2021年9月30日木曜日

土屋太鳳「 Wの悲劇」(2019)

2019年11月にBSプレミアムで放送されたリバイバルドラマ「Wの悲劇」が今年8月に再放送されたので見た。
原作は夏樹静子の同名小説。1984年に澤井信一郎監督が薬師丸ひろ子主演で映画化してるし、これまで5回もテレビドラマ化されている。自分は映画版はちょっと見たことがあるけど、テレビドラマ版はどれも見たことがない。

今回のBSプレミアム版は池田奈津子脚本、塚本連平演出。
あれ?映画では新進女優が大物女優のスキャンダルもみ消しのために身代わりになってのし上がっていく話だった気がする。
今回のドラマでは和辻摩子(土屋太鳳)が、一族の集まった別邸(?)で、「女は自立する必要ない」「女は結婚して男に守ってもらうことが幸せ」という古い考えを持つ製薬会社会長の祖父(大和田伸也)を刺し殺してしまう。いきなり襲われたから正当防衛。

警察に連絡せずに、スキャンダルを嫌う一族内で口裏合わせ。ヒロイン摩子の要請で指導のために滞在していたセンパイ女優(美村里江)も巻き込まれる。
この女優、以前はミムラという芸名で活躍してたはずだけど、芸名を変えたのか。
ヒロインの両親が岡本健一中山美穂。中山はともかく、岡本健一はとても年頃の娘がいる父親に見えない。いまだに爽やか青年。

主治医吉田栄作は摩子のアリバイ工作を進んで陣頭指揮。居合わせたみんなが一致団結。強盗に殺されたことにしよう。
グラタン8人分をテイクアウトし、摩子を東京に出発させたあとにグラタンを会長祖父の胃の中に注入。え、そんなことで犯行時刻をごまかせる?医者の言う事なら間違いないんだろうけど。
会長が強盗に殺された時刻にカード遊びをしてたことにしよう。日本人が夜遅くまでポーカーなんてやる?

ひとりひとり供述をとるのだが、摩子が東京に引き返した理由がプレゼントを忘れてきたから?そのプレゼントがウィスキー?!そんなん、田舎コンビニでも買えるだろ。

一方で渡辺いっけい刑事は「なんでわざわざ一族が集まってるその日を狙った?別荘に空き巣で入るなら人がいない日がいいのに」「しかも会長の寝室だけしか物色されてない」この刑事の疑問点がいちいちごもっとも。

このガマガエルみたいな顔の昭和な刑事は内部犯行を裏付ける証拠をつぎつぎと見つけていく。しかし、その証拠は誰かが犯行を露見させるために後にわざと置いたもの?!一族内部でギスギス疑心暗鬼。偏屈会長には全員が恨みを抱いていた。そしてののしり合い。
そこに部外者ミムラが立ち上がる。本当に摩子ちゃんが刺したの?という疑問を改めて提示。そして摩子の告白。おじい様が大嫌いだから刺した。
しかし、それも真相ではないな。この子が誰かをかばうとしたら、それは誰か?

そしてさらなる衝撃の真相。娘にあそこまでしてもらうとか、中山美穂ママがダメすぎる。男を見る目がダメすぎる。
てっきりミムラが探偵役で真犯人をあばくのかと思ったら違うのかよ。

BSプレミアムのつくるドラマはクオリティが高いのだが、この90分ミステリーはそれほど新鮮味のないごく普通のミステリードラマ。
最後の悲劇は一族内部崩壊をねらった渡辺いっけい刑事のせい。

2021年9月29日水曜日

全員死刑(2017)

「全員死刑」(2017 日活、東京テアトル)を見る。監督脚本は小林勇貴間宮祥太朗の初主演映画。R15+指定。
このビジュアルを初めて見たとき笑ってしまった。まともな映画だと思えなかった。

2004年の大牟田4人殺害事件をモデルにした映画。ヤクザ4人家族が隣家の資産家金融業家族3人とその友人1人を金目当てに次々と殺害していった事件。
犯人家族4人(両親と息子ふたり)全員に死刑判決が出たのには驚いた。(2011年に死刑判決が確定)
その全員死刑家族の次男が書いた獄中手記がその名も「我が一家全員死刑」。思わず「上手いっ」と声を漏らさずにいられないタイトル。

なのに映画の冒頭で「実話に基づいたフィクションです」「団体・人物などの名称はすべて架空のものです」と出る。登場人物は静岡イントネーションで話してる。これは静岡各地から集めたミックス方言。

最低最悪反社DQN一家の次男タカノリが間宮祥太朗。バッチリ刺青の入ったヤクザ。
六平直政からの他所の組からの頼みで兄弟のうちひとりを身代わり出頭に出すことに。
その前に金を渡され「暴れてこい」。こういうの、よくあることなのか。

