2015年8月31日月曜日

広瀬隆 「クラウゼヴィッツの暗号文」(1984)

この本も古本屋の108円コーナーでよく見かける本で、自分の趣味に合いそうなので手に取った。「クラウゼヴィッツの暗号文」(広瀬隆 1992 新潮文庫)

てっきりクラウゼヴィッツに関する雑学本だと思っていた。この本の3分の1は第2次大戦終結の1945年から1991年まで、毎年ごとの世界紛争地図がメイン。

各年ごとの地図を注意深く読んでいると、第2次大戦がかすむほどに毎年毎年世界のどこかで内戦、内乱、クーデター、要人暗殺、テロ、国境紛争、独立戦争、宗教対立、民族対立、虐殺事件が起こっている。

植民地と旧宗主国、中国と隣国すべて、ソ連と隣国すべて、ローデシアと隣国すべて、南アフリカと隣国すべて、イスラエルと隣国すべて、中南米すべて、インドとパキスタン、アルゼンチンと隣国すべて、トルコと隣国すべて、イランと隣国すべて、マレーシアとフィリピン、ベトナムとカンボジアとラオスとタイ、紙面が足りないほど世界中が紛争している。隣国同士が争ってるのは世界地図を見れば「よくあること」。

他国へ侵攻してるなら米中ソはかなり酷い。世界の内戦には米CIAが支援した右派政権VS左派ゲリラの構図がすごく多い。

ソ連は東欧諸国を自分たちのものだと考えていた。ハンガリー、チェコスロバキア、ポーランド、東ドイツ、ブルガリアの政治家たちも殺されまくってる。KGBはブルガリア秘密警察とローマ法王暗殺未遂事件も起こしてる。ポーランド出身のヨハネ・パウロ2世は自主管理労組のワレサを支持してたから狙われたんだな。ソ連、ロシアは世界から嫌われて当然。

19世紀の始めにクラウゼヴィッツが書いたことがそのまま20世紀後半にも当てはまっていることを語る本かと思いきや……この本の結論は、
「戦争論」は、戦争の性質を解き明かした万人普遍の理論ではなく、どのように戦争を正当化し、挑発するか、という目的で書かれた個人的演説だったのである
と言い切ってる。クラウゼヴィッツの理論が合ってるんじゃなくて、後の政治家、軍人たちがクラウゼヴィッツの本を忠実に守ってるって、逆の発想の結論。西側も東側も、共産主義も、敵を作って戦争をしたがる政治家すべてを批判してる。すべての「クラウゼヴィッツ人」を。

トルストイが「戦争と平和」でクラウゼヴィッツを批判してるって知らなかった。
巻末にはなぜか暗号を解く天才CIA女スパイのエピソードと、学校じゃ教えてくれない「水爆の作りかた」まで。

筆者の文章は上手いと感じたけど、それほど大切な1冊にはならなかった。ただ、第2次大戦後も世界は酷いということは改めて強く認識した。

2015年8月30日日曜日

堀北真希 「誰かが私にキスをした」(2010)

2010年に公開された堀北真希主演映画「誰かが私にキスをした」のDVDを3ヶ月ぐらい前に500円で見つけたので買っておいた。Disc2が付属した定価3,800円のセル版。これ、ブックオフ相場だと750円だな。安い。人気ないのかな。

突然掘北が結婚してしまったので慌てて見ることにした。DVDが出た直後ぐらいに見ているので、今回が2回目の鑑賞。

この映画はシンガポールで育ち日本文化に慣れ親しんでいて、いつか日本を舞台に映画を撮りたいという希望を持っていたハンス・カノーザ監督の持ち込み企画。前回見たときは気にしていなかったのだが原題はMemoirs of aTeenage Amnesiac、「誰かが私にキスをした」は日本の配給会社が、客層にアピールしやすいようにつけたタイトルっぽい。いかにも邦画ドラマっぽい。

監督によれば、堀北は「ALWAYS」で、松山ケンイチは「デスノート」で、て○しは「マイボスマイヒーロー」で見て知っていたという。この3人は監督の指名でのキャスティング。

ストーリーは簡単に言うと、学校の階段で転倒し記憶を失った堀北真希が3人の男を次々に乗り換えていく。17歳少女の自分探し。東京のインターナショナルスクールが舞台で、劇中のセリフの約半分は英語だ。

日本側スタッフ、ハリウッド側スタッフ混成チームにより、2008年11月26日にクランクイン、2009年1月10日にクランクアップ、2010年3月27日に公開初日を迎えている。最新映画に興味の無い自分はこんな映画の存在をニュースでも見た覚えもなかったし、TSUTAYAに並ぶまで知りもしなかった。

米国人の原作脚本を、ハンス・カノーザ監督が演出し、日本の俳優を演技指導。そして、ハリウッドの撮影監督が撮る。そして向こうのスタッフたちが編集するので、見ていて明らかに邦画じゃない感を出しまくる、アメリカン・テイストに溢れたハイスクールドラマ。

冒頭いきなり生徒たちの写真撮影シーンから始まる。スタイリッシュで引き込まれる映像編集。BGMにしても日本のセンスと完全に違う。撮影カメラはSONY製らしいけど、外国人カメラマンが撮ると東洋人学生の肌の質感とか髪質とか、違いを強調した感じに見える。

エキストラや脇役も日米混合なので海外のドラマに見える。向こうの学生ポートレート撮影はこんな楽しそうな雰囲気なんだな。日本とは程遠い。

日本人らしくない日本人がなかなか言わないような会話がひたすら続く。表情や振る舞いが日本人っぽくない。どこかムラカミハルキっぽくもある。テンポと間合いが演出したカノーザのセンス。まさにアメリカンハイスクールドラマのそれ。ま、自分はアメリカのハイスクールドラマとかまったく見たことないですけど。
インターナショナルスクールなので日本の高校の授業風景とまったく違う。生徒一人一人に個別のロッカーがある。みんな大人!教育の差を感じた。少人数で大学のゼミみたいな感じ。

日本人はこんな教育を受けていない。こんな自由かつ個の責任に任せた教育なら自立した大人に育ちそう。日本のハイスクールはルールと強者に従順に隷属するように育ててるだけ。いきなり大学入っても自分みたいに戸惑うだけ。

それに高校生がスーツ着てドレスアップしてパーティとかw 「ねえ踊ろうよ」とかw 日本人はパーティでどう振舞っていいのかわからない。ステディな彼氏彼女とパーティに参加なんて高校でやってない。せいぜい文化祭のフォークダンスがギリw なのに「インターナショナルな人材を育てる」とか笑わせる。
「そのドレス…」
「去年と同じでしょ。わかってる。」
「最後まで聞けよ。その髪のほうがワンピースに合ってるって言うつもりだったんだ」
自分が高校生のときにこんな会話ぜったいしてないわ。海外の原作小説を外国人が日本の高校に置き換えるのは無理がある。インターナショナルスクールでないと不可能。それでも日本を舞台にしたのは監督が日本の若手俳優と映画を撮りたかったから。

