2021年2月20日土曜日

アガサ・クリスティー「蜘蛛の巣」(1956)

アガサ・クリスティー「蜘蛛の巣」を早川書房クリスティー文庫(2004年)で読む。訳は加藤恭平。私的クリスティマラソン74冊目。戯曲は2冊目。
SPIDER'S WEB by Agatha Christie 1956
全三幕の戯曲。ケント州にある外交官ヘンリー・ヘイルシャム=ブラウン氏の住居になってるコップルストーン邸で東ドイツ首脳との極秘の非公式会談が行われることになった。だが、夫が空港に出迎えに行ってる間に、妻のクラリサは居間で夫の前妻の現在の夫オリバーの死体を発見してしまう。殺したのは前妻との娘ピパ(12才)?!

クラリサは客の叔父ローランド卿と判事のヒューゴー、そして秘書のジェレミーに手助けを依頼。この死体を森の中で見つかったことにしよう。
だが、その場に警部と警官が乗り込んでくる。この屋敷で殺人があったという電話があったとのこと。一体誰が?

クラリサと客3人は嘘に嘘を重ねてどんどん話がこんがらがっていく。しかも庭師の女がさらに余計なことをしでかしていた。
死体の消失、隠し引き出しのあるアンティーク机、麻薬取引疑惑、邸宅の賃料が破格に安い疑惑、などなど不審な事態が次々に。一体どうやって着地する?!

ややこしい事態の末の意外なラスト。とはいっても、オリバーを殺害した真犯人はそれほど意外でもないし、とくにトリックとかあるわけでもない。
しかしそれでも、読んでいてこの戯曲はオシャレ。名作舞台は読んでも名作。

巻末解説を読むまで、この舞台作品のもうひとつの主役がサンドイッチであることに自分は気づかなかった。クラリサはまさみかガッキーで脳内再生したい。いつかこの戯曲を演じてもらいたい。

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