で、刑務所から出てきたら家族は借金漬け。兄サトシから強盗を持ち掛けられる。やらなきゃ女を殺すと言われる。この兄のほうが本物ヤクザ。家族の為ならなんでもやるのがこの主人公。

貸金業の隣家吉田家が留守だと思いきや、次男が家にいる。こいつがユーチューバー。
中止しようかとも考えたが、兄の命令で後ろから絞め殺す。もうこの時点で兄弟は人非人。死刑でいい。
なかなか死なないので何度も殺す。コンクリートブロックを縛り付け死体を川に棄てる。通りかかった車に目撃されてる。いきあたりばったり無計画すぎる。DQNすぎる。

家族ぐるみで吉田家ママ(鳥居みゆき)も毒殺…しようとするのだが死なないので車の中で絞殺。
さらに長男、一緒にいたその友人も父の持っていた拳銃で頭を撃ち抜いて殺害。車ごと川に沈める。

これも平成の狂った事件。ヤクザを放置してる街は怖い。これも無能警察の責任。なんでこんな軽くフザケた映画を作った?

2021年9月28日火曜日

孤狼の血(2018)

 柚月裕子の同名小説を映画化した「孤狼の血」(2018 東映)を見る。アウトロー暴対刑事役所広司と新人刑事松坂桃李による、血で血を洗う広島ヤクザのバイオレンス映画。R15+指定。監督は白石和彌。脚本は池上純哉。

冒頭からヤクザ竹野内豊が金持って逃げた男を養豚場で拷問虐待という酷いシーン。ヤクザのフロント企業闇金融の経理係失踪(殺害)事件を役所と松坂コンビが追いかける。ヤクザ同士の殺し合い。日本の名優たちがみんなヤクザ。

大上(役所広司)は色気ムンムンのMEGUMIの取り調べはふたりきりで行う。ベルト締めながら部屋から出てくる。なにしてたん?
大上は探りを入れるために真面目堅物日岡(松坂桃李)をけしかけてパチンコ屋で喧嘩させる。ボコボコにされる松坂。怪我の治療が街の薬屋?それが丸暴の刑事?

大上がめちゃくちゃ粗暴。まるで組長のようにふるまう。敵対するヤクザから金を懐に入れてる。情報屋婆さんに金を渡し、ソープで聴き込み。どこもヤクザの島。旨い汁吸いながら尾谷組と加古村組の抗争の間を渡る。ヤクザが粗暴なら警察も粗暴。それが広島?!

広島大卒刑事の松坂「それ、マズイですって!」と止めるのだが、役所は「何がマズイんじゃあボケェ」の繰り返し。防犯カメラのビデオテープを手に入れるために放火までする。そんな脱法警察でないとヤクザには対抗できないらしい。

組の抗争で若いチンピラが殺される。でもってまた相手を殺す。役所にずっとくっついてる松坂は役所の不正を録音し偉い人に報告。こいつは潜入捜査官なの?

ヤクザ音尾琢真の下品さが酷い。チ〇コの真珠自慢とそれに乗っかる真木よう子のシーンに笑ってしまった。エリート警察官なのに役所の舎弟のように働かされる松坂が憐れ。
みんな悪人。こんな人たちの相手する仕事とか、いい大学出てすることじゃない。

大上はは頭のいい正義のヒーロー。警察上層部の弱みを握ってた。そして失踪。殺害され川に浮かぶ。全身に刺し傷。
松坂が養豚場のチンピラを力任せに殴り続けるシーンはスカッとした。空手最強。

日岡は尾谷の若頭一ノ瀬(江口洋介)をパーティー会場に誘き入れて、ラスボス五十子会長(石橋蓮司)をトイレで残虐に殺させる。和太鼓のビートに乗せて。このシーンがエグすぎる。便器にリアル生首とか逆に笑った。

この映画、すごいわ。反社同士を戦わせて世の中をキレイにお掃除。それが丸暴刑事の使命。スッキリ爽快!w
そして大上の意志を継いで日岡覚醒。広島県警のクソ監察官(滝藤賢一)の弱みも握る。そして西野七瀬がスナックママ役で出演してるLEVEL2へ。
西野はこの「孤狼の血」を友人と見にいったそうだが、いったい何目当て?若い女の子が見に行く理由があるとしたら松坂桃李?