後半、ヒロイン堀北は髪型ショートになって、さらに破壊的に可愛くなっていく。堀北自らハサミを入れてカットしていくシーンがかわいい。ハムレットの堀北の可愛さには悶え死ぬ。この映画をみると堀北真希を喪失した悲しみの大きさに震える…。人によっては泣くかもしれない。

ヒロインの自宅は東京世田谷という設定だが、これが大豪邸。父(渡部篤郎)は作家だというけど、どんだけベストセラー人気作家なんだよ。父一人娘一人なのに大きな部屋が整頓されまくってこぎれい過ぎるセレブ家庭。渡部篤郎はいつどこで見ても渡部。

主人公ナオミ役の堀北は3人のボーイフレンドとそれぞれしっかり何度もキスをする。

ヒロインのステディなボーイフレンド・エース役はアントン・イェルチン。ロシア出身のハリウッドのヤングスターとのこと。ヒロイン・ナオミの部屋に窓から侵入してきやがる。挨拶のようにキスしやがる。このボーイフレンド1号が堀北真希に「また以前のようにセッ○スできる?」とか聞きやがる。堀北も「私はあなたとセッ○スしないわ」とか言いやがる。ヒロインのナオミは勉強もスポーツも恋もできる17歳リア充ガール。堀北が手にコン○ーム持ってるシーンが見れるのはこの映画だけ?
暗く精神が不安定なユウジ役が松山ケンイチ。ドラマ中盤の彼氏。ホリキタとマツケンは過去何度も共演していて撮影はとてもいい雰囲気。ふたりとも多忙なために海外シーンはなんとすべてクロマキー撮影。それ、見ていてまったく予想できなかった。

LAから電話で「逢いたい」と呼び出し。成田で正規料金払って親に無断で渡航とかどんだけ現金持ってるんだよ!しかも17歳でビジネスクラスかよ!しかもユウジのLAの家も豪邸。

この精神不安定彼氏が恐怖。ヒロインを右も左もわからない外国の砂浜に長時間放置。ま、ハンサムだから許される。そうでなければ「キモっ!」って言われる。

3人目の男ミライがジャ○ーズのて○し。イヤーブック編集の仕事を堀北と共同で行う。ずっと堀北を愛情を持って見守っていたのだが、記憶喪失堀北に振り回され途中で冷たくなる。

イヤーブック?アメリカのハイスクールにはそんなものがあるってこの映画で初めて知った。イヤーブック編集の部室がもう完全にアメリカ企業のオフィス…。アメリカと比較したときの日本の高校のみすぼらしさが絶対的すぎる。

て○しが自ら編集した堀北に贈るDVDがやや怖い。あんなの自分大好きっ子じゃないと見れない。

ヒロインは写真の授業で落第しそうなる。ユウジ提案のフォト撮影シーンが監督オリジナルだけど、まるでグーグルやiPhoneのCMみたい。

この映画にも桐谷美玲が出ている!「堀北の出演作に桐谷あり」だな。ベレー帽姿がかわいいけど、やや目立つエキストラ程度の出演。

堀北も桐谷も英語の発声と発音が上手すぎる。ひょとして一部吹き替えじゃないか?って思う。おそらく絶対そうだと思ってるが、誰もそこに触れた発言をしていない。編集段階で「修正」したんだと思う。変な英語の発音のままだと海外で公開したとき「傷」になる。

病院のナース長っぽい人が外資系CMっぽい。日本人は日常あんな表情を使わない。
とにかくずっと会話の間合いが日本的じゃない。向こうのニュース番組みたいに相手の発言にかぶせるように返答していく。

日本映画なのに製作スタッフがハリウッド人材というケミストリーの面白さは十分に感じた。
Disc2のメーキングを見る。この映像は初めて見たと思う。

て○しが慣れないコイントスに戸惑う様子を撮っている。日本人はジャンケンだろ、普通。自分は人と何かをコイントスで決めたことなんて人生で一度も無いわ。

メーキングシーンで「カメラ投げ」はスタッフが必死に回収していたことを知った。階段そりすべりシーンは大量の塩で階段を覆って撮影していたことを知った。

ちなみに、堀北真希は公開初日の舞台挨拶で「3人の中から1人選ぶとしたら?」という質問に
丸の内TOEI①では「わかりにくい人にはあんまり惹かれない。わかりやすい人がいい。エースみたいな」と発言。
新宿バルト9では「すごくめんどくさくてややこしい人が好きなのでユウジがいいと思います」と答えを変えて場内から爆笑を誘った。

この映画、堀北真希主演作としてもまったく有名になっていないが、20歳堀北真希の可愛さ鑑賞目的ならベストのひとつ。堀北が結婚してしまった後となっては、見ていて悲しみがこみあがる。これからは山本がテレビに出ていたら即チャンネルを変えようと思う。

2015年8月29日土曜日

Perfume検定 まさかの合格!

金曜日の夕刻、PerfumeファンクラブP.T.A.から合格通知のメールが来ていた。ここ1年で一番テンションのあがった瞬間だった。まさか合格するとは思っていなかった。

つい、周囲に「Perfume検定合格した~」と興奮して口にしてしまったら、そういう資格試験があると思われフツーにおめでとうとか言われてしまった。いやいやw ガチオタ検定で何も経済社会の役にはたたないから。

これで9月21日の渋谷TSUTAYA O-WESTでの会員限定のスペシャルライブ「P.T.A.サミット」に参加する資格を得た。もろもろ詳細を読んでおかないと参加資格を失いかねないので注意。

パフュオタは質量ともにとてつもないボリュームがあるので、限定500人に入るには相当に困難だと思っていた。ミスの許容範囲は2~3問、センター試験でいうと760点は必要なレベルだと思っていた。だが…、「P.T.A.サミット」が急遽2回開催に変更、つまり合格者倍増!かなりハードルが下がった。

自分の成績が70点~79点の間にあることもメールで知った。これをパフュームバロメーターで「Perfum ぱーふゅん」と呼ぶ。ちなみに80点以上のパフュームマスターを「Perfume パフューム」と呼ぶ。
どうやら合否ラインは「ぱーふゅん」にある。このランクにいる上位と下位で明暗が分かれている。

実は自分は希望的観測最大限だと45問は当たってるかも!って期待もあった。だが、35~39問正解。全問と解答がオフィシャルに掲載されているけど、自分がどれを解答したのか覚えておらず正確な点数がわからない。

自分のみたところ、日曜日昼の部の試験問題が一番難しいように感じた。自分が受けた日曜夜が一番自分に合っていたように思う。ラッキーだった。

自分は自動的に「夜の部」に組み入れられた。ま、不満はない。感謝しかない。でも、地方からやってくる人は大変じゃないか。今、東京は中国からの観光客が多すぎてビジネスホテルが取れないって聞いた。

自分はGAMEツアーとFCトゥワーでZepp TOKYOを経験したけど、あれは遥か後方だった。
それが今回は500人規模のライブハウスでPerfumeを見れる!おそらく入場は成績順だろうから、自分は相当に後方になるだろうけど、O-WESTなら、最後方でも近い!

