2020年11月30日月曜日

森川葵「ドロメ」(2016)

森川葵が2016年に「ドロメ」というホラー映画に出演しているので見る。女子篇男子篇とに分かれている。それぞれからの視点で描かれてるらしい。まず女子篇から見る。
この映画、ロケ地が沼津市の旧静浦中だ。

顧問の先生に連れられて、翌年に統廃合される男子高校へ、演劇部の女子たちが合宿でやってくる。みんなはしゃいでるけど森川は暗い。
途中に行方不明尋ね人の張り紙、そして泥まみれ首なし観音の祠。

男子生徒たちが出迎えるのだが、小関裕太を見て森川は戸惑う。何か以前にふたりには関係が?(森川は中学時代に告白してフラれたらしい)

教室内の壁には不気味なシミを発見。
参加OB岡山天音が巨乳女子生徒の胸や尻をこっそり撮影してたりする。
森川らは目隠しして演技レッスン。そこにいる何か気配を感じる。
小関に気を取られレッスンに集中しない森川は相手校の顧問(東根作寿英)から強く叱責され過呼吸になる。

森川は室内の張り紙に行方不明女性の張り紙と同じ顔を見つける。3か月前から女性教師が行方不明らしい。そしてこの村の言い伝えを知らされる。村には泥の化け物ドロメが現れる?
夜中に起きた森川は異様な化け物を目撃。壁のシミが人の顔になってる。そして翌朝扉に泥の手形を発見。泥のバケモノが襲ってくるのだが、襲われたほうもゾンビ化?

だが、何がしたいのか一向に見えてこないテンポの悪い映画。怖いことが小出しでしか出てこない。だんだん困惑。

森川が投げたハサミが間違って少女の手を貫通するとか意味不明に意表をつく。なんだこれ?メチャクチャになってきた。こういうの、作ってる側のほうが楽しんでないか?

ブチギレて金属バットで逆襲する森川のシーンは爽快。バケモノの造形も良い。なんか高校生たちが悪ふざけで作った文化祭映画みたい。
で、つづけて男子篇も見る。今度は同じ時間を男子目線でなぞる。男子たちのほうがバカ。
ストーリーがわかった状態で見るとストレスを感じずに見れる。そして、女子篇の伏線も回収。実はこんなことが起こってたのか…と驚きながら見れる。

小関裕太は霊が見える設定なのでこちらのほうがホラーっぽい。だがやっぱり既に見た同じシーンは飽きるし、結末を知って見ると退屈。

2020年11月29日日曜日

海底軍艦(1963)

円谷英二特撮、初代ゴジラの本多猪四郎監督による「海底軍艦」(1963 東宝)の存在は昔から知っていた。先端にドリルのようなものがついた潜水艦に巨大ウミヘビ怪獣がからみついてる画とか見たことあった。映画を初めて見た。たぶん高度経済成長時代の子ども向けお正月娯楽作映画。

自分、数年前に押川春浪による明治時代のSF冒険譚「海底軍艦」を読んだことがあった。この特撮映画はまるで別物。
だが、小松崎茂による轟天号のイラストは有名。音楽が伊福部昭なこともこの映画に興味を持った理由。

もう今の若い子は高島忠夫さんを知らない。イェイ!とかやってた高島忠夫さんを俳優の高島兄弟の父としか認識してないかもしれない。そういう自分も「アメリカ横断ウルトラクイズ」のYOUTUBE動画でしか見てない。この時代の二枚目(三枚目?)俳優。「まともですよ。キャメラのレンズのように正直ですよ!」この時代の人はカメラをキャメラと呼んでいた?