2021年9月27日月曜日

Perfume巡礼 in 表慶館

Perfumeが表紙に登場したロッキングオン「JAPAN」2013年11月号の表撮影ロケ地に今になって(2021年9月)やっと巡礼を果たしてきた。
ここ、大正天皇ご成婚を記念して建てられたもの。現在では東京国立博物館表慶館。
ここ、何か展示会をしてるときじゃないと内部を見学できない。今回、乃木坂が展示会をしていたので内部に入れた。
Perfumeがユニバーサルに移籍して最初のアルバム「LEVEL3」を記念しての2万字インタビュー。おそらくパフュオタのほとんどが持ってる1冊。
今になってやっと自分もこの天蓋を見あげることができて感動。
このモザイク張りの床を
やっと見ることができて、踏むことができて感動。
この場所。円蓋の吹き抜け2階。
柱のマーブル模様が同じことをお分かりいただけただろうか?
プリンセスゆかさま階段
ここで入念に写真を撮ってるのは自分だけだった。階段手摺は係員が何度も何度も殺菌消毒してた。
いっぱい写真を撮ったけどもうこれぐらいにしておく。
のっち、あ~ちゃん、の場所も特定したのだが、大して変わりない写真なので。
あと、この場所はリップスライム「黄昏サラウンド 」MVのロケ地でもある。

PS. 今年もコロナのせいで音楽業界は制限ばかりで何もできず。そんな中でPerfumeは横浜ぴあアリーナで公演(8月14日、15日)を行った。
Perfumeが見せる未来。これはオリンピック開会式で見たかった。

2021年9月26日日曜日

殊能将之「黒い仏」(2001)

引続き殊能将之「黒い仏」(2001)を読む。講談社NOVELS版で読む。前作の「美濃牛」の半分以下の226Pというちょうどいいボリューム。

この本は、天台山で学んだ唐留学生の高僧が灰色の海を見て日本に帰ろうか…という場面から始まる。9世紀。

助手の不法滞在中国人アントニオとふたり、都心の待ち合わせ場所へ急ぐ石動戯作。バイオハイテク企業の社長大生部から、福岡県二丈町阿久浜の山寺安蘭寺に隠されているらしい円載の秘宝を探して欲しいと依頼された。

そしてダイエーVS巨人の王長嶋対決日本シリーズにわく福岡。住民がそろって家賃を滞納してるようなボロアパートの一室で、絞殺された男の死体。なぜか部屋からは指紋がまったく検出されない。

安蘭寺の阿久浜周辺でアル中オヤジにつきそう若い女という父娘に出会う。この女が福岡で短い間性風俗店に勤務していたにしては新築一戸建てに住むなど何かヘンだ。
この女は被害者男性と一緒にいたところを目撃されていた?なにやら社会派ミステリーっぽい。東京福岡の航空便アリバイとか清張っぽい。

これ、何か新機軸のちょっと変わった本格ミステリーなのかな?と思って手にとった。だがそれはまったく違っていた。後半から読者がまったく予想できなかったジャンルの本だったことが判明。
ミステリーと探偵と同時並行に、クトゥルー神話的な妖魔と何やら仏教勢力の壮大な超能力バトル?!

荒唐無稽だった。何か新しいものを期待してまったく珍奇なものが出てきた。これを面白いと言う人も多いのだが、自分としてはナシだった。大人が読むような小説でもない。
殊能将之という作家はデビュー作「ハサミ男」が有名だそうだが、自分はもうこの作家の本を手にとらないだろうと思う。

2021年9月25日土曜日

転がるビー玉(2020)

「転がるビー玉」(2020)という映画を見る。こんな映画の存在をまったく知らなかった。2020年1月に劇場公開されたらしいのだが、ひょっとして単館上映?企画も脚本も監督も宇賀那健一という人物。あまり詳しいことがわからない。

NYLON JAPAN創刊15周年記念としてPARCOが協賛製作した青春映画。 渋谷にある古いマンションでルームシェアをする女の子3人の生活、夢、青春を描いた映画。

吉川愛萩原みのり今泉佑唯というそれなりに有名な若手女優3人の主演作。うち2人が既に既婚者になってしまった。
とくに今泉はいろいろありすぎた。いつのまにか自称YOUTUBER男の子を孕むも男は収監。なので別名獄中出産。人気アイドル女優タレントとしての道はほぼ断たれてしまった。
なぜに萩原のように、まだどうなるともわからないとは言え若手映像監督男をゲットできなかったのか?