Perfumeとしては今まで「この曲は知らない人が多いかもしれない」と、リストに組むのを躊躇していた選曲も可能になるって点では期待できるな。

「初めてPerfume見たって人~」で手が挙がる人がおそらくゼロになる初めてのライブかもしれない。だが、客が全員ガチオタって状況はライブとして楽しいのかそれ?初めての人の新鮮なリアクションを見ることも自分にとってPerfumeライブの楽しみのひとつだったのだが。
PS. 先日、TSUTAYAのレンタル落ちコーナーを物色。どれも古くて汚くて聴きたくなるようなものはまったくなかったのだが、Perfumeの「GAME」が1枚あるのを見つけた。1枚50円で売られていたので自分が引き取った。ここで売れないとあとは廃棄処分が待っている。何十回とレンタルされた個体なんだろうけど盤面は研磨されているようだ。商品管理タグやシールをはがしてアルコールで拭いて綺麗に仕立て上げた。再生してみたところ普通にいい音で聴けた。このアルバムが当時の自分に与えたものは大きかった。

2015年8月28日金曜日

キツツキと雨 (2012)

日本映画界の名優ふたり、役所広司と小栗旬。沖田修一監督による2012年公開の映画「キツツキと雨」を見る。

「WOOD JOB!」よりも前に作られていた林業映画。臼田あさ美が出ているのと、ちょっと面白そうなので見てみる。

無骨な木こり役所広司の村に映画撮影隊がやってくる。映画監督小栗旬は役所にはダメスタッフだと思われている。すべてが暖簾に腕押し。
異文化の遭遇と世代間の摩擦。いろんなことがかみ合わない黙々と木を切る中高年男の悲哀…。

よりによってゾンビ映画にエキストラとして出演させられる。自分の仕事を差し置いて協力してるのに邪魔よばわりされたら、オレが役所ならアシスタントにブチ切れて現場をめちゃくちゃにして立ち去る。この撮影隊の無礼さとテキトーさには呆れる。スタッフも逃げ出す。映画の現場はこんなに酷いのか?

臼田あさ美は57分までまったく登場しない脇役。出演シーンもわずか。山崎努の演じる痔の大御所俳優のギリギリな感じが実際にありそうでおかしい。

監督より知識も経験もあるスタッフや役者を相手に映画を撮る25歳新人監督ってこんな目にあうんだな。

世代の違うもの同士がコミュニケーションをとることはこれほどまでに難しいことなんだな…と思いきや、やがてふたりは心が通じあう。役所は仕事を忘れて映画撮影に協力していく。悪すぎた現場の雰囲気がよくなっていく。いろんなことがうまく回りだす。

余韻をどう撮るのか注目してるとばっつり切って次のシーン。編集の妙味だと思った。説明っぽい台詞や画がなく、見ている人の想像にまかせる。

役所の無職息子が高良健吾。後に沖田修一と「横道世之介」という傑作を撮る。

地味だけど爽やかな余韻を残す、温かい気持ちになれる傑作。沖田修一はいい仕事してる。主題歌は星野源「フィルム」。

2015年8月27日木曜日

長澤まさみ VS.カマドウマ

フリーで手に入るものであっても重要なものがあるなって思う。アルバイト情報誌の「an」フリー版にも「海街diary」のメーキング秘話を見つけた。

長女・綾瀬と言い争った後、次女・佳乃は風呂場へ。そこでカマドウマと遭遇。このシーンでのまさみの足の指のカットが、見る人によってはエロス…らしい。
カマドウマが登場する場面がありますが、すごく怖かった!助監督さんが私の足元に誘導するのですが、あれほど助監督さんを恨んだ日はありません(笑)。助けてくれた姉を、冗談ではなく愛おしかった瞬間です。
まさみはそれほど虫が苦手でなかったはずだが、さすがにあのカマドウマにはビビっていた様子。鎌倉の古民家の風呂場にはあんな恐ろしいものが出現するのか?!できれば俺と二人きりのときにカマドウマに出てきてほしい…。そういえばまさみはカナブンと闘ったこともあったな。

このインタビュー記事ではアルバイト情報誌らしく、「まさみの仕事観」が語られている。一部引用
シゴトを始めてから15年が経ちました。デビューが2000年だから、数えがいいんです。人生の半分以上になりました。そろそろ会社から表彰とかされないのかな(笑)。
責任感が出てきたかと問われれば、少しは成長できたかな?  
今回、是枝監督の作品に出演するというひとつの夢が叶い、「海街diary」のような素晴らしい作品に出会うこともできました。結局、どんなシゴトに向き合っても、自分のやりたいことを目指す、ということをしています。それができなくなると、シゴトがつまらなくなっちゃう気がします。 
もちろん、すべてのシゴトが自分のやりたいことと完璧に一致しないとは思いますが、自分自身がシゴトに責任を持つためにも、自分の意思としてのシゴトの選択も必要になってくるのかと思います。その先に、責任感が芽生えてくるのかもしれません。
まさみは着々と大女優への道を歩んでいるな…。たくましく美しい。

PS. ちょっと話は変わるのだが、長い間長澤まさみの身長は168.7cmが定説となっていた。これには根拠があって、2006年10月16日放送の「長澤まさみのオールナイトニッポン」で、長澤まさみが自己紹介でハッキリとそういっている。ミリ単位まで答えているということは、直前に計測したか、もしくは高校生のときの測定結果なのかもしれない。

ところが、最近になってまさみは自身の身長を「170cm」だと断言するようになっている。たとえば「ar」2015年4月号でもハッキリそう言っている。

おそらく、毎日の美への欲求と鍛錬、整体などによって姿勢がよくなっての結果かもしれない。以前のまさみは高身長を少し恥ずかしがっていた感もあったのだが、海外で仕事をしたりした結果、堂々と言うようになったのかもしれない。1.3cmぐらいなら20歳を過ぎても伸びる可能性は普通にある。

そして、新垣結衣も最近になって注目の発言をした。映画の宣伝で有吉と櫻井のトークバラエティ番組に出演したときに、新垣の身長の話題になって「170cm台後半とかはない」と断言した。このことは言い換えると「170cmはある」とやんわり認めている?

新垣結衣は2年前の6月14日にツイッターで公開身長測定を行った。スタッフが「169cmでした」とハッキリ証言している。

となると新垣結衣もその後になって1cmぐらいは伸びたのかもしれない。自分が美しいなと思う女性はみんなすらっと背が高い。

2015年8月26日水曜日

実相寺昭雄 「シルバー假面」(2006)

自分はあんまり特撮ヒーローものとか見ないのだが、たまたまこれに出会ってしまった。病身の実相寺昭雄が総監修をつとめた最後の作品「シルバー假面」だ。1話40分足らずなのに全3話をDisc3枚に分ける意味ある?

