2021年2月28日日曜日

G.K.チェスタトン「知りすぎた男」(1922)

G.K.チェスタトン「知りすぎた男」(1922)を読む。2020年5月創元推理文庫から出た南條竹則新訳で読む。チェスタトンというとブラウン神父のシリーズで有名だが、自分はまだ1冊も読んだことがない。よって、これが人生初チェスタトン。
THE MAN WHO KNEW TOO MUCH by G.K.Chesterton 1922
自分はブラウン神父を避けていた。この時代の英国がぜんぜんイメージできないから。大学1年に選択した英語の授業でディケンズの英訳宿題を思い出す。邦訳してあってもよくわからない文体で困惑。では順に読んでいく。

「標的の顔」この本の主人公はホーン・フィッシャーという謎紳士。若い新聞記者ハロルド・マーチくんは財務大臣の邸宅へ向かう途中でぷらぷら散歩してたら、釣りをしているフィッシャー氏と出会い世間話。そこに自動車がつっこんできて崖下に転落して男が死亡。

フィッシャー氏は何も捜査せずにぷらぷら散歩してるだけで真相をマーチくんに話すのだが、真相が大事過ぎるからという理由でそれ以上何もしないw 英国の体制側の人物。

「消えたプリンス」この時代のアイルランドと英国の緊張状態を知る短編。

「少年の心」聖パウロの一文銭と呼ばれるローマ時代のメダル盗難事件。てか、事件にもなってないちょっとした騒動。これもすごく文章がわかりづらいので3回ぐらいなぞるように読んだ。

「底なしの井戸」今度の舞台はアラブ。毎回フィッシャー氏の登場の仕方が第三者目線で脇役のように登場。ほとんど調査もしないで将軍毒殺事件を見抜く。そしてもみ消す。
ここまで読んでようやくフィッシャー氏とは英国政府中枢にいるから「知りすぎた男」なんだと気づいたw これもチェスタトンの文体のせいなのか?頭に入ってこない。

「塀の穴」これも貴族の家に集まった名士たちの心の奥を見抜くようなフィッシャー氏。これも日本人には共感しづらい政府中枢探偵の事後処理。

「釣師のこだわり」これも英国政府の外交と政治のVIPの現場。たぶんチェスタトンの時代の作家たちって読者にわかりやすく書くという気はないんじゃないか?という文体。

「一家の馬鹿息子」これも英国上流階級内部のみでの話。フィッシャー氏の兄も名士で大物。

「彫像の復讐」ラストにふさわしいエピソードかもしれないが、よく意味が解らなかった。
結果、チェスタトンは自分とかなり合ってなかったので、もう読まなくてもいいなとすら感じたw

2021年2月27日土曜日

満島ひかりX江戸川乱歩「何者」(2016)

2016年に放送された満島ひかり明智小五郎を演じた江戸川乱歩短編を原作に忠実に再現するドラマシリーズが今年になって再放送。自分は本放送当時にも見たのだが、今回はさらに集中してがっつり見た。

まずは佐藤佐吉演出による「何者」。将軍の自宅で息子が脚に大怪我を負った強盗傷害事件の顛末。出入りする赤井さん(実は明智小五郎)が解決する話。シャーロック・ホームズの時代とたいして変わらない古典的なミステリー。

今回、佐藤監督や「私」を演じた平井ファラオ光氏(朗読も担当)との対談も収録。撮影時のエピソードなども新たに判明。
満島が顔に描いていた謎の水玉は、監督の演出でなく、満島が勝手にやったことだったw 監督もただ黙認。なんだそれ?満島「なにやっても怒られない現場だった」とのこと。

満島によれば、水玉で明智の心理を描いてるらしい。この時代ならではの若者たちの悲劇を悲しむ気持ちも表してるらしい。
あと、忘れていたのだが真野恵里菜が登場人物たちのマドンナ的存在のお嬢様として登場していた。このシリーズはメークもヘアスタイルも大変に個性的。やたら眉毛が濃く太い。大正昭和を描くのだから、それぐらいインパクトがあってもいい。
そして関和亮演出による「黒手組」。これは世間を騒がせる誘拐組織に娘を誘拐され身代金を要求された事件を明智探偵が解決する話。暗号解読の要素もある。語り手役は田中圭
これも満島と出演者矢部太郎、関監督との楽屋トークがある。矢部は満島のアドリブが怖かったとのこと。この作品でもなぜか明智探偵は左手甲にタトゥーをしてる。なんだこれ。これも満島によるキャラ改変。

満島によれば「明智がただただかっこいい話」エンディングでは白い羽根が舞台に降るロマンチック演出。ミュージックビデオ監督らしい演出だったかもしれない。
そして渋江修平演出による「人間椅子」。朗読は中村靖日。(ひょっとして外務省書記官の夫も中村?)