モデル愛(吉川愛)、ファッション誌編集部で働く瑞穂(萩原みのり)らの周囲にいる女たちや男たちを見ると、業界の人々はもれなく性格が悪いと思われる。仕事なんか死ぬ気でやる必要ない。
映画の中でも嫌なやつは見たくない。職場のやつらが口うるさい。これはメンヘラ金髪女が悪いのだが。
店員に「もっとはっきりしゃべってくれます?」とかいうチンピラ風情男とか映すな。他人に何か要望できる容姿か。

若者が若者向けにつくった映画。渋谷のおしゃれ若者はおしゃれ若者とだけ楽しくという潔さ。この映画にエモさを感じられるとすれば、それは若いということ。

若い女子たちの日常会話とかもう自分は聴いてらんない。いい年して昨日見た夢の話とか楽しそうにするな。
賞味期限が切れたぐらいで未開封のたくあんを棄てるな。洗濯機の中にビー玉があるぐらいで騒ぐな。

オーディションの面接官とかカメラマンってなんであんなにテンション低くて業務感出して偉そうなんだ。人間として人間に接することはできないのか。
食事を制限してストイックに走り込んでても現場では評価されない。見ていてつらい。

若い男女が集まるクラブでのライブ。コロナ前の華やかな渋谷はもう昔の話。自分はあの場所へ戻ることはもうない。たぶん東京はソドムとゴモラ。たぶんいずれ滅びる。
主題歌は佐藤千亜妃「転がるビー玉」(EMI Records)。

2021年9月24日金曜日

清原果耶「まともじゃないのは君も一緒」(2021)

「まともじゃないのは君も一緒」(2021 エイベックス)を見る。清原果耶成田凌が主演らしいので見る。これも2020年公開予定がコロナで延期になった作品。
監督は前田弘二。脚本は高田亮。名前に記憶があったので調べてみたら「婚前特急」(2011)の人か!

常識のない予備校数学講師成田凌がボケまくって、女子高生清原果耶がつっこみまくる。噛み合わないふたりを見て笑おうっていうコメディ映画。
女が強めのツッコミというパターンは「婚前特急」も同じ。だが、トレーラーを見ると少々スベリぎみで寒いのが気になったのだがしっかり視聴。

女子たちが「あのブス」とか茶飲み話してる。そしてその一味の制服JKがヒロイン清原果耶。憧れの男が知育玩具メーカー社長小泉孝太郎
予備校講師と個別授業。ずっとヒロイン清原が一気呵成にしゃべりっぱなし。数学講師の男がこのJKと話のペースを合わせない。
講師成田は女子生徒に食事に誘われたりする。「先生のことがすき♥」とか言われる。そういったことすべてをJK清原に相談。
JK清原は小泉社長の書いたビジネス書を全て持ち歩き講演会も追いかける。この男がなんかせこい感じがする。なぜこんな男にJKが夢中?
いろいろムッツリ不機嫌な清原果耶はカワイイ。

かっこいいのに変人すぎてモテない成田を清原が連れ回す。「そんなことじゃ結婚できないよ!」「?!」
成田講師が女の人とうまく付き合えるように練習するべく、いろいろ一緒に行動する。

バーで女子大生を清原の言うがままにナンパ。会話を盛り上げる。なんだこれ。こんな状況ありえる?ドラマとして無理を感じる。どう考えても清原成田ペアの発言行動に疑念を抱かざるをえない。
そして小泉社長が泉里香と一緒にいる店にも行く。いちおう清原から説明があるものの、やっぱり何やってんだ?という感じ。
何をやらせても成田が話をおかしくして清原の計画をぶち壊す。
だがJK清原だって変わり者キャラ。わからないことは質問魔。しかも行動は突発的。親の金で予備校に行ってるのに暇か。カラオケ行って飲み食いしてる場合か。
JK清原の意に反して(意図したことなのだが)成田が泉とすごくいい感じになってイライラの極致。そこで笑おうっていうコメディ。

小泉が清原をホテルに連れ込み行為に及ぼうとするエロ社長役なのが意外だった。清原が策士。
清原の策略は上手くいったように思われたのだが、現実はビター。このふたりは講師と生徒なのにこれでは勉強になってない。清原にも成田にも同意できないし爽快感もない。たしかにこのふたりはまともじゃなかった。

基本ずっと噛み合わない珍妙な会話劇。これはかなり見ていてイライラするし居心地悪い映画。ただなんとなくヘンテコ会話では面白いものにはならない。
いくら人気俳優で実力があってもこの脚本演出では面白くしようがない。自分にはかなりスベリたおしていたように感じられた。見続けることが苦痛だった。

2021年9月23日木曜日

殊能将之「美濃牛 MINOTAUR」(2000)

殊能将之「美濃牛 MINOTAUR」(2000)を講談社NOVELS版で読む。初めて殊能将之を読む。ノベルズ2段組み活字527ページの大ボリューム。

これが自分が事前に聴いていた内容と違っていた。浸かると癌も治るという聖なる泉を取材に行ったら、地主の畜産業者のブランド牛「美濃牛」の取材をせざるをえなくなる話。

4ぶんの1ほど読んだところでやっと殺人事件が起こる。美濃牛を生産する畜産業者の長男26歳が木に吊るされた状態で発見。首がない!
やっと話が動き出したかと思いきや、やっぱりまたいろいろ停滞。共同生活してる若者たち、都会で暮らす畜産業者の弟たち、村娘の妊娠…。