大正9年の帝都・東京を舞台に、軍医総監で文豪・森鴎外とドイツ人女性・エリスの間に生まれたザビーネ(内田仁菜)がシルバー仮面に変身し、巨大飛行船を操るカリガリ博士(石橋蓮司)と怪人と対決するというイっちゃった内容。完全に大人が見ることを想定してるに違いない。

第壱話「はなやしき」 虚無僧が不気味に尺八を吹きながら女を追い詰める。
このオープニングの音楽がいただけない。何も退廃を感じない軽快な安っぽい音楽。現代曲にしてほしかった。

陸大主席卒業という本郷大尉(渡辺大)が明瀬(嶋田久作)の命令で、平井(水橋研二)と謎の連続殺人事件を追う。平井は後の江戸川乱歩。ま、めちゃくちゃ好き放題やってる。昔の特撮「シルバー仮面」だと思って観た人は口あんぐり。

設定は面白いのだが、低予算でそれほど雰囲気が出ていない。笑えないが乱歩オタなら失笑はできる。清清しいまでにテキトーぶっこきすぎ。ダメだこりゃ。

第弐話「於母影」 この回から監督が交代。エリスとザビーネ母娘のドイツでの回想シーンがほとんど。キャストは外国人だがなぜか全員カタコト日本語。アクションシーンなんかほんの少しですやん。

第参話「鋼鉄のマリア」 ドイツの秘密結社?脈絡もなくヒトラー?ニーベルングの指輪?本郷は後に関東軍を指揮するだと?なんでもぶっこみすぎだけど、結局何も内容がなかった…。

子供が見ても意味わかんないだろうし、大人が見るに耐えないし、箸にも棒にも引っ掛からない駄作だった…。

2015年8月25日火曜日

ウルトラゾーン Vol.1(2011)

ノンノモデル高田里穂の過去の出演作リストに「ウルトラゾーン」があったので見てみた。ウルトラ怪獣たちが日常にいるというシュールをねらったコントバラエティ。

こんな番組が存在してたことになぜ気づいていなかったのか?なんとテレビ神奈川、テレ玉、チバテレ、サンテレ、メ~テレ5社による製作。そりゃ見てないわけだ。

怪獣特捜隊日本支部のタカダ・リホ隊員(高田里穂)は司令室でいつもひとりスマホをいじったり、雑誌を読んだりして一言ネタをつぶやく。警告音がなると「怪獣が出現しました」とアナウンスする。出番は毎回15秒ほど。少ない…。

あとは、小学校に怪獣が転校してきたり、マンションのドア越しの会話、溜池山王のマッサージ店、目黒川から1本入ったところにある美容室を舞台によくある会話、などをウルトラ怪獣や宇宙人にやらせてる。

だいたい予想はついていたのだが…くだらねえ!
そこそこ笑えたけど、ウルトラ怪獣オタならもっと笑えたんだろうな。ポリのハヤシなら楽しいだろうな。Vol.1を見通したけど、全5巻を今後も見ていく気はない…。すまん。

だが、タカダ・リホ隊員、この子はかわいい。最近だと、miwa 「夜空。feat.ハジ→」のMUSIC VIDEOで坂口健太郎と共演。

2015年8月24日月曜日

スーパーナンペイ事件の現場を歩いてみた

20年前の1995年7月30日夜9時15分ごろにスーパーナンペイ事件という列島を震撼させた超凶悪犯罪が東京八王子で起こった。

47歳のパート女性と、当時17歳と16歳のアルバイト女子高生までもが粘着テープで口を塞がれ両手を縛られ頭部を至近距離から撃たれて即死した状態で発見されるという、平成の未解決凶悪事件の中でも特に酷い事件。事件現場を見た刑事は怒りにぶるぶる震えたという。詳しいことは色々なブログに書かれているので関心のある方はそちらへ。
ひと月ほど前、もうすぐ事件から20年というので、ちょっと現場を見てみるために夕方に立ち寄った。とっくの昔に建物は無くなって駐車場になっている。

この当時のことはなんとなくしか覚えていない。かなりザワザワした感じは覚えている。東京とはいっても自分とは無関係の遠い場所で起こった事件だと思っていた。

だが、自分は数年前にたまたま、まだ事件のことを詳しく知る以前に、まさに事件の起こった場所を歩いていた。そのことに気づいたのは最近になって事件の詳しい場所を知ってからだった。
八王子大和田、16号バイパスの大和田小学校とマックのあるあそこか!と驚いた。再びの再訪。
ここが事件当日の夜、盆踊りの会場だった公園。拳銃の音などはかき消されたために誰も聞いていない。確かに周囲は夜暗かっただろうと思う。こんなどこにでもある住宅地の中で事件は起こった。
自分は事件のことを知って、なんとなく軍隊経験のある外国人じゃないかとイメージしていた。何の罪も無い少女も冷酷に拳銃で頭部を撃ち抜いて殺害するとは、日本人の感覚からすると考え難い。金庫の金をねらった強盗説、パート女性への怨恨説がある。どっちなのか?
ちょっと前にカナダ在住中国人が犯人を知ってるとかいうニュースを聞いた。今年になって粘着テープから指紋が出て10年前に死亡した人物と一致、という話も聞いた。だが、未だに解決していない。最初の数ヶ月でなんとかできないと、20年経ってからだと解決は無理なんじゃないか。
現場の四方を見渡して犯人がどちらに逃走したのかとかイメージしてみようとした。犯人に土地カンがあるのかないのかで変わってくる。なんともいえない。それにしても人通りがまったくない。

未解決事件が多すぎる。日本の警察はこんな重大な事件を20年かけても解決できていない。

2015年8月23日日曜日

堀北真希 「出るトコ出ましょ!」(2007)

「出るトコ出ましょ!」は2007年9月22日、フジテレビ土曜プレミアムで放送された単発2時間ドラマ。堀北が「花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜」に出演していたのと同時期の出演作。これはDVD化されていないようだ。録画しておいたものを放送当時以来、7年ぶり2度目の鑑賞。

亀井静 / 堀北真希、野中弘務 / 谷原章介、後藤田正美 / 小池栄子、麻生小太郎 / 温水洋一というキャスト。役名がなんか可笑しい。
いきなり一家夜逃げシーン。女子高生・亀井静は大豪邸に住でいたのだが父親の会社が倒産し極貧生活へ。学校にまで借金取りがやって来る。「わが校にふさわしくない」と転校をすすめるとか、どんだけサイテー教師たちなんだよ。

瞳をウルウル泣きそうなバイト三昧ドジっ子JK堀北真希がひたすらボケたおす。表情のバリエーションをフル動員。堀北が死ぬほど可愛い。
そこに現れた弁護士・野中弘務(谷原章介)はイケメンだが制服女子高生マニア。女子高生制服フィギュア&ブルセラDVD爆買い弁護士。しかも女子高生は臭いでわかる本物の変態。「これは高尚な趣味だ!」
破産手続きを勧めて窮地を救う。だが、堀北も制服女子高生なのに、なぜか堀北にだけは冷たい。

「私も女子高生なんですけど!」と雇ってもらおうとするも、この男、金と女子高生の制服にしか興味がない。土下座でたのむ。
雇う条件が「制服で仕事をしろ!もっとスカートを短くしろ!」 完全に強者が弱者を食い物にしてるな。

なにせお嬢様なので雑用事務なんかまったくできない。コーヒーメーカーにコーヒーと砂糖をぶっこんで破壊。コピーするべき書類をシュレッダー。雇うほうも悪夢。パラリーガル事務員・後藤田正美(小池栄子)が強くキツく堀北に当たる。