まあ、ストーリーが荒唐無稽。ツッコミどころだらけ。今も日曜朝にやってる戦隊ヒーローものや特撮ものはストーリー脚本にそれほど本気は出していない。暖かい目で見る。

あたりまえかもしれないが、もうすでに故人となった俳優だらけだ。
上原謙、天本英世、小泉博あたりは亡くなって久しい。藤木悠という俳優は久しぶりに思い出したので調べてみたら、やっぱり15年前に亡くなっていた。藤山陽子というほぼ無表情な女優はどうやらまだ存命中のようだ。
横浜のレンガ倉庫が出てきて驚いた。今とそれほど風景が変わっていないようだ。

伊豆大島三原山も出て来た。半鐘打って逃げ惑う島民のシーンに登場する道とかストビューで探そうとしたけど、この当時とは道も街並みもほとんど原型をとどめていないに違いない。
大島小涌園という看板があったので調べてみた。藤田観光系列のホテルチェーンだったらしいのだが2000年に営業を終えたらしい。

そもそも色付き眼鏡にベレー帽にオーバーコートなんて人間もいない。いたら目立つ。こいつが山を見ただけでボーキサイトやマンガン鉱脈があると断言する文字通りの山師。
ムゥ帝国の感じは第一次大戦後に南洋へ進出していった日本人の原体験がベースか?ムゥ人たちの儀式とダンスシーンが長い。

見てる最中はわくわくしながら見れた。だが、見終わってそれほどの満足感はない。昔の日本人がこの程度の映画で満足できていたとしたら、たぶんピュアだったんだろうなと。
この映画が封切られた時代はまだまだかつての帝国海軍の大将たちが存命だった。そんなことを想い起させてくれる映画。

2020年11月28日土曜日

岡崎紗絵

「世にも奇妙な物語 2020秋」の濱田岳主演回「コインランドリー」にRayモデルの岡崎紗絵(25)がかなり重要な役で出演していて驚いた。一瞬「高橋ひかる?!」って思って二度見した。

自分、この人をすっかり忘れていた。Seventeenでは広瀬すずと同期だったはずだ。いつのまにかRayに移籍してた。もう5年も前に。水着グラビアなんかもやっていた。ぜんぜん知らなかった。
気づいたら女優やっててようやくゴールデンで重要な役を任せられる女優になっていた。
何やってもうまくいかない濱田がコインランドリーで出会った女。就活連敗中で落ち込んでいるところを濱田が励ます。
このコインランドリーが欲しいものを願うと手に入るコインランドリー。その展開はほぼ「笑ゥせぇるすまん」のようなもの。ストーリーには特にいう事はない。
だがこのヒロインは清純ピュア。調子に乗る濱田を心配する。かわいい。以前よりもかわいくなってる。来春は「教場Ⅱ」にも出演するらしい。今、上昇気流に乗っている。
というわけで、今後も岡崎紗絵に注目していく。売り出し中の今、ぜったいに熱愛発覚とかあってはいけないw 気を付けないといけない。彼氏のいる若手女優からはピュアな男性ファンはササーっと退くようにいなくなる。

2020年11月27日金曜日

アガサ・クリスティー「死が最後にやってくる」(1945)

アガサ・クリスティー「死が最後にやってくる」(1945)を読む。私的クリスティマラソン71冊目。加島祥造訳の早川書房クリスティー文庫で読む。

今回はなんと紀元前2000年ごろの古代エジプト・ルクソール周辺が舞台。
夫が死に出戻った寡婦レニセンブがこの物語のヒロイン。古代エジプト人とは思えない論理的思考で迷信を信じない現代人。ほぼ英国婦人w

墓所守一家の家長インホテプ、その長男でおとなしく愚鈍なヤーモスとその口うるさい妻、やんちゃでやらかしも多い次男ソベクとその妻、三男で美少年イピイ、インホテプの老母エサ、ずる賢い告げ口家政婦ヘネット、管理人ホリ、みんな父インホテプに依存して生活している。

北方の領地から帰館したインホテプが娘よりも若い愛妾ノフレトを連れてきた。なにやら一家に緊張が走る。まるで古代エジプトの犬神家の一族。
仕事のトラブルでインホテプは再び北へ。ノフレトを家族の中に置いていく。

このノフレトが邪悪で不気味な存在。もともと不穏だった家族たちに新たな軋轢。やがてノフレトは崖の上の小径から転落死。
この事件をきっかけに、長男の妻も同じ場所で転落死。毒入りの酒を飲み次男死亡。一緒に酒を飲んだ長男は危うく一命をとりとめるも衰弱。何者かが甕に毒を入れるところを目撃した少年奴隷も殺される。言動が粗暴で野心的な美少年三男も溺死。つぎつぎと人々が死んでいく…。ノフレトの呪いなの?!