あと、この本でもやっぱり俳句に熱中する人々が登場。大手ゼネコンの嘱託社員っぽい風情で村に入り込んで、雑誌ライターたちを招き入れた石動が、刑事たちから邪魔扱いされつつ村のあちこちで世間話しながら聞き込みしてる。

半分まで読んでやっと2人目の犠牲者。今度は美濃牛を育てる羅堂氏(第1の殺人の被害者の父)が牛の像の角に刺さった状態の死体となって発見。
そして拳銃発砲男が逃走し山狩り。奇跡の泉のあると言われる洞窟で瀕死の男発見。
そんなバタバタした状況で羅堂の不動産業弟が橋の下で死体となって発見。

そして最後は洞窟探検。それは乱歩・横溝から続く日本人のDNA。
真犯人の動機には「え?」って思った。バブル経済時代の相続税問題からややこしいことしてた問題。それほど驚けなかった。
長すぎる。句会のシーンとかいらない。引用とかペダンチックで不要。

何か新しい特別なものを期待してもそれはない。2時間ドラマになりそうな娯楽エンタメ作。

2021年9月22日水曜日

春夏秋冬フォーシーズンズ乃木坂46 in 東京国立博物館 表慶館

9月某日、コロナワクチンを打ちに出かけた。コロナになって以来、土日に都心に出るのが初めて。ずっと繁華街に出るのを避けていた。ワクチン接種のためにどうせ街中に出ざるを得ないなら、友人(2回接種済み)と合流して上野の東京国立博物館表慶館で開催中の「春夏秋冬フォーシーズンズ乃木坂46」を見物していくことにした。

台風接近中でときおり強い雨。こんな日はきっと人が少ないはず…と想像していたのだが、予想以上に人が多かった。上野はいつもいろんな展覧会をやっている。
上野公園の反対側から歩いて行ったのだが、もうめちゃくちゃ蒸し暑い。
で、国立博物館の敷地内へ。自分、ここに過去何度も来ているのだが、表慶館の内部に入るのは初めて。正直、乃木坂の展示会だけだったら来なかった。表慶館めあてもあって、今回わざわざやって来た。

そしていつものようにロケ地巡礼。齋藤飛鳥が写真を撮った場所を押さえる。飛鳥ちゃんが日本国の首都東京の顔になっている。
台風接近中の大雨、こんなときに表慶館にいた95%はたぶん乃木オタ。
「4s46 春夏秋冬フォーシーズンズ乃木坂46」って一体何?パンフによれば
本展は、春夏秋冬の花が表現された7点の日本美術と、アイドルグループ・乃木坂46を重ね合わせて紹介する実験的な展覧会です。
とある。
狩野長信、酒井抱一、尾形光琳、上村松園、菱川師宣、俵屋宗雪、雪舟等楊の作品と一緒に、乃木坂メンバーがダンスしてる高精細映像をインスタレーション展示する企画。事前予約制なのでゆったり見れる。(期間は2021.9.4 - 11.28)
この展示がスマホ写真はOKで動画は不可とういもの。そのへんいたるところに係員がいるのだが、バシャバシャと写真を撮りまくる。
観覧してた人々は男2人組の若者が多かった。
来館者のほとんどが、こういうダンス映像が目当て。これを見て部屋を進んでいく。あっという間に見終わる。

星野みなみと与田祐希の特殊ディスプレイによる3D箱はまさに江戸川乱歩の「押絵と旅する男」になった気分だった。21世紀になっても日本人は「のぞきからくりパノラマ館」の世界。(これは撮影禁止)
今回の展覧会を記念したグッズ販売もやっていた。販売ブースは撮影禁止。だが、こういった来場者のための撮影スポットはある。メンバーが来場してサインを記入していった壁画。
自分はここ1年ぐらいもう「あすかちゃん」などとは呼んでいない。「あすかさま」と呼んでいる。乃木坂の顔だし日本の顔。
与田祐希は「よだちゃん」。素朴な愛嬌においてほぼこども。
山下美月。あざとさにおいて山下プロ。美少女から美女になりつつある。ほぼ乃木坂の田中みな実。
自分が4期生で一番注目している清宮レイさん(18)元気いっぱい明るいキャラで英語が堪能帰国子女。つづいて賀喜遥香と金川紗耶が好き。

全メンバー写真をぜんぶ押さえたかったのだが、そんなこと誰もやってなかったのでやらなかったw
グッズは飛鳥クリアファイルとポストカードしか買わなかった。こういうグッズの売り上げは逐一運営にデータ送信されてるはずなので、それぞれの「推し」はきちんと購入して「推しごと」しないといけない。

2021年9月21日火曜日

台風の科学

ブルーバックス「図解 台風の科学 発生・発達のしくみから地球温暖化の影響まで」(上野充・山口宗彦 2012)という本があるので読む。この本はわりと読まれているらしい。