亀井静は世間の常識は皆無だが正義の心は強い。金にならない仕事はやらない徹底してドライな弁護士・野中を説得。だが結局、堀北の通っていた名門女子高の制服目当てに取引。佐藤仁美の祖父(連帯保証人になってしまい借金を背負う)の破産を手伝う。
賞金100万円のアイドルオーディションに家族から強制される形で参加。結果はダメだったのだが、「二人とも良かったよ」と話しかけてくる詐欺男(六角精児)にオーディション会場で知り合った桐谷美玲が被害にあう。六角、キモすぎる。アイドル志望の女子高生をホテルに連れ込む小太り中年男をやらせたら、六角、日本一!野中のライバル弁護士・小泉純太郎(川平慈英)も太い女の脚にしか興味を持たない変態。
桐谷、堀北と一緒にお金を取り返すべく、六角をこちらから誘ってホテルへ。堀北「変なスプレー」で眠らされて危機一髪。桐谷、まだこのころは無名の役をやっている。だが、演技はすでに上手いと思う。エンドロールではその他大勢の1人。桐谷、信じられないほど脚が細い。
堀北が秘密のチャイナクラブに潜入捜査、チャイナドレス姿で「大都会」を熱唱するシーンがある。典型的な結婚詐欺にあう事務員・麻生小太郎(温水洋一)との連絡の途絶えた中国娘を捜し求める。谷原が情報屋・遠藤憲一に支払う報酬が鉄道模型w 

このドラマ、谷原も小池栄子もめちゃめちゃいい味だしてる。そして10代の堀北真希が輝いてる。単発ドラマなのはもったいなかった。10話ぐらい作れただろうに。DVD化が待たれる。

PS. 突然堀北真希が結婚した。そこそこ有名な中堅の俳優と。ま、ショックだけど、相手が一般サラリーマンとかでないだけマシ。なんと交際2ヶ月だという。それ、早過ぎないか?

この記事を書いたのはひと月ぐらい前なのだが急遽まとめて公開。

自分、堀北真希をいいなと思っていたのはまさにこの「出るトコ出ましょ!」の2007年前後。堀北主演ドラマで見たことあるのは「ケータイ刑事」「鉄板少女アカネ」「イケメンパラダイス」ぐらい。代表作と言われる「野ブタ」「イノセントラブ」「梅ちゃん先生」ですら見ていない。映画も「Always」ですら見ていない。YUIが主題歌を歌った「生徒諸君!」ですら見ていない。松本清張が好きと言っていながら「霧の旗」も見なかった。ま、自分はそれほど堀北真希を追いかけてもいなかった。

だが、1988年生まれの堀北が結婚した衝撃は強い。この年代には新垣結衣やPerfumeもいる。これから先が恐くてしかたがない。

堀北真希は10代後半からずっと映画にドラマに主演クラスで一時代を築いた女優だった。だが、今後この先も人気女優で居続けることはないだろうと自分は思っている。

NHK朝ドラ「梅ちゃん先生」と紅白司会が堀北真希の頂点だったのか?ひょっとするとすでに燃え尽きていたところに「まっしろ」の絶不調が結婚へのトリガーを引いたのかもしれない。

2015年8月22日土曜日

Kyocera SAMURAI X3.0 で撮る 2本目

1年ぶりにKyocera SAMURAI X3.0 にフィルムを入れて、春を撮りに連れ出した。(前回の記事はこちら

やっぱりレンズカビが気になるので、またレンズの飾り板をはがして綿棒でこすってみたけど、ほとんどカビを落とせなかった。
前回の1本目は使用期限切れISO400を入れて、ちょっと失敗したっぽいので、今回は業務用フジISO100の24枚撮りを入れてみた。
曇天時の撮影だとこんな感じ。いちばん下の猫の写真は最大ズーム。
このカメラ、ちょっと逆光だともう全然ダメ。カビの影響もあって、まったく冴えない写りになる。
快晴でコントラストの高い被写体だとこんな感じ。このカメラ独特の使用感はかなり好きなのだが、他の古いカメラでもっと優秀な写りで撮っている自分からすると、SAMURAIの写りはたいしたことないし不満。もうしばらくサムライが登板することはないだろうと思う。

2015年8月21日金曜日

衝撃!本田翼は九十九里浜を知らなかった

「恋仲」の宣伝を兼ねて本田翼は恋仲チームでバラエティ番組などに出まくったのだが、「ネプリーグ」が一番興味深かったし面白かった。クイズ番組に出演する本田を見ることで、本田の常識力が判明するからだ。それにしても本田翼が笑いっぱなしで表情豊かで面白い。

番組中に意外なことが起こった。本田翼は「千葉県にある約60kmに及ぶ砂浜海岸の名称」「九十九里浜」と5文字で答える問題を誤答。これ、自分にとってはズコーってなるぐらいに衝撃的。
というのも本田翼は2011年の夏にBase Ball Bear「short hair」という楽曲のPV撮影で九十九里を訪れている。自分は2年前、ロケ地を探してまる1日九十九里町を歩き回っただけに、それ、がっかり。(そのときのロケ地めぐり記事はこちら
この砂浜海岸に思い入れがあるのはファンだけで、地名は本人の記憶には残っていなかった。モデルはロケバスで各地に連れられて撮影が終わったら帰る。ただそれだけ…。
このクイズは5人がチームになって1つの回答をするのだが、一人でも正しい答えがイメージできていないと間違った答えになってしまうのが面白い。本田は「海岸って一つしか知らない」と言い訳じみたコメントをしたのち、「リアス式海岸」だと思って真ん中席で「ス」と解答する衝撃展開。ええぇぇ…。

次の「室町時代最大の内乱」を「応仁の乱」と解答させる問題も「桜田門外の変とかしか知らない」などと意味不明の供述…。
だが、本田翼の笑顔は最強だなと思った。くるくると変化する表情が面白いし愛おしい。

ちなみに、本田は小学生のころ英語教室に通っていた。英語リスニング問題には解答することができていた。
本田翼ウォッチャーにとってもうひとつの注目ポイントは、花の写真を見て名前を答えよという問題だった。出題を見た瞬間に「あ、やべえ」と力ない薄笑いを浮かべる本田。
未解答で残された「マリーゴールド」「キキョウ」「サルビア」のいずれかを答えられれば抜けられるという状況。
だが、「えーと、なんだ?なんだ?!」と、言い訳じみた心の声をすべてぶつぶつとつぶやきながら追い詰められてパニくって自滅していく本田の挙動不審ぶり! 「花にもっと興味持っておけば良かった!」
ゲームが終わった後、「花に興味はない?」との司会者からの質問に「無いですね」とそっけないぶっちゃけ回答。
「また心の闇出しちゃってるから!」と八嶋からつっこまれる。こんなのが許されるのは本田ならではだな。本田はサルビアはまったく知らなかったっぽい。
「やっぱりゲームかマンガですか?」との質問には
「花って枯れますしね」と身も蓋もない回答。これには本田を気に入ってる様子のキムタクも下を向く…。だが、たくさんの笑いをとっていたので、バラエティとしてがんばった結果なのかもしれない。