レニセンブ、書記で有能な番頭ホリ、家長的な祖母エサの3人が首を突き合わせて一家の内部にいる邪悪な殺人者が誰か相談。この3人だけが現代人でマトモな思考ができる。次に命を狙われるのは誰?

ついには祖母エサも殺され、一家内部を女主人のごとく取り仕切る邪悪家政婦ヘネットも殺された。そしてついにレニセンブにも魔の手が!

これも推理小説というよりは家族内サスペンス小説。怪しい奴がつぎつぎと死んでいく。真犯人は十分に意外。人間心理を描いていてなかなか佳作だと感じた。
クリスティ作品が好きな人には十分にオススメできる。中世以前の日本に置き換えても映像化は可能だと思う。だがその前になんとか古代エジプトを舞台にした映画化希望。

巻末解説を読むと、レニセンブはアガサ、ホリはマックス・マローワンがモデルか。年下の考古学者を夫としたアガサのノロケ恋愛小説? 
写真どころか肖像画もなかった時代は、再婚したら前の夫の顔とか思い出せなくなったんだろうなあ。

2020年11月26日木曜日

北川景子「黒い樹海」(2016)

2016年3月にテレ朝で放送された松本清張ドラマスペシャル「黒い樹海」を見る。北川景子が出てるから。自分、松本清張が好きなのだがこの「黒い樹海」はまだ読んだことがなかった。

原作は1950年代が舞台だがこのドラマではスマホでコミュニケーションを随時取り合う現代が舞台。だいぶ改変されているに違いない。

北川景子が姉(小池栄子)のバス事故死の真相を追っていく。関係者が次々と殺されて行くという、2時間サスペンスドラマとして正しいベタ展開。同年1月の軽井沢バス事故を連想。
北川が同じ新聞社の記者向井理を相棒に姉の死の真相を追う。向井が軽いが有能な男。事件の証言をしてくれる人とつぎつぎにアポを取ってきてくれる。

容疑者たちがみんなエキセントリック。視聴者を引き付けておくために頭数がそろっていて、それぞれ怪しい。みんな人が死んでるということに軽薄で強欲。
だが、好色じじい画家、華道の家元、気の強いデザイナーは犯人じゃないだろうなと思った。
終盤では証言者が相次いで死亡。向井は本当に味方なのか?ヒロインは疑心暗鬼になる。

キャストからいって怪しいのは小児科医で文筆家の沢村一樹。こいつは見るからに重要なカギを握ってる。こういう2時間ドラマはキャストをみればだいたいどういう役回りか想像つく。
そして、容疑者の中にスキャンダルがあると重大なダメージを追うやつがいる。

やはり男女の情慾が己を転落させる松本清張らしい作品。そして松本清張らしいヒロイン。たぶん「ゼロの焦点」っぽいヒロイン。
北川景子が清楚で真面目で上品な清張ヒロインをしっかり演じていた。そして、小池栄子はどんな役でもビシッと名女優ぶりを発揮。

2020年11月25日水曜日

この子の七つのお祝いに(1982)

増村保造監督の「この子の七つのお祝いに」(1982 角川春樹・松竹)はチラッチラと目に入ってはいたのだが、それほどいい評価も聴かないので今まで放置していた。
原作は斎藤澪という人だがよく知らない。第一回横溝正史ミステリ大賞を受賞した同名小説の映画化だという。