自分、わりと気象学については勉強したのだが、10年ほどまったく触れていない。ときどき気象解説に耳を傾ける程度。(キャンプに行くときには天気図のほかに高層天気図で気圧の谷の位置を確認はする。)
何か知識を補完するために読んでおく。ブルーバックスを読むのは学生の時以来かも。

台風に関する知識のみの本。だいたい知ってることばかりだったのだが、第二種条件付き不安定(CISK)って言葉は記憶の奥底に沈み込んで忘れていた。
台風の目はアイウォールという雲の壁ができるのだが、その外側にもアイウォールが世代交代することを知らなかった。(スパイラルレインバンドと違うの?)

台風の目が楕円形や鉛直方向に傾いているときの渦としての中心点と地上気圧の最低地点がズレて「トロコダイル運動」を描くという点もまったく習った記憶がない。

台風中心部の降水量は移動方向でなく鉛直シアー前面左寄りで最大という事象もこの本で初めて知った。
気象衛星写真は可視画像、赤外画像、水蒸気画像は見慣れてるけど、マイクロ波による氷の粒のある場所の立体映像は見たことなかった。

ハリケーン・イザベル(2003)における目のなかのアイウォールメソ渦多角形構造とかも初耳。初見。

あと、地球温暖化によって熱帯性低気圧の発生数は減少するという計算予測結果はどうやら正しいらしい。そして台風が大型化するのも正しいらしい。水平方向にも高さも大型化した台風中心部の降水量が5割増しするらしい。(疑問視する声もある)

この本、「図解」ということなので、熱力学とかコリオリ力についての説明で簡単な数式すら出さない。入門者はそれでいいのかもしれないが、図と文だけではむしろわかりずらいこともある。

2021年9月20日月曜日

清原果耶「宇宙でいちばんあかるい屋根」(2020)

「宇宙でいちばんあかるい屋根」(KADOKAWA 2020)を見る。清原果耶が主演なので見る。監督脚本は「新聞記者」の藤井道人。企画製作前田浩子。

自分が初めて清原果耶を認識したのがおそらく「ちはやふる」か「3月のライオン」。名前を覚える間もなくあっという間に朝ドラ「おかえりモネ」で主演女優として活躍中。すごい。
自分としてはそれほどタイプでもなかったのだが、モネでのムッツリした感じが逆に良い。

冒頭から夜の街のドローン空撮映像からしてなんか良い雰囲気。BGMもアンビエントな感じで良い。2005年というテロップが出る。

夜の屋上でなにやら手紙を書いている?このヒロインは中学生?
両親が坂井真紀吉岡秀隆。この二人は初めて見るペア。母に起こされて慌てて起きる。坂井さんはここ最近で一気に老け込んだな…。
翌朝、路を挟んで隣家の部屋でバンジョーを弾いているのが伊藤健太郎。ヒロインはこの男に恋心?

で、遅刻しそうだと慌てて学校へ自転車でのんびり向かうのだが、河原の土手から転落。でも普通に学校にいる。男子生徒からクソビッチ呼ばわりされる。さっきから話のつながりがよくつかめない。
放課後は近所の書道教室?先生が山中崇。生徒の書く文字を批評。
このヒロイン大石つばめが夜を過ごす屋上はこの書道教室のあるビルの屋上?
で、キックボードを見つけて遊んでるとそこに桃井かおり。悪態をつかれる。ここはこのババアの所有地なの?

つばめちゃんはこの婆さんが星空を飛んでいる幻影を見る。
つばめはつい手紙を書いて投函してしまったことを後悔していた。「取り返したい?」キックボードの乗り方を教えてもらったから、取り返す。「年取ったらなんだってできる。」なんだこれ。願い事を叶えてくれる婆さんファンタジーなの?

このヒロインも口が悪い。時間の使い方について説教する婆さんに言い返す。「棺桶に片足つっこんでるババアに何が分かるの?」
手紙を取り返した(どうやった?)婆さんに食料を渡す。やっぱりホームレスなの?