圧倒的美少女でありながらすましたところがない本田翼を見ていると、かわいい女の子は愛嬌がすべてなんだなってとことん納得させられる。本田翼は今、カワイイの頂点にいる。愛おしいとしかいいようがない。

PS. この夏のドラマ「恋仲」は視聴率11%前後で堅実に推移しているが、自分はまだ1回も見ていない。すまん。自分みたいにとりあえず録画しておいて後でまとめて見ようとか、どうせすぐDVDが出るしなと考える人も多い。もう昔みたくみんな同じ時間にテレビの前にいることも少ないわけだし、視聴率と言う指標はもうあまり役に立たないようだ。

2015年8月20日木曜日

死刑台のエレベーター(2010)

この映画は1958年のルイ・マル監督作の日本版リメークなのだが、公開直後から酷評されまくったことで有名。自分はまだオリジナルを見ていないので、ひょっとすると受け入れることができるかもしれない。

それに、俺の北川景子が出ているので前から一度見なくてはと思っていた。ようやく重い腰をあげて見てみた。北川景子にだけ注目して見るという方法で1本乗り切る。

北川景子、ひょっとして映画ファンの間では演技が下手ってことになってる?初登場の瞬間から声が可愛すぎる。俺の知ってる景子よりも声がふわふわ高い。ポニーテール景子、清楚で可憐な美少女すぎて愛おしくてつらい。

舞台になっている横浜郵船ビルの雰囲気がすごくいい。室内もアメリカ映画っぽい。

開始1分で違和感。吉瀬美智子と阿部寛、「愛してるわ」「愛してる」、いい大人の現代日本人がそんな会話するのか?

ヤクザにぼっこぼこにされ拳銃を奪われる警察官・玉山鉄二、なんで早く上司に報告しない?警官の制服で他人の車を盗んでどうにかなると思ってるのか?警備中の警官が1人行方不明なんだぞ!?北川、「わかった、拳銃取り戻せば刑事になれるのね!」って、その発想、見ている全員がずっこけたわ。

阿部寛、あの計画の破綻、日常あるあるだわ。だが、ミスのリカバリー中にビルの主電源オフって予想できない事態でもないだろ。医師としてその判断の甘さ、どうなん?阿部はほとんどエレベーターの中で過ごす。この映画の登場人物たちは全員いきあたりばったりすぎ。想像力が欠如しすぎ。ま、この世はすべて偶然に支配されているけど。
エレベーターからの脱出を試みる哀れな阿部、溺れる者は藁をも掴むとはこのことだな。努力はすべて徒労。

美容師北川、阿部の車からカメラ発見、「ライカM2!いいなあ、欲しいなあ」って、一目でライカM2を見分けるってタダもんじゃないだろ。俺、ライカなんか触ったこともないわ。「なんでカメラに興味ないの?へんなの」って、自分の経験から言っても世間のほとんどはカメラに興味をもってないぞ。

玉山、行動が意味わからなすぎ。てか、北川、なんでそんな頭のイカレタ男とつきあってる?カメラはしまっておけ、ケータイは捨てろ、意味分からん。ヤクザとカーチェイスに何の意味が?
みんなライカで記念撮影、どうかしてる。平泉も「あとは相談しとけ」って拳銃渡して風呂とかおかしい。
北川が初めて触る露出計もないライカ使いこなして決定的証拠写真をちゃんと撮影できて残してたことが驚き。なぜ美容師やってる?

柄本明、暗室作業の知識あるのか?柄本だけがたちどころに全体像が見えている。スーパー刑事だな。

これが吉瀬美智子の初主演作。それほど主演って感じがしない。酷評されまくって気の毒。港のベンチでうなだれてると、現れる阿部の幻影。「生霊か?!」、笑ってしまったわ。てか、完全に笑わせようとしてるだろ。

というように、酒飲みながらツッコミまくりながら見る映画としては最適。そういう映画もあっていい。細かいことはどうでもいい、スターたちを見ろっていう。
ところで、オリジナル版もこんなドタバタ面白映画なのか?タイトルのつけ方を間違えてると思う。
北川景子が好きなら見てもいい。だが、見るべきものは他にもたくさんある。主題歌はJazztronik×YUKI「ベッドタイムストーリー」

2015年8月19日水曜日

絢香 Sing to the Sky (2008)

絢香の2ndアルバム「Sing to the Sky」(2008 ワーナー)のCDを手にれた。リリース以来たまにデータで聴いてたけど、たまたま初回盤CDが500円でそこにあったので連れ帰った。たぶん実家の押入れをあさると「Jewelry day」とか「Real voice」とかシングルCDもあるんじゃないかな。実は自分はYUIオタでありながら、絢香もたまに聴いていた。

付属のDVDがMVが11曲も入ってるのが手に取った大きな理由。絢香の映像作品とか見た記憶がほとんどない。I believeとか、melodyとか、Real voiceとかすごく懐かしい。絢香も早熟の天才だったけど、この人も昔も今も大して変わってないように思う。少女のころから少女らしくない。17歳のときから歌唱が完璧。

「For today」を聴くとガッキーのポッキーのCMを思い出す。この曲だけMVがライブ映像。ハァハァと絢香の息が荒い。
「CLAP&LOVE」はシングルで出たときから驚いた1曲だった。アクが強い。だが、さらにアクが強いMVがまったく好きじゃない。若いサラリーマン男って気持ち悪いってイメージなんだな。

アルバムをあらためて通して聴く。ちょっと感動してしまった。とにかく歌が上手かった。

「WINDING ROAD」はYUIの同名曲よりも、残念ながら絢香コブクロのほうが断然有名。
I believe <English ver.>を初めて聴いた。これは初回盤にしか収録されていない。

YUIを聴く人で絢香を聴くって人をほとんど聞かない。絢香を聴く人もYUIをほとんど聴かない?
絢香が大阪出身でありながら福岡ヴォイスの西尾門下という、否定しようのないYUIとの共通点がありながら、年齢も1才しか違わないのに双方のファンに互換性がほとんどないのもおかしい気もする。

YUIは西尾色をまったく出さなかった。歴史とは面白い。たしか、絢香はRIJF.は2007年の1回しか出てないはず。ロキノン誌とかにもほとんど登場してない。絢香のリスナーのほうが大人で年齢層が高いような気がする。

いつしか絢香は早々に自分にとって過去の人になっていたのだが、この人はいろいろあったけど地道に順調に音楽をやってる。ライブにも大人のリスナーがちゃんと来ている。アルバムの売り上げもちゃんと上位に来ている。
YUIが今後もライブをやって、ちゃんと大人のリスナーが来てくれるのかどうか、やや不安に思う。
福田綾乃の絢香のライブのモノマネが好き(笑)。YUIのモノマネをしてくれる芸人ってぜんぜんいなかったな。大久保佳代子のなりきりHELLOがあったけど、そんなに笑えない。