角川春樹が制作した横溝正史っぽいものを見たくてこれをチェックしたのだが、大物政治家とか女占い師とか、ルポライターとか、女の恨みとか、やはり松本清張っぽいというか社会派っぽい。
音楽は市川崑の金田一シリーズやルパン三世でおなじみ大野雄二だが、冒頭から音楽がいかにもちょっと古い日本映画っぽい抒情。ちょっと嫌。

岸田今日子が娘に自分を棄てた夫への恨みを語って聞かせる場面から始まる。
そして部屋で女が惨殺される。室田日出男、小林稔侍刑事が捜査する。いきなりグロ死体。

根津甚八とか杉浦直樹とか懐かしい俳優たちだらけ。昭和50年代なのであたりまえだが、警察にも週刊誌編集部にもまったくパソコンなどない。ひたすら書類。

殺人事件の背後にいる疑惑のある女占い師と大物政治家を追いかけるルポライター記者杉浦直樹は最初から死亡フラグが立っているのだが、間接の持病に苦しんで発作を起こす。これが事件性があるのか病気なのかよくわからなくて混乱。
戦争から40年しかたってない。あたりまえだが少年時代に戦争を経験してるからか、この時代のおっさんは現代のおっさんと雰囲気がかなり違う。すごく老けて見える。

で、やっぱり殺される。そしてバーのママ岩下志麻が最重要容疑者に見える。殺された母田の墓前で岩下志麻がおいおいと慟哭する演技がなんかすごく違和感を感じる程に大げさ。
根津甚八記者が殺された杉浦に代わって事件を追う。やっぱり古い2時間ドラマの再放送を見てる感覚。

能登で根津が岩下志麻のセーラー服写真を見せられるシーンが爆笑。ショックを受けた根津はふらふらと歩きだしそこに干してある工員のズボンをつかむとか、ツッコみたくなる意味わからない演出。手相って遺伝するの?!

狂った女と出会ってしまったことが男にとって悲劇の始まり。
子役の正確な同一性を保って繰り返されるサンプリングみたいな「おかあさぁーん」の声質が嫌。

つまらなかったw これは見なくてよかった。

2020年11月24日火曜日

黒島結菜「閻魔堂沙羅の推理奇譚」第3-4話にゲスト出演

中条あやみ主演「閻魔堂沙羅の推理奇譚」というドラマがNHKで10月31日から始まってる。第1話はちょこっと見た。第2話はキャンプに言ってて見逃した。第3話と第4話に黒島結菜(23)がゲスト出演すると聞いて予約して見た。

中条は閻魔大王の娘役w、「ドロロンえん魔くん」かよ。21世紀になって20年経つ今つくるようなドラマじゃない。どうやらラノベ小説が原作らしい。

黒島の役どころはまた「死役所」のときとほぼ同じような役。自分が死んでることに戸惑う。このドラマは不幸な人々が死に至る過程をミステリータッチで描いたもの。なのでどうしても暗くなるドラマ。
黒島結菜を地上波で見るのは春から夏にかけてやってた「行列の女神」以来。相変わらず肌が浅黒い。いろんな色素が濃い。スペイン女のエロス。

これが黒島と中条の初共演。ちなみに写真学生だった黒島はモデルを中条に頼むという間柄。普段から仲良しらしい。なのでふたりで演技をしていると恥ずかしいらしい。
今回は元有力選手で怪我のために一線を退いてるバドミントンのコーチ。自信過剰でプライド高く性格悪い。なので父(バドミントン界の偉い人)の葬儀でも有力選手たち(こいつらも性格悪い)から憎々し気に嫌味を言われる。教え子の指導もないがしろ。