隣家の亨くん(伊藤)のケバい姉(清水くるみ)がいかにも悪いヒモ男にひっかかってる。その件で姉と弟が路上で口論。目撃してヒロインはモネのような表情。
この件も婆さんに相談。さらに母親が本当の母親でないことも打ち明ける。お母さんはお父さんと幼い私を置いて出て行った。しんみり…。
つばめちゃんは婆さんとバスで海へ行く。費用はこの子がもつ。水族館のくらげ水槽が見たかったのか。年の差があるともだちムービー?
さらに打ち明け話。夏が終わるとお姉ちゃんになる。この家に血のつながった子どもが生まれる。不安を吐露。

書道教室の先生から水墨画をやってみないか?と勧められ、ひばり先生(水野美紀)の展覧会へ。水野さんはまだ美人といっていい感じ。
電線にとまる雀の親子の絵はがきをもらうも、「ママぁ~」と駆け寄ってくる小さい子を見てつばめは目が泳ぐ。雨に濡れて家へ帰る。ひばり先生はつばめちゃんのお母さんだったの!?東京で新しい家族をつくって幸せそうな母にショック。

つばめちゃんは婆さんの強いすすめで、姉のヒモ男をバイクで追いかけて事故った亨くんをお見舞い。もうバンジョーは弾けない。「つばめちゃんは家族を悲しませちゃダメだよ」

つばめちゃんは婆さんの胸でおいおいと泣きだす。親に酷いことを言ってしまったと。
亨くんのリハビリにつきそう夏休み。体がよくなったらまたバンジョーを弾ける。
つばめと亨は婆さんの孫が暮らすえんじ色の屋根の家を探し歩く。これはつばめの元カレヤンキーのおかげで判明するのだが、結果、かなりのビターで悲哀を感じさせる結末。
このままでは桃井かおりお婆ちゃんの登場する意味がわからないな…と思ってた。やっぱりチョイ奇跡が起こってた。

中学生女子と家族の心温まる交流ドラマ。家族のドラマ。
え、書道の先生はどこまで知ってたの?あまり説明っぽいところがない。いろいろ想像して補完しないといけない。
ひたすら庭付き一戸建て住宅が規則正しく並ぶ山の住宅地と屋根。その下にいる家族たち。そういうテーマの映画。
主題歌はなんとCoccoプロデュースの清原果耶「今とあの頃の僕ら」(カラフルレコーズ/ビクター)。

2021年9月19日日曜日

川端康成「川のある下町の話」(昭和28年)

川端康成「川のある下町の話」を読む。平山郁夫カバーの新潮文庫版(昭和33年)で読む。「婦人画報」昭和28年1月号から12月号に連載されたもの。
自分、川端は「伊豆の踊子」「雪国」ぐらいしか読んだことない。この一冊も存在をまったく知らなかった。知らない本だからこそ読む。

N町の病院でインタアン勤めの医学生達三(23)は眉目秀麗の色男。実家は父を亡くして母一人に兄夫婦だが、伯父が大病院の院長で学費を支援。娘の桃子といずれはいっしょに…という恵まれすぎ男。反感と嫌悪感しかない。
だが、この青年がとてつもなく真面目で爽やか。川で溺れた幼児を助ける。

この子には姉ふさ子がいた。焼け跡のお屋敷に小屋を建てて暮らしてたのだが、母が死ぬ。まだ子どもといっていい娘、その弟(たぶん行きずりの父の子)が取り残される。昭和20年代は生活保護を国家保護と呼んだ?だが、姉と弟の貧しい二人暮らし。弟は肺炎が手遅れとなり死んでしまう。
しかもその住まいが伯父の病院建設地。本来であれば支払う必要のない立退料を受け取って、ふさ子はどこかへ。達三はふさ子の美しい目が忘れられない。ふさ子は誰が見てもすごい美少女らしい。

達三の同級で同じインタアンの民子も聡明美人っぽい。密かに達三のことが好きだが、達三のふさ子への想いを知っている。よき友に徹する。

ふさ子はパチンコ屋の2階で住み込みで働く。弟の遺骨を置いておくのはおかみさんから嫌がられる。隣近所に住んでいた女の子ともだちが今は福生のキャバレーにいるので訪ねる。自分はわりと福生に詳しいのだが、進駐軍相手のキャバレーが現在のどのあたりにあったのか不明。
物語の舞台をN町と書いておきながら、福生と立川だけは具体的地名を書いている。なんで?ひょっとすると川端は福生に来て取材はしていない?

パチンコ屋が不良のたまり場で環境が悪い。夫人が泊りで外出し不良息子と夜二人きりになるので心配。ふさ子は達三の住む下宿へ。
達三は数日ふさ子を預かる。同じ部屋で異性と一緒に一夜を過ごすのは初めて。もちろんお互いなにもない。

この小説、1人の男に3人の女の話だが、ずっと川端康成の優しく暖かい人間性が伝わってくる。主人公達三の性格がよい。優しさゆえの悩み。
ふさ子のけなげさ、民子の頼りがいのある優しさ、そして器量は劣るにしても育ちの良い女学生桃子(達三のいとこ)もみんな人間性が良い。貧しく人の命がはかない終戦直後の日本にしても、切ないなりにほっとできる暖かい小説。