これが乱歩の最高傑作だと自分は思ってる。それだけにハードルが高い。今回のようなほぼ朗読劇と自由にふざけたイメージ映像をつける手法はやりやすかったかもしれない。ちなみに自分が「閨秀作家」という言葉を初めて知ったのは乱歩や横溝正史を読むようになってから。
この作品も再放送後に渋江監督と楽屋トーク。皮と皮が接触する座るおしり映像がどうやって撮影されたのか?を初めて知った。

そもそも何で今、再放送だったのか?どうやら3月に新作が放送されるらしい。いよいよ少年探偵団シリーズになるらしい。
それより、早くこのシリーズを地上波でも放送しろ!といいたい。

PS. 満島ひかりが出演する南島原市PR動画がすごい。地方自治体がつくったにしては全編フザケすぎ。もしや…と思いつつ見ていたら、やっぱり渋江修平か!

2021年2月26日金曜日

二・二六事件 昭和維新の思想と行動(1965)

中公新書にある高橋正衛「二・二六事件 昭和維新の思想と行動」(1965)を読む。この本も2.26事件に関するわりとよく読まれている基本書。関係者の多くが存命中に書かれた本なので、本人に聞いてみて事実確認ができた時代。

自分がこの本を読むの、実は3回目。人生で初めて2.26事件の本を読んだのがこれ。だが、初めて手に取ったのが高校時代。自分は日本史を選択してなかった。そして2回目がそこそこ大人になってから。過去2回は読んでちんぷんかんぷんだった。あまりに帝国陸軍のことについて未知すぎて追いつけなかった。

で、今回3回目。1998年の増補改版で読む。以前よりも知識と理解が進んでいてすらすら読めた。長年いろいろと2.26事件関連の本を読んで、陸軍と青年将校たちの名前も頭に入ってる。

事件から30年。渋谷区宇田川町に慰霊像の除幕式に700人ほどが集まった場面からこの本は始まる。この像がある場所が青年将校と民間人19人が処刑された現場。渋谷区の恐ろしい歴史。

事件当日の朝から事態の収拾、そして裁判までを詳しく教えてくれる1冊。人気作家が書くような劇的な興奮や面白さはない。固く真面目に事件の展開とその原因を学ぶための1冊。十月事件、三月事件、相沢事件、5.15事件など、みんな絡み合っての昭和11年2月26日。

昭和天皇の怒りが思いのほか強くて、真崎、荒木、香椎、山下らの空気がササーっと変わっていく。政治の冷酷さ。
やはり重要なのは「大臣告示」の疑惑と奉勅命令。え?「今からでも遅くない」という言葉はこのとき生れて流行語になった?それ、知らなかった。

この事件は東京の市民には何も知らされていない。新聞もラジオも止められている。人から人へ、うわさがあっという間に広まる。何か恐ろしいことが起こってる。
それでも事件を起こした歩兵第一、第三に子どもたちを預けてる父兄たちが騒ぎ出していたということを自分は知らなかった。青年将校たちの勝手な行動で、自分の子どもや身内が反乱軍にされてはたまらない。

渡辺錠太郎教育総監が狙われたのは、天皇機関説に関する発言が青年将校たちの気に入らなかったから。え、それだけ?そんなことだけで自宅が襲撃されるの?

銃殺処刑された青年将校の最年少は22歳。まだ分別もついてない。リーダーの村中や磯部、栗原、安藤ですらも自分たちの行動が矛盾してることもよくわかってない。自分たちの想いが天皇と一致するはずだという思いこみのもたらした悲劇。

明治以来の徴兵制は農民に過酷だった。徴兵制がなくなってくれてよかった。

2021年2月25日木曜日

神さまの言うとおり(2014)

「神さまの言うとおり」(2014 東宝)をやっと見る。たぶんジャンル的に邦画の名物ジャンル「三池崇史SFバカパニックホラー」。学校内強制全員参加バトルロワイヤル理不尽デスゲーム映画。これも市川南制作映画。

これ、レビューが酷評だらけ。だが、人によっては面白いという意見も聴く。冒頭から血みどろのだるまさんが転んだゲームをやってる。
動いた者はもれなく頭を吹き飛ばされ血が吹き飛ぶ。教室内でたった一人のゲームの勝利者のみ生存。福士蒼汰が恐れおののきながらも唯一人生き残る。
たぶんシュールなマンガであるイメージがつく。長めのコントとして見れば十分面白いに違いない。

山崎紘菜が見たくて見た。東宝芸能の山崎紘菜が金髪長身スリムで顔が怖い美人。自分は以前から好き。
神木隆之介が「学校のカイダン」と同じような質感。染谷将太は福士の友だちだがあっという間に死んでしまう。

体育館で生存者たちのデスゲーム第2戦スタート。今度はまねき猫の首に鈴をつけたら終わるゲーム。よくこんなシュールなバカ映像を117分もつくる。感心しかない。
これを演じて若手俳優たちは自分たちは何をやらされてるんだ?と不安にならなかったか。
第3デスゲームは白い立方体の中でこけしとかごめかごめゲーム。後ろの正面だあれ?当てられないと八つ裂き惨殺される。
ここで優希美青が登場。福士と優希は2013年「あまちゃん」にも出演していた。