ちなみに黒島は糸満高校時代バドミントン部。芸能の仕事をするようになってから、眉毛を整えたり、髪を染めたりできないというめんどくさい規則があったためにスパッと辞めた。スパッと東京の高校へ転校した。
見よ、黒島結菜の横顔の美しさを!自分は黒島をすごい美人だと思ってるのだが、女子の黒島結菜ファンという人をあまり見かけない。あまりCMでも見かけない。出演するテレビドラマがなぜかNHKかテレ東。なんでなん?
自分、黒島のふとももを初めて見た。今回のドラマで一番驚いたのがそこ。黒島はこれまでのキャリアでたぶんほとんどこういった露出がない。ちょいセクシーなグラビアとかもまったくない。
結菜の生脚。ちなみに自分は黒島をいちどもそうゆういやらしい目でみたことはない。誓ってない。ただちょっと驚いただけ。
ただ、顔と雰囲気が好き。そうとしかいいようがない。黒島はあまり私生活も公表してない。たまにインスタで旅行に行ったときの風景写真ぐらいしかUPしない。それほど内面の事が分からない。ミステリアス。
性格がアッサリドライで物事に執着しない性格。長年黒島をチェックしていても内面がよくわからない。
かわいい。護りたい。あの男と発展してそうそうに結婚とかなったら日本の損失。たぶん自分はまさみと黒島を失ったらもうこの世に未練はなくなる。もっともっと女優として上を目指してもらいたい。

2020年11月23日月曜日

ディクスン・カー「蠟人形館の殺人」(1932)

ジョン・ディクスン・カー「蠟人形館の殺人」を読む。もうカーはどれを読んでも面白いものに出会えないことがほぼわかってるけど、一昨年秋に買っておいた本があるので読んでおく。2012年創元推理文庫の和爾桃子新訳の第2刷。100円でゲット。
THE CORPSE IN THE WAXWORKS (THE WAXWORKS MURDER) by John Dickson Carr 1932
アンリ・バンコラン予審判事が活躍する長編第4作目。1932年のパリが舞台なのだが、おそらく、登場人物紳士たちはこの文庫表紙のような服装。

パリの怪しい通りにあるオーギュスタン蠟人形館に入っていく姿が婚約者に目撃されたオデット嬢(元閣僚の令嬢)は館から出る姿は目撃されなかったのだが後日、高いところから落下し刺し傷がある状態でセーヌ川に浮かんだ。

この物語の語り手である「私」はバンコラン判事と一緒に蠟人形館を調査。この館を切り盛りする娘の言う事が要領を得ない。そうこうしてるうちに被害者オデット嬢の友人マルテル嬢が刺殺体となって、怪物サテュロス蠟人形に抱きかかえられている状態で発見。

これ、ほかのカー作品に比べれば読みやすい。それほどややこしいこともない。読んでてやっぱりそれほど面白い感じはしない。
「私」はバンコランの指示で蠟人形館の隣の秘密の社交倶楽部に潜入捜査し殺されかける。瀕死の重傷。江戸川乱歩のような展開っぽい。

この第4作はバンコラン長編では一番評価が高いようだが、それはマルテル嬢殺害犯が意外だからだと思う。この真犯人は誰も当てられない。推理作家はやろうと思えば誰であっても真犯人にすることができる。まったく容疑者に挙がってない人物が真犯人でしたってどうなの?

バンコランの真犯人への自決を迫る脅迫電話のくだりが酷すぎる。1930年代なので仕方ないかもしれない。時代を感じる。

2020年11月22日日曜日

宮崎あおい「初恋」(2006)

中原みすずの原作小説を塙幸成監督が映画化した「初恋」(2006 GAGA)をDVDが出て以来10数年ぶりに見返した。

当時アイドル女優として人気絶頂にあった宮崎あおい三億円事件の真犯人役を演じて話題になった。宮崎あおいが好きな人は当時ほとんどすべてが見たはず。
それに今も活躍中の柄本佑、青木崇高といった俳優たちも出演している。
主演の宮崎の次に小出恵介の名前がある。東大生インテリ不良役。小出は当時から人気俳優。

宮崎あおいが実の兄である宮崎将と役柄上でも兄妹として共演していることも話題になったはず。
映画の中で兄が裸の女と寝ている姿とか、妹宮崎あおいはどう見たのか?でもすでに20歳ぐらいのころだから何とも思わなかったかも。
最近は宮崎兄をまったく見かけない。調べてみたらここ5年以上活動がないので実質芸能界を引退しているのかもしれない。