2015年8月18日火曜日

西脇家ではすごく忙しく動いていることを「ノンストップ猫ちゃん」という

PerfumeがMagic of Love をリリースした時期の音楽と人2013年6月号を手に入れた。この年の5月29日から始まったPerfumeフェス、ULTRA KOREA出演、そしてWorld Tour 2ndなどについてのインタビューが掲載されている。

その前に、Perfume15周年メジャーデビュー10周年記念O-WEST公演をチケットを賭けたPerfume検定の独り反省会。

まず、すばらしい企画を準備してくれたPerfumeファンクラブP.T.A.運営スタッフたちに感謝を申し上げたい。話題づくりとしても、ファンへの感謝イベントとしても申し分ない面白い企画だったと思う。
事実、このイベントを自分も心底楽しんだ。Perfumeが小さなライブハウスに出演すると、ほとんどの観たいファンにチケットが行き渡らないという問題へのひとつの回答だった。

だが、チケット入手が最優先目的という人にとっては、今回の検定試験は抜け道があることが、ルールと実施方法を見てなんとなくイメージできた。試験が4回開催だったこと、30分以内ログインという猶予があったこと、複数アカウント会員の存在の3点が気になった。

Perfumeファンは質、量ともに膨大だ。今回の検定試験が運営側が意図した通りの、長年の熱心なファンだけが通過できる関門というわけには厳密にはなっていない。結果、当日会場へ行く権利を得た人々のすべてを尊敬のまなざしで見るということはなくなった。

当初、これはまさにPerfumeライブのチケットに連戦連敗で、Perfume資料あさり専門の自分のための企画じゃん!って思ったのだが、実はそうでもなかった。これまでのP.T.A.マガジンとDVDからの出題が8割ぐらいに感じた。つまり、会報だけ読んでいれば7割8割は解答出来る。

ま、運営側ががんばって作った会報ぐらいはしっかり読んでいてくれよ、というメッセージは読み取った。その一方で、歌詞カードに○○という言葉は何回でてくる?というような無理ゲー問題もあったことは問題だ。

会場キャパから言って合格ラインは50問中48問以上がボーダーではないのか?東京渋谷のみの開催で地方からの参加者にとって条件が厳しいにしても、在東京パフュオタだけで相当な勢力。

今回は出題された問題にミスが発覚するなどセンター試験さながらのトラブルも発生した。だが、これに懲りずに第2回があってもいいと思った。それぐらいに楽しかった。

次回は全国各地開催にして、受験スコアが正規分布を描くように多くの受験生を集めて、広い範囲から問題を作成してほしい。自己採点などはやっていないが自分は45問はとれたのではないか?希望的観測コミで。

本題に戻る。「音楽と人」のあ~ちゃんによれば
「西脇家ではすっごく忙しく動いていることを、ノンストップ猫ちゃんって言うんです(笑)。」
だ。

ここも出題されるんじゃないかと注目していたのだが出なかった(笑)。Perfume検定に全国上位者に名を連ねるには苦手ジャンルがあってはいけない。だが、自分はそんなパフュオタでいることはこれ以上は不可能だ。

そして、このインタビューで一番注目した箇所はあ~ちゃんと中田ヤスタカとの関係の変化だ。以下引用
かしゆか「そんな中田さんも34歳(笑)」 
あ~ちゃん「最近、一緒にいてチョー楽しいんですよ!だからレコーディングも本当に楽しみで。いつも何を着て行こうか迷うんですよ。あの人急に写真とか撮り始めるし、もし撮った時に変な服とか着とったらアレじゃけん、ズボンはやめとこうかな、でもスカートはくと寒いしなあ……じゃあ靴下はこう、あ、タイツはこう、みたいな(笑)」 
金光「恋してるじゃんか(笑)。」 
あ~ちゃん「ひとつのイベントとして楽しんでます(笑)」「今は楽しみでしかない。中田さんの曲がもっと好きになってきているってことと、3人のことを興味のないようで、すごい引き出してくれているから」
かつて中田ヤスタカに初レコーディングで泣かされた女子中学生3人が、いつのまにかこんなにも余裕のあるレディになっていた…。中田ヤスタカも独身なわけだし、いい匂いのする26歳の美女を自室に…って、ちょっとドキドキするんじゃないのか?

PS. 追記(2017年10月10日)
2017年10月9日放送「さんまのまんまSP」にPerfumeがゲスト出演。あ~ちゃんが「ノンストップ猫ちゃん」という言葉を使ったらしく、この記事の閲覧数が激増。
音楽と人2013年6月号(表紙 the HIATUS)を引っ張り出して再確認したところ、「西脇家ではすごく忙しく働いてる」ではなく「動いてる」の間違い(シューマンエラー)が判明。2年2か月ぶりに誤りを訂正した。

2015年8月17日月曜日

黒島結菜主演ドラマ「一番電車が走った」

NHKの戦後70年ドラマ「一番電車が走った」を見る。黒島結菜が出てるから。
今まで何度も広島の原爆ドラマは見てきたけど、爆弾投下から3日後に広島市電を走らせた人たちに焦点をあてた作品は今回が初めて。グレー一色の廃墟の街を市電が走るオープニングの映像に驚く。

核攻撃された都市が3日後に電車を走らせていた!それは確かに偉大なことだが、被災者救援よりも電車復旧が優先された理由は、本土決戦に向けての物資輸送確保。

電鉄の役員も軍から命令されているとはいえ、この時代ならではの思考法。窮状の訴えに「わかってる!」と怒鳴るけど、結局「とにかくやらんといけん!」の精神論。それだけ。で、現場が酷い目を見る。
昔の人はけんか腰の人が多い。目下のものにはより声を大きく言えばそれで通る、という教育を受けているので仕方がない。

だが、実際に電車を走らせてみると、生き残った多くの市民から感謝される。そうだな、電車は生活に必要だな。感謝の気持ちは言葉に出して伝えないといけないな。

広島電鉄電気課長の阿部寛は思考が現代的で物腰柔らかい紳士。子どもたちへの語り方はああでなくてはと思う。

新井浩文、じとーっとした目をした命令を聞かない難しい人の役のスペシャリスト。
中村蒼、すごく積極的に仕事中の黒島に声をかける若い兵士。朴訥だが強引。乗客が見てる前で?
黒島結菜、この子は初めて見たときから、偉いおじさんたちから好かれそうな顔と雰囲気だと思った。清楚で可憐。鼻が高くて眉毛が濃くて凛としてる。

難しい役どころだったのだが、その美しい目で哀しみと怒りの感情を静かに現していた。
痛い痛いと泣く友人を背負って歩くとか、級友の遺体を捨てる場所へ運ぶとか、少女には辛すぎる体験だ。
家政女学校が解散して呆然としたまま川へ向かう黒島。最後のシーンはまるで清涼飲料のCMのような爽やかな表情だ。

まだ18歳の黒島、まだまだこんなもんじゃないと思うわ。次は青春映画の話題作への主演を希望。モデル体型でないとこがむしろ女優に向いている。NHKのスペシャルドラマで主演とか、もう将来を約束されている。
で、「あさイチ」にゲストで登場した黒島。清楚でかわいかったわ~。戦争という生でコメントするのが難しいテーマでのトークを乗り切った。この子はきっと頭がいい。