第4ゲームは白熊から嘘つきを生け贄に出せという指示。何なん?敵化け物の声がむかつく。
最初は造形が新鮮で面白かったけど、だんだんウザくなってきた。

最終ゲームはマトリョーシカ缶蹴り…。もういいよ。
そして発狂のバッドエンド。高校生たちを理不尽に殺していく荒ぶる神?いや、神じゃないだろ。サイコパス神。

なんでこんなクソマンガを映画にした?将来のある若い俳優たちになにやらす。大森南朋とリリー・フランキーは何なん?これはお笑い芸人のショートコント集で見ればいい。

酷評が多いようだが三池崇史に責任はないように感じた。可能な選択肢からこういう結果を産んだ三池崇史はむしろ偉大かもしれん。不条理残酷ホラーの目的と期待には応える仕事をしている。

こんなマンガを描くやつとこれを映画にしようと思ったやつが悪い。こんなふうに人類を選別したいという思想を持っているのかもしれない。

この酷い世界では、求職者学生を選別すること自体を楽しんでる企業経営者がいる。内定者を自殺に追い込む採用担当がいる。この映画は時代を先どってたのかもしれん。
こういうやつらは早いとこ排除しておかないとナチスや山ゆり園のようなことが再び繰り返されるかもしれない。

もう二度と見ないかもしれない。2014年度最大のカルト映画かもしれん。

2021年2月24日水曜日

綾瀬はるか「僕の彼女はサイボーグ」(2008)

綾瀬はるか「僕の彼女はサイボーグ」(2008 GAGA)を見る。綾瀬はるか主演作はだいたい観てたのだがこれはまだだった。たぶん、くだらないだろうなと思って長年放置していた1本。

冴えない僕の前に突然現れた彼女が綾瀬はるか。このときの綾瀬が「全盛期?」というぐらいに異常にカワイイ。肌の透明感がすごい。ほぼみーぱん。
その一方で小出恵介がとても愚鈍そう。まったくイケてない。たぶんメイクと髪型と服装のせいもある。

見始めて早々にあきらかにヘンテコなふざけまくった不愉快極まりない展開。食い逃げして逃走するふたり。なんだこの脚本?ひょっとして韓国リメイク作とか?
調べてみたら監督脚本が韓国人監督。どうりで日本映画らしさがまったくない。

綾瀬はるかの台詞まわしですら何か変。言う事がバカ。登場人物のおよそすべての行動がバカ。演じてる日本人俳優たちはみんな、なにかおかしいと不安になったに違いない。
まったく日本らしくない。学生たちがまったく日本人に見えない。
シュールをねらってるの?それとも子ども向け?

くだらないしつまらないしめちゃくちゃ。綾瀬はるかのムダづかい。資源の無駄遣い。途中から何か他のことをしながら見た。なのでストーリーをよくわかっていない。
最後のほうに吉高由里子がちょっと出てきて驚いた。
結果、綾瀬はるか以外の何もかもが美しくない。よほど綾瀬はるかが好きな人しか見てはいけない。これ以上酷い映画を他に知らない。ほぼ地獄の2時間だった。

2021年2月23日火曜日

辺見庸「もの食う人びと」(1994)

辺見庸「もの食う人びと」を手に取った。友人の本棚にあったから。これは1994年に共同通信社から単行本化されたものを定本に、平成9年角川文庫化されたもの。

辺見庸(1944-)を読むのは初めて。この本は発表当時から衝撃的だったのだが、今読んでも衝撃的。グルメ情報があふれる飽食の時代、あえて逆を行くような内容。たぶん「美味しんぼ」アナザーサイドの極北。

1992年年末に取材へ旅立ち、世界各地のギリギリな「食」を取材した一冊。1992年から1994年、世界の人々は何を食べていたのか?を記した貴重な記録。もっともっと若者に知ってもらいたい読んでもらいたい一冊。