宮崎演じるヒロインみすずは叔母の家に預けられ居場所がなく、夜の盛り場をうろついてやがて小出や宮崎将らのたまり場に出入り。
60年代後半の高度成長が進む東京新宿の雰囲気がすごくよく出てる。新宿駅南口とかガード下とか、中でも新宿伊勢丹の前を路面電車が走ってるシーンとか、ネオン広告とか張り紙とか、ジャズを聴く若者とか、当時を知ってる人は懐かしくてたまらないかもしれない。時代は安保闘争。学生と警察官は殴り合い。酷い時代。

貧しい人々はやさぐれた生活。ヒロインの母は昼間に下着姿で飲んだくれ。そりゃ兄妹も不良になる。
不良グループの紅一点だった気の強そうな美人は小嶺麗奈。この映画では宮崎兄と一緒の布団で裸で寝てるシーンがある。脱いでる。
(この人は広末涼子や田中麗奈と同世代で十代半ばから映画で活躍していたのだが、だんだん露出が減りKAT-TUN田口淳之介との噂になってさらに人気低落していった。2019年には大麻取締法違反で田口ともども逮捕されてしまった。いろいろと可哀想ではある。)

ヒロインはニットにミニスカでブーツ姿なのだが、これは現在でもオシャレな女の子として通用する。
バイクに興味を持つ。薄汚れたバイク店でそこにあったバイクに乗ってみる。免許もヘルメットもないまま公道で、自転車にも乗れないのにいきなりバイクで走りだすw そんなの自分はビビッて絶対にできない。
このことが後にあの白バイ警察官へとつながる。ひさしぶりにバイクに乗ってる宮崎あおいを見て、今の広瀬すずと同じように可愛らしいと思った。
仲間を半殺しのボコボコにした警察と権力を憎む岸(小出)はみすずに「計画」を持ち掛ける。それが現金輸送車から金を奪う計画。

事件当時の府中国分寺の道路と街並みは今ではすっかり変わってるはず。この映画はすごくよく昔の町並みがリアルに感じられる。車もバイクも。府中刑務所の壁も。
エンドロール情報によれば北九州や新潟など各地でロケをしたようだ。

雨でバイクが動かせない、トラックのビニールシートを引きずるなどのハプニングはちょっとドキドキ。
20歳の頃の宮崎あおいの新進人気アイドル女優としての魅力あふれる役柄。今見ても宮崎あおいに感心した。とても懐かしく感じた。

宮崎も今では2度目の結婚をして子供もできて30代半ばになって、もうさすがにかつてのように人気女優というわけにはいかないかもだが、女優として色々なタイプの映画を残した。申し分ない活躍をした。

2020年11月21日土曜日

小西桜子「初恋」(2019)

「初恋 FIRST LOVE」(2019 東映)を見る。監督はなんと三池崇史。まったく三池監督らしくないタイトルだが、ポスタービジュアルを見る限りやっぱり三池バイオレンス映画。PG12指定。プロボクサー役の窪田正孝が主人公。

ボクシングの試合と夜の繁華街でのヤクザと中国マフィアの抗争。首を斬り落とすシーンとか無意味にちょこっと挿入。やだ怖い。
大森南朋はマル暴担当刑事で薬の横流しもやってるアウトロー。染谷将太はチンピラヤクザだがオッチョコチョイですべての元凶?

