2020年11月14日土曜日

ガガーリン 世界を変えた108分(2013)

以前から気になっていたロシア映画「ガガーリン 世界を変えた108分」(2013)を今年になってやっと見た。ガガーリン生誕80年を記念して作られた映画。この映画はとても評判がいいらしいので見てみた。

1950年代末から1961年の宇宙飛行までのソ連宇宙開拓史を見る映画。この映画に登場する人物たちが本当に当時の人々のように見える。画面に出てくる車、建物、飛行機、カメラ、機械がすべて当時の雰囲気を出している。

3000人の優秀なパイロットから選抜されて最後に残ったのが青年ユーリ・ガガーリン。
候補者たちは党と国家に命を捧げている。選抜テストがひたすら体力とカラダの頑丈さ、精神力と忍耐力の強さを試される。

この時代は自動操縦とか自動制御の機械が何回テストしたとしても常に接触不良や故障の恐れがある。それは即パイロットの死につながる。宇宙開発史には多くの犠牲があった。
それにしては当時の学者スタッフが楽観的すぎる。

軍人なので家族も妻も宇宙に行ってることを知らない。事後報告…というより、歓喜の臨時ラジオ放送で知る。それは男子を徴兵で取られた戦前の日本人も同じ。

一番驚いたのが、地上に降り立つガガーリンがパラシュート降下だったこと。え、カプセルみたいなのに入って帰還するんじゃないの?これは宇宙飛行士の資質にたよるところが大きい。途中で気を失ったりしてたら成功はおぼつかない。

ロケット打ち上げから地表に降り立つまで、それは富士急ハイランドのどのアトラクションよりも地獄の乗り物だと思ったw

フルシチョフ書記長を演じた俳優が白熊のような典型的なロシア人の悪役のような風貌だった。電話一本でガガーリンの軍での階級を1段飛ばして上げる指示をしてる様子とか、今の北朝鮮みたいだなと感じた。

「やったー!人類の宇宙一番乗りはソ連人だ!」という喜びを表現した1961年のソ連市民たちの様子が微笑ましい。この時代のソ連市民にはテレビがまだほとんど行き渡っていなかったようだ。

全盛期のソ連を懐かしむ映画。その点でまったく予想を超えない素直な普通の感動作。ファミリー向けとしても見れる。
ただし、この映画でガガーリンは「地球は青かった」とは一言も言わないw

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