全5章と31のチャプターから構成されている。どれもが衝撃のルポルタージュなのだが、すべてが短編小説のような味わいですごく感心する。文体に味わいがある。
  • 国民が食えてない国バングラディシュでは残飯が取引されていた。ムスリムは木曜金曜に結婚式が多いから、その日に食べ残しを集めてさらに底辺の人々が買い求めて喰らう…。
  • 働いてないのに自分たちよりも良い食事をしてる…と周辺住民に思われ苦悩するロヒンギャ難民。
  • ピナトゥボの大噴火によって山を下ったアエタ族の長老が支援物資のネスカフェのインスタントコーヒーの味にハマる話。
  • マニラ南西280キロにあるブスアンガ島では、当局の取り締まりがあってもこっそりジュゴンが食べられていた。他に食べるものがあっても牛よりも美味いので食べるという。
  • ミンダナオ島ガヤンデオロ市南東90キロのキタンラド山中、かつて抗日ゲリラだった長老が語る。1946-47年に残留日本兵が組織的に地元村人38人を殺害し人食していた事件。
  • バンコクの猫缶工場で辺見さんは女工につい「やめておけばよかった」という失礼な質問をして後悔。これもまるで短編小説のような味わい。
  • バンコク郊外のロイヤルドラゴンレストラン
  • ベトナム・ハノイでのフォーを食べ終わる時間と経済発展の関係
  • ハノイからホーチミンへ向かう48時間鉄道の旅。90年代になっても客のほとんどがホーチミンをサイゴンと呼んでいるしサイゴンへ向かう鉄道を「上り」と認識していたのが驚き。それにベトナムはこの時代から泥棒が異常に多い。
  • 旧東ドイツ刑務所の統一ドイツ前後の変化。西側が送り込んできた法務官と、東ドイツのままの意識の看守。
  • トルコ人の多いベルリン・クロイツベルク地区を取材。ここを読んでドイツにトルコ人が多い理由が1961年西ドイツとトルコの労働者派遣協定によるガストアルバイター(出稼ぎ労働者)であることがわかった。統一ドイツ後は旧東ドイツ市民を優先に雇用したためにドナー・ケバブを開店するトルコ人が増えたらしい。そして同時にネオナチが増えた。ネオナチは東ドイツの貧しい家庭出身者が多い。だが、スーツを着て皮の椅子に座るエリートたちの心のなかのネオナチが怖いという。ちなみに、トルコ人はドネルケバブを代表的トルコ料理と思われてることが不愉快。これはドイツ風にアレンジしたファストフードにすぎないんだそうだ。
  • ポーランド・カトウツェ郊外のビエチョレク炭鉱をレポ。ポーランドでも石炭は斜陽。そしてこの頃はワレサの連帯も落ち目で統一労働者党系労組が主。辺見氏は坑道に降りて石炭掘り。その後に食べた田舎風スープ「ボグラッチ」を世界一美味い!と絶賛。さっそく調べてみたのだがどこにもレシピがない。ボグラッチに言及してる人はみんなこの本を読んで興味を持った人っぽい。
  • ワレサに敗れ、清貧の元大統領となったヤルゼルスキ氏との単独会見。
  • 国営から民営となったポーランド・サーカス団員たちの夢。
  • クロアチア・カルロバツ市郊外のトゥーラニ村を取材。この取材時にはクロアチアはユーゴ(セルビア)と内戦中。ひとりぼっちの孤独に泣く老婆が憐れ…。ナチス時代のクロアチアファシスト組織をウスターシャということをこの本を読むまで知らなかった。
  • 難民であふれるザグレブ
  • 魚が食べたくなった辺見氏はアドリア海のウグリアン島へ渡りイワシ漁船に乗り込む。セルビアの軍艦に怯える。
  • コソボ州のセルビア正教デチャニ修道院へ体験入門。コソボではセルビア人は少数派。修道士に「隣人を愛せというなら、なぜ殺すなと唱えて歩かないのか」と質問をぶつけてしまう辺見氏。
  • ウィーン・プラター遊園地の大観覧車。これもすごく短編小説文芸っぽい。声に出して読みたい作品。
  • この本の最大の驚き。ソマリア・モガディシオを取材。たぶん世界で一番行っちゃいけない場所。この時代はまだ米軍がいた。ソマリアが世界から見捨てられる契機となったブラックホークダウン以前のモガディシオの様子が貴重。難民キャンプでインジェラを焼いていた女に話を聴くと「アメリカとUNOSOM2(国連軍)は敵」「アイディード将軍が国を平和にする」
  • モガディシオの死を待つ少女、銃撃戦、外国人記者つきの護衛のほとんどが反米アイディード支持者…という現実。
  • エチオピア人はコーヒーが好き。茶道のような作法でコーヒーを入れる。塩やバターを入れたりもする。
  • 下唇に大きな皿を入れるエチオピア・スーリ族居住地区へ。エチオピア人であってもほとんどがスーリ族を見たことがない。このスーリ族がイタリアなどの旅行会社が企画した秘境ツアーのせいで、外国人をみると口に皿を入れ写真を撮らせて金を要求することが常識になってしまった。その金で酒を買うようになってしまった。
  • エイズに苦しむウガンダ
  • 亡命先のロンドンから帰国したブガンダ王国第36代国王ムテビ2世への日本人記者初の謁見。この国王がロンドンでは様々な仕事をした苦労人。フィッシュアンドチップスを好み庶民の英語を話す。
  • ロシア海軍ウラジオストク艦隊ルスキー島訓練基地で起こった新兵4人が栄養失調で死亡した事件を追う。軍の食料横流し、ジェドフシーナ(新兵いじめ)、病気による除隊を狙ったもの?それらが複合した不幸な事故?
  • チェルノブイリ4号炉に面した窓と壁はコンクリートで覆われた食堂も取材。一度は廃止が決まったものの、エネルギー不足と失業者対策のために原発を再開。疎開した老人たちも行き場がなく村に戻ってきた。体のあちこちが痛いけど、森のキノコを食べるし、自家製リンゴ酒やウォッカで放射能を洗い流せる…と信じるしかない。「ペレストロイカとか言い出したころから世の中急におかしくなった」これはていのいい姥捨てじゃないのか?
  • 雪のモスクワの通りの真ん中で子ども用チェロを弾く物乞い少女とその母親を取材。
  • アエロフロートの不定期な定期便でユジノサハリンスク経由で択捉島のブレベストニク空港へ。トラックバスに乗りクリーリスクへ。「パーパラニク」と「ラプーフ」と呼ばれる食材を求めて取材。ラプーフはフキのことだった。パーパラニクが何かは言及がなく不明。択捉のロシア人はラプーフも昆布も小エビも食べなかったのだが日本人から食べ方を教わった?50年代までは日本人とロシア人が混在?「択捉料理の傑作サケのハンバーグ」とあって驚いた。そんなものがあるの?
  • 韓国慶尚南道の儒家の村青鶴洞で食事作法の講義を聴く。金を払って民宿に滞在してるのに、主人から「挨拶に来ないのは失礼」と怒られる。辺見氏はウンザリ呆れぎみ。
  • 韓国プロ野球三星ライオンズ二軍の在日韓国人3世選手を取材。
  • そして李容洙を取材。この人はこんな昔から日本大使館前で大げさに泣き叫びながらの自殺パフォーマンスを繰り返してたのか。哀れな人生であることは間違いない。
この本には多くの驚くべきことが書かれていた。90年代初頭の世界の人々の記憶。とくに「ボグラッチ」というスープと、択捉料理なるものが気になって、作ってみたいと調べてもネット上にほとんど情報がない。

