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2015年8月8日土曜日

SWITCH 特集 是枝裕和の20年

映画「海街diary」は事前に、自分にとって「いつものまさみ映画の1本」ていどにしか予想していなかったのだが、結果、こうしていつまでも頭から離れない1本になってしまっている。思い出しただけで目頭がじわっとくる。

SWITCH 2015年6月号 「特集 是枝裕和の20年 “海街”へ ある家族の物語」は現時点で、もっとも「海街」を語りつくしてる最強の1冊。買わないでいたことを後悔していたのだが、先日やっぱり古本屋で500円で見つけたので即買い。じっくり読んだ。事前に知っていたことも多かったのだが、初めて知ることも多かった。

樹木希林への是枝監督によるインタビューから始まって、瀧本幹也による写真集からのカットが5点、主演女優4人の個別のグラビア(撮影:永瀬沙世)とインタビュー、4女優と監督による「それぞれの名場面」対談、斉藤工が訊き手を務めた是枝監督へのインタビュー、是枝監督の北鎌倉再訪、瀧本幹也インタビュー、是枝裕和20年の軌跡、西川美和との対談、酒飲みながら読書する坂口健太郎、グラサン姿の大竹しのぶ…、という是枝裕和&「海街diary」大特集号。

やはり4女優の個別のインタビューと対談が一番重要。

是枝組の現場がとても穏やかで和気あいあいとした雰囲気だったことに4女優すべてが感謝している。夏帆の証言によると、カメラが動かなくなったりすると他の現場だと「どうするんだバカヤロウ!」とピリピリするのに、この映画の現場だと「じゃあみんなで撮った映像でも見て過ごそう」って、余裕のある大人の現場だったらしい。

まさみのインタビュー。初顔合わせの現場でちょっとした稽古がはじまったとき、是枝監督は
「唯一面識のある私の顔ばかりずっと見るんですよ(笑)。で、私は私でそれを『お前、次女なんだから、解ってるよな?』という暗黙のプレッシャーだと受け取りまして(笑)。」 
「私はあまり自分から人に話しかけるタイプじゃないんですが、今回はかなり頑張ったんじゃないかなと自己評価しています(笑)」
と、まさみはやらなくてもいいのに空気を読んで、自らに責任を課し、中心になって4女優をまとめる雰囲気をつくっていった。まさみはえらい。ちなみに自分はまったく空気を読めないし気にしないタイプ。
若い頃は学園ものへの出演が多かったこともあり、同世代やその前後の年頃の女の子との共演も多かったんです。でも年齢を重ねると共に、だんだんと減ってしまい寂しかったんです。もっと機会があればいいのになあと思っていた矢先に、この「海街diary」のお話が来たので、願ったり叶ったりという気持ちでした。
とまさみは語る。そしてこの映画の音楽を担当したのは菅野よう子。なんと長澤まさみが提案し推薦した。
ある日、監督とスタッフの方々が難しい顔をして相談していたので訊ねたら、音楽をどなたにお願いするかで悩んでいたんですね。それで菅野さんを推薦しました。私は五感で作品を記憶させてくれるような菅野さんの映画音楽が大好きで、いつか彼女の音楽が付いた映画に出てみたかったんです。この映画にも、壮大だけど心地いい風が感じられるような音楽が鳴っていたらいいなあと思ったので。監督や皆さんにすごく感謝されて、すごく鼻高々です(笑)。
まさみはいち女優という存在を超えた貢献をしていた!びっくりだな。そして、インタビュアーは、まさみが2011年ごろから「のびのびとし始めた印象」だと問う
そうかもしれませんね。「どうしたら仕事が面白くなるのか?」と自分で考え始めてからは、身長共々すくすくと成長してきましたけど(笑)、優等生的な期待とプレッシャーが付いて回っていた頃は「このままじゃイヤだな」という焦りからもがいた時期もありました。振り返ると、大人よりも子どものほうが敏感に察知していることってたくさんあった。大人が思うより子どもは利口だし、大人よりも多くのことが見えていた気がします。すずちゃんは同じ歳の頃の私よりももっとしっかりとしているけれど、彼女をみていたらそんなことを思い出しました…
この発言はまさみオタの自分も初めて聞いたな。やはりまさみはずっと悩んで苦しんでたのか。夏帆もこのイシューのインタビューで「天然コケッコーの後、すごくふわっと仕事をしていた」「女優としての自覚がないまま続けていた。このままじゃいけないと思い始めた。」と語っている。女優はみんな10代後半に悩むんだな。

あと、広瀬すずは台本をもらわずに演技をしていたので、試写をみるまでどんな映画なのかまったく知らなかったという…。それ、面白い。
そして、4女優が好きな場面を語っているページもとても興味深い。綾瀬はすずがしらす丼を初めて食べるシーンを挙げた。三姉妹にできた新しい妹を見つめる愛にあふれたシーン、だからこそのすずの心の闇。何も起こっていないようでいて重いテーマが潜んでる。

まさみはすずがサッカーが上手くて驚く。静岡の女にとってサッカーとは常にそこにあるものだが、
「私、お父さんがサッカー選手だったし、子どもの頃からサッカー見てきていて、多少は自分でもやったことがあって……静岡ではみんな普通にやっているからね(笑)。」
と発言した箇所は自分を驚かせた。まさみが磐田の長澤家におけるサッカーについて話すのをほとんど聞いたことがなかったからだ。まさみはサッカーが嫌いって言ってたけど、それは多少はやったみたからこそ、だったのか。

そして夏帆は、堤真一にだけ見せた幸の「女の顔」を挙げた。うーん、女子はそんなところを見ているんだな。自分はあまりそこを見ていなかった。
というわけで、この号には人に語りたくなる情報であふれている。今後これ以上の特集はされないと思うので、この映画を気に入ってしまった人はバックナンバーがあるうちに急げ!

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