刑務所から出たばかりの内野聖陽(異常にファッショナブルな若頭ってとこか)を出迎えるのが村上淳。こいつは普段から見た目が反社。
組長が塩見三省。倒れてからめっきりいけない老け込みかたをして心配してたけど、不自由な体ながら俳優の仕事をしててちょっと安心。
半グレ三浦貴大ベッキーも薬の売人?みんな闇社会。日本は田舎も嫌だけど都会も嫌。

自分がこれを見ようと思った理由は映像研の大生徒會会長小西桜子がヒロインらしいから。
父の借金のカタで体を売る憐れな女が小西桜子。ヨゴレ役。パンツ一丁の飲んだくれ性暴力父親に追いかけられる幻覚を見て大森から逃げ出し、脳腫瘍で余命宣告されやけっぱち主人公窪田をややこしい事態に巻き込む。中国マフィアに追いかけられるとか最悪。この世の地獄。

みんながヤクを横取りしようと画策する汚いやつら。バカ染谷ごときにやられるとか、輪をかけてバカ。銃を頭に突き付けた状態でどうして逆転される?

電車の中で小西が見るパンツ一丁父が沖縄の調べに合わせて踊る幻覚シーンが長い。面白いシーンだと思って入れたのかもしれないが寒い。
絶望の淵にいる男の目の前に美少女が現れ追われる身になるジャンルの映画にして反社怪獣大戦争映画。キャラがみんなマンガっぽい。スカッとお笑いバカアクション娯楽作映画。バカに徹しているという点で好印象ではあった。

残念ながら小西桜子の可愛らしいシーンはあまりなかった。幻覚を見て恐れおののくシーンか逃げ惑うシーンしかない。

2020年11月20日金曜日

岩井俊二「花とアリス殺人事件」(2015)

岩井俊二が自身の原作を脚本監督した「花とアリス殺人事件」(2015 ロックウェルアイズ)The Murder Case of Hana & Alice を今になってやっと見る。自分は2004年「花とアリス」が大好きだった。だがこの長編アニメ映画についてはなにも知らない。

見始めて驚いたのが「花とアリス」のテーマ曲がそのまま流れていたこと。たぶん岩井俊二のピアノ。
転校生アリス(蒼井優)が母親と学校へ横スクロールで歩いていくシーンも映画と同じ。
そして、アリスのバレエ友だちも同じかどうかわからないけど同じ質感。

見ていてだんだんわかってきた。映画では仲良しのアリスと花が中学から高校へ進学する時期。これはあきらかに中学校。よって、映画「花とアリス」の前日譚?
アリスの母は離婚してこの町へやって来た?バレエ教室が映画と同じ。近所に花だらけの家がある。花はアリスと出会う前は不登校生徒?

なぜ岩井俊二はこれを実写で撮らなかった?イメージに合うキャストが見つからなかった?登場するキャストたちが映画キャストそのまま。まるで同窓会イベント的なアニメ映画?
これは実際に役者が芝居をしてる様子を撮影してアニメに起こしたロトスコープアニメらしい。

転入した中学校の雰囲気がなんかおかしい。上級生が殺された?

平泉成パパとのシーンも映画の雰囲気そのまま。(平井成は別シーンでも別の役で登場する。これ、見る側を混乱させる)

鈴木杏の花がなかなか登場しない。やっと登場したかと思ったら、花の声がすっごく低くてびっくりする。
映画から11年後。もう「花とアリス」を覚えている人も少ない状態でのアニメ映画化。それ、遅くないか?中学生女子同士の会話がオバサン同士の会話のようにも聞こえる。

この二人が謎の元クラスメート湯田を追いかけるシーンのグダグダさが中学生らしいっちゃらしい。アリスがこどもすぎてバカすぎて迷惑。
そういえば映画「花とアリス」でも花は電車で見かけた男を追いかけていた。女子は中学時代からホレっぽい。

岩井俊二の映画はどれもヘンテコな部分があるのだが、この映画もかなりヘンテコ映画。
自分は「花とアリス」が大好きで何度も見た。ラストでふたりが学校へ出かけるシーンが映画とつながってることに感動。楽しかった。

