越谷オサム「房総グランオテル」(祥伝社 2018)という本があるので読む。書き下ろし作品。
夏も終わり閑散期に入った時期、たまたま一緒になったわけあり二泊三日の泊り客、の織り成す3日間のドラマ。
そろそろ進路を決めなきゃいけない家業が民宿の女子高生、同じ高校に通う千葉県代表レベルの美少女従妹、四半世紀前にヒットを飛ばした50手前一発屋ミュージシャン中年男、パワハラ上司に疲れた東京OL、駅で撮った写真に写っていた美少女にカメラ雑誌コンテスト応募許可をもらいたいフリーター撮り鉄男、による南房総海辺漁師民宿ドラマ。
部屋でギターを弾きながら歌う男がうるさい!ので、部屋を取り換える。だが、男は自殺するためにこの民宿に来ていた。
やべえ、民宿娘の美少女従妹の部屋の金庫に拳銃入れたままだったので取り返さないと!という騒動がクライマックス。
男は、美少女にいいとこ見せたくて身分を偽る撮り鉄男を脅し協力させ、部屋に遊びにいくと称し隙を見て金庫を開ける。だが、陰気なOLが意外にカンが鋭くて…。
2時間ほどで読み終わった。中学生高校生向けな感じ。45分ドラマになりそうなライトで薄味のちょっとした楽しいドラマ。それぞれの再生と再出発がテーマの人情喜劇。
自分はこれで越谷オサム6冊目だった。一番最初に読んだ「階段途中のビッグノイズ」こそ面白かったのだが、それ以後に読んだどれも絶賛するほどには面白く感じない。語り口も上手くない。ドラマ脚本っぽい。深みと文芸作品っぽさと読者を驚かす仕掛けがあれば神だった。
これを読もうと思った理由、それは、房総の民宿のJK娘という設定が乃木坂の高山っぽいからw 高山の「トラペジウム」に続く次回作はこんな南房総の民宿と道の駅バイト経験を活かしたものにしてほしい。
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