2021年2月22日月曜日

大友花恋「あのコの夢を見たんです。」第7話

「あのコの夢を見たんです。」第7話ゲスト女優は大友花恋。まだ主演クラスではないのだが注目の若手でセブンティーンモデル。今回は政池洋佑脚本に枝優花演出。
 
今回は高校が舞台なのだが、リア充大友花恋と、心に闇を抱えイケメンたちを陰で毒づくイケてない男子四人「闇フォー」の戦い。

驚いたのが太賀と一緒にいる3人の中のひとりがヨーロッパ企画の本多力だったこと。本多と大友の年齢差20歳で同級生。いくらなんでも41歳で男子高校生を演じられるものなのか。
あと、古舘伊知郎の息子古舘佑太郎もいる。たぶんみんな太賀よりも年上。
大友花恋は明るく輝いてるサッカー部マネージャー女子。大友はじっさい高校サッカー応援マネージャーだったガチヒロイン。ダメ男を叱咤する。今回は男子目線なので大友はヒロインではあるが主演ではない。
闇フォーのイケてなさとネガティブさが酷い。醜怪。罠をかけてイケメンたちの脚を引っぱってイメージを悪くしようとする。ある意味で韓国。

闇フォーは大友のあまりの輝きに戸惑う。このコは山迫(山里)のこと好きだろと思わざるをえないのだが、誰にでもキラキラまぶしい存在。天使大友花恋のイメージが上がるしかない30分。

2021年2月21日日曜日

満島ひかりX江戸川乱歩「D坂の殺人事件」(2016)

まだ見てなかったBSプレミアムの満島ひかりX江戸川乱歩シリーズ第1作「D坂の殺人事件」(演出 宇野丈良)をやっと見た。

2016年の本放送も再放送も見逃していた。やっと録画できた。
自分が「D坂の殺人事件」を角川文庫で初めて読んだのが小学生の時。ようやく初めてこの作品の実写ドラマを見る。
(本放送では第2話「心理試験」、第3話「屋根裏の散歩者」は見た。今回の再放送では第2話以降が福島の地震で途中からニュースに切り替わってしまった。また気長に再放送を待つしかない。)
そもそも明智小五郎満島ひかりが演じること自体がチャレンジ。演出家はなんと満島に立ちションまで演じさせていた。着物と長髪の汚さぐあいもちょうどよい。

そして、製作スタッフは大正時代のD坂と長屋をミニチュア模型でやりきった。そして、脇役やモブはおもちゃの人形にしゃべらせていた。思い切った割り切り方だが、今後は乱歩や横溝正史をドラマにするためにはこんな手法しかないのかもしれない。
今回、主人公である「私」を演じたのは松永天馬という人だ。大正昭和の雰囲気がちょうどよい。この人をてっきり劇団かなにかの俳優だと思ってみていたら、アーバンギャルドの人だった。すっかりアーバンギャルドというバンドを忘れていた。なんか懐かしい。

「私」の推理ではこの得体のしれない明智という男が怪しい。着物の柄が目撃談と違うのだが、ある仮説によれば一致すると言えるのではないか?
電灯のスイッチの指紋の件も、犯人が明智だということを示しているのではないか?しかも、明智と殺された細君は幼なじみだというではないか。
だが明智はきょとーんとして無反応。長髪をボリボリと掻く。そして明智が事件の真相を語り始める。

乱歩作品の中でも明智小五郎が登場する最初の短編として大変に有名。だが、小学生男子がこの話を理解するのはとてもハードルが高い。大正昭和の風俗、そして殺人の動機がSM…。大人になって再読するまでこの話がまったく理解できてなかった。

今回なんと楽屋トークまで放送。これ、初めて見たのだが、本放送当時に収録されたものなの?
宇野監督から立ちション演技を演出された満島。楽屋に入るや着物の股間から詰め込んであったタオルを取り出す…というところから楽屋シーンが始まっていた。この楽屋トークも演技継続中?

