む。
クリスティ女史による国際スパイスリラー。自分にとってアガサ・クリスティー48冊目。
英国情報機関は共産諸国側の手によるものと疑う。
やがてベタートン夫人がモロッコへ休養に出かけるのを怪しんでマーク。英仏の情報部が協力体制。
だが夫人は飛行機事故に遭遇し病院で死亡。「ボリスは危険」という言葉を残して。
幼子を亡くし夫に棄てられ生きることが嫌になったヒラリー・クレイヴェンは睡眠薬自殺を図るものの失敗。英国情報部のジェソップ氏に救われるも、ベタートン夫人になりすましてモロッコ旅行を続けることを説得される。たぶん最終的に死ねるよ!w
米国人、英国人、フランス人、世界を金で支配する大富豪などが次々に登場。
アメリカ夫人たちと飛行機で移動中、乗っていた飛行機が墜落炎上し全員死亡したことにされる。実は乗客全員が亡命希望の科学者たち?
やがてアトラス山脈の南の砂漠の中のらい病院施設へ連れていかれる。ここがまるでカルト教団施設のよう。
そこでトム・ベタートンと対面するのだが、あれ?写真で見たのと顔が違う?!
これ、今まで読んできたクリスティ女史の全作品とは毛色の違う作風だと思った。ちょっと支離滅裂な印象すら受けるスパイ小説。
それでも読んでいて退屈せずページをめくれた。いちおうラストで意外な真相も明かされる。ラブロマンスもある。ハードボイルドを予感させたけど誰も殺されない。
人によってはダメなクリスティーという判定をしているようだが、自分はなくなかった。そこそこ面白かった。
クリスティ女史による国際スパイスリラー。自分にとってアガサ・クリスティー48冊目。
DESTINATION UNKNOWN by Agatha Christie 1954,1955世界的に有名な原子物理学者ベタートン氏がパリでの会議に出席した後に失踪。東西冷戦中の欧州では科学者の失踪が相次いでいた。
英国情報機関は共産諸国側の手によるものと疑う。
やがてベタートン夫人がモロッコへ休養に出かけるのを怪しんでマーク。英仏の情報部が協力体制。
だが夫人は飛行機事故に遭遇し病院で死亡。「ボリスは危険」という言葉を残して。
幼子を亡くし夫に棄てられ生きることが嫌になったヒラリー・クレイヴェンは睡眠薬自殺を図るものの失敗。英国情報部のジェソップ氏に救われるも、ベタートン夫人になりすましてモロッコ旅行を続けることを説得される。たぶん最終的に死ねるよ!w
米国人、英国人、フランス人、世界を金で支配する大富豪などが次々に登場。
アメリカ夫人たちと飛行機で移動中、乗っていた飛行機が墜落炎上し全員死亡したことにされる。実は乗客全員が亡命希望の科学者たち?
やがてアトラス山脈の南の砂漠の中のらい病院施設へ連れていかれる。ここがまるでカルト教団施設のよう。
そこでトム・ベタートンと対面するのだが、あれ?写真で見たのと顔が違う?!
これ、今まで読んできたクリスティ女史の全作品とは毛色の違う作風だと思った。ちょっと支離滅裂な印象すら受けるスパイ小説。
それでも読んでいて退屈せずページをめくれた。いちおうラストで意外な真相も明かされる。ラブロマンスもある。ハードボイルドを予感させたけど誰も殺されない。
人によってはダメなクリスティーという判定をしているようだが、自分はなくなかった。そこそこ面白かった。
2019年8月13日火曜日
橋本奈々未「LOVE理論」(2013)
乃木坂46の橋本奈々未は2013年ごろ女優として外仕事ドラマのいくつかに出演していた。グループ内で真っ先に一番に女優として推されていた。
2013年12月27日深夜にテレビ東京で放送された「LOVE理論」は、一見なにもかもがダメそうな雇われコンビニ店長中村獅童が、3人の店員たち(浜野謙太、秋山竜次、塩谷瞬)に独自の「LOVE理論」を教え、狙った女をモノにしていくという、いかにもテレ東深夜っぽい企画。
橋本奈々未は浜野健太が密かに恋慕する同じコンビニでバイトする大学生として登場。3つのエピソードのひとつなので出演時間は全体の3ぶんの1以下。
会話の節々に「大変じゃない?」というフレーズを入れながらグチを聴いてるフリをすれば女はイチコロという理論を実践しイイ感じになるというドラマ。
「んなアホな」という理論も中村獅童のまるで歌舞伎に出てくる山賊の頭目みたいなイキリきった言葉回しで言われると「そうなのかな」と思ってしまう説得力w
橋本はたぶんこのドラマをちゃんと最後まで見ていないと思う。ロバート秋山、塩谷と展開するごとに大人の恋愛になっていく。最終的に「狙った女をセッ〇スに持ち込む」がテーマになっていくw
橋本が自身の女優としての資質を早々に見切って、芸能界に嫌気がさして去っていったのは本当に残念。今何をしているんだろうか。
2013年12月27日深夜にテレビ東京で放送された「LOVE理論」は、一見なにもかもがダメそうな雇われコンビニ店長中村獅童が、3人の店員たち(浜野謙太、秋山竜次、塩谷瞬)に独自の「LOVE理論」を教え、狙った女をモノにしていくという、いかにもテレ東深夜っぽい企画。
会話の節々に「大変じゃない?」というフレーズを入れながらグチを聴いてるフリをすれば女はイチコロという理論を実践しイイ感じになるというドラマ。
「んなアホな」という理論も中村獅童のまるで歌舞伎に出てくる山賊の頭目みたいなイキリきった言葉回しで言われると「そうなのかな」と思ってしまう説得力w
橋本はたぶんこのドラマをちゃんと最後まで見ていないと思う。ロバート秋山、塩谷と展開するごとに大人の恋愛になっていく。最終的に「狙った女をセッ〇スに持ち込む」がテーマになっていくw
橋本が自身の女優としての資質を早々に見切って、芸能界に嫌気がさして去っていったのは本当に残念。今何をしているんだろうか。
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