このドラマで共演した清水くるみと秋月成美とはすごく仲良くなったそうだ。撮影で泊まったホテルでも同じ部屋に集まって話をして過ごしたそうだ。あと、黒島もフィルムカメラを使うことが趣味だと言っていた。撮った写真を見たかった。

ごはんコーナーにも参加した黒島。「普段ごはんは作りますか?」との質問に「つくらない…(笑)」と回答。笑いながらの応え方がどこかまさみっぽかった。くっくっくwと上下に揺れる。

今後も黒島を追いかけていく。これを自分にとって最後の恋にしたいと思う…。
PS. アメリカ世論の半数以上が「広島と長崎の原爆はアメリカ兵士と多くの日本人の命を救うために必要なことだった」と答えるという。ま、そう回答するように教育されているし、実際に現場で何が起こったかも大して関心もないしイメージできていないんだろう。自分も何か言おうとは思わない。信じたいことだけ信じて生きていればいい。人生は短い。

広島市民はアメリカにとっての「ソフトターゲット」だった。戦争になれば無力な市民は今後もこの手法による標的となり続けるのかもしれない。

2015年8月16日日曜日

菊池亜希子ムック マッシュVol.6 ハイカラ

いつのまにか菊池亜希子特別編集ムック「マッシュ」のVol.6が出ていることを知った。古本屋で実物を見て。500円だったので救出。この表紙の菊池亜希子がモードな感じでいい。

菊池が「ハイカラ」をテーマに大量の衣服を着替えた。たくさんのデザイナーの元へ話を聴きに行った。

夜の代官山でのカット。亜希子はまさみにも似てるけど、多部ちゃんにも見えるときがあるな。どのカットも素敵でつらい。

なんと細野晴臣と浅草の洋食店で対談。細野はYMOをやってたとき、
「ライディーンは子どもが気に入ってくれたんだよね、運動会で使われたりとか。歩いていると野球帽をかぶった子どもたちが後ろからついてきて、僕って野球選手と同じなんだ、って思ったこともあった」 
「カルチャーの特徴は飽きるということ。僕もテクノに飽きて、今はアコースティック(笑)。生はね、人とやるから本当に面白い。」
そして菊池が「私が恋に落ちたハイカラ娘」だという門脇麦との対談。門脇はウィキには出身地東京と書かれているが、ニューヨーク出身とのこと。5歳のとき東京へ。クラシックバレエを習い、高3のとき女優を志す。
「映画に出たいと思ったのがきっかけです。生意気な話ですが自分に合う事務所は少人数の事務所なのか、それとも大きな所なのかとか色々考えて履歴書を送りました。こんな感じだから、たくさん人が所属する事務所だと埋もれちゃうかなぁとか(笑)。」
最近になって「麦茶」のCMで見たときはびっくりした。ちなみに門脇、好きな音楽はエレファントカシマシ、そして野狐禅(やこぜん)。
ちなみに、自分はこのバンド(ユニット?)を初めて見たとき「のぎつね弾」と読んでしまった。野狐禅かぁ…、現在22歳の門脇がちょっと心配になる音楽のセレクトだ。

あとは光石研のインタビューもある。菊池は昨年の秋に岩松了作演出の舞台で光石と共演していたんだな。ぜんぜん知らなかった。自分、本多劇場とか行ったことないわ。

2015年8月15日土曜日

吉村昭 「戦艦武蔵」(1966)

吉村昭のドキュメンタリー「戦艦武蔵」(新潮文庫)を読む。戦艦武蔵をつくった現場を描いた本。

日中戦争の最中、呉の海軍工廠では1号艦が、長崎の三菱重工の造船所では2号艦という前例のない巨大な船が極秘裏に建造されていた。海軍の中枢にいる人間しか知らない最重要国家機密。1号艦とは「大和」、2号艦とは「武蔵」のことだ。

前例のない巨大戦艦を造る。それは技術の面でも大変だが、コストの面でもとてつもない浪費。

武蔵を建造中の長崎の街は重苦しい雰囲気に包まれた。造船所で何が起こっているのかわからないが、あきらかに何かが起こっている。

憲兵や特高警察がいたるところにいる。長崎の港を見下ろす山々にも。造船所方向に写真でも撮ろうものなら連行されて厳しい取り調べを受ける。長崎に暮らす外国人たちも徹底した監視下に置かれた。皆、造船所の方向へ顔を向けることも避け始めた。

この計画に参加した技術者の人々は誓約書に署名させられ、誓約を破ると海軍によって裁かれる。
超極秘国家機密の設計図が1枚紛失した事件では関係者顔面蒼白の事態で建造が2ヶ月遅れた。重苦しすぎる現場から外してもらうために少年製図工がそれと知らずに起こしたちょっとした小さな事件だったのだが、取調べを受けた技術者たちは精神を病んだほどの厳しい追求を密室で受けたという。少年は満州へ送られたという…。日本の暗黒史だな。

極秘でこれほど巨大なものを造るために、覆いが必要なのだが、棕櫚製のすだれで覆うという苦肉のアイデアは、九州四国の海苔養殖の現場から棕櫚製の網が消えるという異常な事態を引き起こす。鉄鋼も木材も長崎に集められた。対岸の英米総領事館の前に目隠しのために倉庫も新たに建造する念の入れよう。

長崎市民の誰も武蔵を目撃していない。長崎から呉へ向かう武蔵を目撃した老漁師に話を聴いた吉村氏だったが、「自分から聞いたと言わないでくれ」と言われたという。30年経っても皆固く口を閉ざす。

新造艦の進水がいかに難しいかわかった。だが、そこは活字だとイメージしにくい。前例のない巨大戦艦の場合は事前に入念な研究がされたのだが、それでも関係者はギリギリまで冷や汗。

艤装と手直し、そしてテストの後に引渡し。そして本書の後半で実戦へ。この戦艦がたどった運命は広く知られた通り帝国海軍のたどった敗走そのもの。重油がもったいないと終始もったいぶって温存。空母と空母が航空機で戦う時代になっていた。ただ巨大な図体ではいずりまわって逃げ回る。その巨砲はついに役にたたなかった…。

「この船は絶対に沈まない」「この戦艦が沈むときは日本が滅ぶとき」って初めて見た者はみんながそう思った。これだけ多くの人々の苦労で完成した武蔵もやがて満身創痍になり沈む…。

運よく救助された乗組員たちの船も敵潜水艦の攻撃で撃沈。内地に帰れた者も機密のために小島に収容されて監視下に置かれ、マニラ防衛に回った者のほとんども戦死…。吉村昭は武蔵竣工から30年後、貴重な記録と証言から1冊の本にした。建造にかかわった人々も自分のした仕事のみしか知らない。誰も全体像を知らなかった。

ひたすら客観的に即物的に。そこに軍人の心の内面などは一切書かれない。あれほどの大きな犠牲を払った戦争は一部の人々が引き起こしたものではない。多くの人々のとてつもない熱狂とエネルギーがそこにあった。