2021年2月20日土曜日

アガサ・クリスティー「蜘蛛の巣」(1956)

アガサ・クリスティー「蜘蛛の巣」を早川書房クリスティー文庫(2004年)で読む。訳は加藤恭平。私的クリスティマラソン74冊目。戯曲は2冊目。
SPIDER'S WEB by Agatha Christie 1956
全三幕の戯曲。ケント州にある外交官ヘンリー・ヘイルシャム=ブラウン氏の住居になってるコップルストーン邸で東ドイツ首脳との極秘の非公式会談が行われることになった。だが、夫が空港に出迎えに行ってる間に、妻のクラリサは居間で夫の前妻の現在の夫オリバーの死体を発見してしまう。殺したのは前妻との娘ピパ(12才)?!

クラリサは客の叔父ローランド卿と判事のヒューゴー、そして秘書のジェレミーに手助けを依頼。この死体を森の中で見つかったことにしよう。
だが、その場に警部と警官が乗り込んでくる。この屋敷で殺人があったという電話があったとのこと。一体誰が?

クラリサと客3人は嘘に嘘を重ねてどんどん話がこんがらがっていく。しかも庭師の女がさらに余計なことをしでかしていた。
死体の消失、隠し引き出しのあるアンティーク机、麻薬取引疑惑、邸宅の賃料が破格に安い疑惑、などなど不審な事態が次々に。一体どうやって着地する?!

ややこしい事態の末の意外なラスト。とはいっても、オリバーを殺害した真犯人はそれほど意外でもないし、とくにトリックとかあるわけでもない。
しかしそれでも、読んでいてこの戯曲はオシャレ。名作舞台は読んでも名作。

巻末解説を読むまで、この舞台作品のもうひとつの主役がサンドイッチであることに自分は気づかなかった。クラリサはまさみかガッキーで脳内再生したい。いつかこの戯曲を演じてもらいたい。

2021年2月19日金曜日

川口春奈「麒麟がくる」(2020-2021)

「麒麟がくる」が2月7日に最終回を迎えた。自分、大河ドラマを毎回見てるわけでもないのだが、今回の大河ドラマは、一部は音声のみだったりしたのだが、2回に1回は見ていた。

そもそも明智光秀が主人公ってまったく新しい戦国時代劇。これまで何度も見てきた信長に虐められる光秀のシーンが新機軸で描かれていて驚きの連続。

松永久秀とか筒井順慶とかほぼ初めてドラマでしっかり見たし、正親町天皇とか近衛前久、摂津晴門とか三淵藤英とかも初めて認識。
過去の戦国大河ドラマにくらべて政治シーンに劇的な緊迫感があった。
自分、濃姫に帰蝶という別名があったことも知らなかった。てっきり本能寺の変で死んだとばかり思ってた。過去作みたいに信長と一緒に槍を持って戦うのかと思ってた。生存したという説もあったらしい。

川口春奈は急きょ決まった代役だった。出番はそれほど多くなかったのだが、存在感が素晴らしかった。暴走し狂っていく信長に「自分なら毒を盛る」と光秀に言うシーンには驚いた。

あと、自分はてっきり足利義昭は織田信長に殺されたんだと勘違いをしていた。北条高時とごっちゃになっていた。

本能寺の変は過去作一で爽快感があった。暴走する邪知暴虐の王信長は必ず殺さなければならないと視聴者には思えたし、討たれる信長側もなにやら爽やかな敗者っぷり。
何といっても山崎合戦を描かなかったことがよい。余韻が心地よかった。光秀生存という希望を残した。
長谷川博己にとってはコロナ禍で撮影が中断するなど大変だった様子。だが、すごく明智光秀にハマっていた。頭がよくて悩める武芸者。すごく活舌がよくてセリフが耳に馴染んだ。
「麒麟がくる」は歴代大河ドラマの中でも最上級。新説を盛り込んだ刺激的で好きな大河ドラマだった。

