土屋太鳳と芳根京子が主演した「累 かさね」(2018 東宝)という映画があるので見てみる。マンガ原作があって後に作者によって小説化。昨年9月に映画が公開された。
ふたりのNHK朝ドラ女優W主演なので話題作だったはず。自分はこんな映画が公開されてたことをぜんぜん知らなかったけど。
累は顔に醜い傷があり劣等感を持っている。周囲から忌嫌われ酷い目に遭わされている。醜い容姿という役なのに十分美人に見える。芳根京子の顔が自分は好き。
舞台関係の仕事をしてる浅野忠信が舞台演劇に連れ出す。美人で自信満々だが伸び悩んでる女優ニナ(土屋太鳳)とファーストコンタクトからして異常。いまどきこんな嫌な女優いる?この土屋太鳳が美人。この気の強い女優が憑依したときの芳根がさらに美人。
累は女優だった母から受け継いだ口紅を塗って口づけをすると相手と顔が入れ替わる。野心のある美人女優は醜い天才女優のチカラを利用し成功を夢見る。入れ替わって代理でオーディション。
開始数分見ていてなんかマンガっぽいし話に入り込めない。なんだこりゃ?登場人物がみんなヒステリックでエキセントリック。嫌な奴だらけ。
だがこれは前例のない役。正反対の二人が何度も入れ替わる。芳根も土屋も「ガラスの仮面」みたいに難しい役だったに違いない。丁々発止の火花を散らす。
オーディションで勝ち取った役の舞台稽古が始まる。キスして入れ替わったふたりには制限時間がある。
演出家は演技下手の土屋のときは「素人だろ!」とダメ出し。やっぱ累じゃないと。
だが、累の弱点はキスシーン。「男の人としたことないんです」という相談に演出家がキス。なんだこの役得。マネージャーも女優が演出家とそういう関係になるのを容認。
やがて本物の恋に。男をめぐって争う土屋と芳根のシーンにすごく惹かれる。なんかエロい。
ぶっ倒れて4か月眠ったニナの顔で「かもめ」を演じきった累は舞台を成功させ大スターに。そして「サロメ」の舞台へ。
ストーリ上、こんなのどっかで破綻が出るとヒヤヒヤしながら見る。どう着地するんだ?予測がつかなすぎて見てて疲れる。
都合のいいときだけ中身が入れ替わる人生。ニナは苦悩と恐怖。累の過去を探り出す。
なんかこの映画は深いかも。楳図かずおや乱歩も連想する幻想怪奇。
劇中劇「サロメ」の土屋太鳳があまりに完成度が高い。フィジカルがすごい。あまりの素晴らしさに泣いたw
村井國夫さんを久しぶりに見たら爺さんになっていた。こんな厳しい爺さん演出家と仕事をしないといけないとしたら舞台役者なんてなりたくないw
この映画化は野心的。土屋太鳳と芳根京子という女優の輝きを見るための映画。このふたり、こんな美人だったんだ!と驚いたし再発見した。北島マヤと姫川亜弓の再来を見た。女優って心底スゴイと思えた。広くオススメする。
主題歌はAimer「Black Bird」。こちらも素晴らしい出来。
0 件のコメント:
コメントを投稿