2020年11月19日木曜日

加藤小夏

「父と息子の地下アイドル」(WOWOW 2020)で見て以来気になってる加藤小夏がテレ東ドラマ「メンズ校」第5話でゲスト女優的に登場するというのでチェックした。
サンミュージック所属の加藤小夏は1999年生まれの21歳。まだまだ世間の知名度は高くない。ドラマも映画もそれほど話題作に出ていない。でも世間に紹介して応援したい。
顔が和風。目が個性的。体型が華奢。結果、キレイなおねえさん役に最適。
もうすでに21歳だけど、なんとか学園ドラマにでも押し込んでほしい。ヒロインをイジメるキツイ性格の美人役も見たい。
欅でいうと藤吉夏鈴っぽい。誰か偉い人、主演映画をお願いしたい。
加藤小夏は2月にテレ朝で放送された「年下彼氏」第2話にもヒロイン役で出演していた。
主人公高校生が憧れる放送部のセンパイ女子。
もっと多くの目に触れる話題作出演ニュースを待っている。

2020年11月18日水曜日

片品村

ついに今年初めてのキャンプに行ってきた。昨年秋は台風、今年はずっとコロナ。しかもキャンプブームで関東近県は場所を取りづらいという状況下、先々週2年ぶりのキャンプに行ってきた。

事前に入念に気象資料に目を通し、快適に1泊2日を過ごせそうだと判断し、友人が以前から行きたいと言っていたキャンプ場を予約してもらって行ってきた。このひと月の間に2回目の群馬県。
沼田ICで降りて利根町に差し掛かると吹割の滝見物の車が渋滞していた。世間はもうコロナへの危機感がどこかへ行ってしまった。
群馬県片品村のHOTAKANE BASE(旧武尊根小学校キャンプ場)を選んだ。その名の通り廃校の有効活用キャンプ場。自分も友人も人生初片品村。

平成20年代まで現役だったようだ。1教室を1学年もしくは2学年で使用。そういう分校レベルの小学校。
この小学校の周辺が畑でほとんどまったく人家がない。夜はひたすら真っ暗。畑は電気柵が周囲に張り巡らされていた。
この日は客は5組しか入れてなかったようだ。テントの感覚を開けるため?
この小学校が標高797mの場所にある。事前の予想では寒いかもと思ったのだが、この日は夜だけ曇って放射冷却は少ないと予想。夜に多少雨が降ったのだが、結果、寒すぎず快適に過ごせた。

ここに上げた写真は翌朝のキャンプ場周辺を散歩しながらスマホで撮ったものだが、どれも気持ちいいぐらいにパキッとクリアに撮れた。
この日は11月とは思えないような陽気。じつに気持ちいい。
この日はあまりにいい天気で、片品村中心部の道の駅も、利根町の吹割の滝周辺も、沼田のとんかつ街道も、どこも車がいっぱい。だが我々は人の行かない場所にしか行かないw 片品の山の奥へ車を走らせた。
そこにスキー場廃墟を見つけた。調べてみたら「ほたか牧場スキー場」という2017年まで営業していたスキー場らしい。
今まで廃墟スキー場は盲点だった。気づいてなかった。今では新潟、長野、北海道など各地にあるらしい。
若者の数が減ってるうえに、スキーをする若者も激減。こうやって日本中のスキー場が廃墟になっていくのかもしれない。
ここで働いていた人々はどうなる?ここまでの路線バスはどうなる?
このスキー場はまだ営業停止から4年にも満たないのにこの廃墟感。

だが、片品村にはオグナほたかスキー場という立派なスキー場もある。そちらも行ってみたのだが、オグナはシーズン前でもペンションやスポーツ施設がしっかり現役な感じで頑張ってた。
若者よ、スキーをやれ!と言いたいところだが、自分も10年ほどまったくやってないw 人のこと言えない。そもそも若者はお金がないし、万が一怪我でもしたら職を失う。やはり日本はどんどん貧しくなってるのか。
どこを見ても色鮮やかな山と田園風景。片品村は日本の田舎にしてはまだ色々なものが機能してる。尾瀬へ入る前線基地でもある。大学生夏合宿需要もある。村外からやってくる人も多い。とても雰囲気が明るい村で良いイメージしかなかった。