2月23日に総集編があるらしい。語りはなんと川口春奈。はーさんにとってもこの役を得たことは幸運だった。

2021年2月18日木曜日

原田葵が「タモリ倶楽部」に出演

櫻坂46の原田葵(20)「タモリ倶楽部」(2月5日放送回)に単身出演した。2022年から高校で地理が必修科目になることを記念した企画。

もう坂道Gの誰かがバラエティ番組に出演したぐらいでは見もしないのだが、「原田葵が」「単身で」「タモリ倶楽部に出演」という要素が重なっていたことに注目して見た。
金曜深夜にタモリ倶楽部だけはいつまでも変わらずやっててくれるという安心感。
自分も高校では地理を選択しなかった。なので世界の事が中学生知識で止まったまま。
いまでも中国人は人民服に人民帽で自転車で人民公社に通ってるイメージ。古い資料を使って、地理を国語や数学と一緒に教えるから、それが絶対的真理と思ったままになる。
タモリ倶楽部が教えてくれたことはたくさんある。この番組がなければ高校地理必修化の歴史的経緯も知らないままだった。芸能人なぞなぞ大会とゲームばかりのくだらないバラエティが多い中、知的好奇心を満たしてくれるタモリ倶楽部は貴重。
欅坂発足当時、平手につぐ最年少中学3年生だったのが原田葵。顔がふっくらして可愛らしくなった。
高校に入学したのが2016年と知ってタモさん「一昨日!」ほんとそれ。

この番組を予告で知ったとき、原田が大学で何を学んでいるか知れるかも!と期待した。だが、それらしいことを匂わせるヒントはひとつもなかった。

乃木メンはバラエティ出演のさいに、もうグループ制服を着ていないことが多いのだが、櫻、日向はまだまだ制服姿が多い。
現役高校地理教師たちが持ちネタを披露。日本は鉄鉱石の多くをオーストラリアから輸入してることは自分が中学生のときから変わらない。
だが、グーグルの衛星画像で赤茶けて見える場所が鉄鉱石のある場所というのは盲点だった。鉄鉱石を積んで運んで積む船舶をバルクキャリアということも初めて知った。
陸地と島の間に土砂が堆積してできた砂州をトンボロということも初めて知ったw まったく聞いたこともなかった。
番組で取り上げられたのは上甑島の里集落。これも初めて知った場所。たぶん一番有名なトンボロ都市は北海道函館。

2021年2月17日水曜日

アガサ・クリスティー「招かれざる客」(1958)

アガサ・クリスティー「招かれざる客」を深町眞理子訳2004年クリスティー文庫で読む。クリスティマラソン73冊目でついに戯曲に手を出した。
THE UNEXPECTED GUEST by Agatha Christie 1958
ブリストル海峡に面した田舎の邸宅を、深い霧のために車を溝に落としてしまったという謎の青年スタークウェッダー氏が訪問する場面から舞台は始まる。電話を貸してもらいたい。できることなら一夜泊めてもらいたい。

呼びかけても声がない。扉が開いていたので入ってみると、車椅子の当主が銃で撃たれて死んでいる。その傍らには銃を持った若い妻ローラが立っていた。「私が撃ったの」
不自由な体になり深酒、サディズム的性格を持った夫リチャードとケンカの末の妻による犯行か?

この話の予想外なところは、ローラが美人なものだから、よせばいいのにスタークウェッダー氏が外部の犯行に見せかけようと提案し半ば強引に協力し真実を捻じ曲げていく。ローラは困惑しながらも従うしかない。
リチャードは飲酒運転で子どもを撥ねて殺してしまった過去があった。その子の父を犯人に仕立て上げよう。

実はローラは真犯人ではないらしい。恋仲の男友だちをかばってる?
リチャードの実の母、その忠実な看護婦、執事、前当主と後妻の間に生まれた知的障害のある少年、クビになった庭師、みんな怪しい。とくにローラと恋仲らしい地元の名士ジュリアンは執事のエンジェルに殺害時刻の直前に目撃されていた。

警察の調査の結果、交通事故死した子の父マグレガーはアラスカで死んでいた。よって、家族に犯人がいる!操作は振り出しに戻る。

クリスティらしい書斎でのみ進行する全2幕のサスペンス舞台脚本。色々な可能性を提示しておいて真相は霧の中…と思わせておいて、ラストは二転し意外な真相へ。そしてサッと幕が降ろされる。

通常の推理小説のように証拠を探したりしない。殺害に使用された銃の件は疑問。警察がもっとよく調べたら?執事が主人の銃コレクションに詳しかったら?やはりあの犯人はやがて追われる身になるのでは?

しかしたぶん、これを舞台で役者たちが演じてるのを見れば多分楽しく見れるだろうと思う。2時間ほどで読めるライトな一冊。

2021年2月16日火曜日

Perfumeが2年ぶりにPTAバレンタイン生配信(vol.12)!

