2021年2月13日土曜日

松井玲奈「名古屋行き最終列車〜23時40分 名鉄岐阜発〜」(2012)

2012年12月にメーテレで放送された名鉄ヒューマンドラマ「名古屋行き最終列車」シリーズの第1弾の第1話「〜23時40分 名鉄岐阜発〜」に、当時SKE48のエースでAKB48でも全国区で活躍していた松井玲奈(当時21歳)が主役ゲスト女優として登場しているのを、今になって見る。もうこの時から松井は女優としての経験を何作も積んでいる。

人生の大一番のプレゼン資料を、ついイケメンに気をとられて電車内に置き忘れた女のオフビートな1日を描いた1話完結ドラマ。誰もが人生に一度はこんなトホホな事態に覚えがあるはずだ。

こいつが何も期待せずに見たのだが、この30分ドラマを立案し脚本を書き演出したスタッフを最大限に賞賛したいすばらしい出来。

まず松井玲奈の個性的な声と顔w コメディエンヌ女優というにはまだ技術不足かもしれない初々しい演技。さすが栄の大エースという存在感。

そして、駅の遺失物窓口係員役六角精児が見せたプロフェッショナルな仕事ぶり。大事なものを置き忘れ焦って駆けこんできた利用客を安心させる経験と話術と対応力。こんな人と仕事をしたいと思わせる、経験に裏打ちされた安心感。

このドラマで嫌な人は、焦って座席をまさぐる松井がつい誰かが落とした財布を拾い上げてしまうのだが、周囲に「泥棒!」と大騒ぎする面倒なオバサン。人生にはこういう人の邪魔しかしない人がいるものだ。
そしてナイツ(マセキ芸能)演じる刑事塙と土屋。こいつらが「大事な書類を無くして焦って盗んだ」というようなデタラメ供述調書をでっちあげる悪質な冤罪刑事。暇か!
松井の冤罪は晴れるのだが、謝罪もなしか!と自分は激怒した。ま、このシーンは塙のイラストを描いてみせることで自身が才能あるイラストレーターであることを証明しようとするなどのコントっぽい場面ではあったが。

このドラマが30分ローカル局人情ドラマとしてできる最高地点に到達している。視聴者をダマす予想外な展開もありつつ、みごとに着地させるハッピーエンド。各キャラが立っている。主演女優が初々しい。などの魅力が全て詰まった良作。脚本に感心しかなかった。

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