2月14日18時から2年ぶりにバレンタイン恒例のPTA生配信イベント(vol.12)を開催。そうか、昨年の今頃はドームツアー中だったのか。

自分、過去2回ぐらいしかバレンタイン恒例配信イベントを見れていない。
生配信はその時間に家のパソコン前に待機してないと見れない。てか、たぶんオフィシャルファンクラブPTA配布のDVDで見れるとたかをくくってて見れない時はサクッとあきらめがついた。

各社の動画配信サービスを使った一般向けの前半(約25分)は会員でなくても見れるもの。
ツイッターハッシュタグは「#PERFUMEBAR香」
なんと開始早々にトレンド世界一w まだまだPerfumeオタは熱心。

2020年のメジャーデビュー15周年&結成20周年イヤーを振り返る。「濃厚だった!」
3人にとっての試練「この振付け覚えてるかな?」お互いが見れないようにスクリーンで遮った状態でそれぞれダンス

「TOKYO GIRL」の1サビを思い出しながらダンス。ここまでが非会員も見れたパート

FC会員限定の配信では「不自然なガール」の1サビ。「コミュニケーション」の歌始まり。
コミュニケーションはPerfumeの3人もひさしぶりすぎてほぼ何も覚えていない様子。

「とっておきのPerfumeお宝グッズを見せて」ファン参加型企画ではファンが自宅から顔出しで登場。
「P.T.A.お悩み相談」 周囲がどんどん結婚してゆき焦る女性ファンの悩みに答えるPerfumeの3人の結婚観。

Perfumeの掟「遊び」編はTikTok。着替えタイム後にまさかのチアガール姿。すぐにダンスを3人で相談しながらマスターするところがさすがプロダンサー。
あ~ちゃんバースデーサプライズでケーキ登場。スクショタイム。
そして、配信終了後にプロダンサーとして真剣に取り組んだサカナクション「新宝島」のチアダンスもTikTokで配信。
短時間でビシッとした精度のダンス動画を録って出す。さすがだ。
20年間ずっと一緒にいて、今でも何か楽しいことを見つけて一緒にやってるPerfumeはすごい。
さらに、この配信イベントの前にニコ生で24時間チョコレイト・ディスコを流し続けるという企画もぶっこんできた。
これが2007年初頭のチョコレイト・ディスコMVから始まって、2008年GAMEツアーZeppTokyoのライブ映像から、武道館、直角二等辺三角形ツアー横アリ、JPN、LEBEL3東京ドーム、などなどを経て、昨年の「P-Cubed」東京ドーム、そして、集大成を編集リミックスしたベストショットVer.の映像1時間セットを24時間繰り替えすという狂気の企画w 自分は3リピートぐらい見た。
3度のワールドツアーの映像も用意。これ、パブリックビューイングを見に行ったんだった。
自分、「COSMIC EXPLOLER」ツアーをもってPerfumeのライブを引退した。だが、「Future Pop」も「P-Cubed」もいちおうWOWOWで見ていたので、結果、すべての映像が何のライブのときかわかった。
行ったライブも行かなかったライブも、どのチョコレイト・ディスコも大切な想い出。
今回の企画で使用されたチョコレイト・ディスコ映像はすべて市販されているDVDの映像だったようだ。
自分のPerfumeライブ人生で、いちばんテンションの上がった瞬間は2008年のRIJFのレイクステージ。3人を待っている間のワクワク感を今も忘れられない。
今年も新曲を用意しているらしい。まだまだPerfumeは歩みを止めない。

2021年2月15日月曜日

飯豊まりえ「あのコの夢を見たんです。」第4話

「あのコの夢を見たんです。」第4話ゲスト女優は飯豊まりえ。このコも山里(太賀)が喫茶店でネタノートに書き殴る妄想少女。

大学3年生、気になる男子に思い切って告白するも拒まれ「死にたい…」という女子大生。そこに黒スーツ姿の死神(太賀)が登場。
まりえは物事を何度でもやり直せるスイッチを渡される。そしてふたたび彼の前。「みんなで遊園地行かない?」に切り替える。ああ、これで後悔しないで済んだ。
太賀はふたたびまりえの前に現れて「じゃあさっそく死んでいただけますか?」

「え?!」「そのスイッチを使ったら命をいただくシステムになってる」「冗談で死にたいなんていっちゃいけない」「こういうのはリスクがあるパターンでしょ!」「タダより高いものないよね?」
これ、どう見ても「笑ゥせぇるすまん」が元ネタ。営業サラリーマン風死神。

このへんのまりえってぃの演技が上手で面白くてさすが。それにまりえってぃは声がとても良い。
まりえってぃは増長してあらゆることにスイッチを使い充実した学生生活を送る。憧れの男子とも付き合う。なにもかもやり直せるので、成功するまで何回でもやり直してすべてで成功。ミスというものが存在しない。これは怖ろしい結末が待っていそうだ…。

まりえってぃは「つまんない…」
納得いかない1日、上手くいかない経験の大切さに気付く。
そのことに気づかれたら死神としては失敗。このへんの電話報告が営業サラリーマン風で笑おうっていう。

そしてまりえってぃはすべてがリセットされるスイッチを押す。箴言ふう短編小説。ラストの飯豊まりえが爽やかで可愛らしく美しくて感動できる30分ドラマ。とても感心した。