だがしかし、ふさ子は立退料25000円を入れた紙入れを達三に託していたのだが、ちょっと洗濯場に行って戻ってきた短い間に泥棒に盗まれる。下宿のおばさんも下宿人でない者がそんな大金を盗まれたことに半信半疑。全財産を失ったふさ子は姿を消す。戻った達三は盗まれた本人不在では警察に届けることもできない…。

だが、読者はこの金を盗んだやつが見えている。犯人は達三に金を借りにきた同じ医学生にきまってる。達三はインタアン先が変わったばかりで国家試験で忙しいにしても、なんであいつを疑わない?ちょっと調査すれば犯人を追い詰められるだろ。ここ、読んでいてすごくイライラするしストレス。パチンコ屋の女主人もわりと薄情。

ふさ子は友人をたよって福生のキャバレーでダンサーとして働いていた。ここのボーイ達吉が達三にそっくりの不良美少年。
だが、米兵に拉致されそうになったふさ子を助けようとして頭部に傷。そして破傷風。ふさ子が懸命に看病するもやがて死亡。ああ、自分の身近にいる人間はみんな死んでしまう。ふさ子は絶望。心を病んで有り金で立川までの切符を買い、立川から東京めざしてさ迷う。

お屋敷からピアノの音が聴こえる。やさしかった桃子のことを思い出す。中華料理屋で桃子から受けたやさしさが忘れられない。その家を桃子の家だと思い込んでしまう。「きちがい」の浮浪児だと思われる。だが、その家のかかりつけ医が民子だった。運命のめぐりあわせ。

そして悲しい最悪バッドエンド。これは切ないというより鬱小説。身寄りも無く貧しい少女が路頭に迷った憐れな末路…。

川端の文体がとても平易。これは中高生にも十分に理解できるし読みやすい。オススメする。大学生までに読んでおくべき。遠藤周作「私が棄てた女」の読後のような苦い後味の残る哀しみ。

読んでいて、これは映画やドラマの原作に向いていると考えていた。調べてみたら50年代に映画化されていた。

2021年9月18日土曜日

小松菜奈「糸」(2020)

中島みゆきの名曲をベースとした映画「糸」(2020 東宝 TBS)を見る。企画プロデュース平野隆。脚本は林民夫。監督は瀬々敬。主演は菅田将暉小松菜奈

北海道に生れた男女の出会いとそれぞれの人生。男女の前を通り過ぎていく多くの登場人物たち。北海道、東京、沖縄、シンガポール。平成ニッポン30年史を描く男女の壮大なソープオペラ。
この映画の後に菅田と小松はリアルにラブラブなので、それぞれのファンは見るのがつらいかもしれない映画。(こういうの、女優は若い男性ファンを失うだけなのに)

おそらく、ガッキー主演の「ハナミズキ」と同じようなノリで作られたに違いない映画。こういうダラダラ長い映画を作るのはTBSじゃないかな…と思ってたら、やっぱりか!
これがもう予想したとおりの幼い男女が出会って、人生いろいろあったよね…っていう映画。
北海道美瑛の風景がやっぱり壮大。どっちを向いても広い草原がある。北海道は土地が有り余ってるのになぜに人が移り住まない?農業はもっとなんとかならないのか。

少年が花火大会で知り合った心優しいヒロイン少女がなんか暗い。将来の夢を描けない。
そして失踪?家庭がなんかおかしかったという証言。暴力をふるう若い男?ごはんは別の家で食べさせてもらってる?
そして7年後、チーズ工場で働く菅田将暉。職場の同僚が榮倉奈々

その1年後、友人(成田凌と馬場ふみか)の結婚式に参加するために東京。ああ、このカップルは13歳のときのあの子たちか。渋谷で13歳のとき美瑛から失踪した園田葵の目撃情報。

物語は数年スケールで前後する。再び中学時代の回想シーン。
目に眼帯した少女とか見てらんない。これは児相案件。子どもが粗暴な父から乱暴されても近所が通報でもしないかぎり露見しない。平成はそんな問題も解決できなかった。
少年は少女を連れて逃げる。雪の中を軽装で。青森のリンゴ農園で働こう!
だがそこに無能警察登場。状況把握能力が著しく欠如してる。なぜに子どもたちが逃げるのかわからないのか?目の周りが赤く腫れて眼帯してるのに?少年に暴行を振るうのに?即父親逮捕だろ。なぜに子どもの方を押さえつける?大人なら優しい言葉で諭せ。この警察官は全員処分しろ。
中島みゆき「糸」をバックに警察官がこどもたちを取り押さえるスロー映像。いまだに金八先生みたいな演出。

美男美女に成長して再会した菅田将暉と小松菜奈。思い出話。園田(小松)は経営学を学ぶ大学生になっていた。「漣くんに会えてよかった。じゃあね。」金を持ってそうな斎藤工社長のクルマで去っていく。
その1年前に園田はキャバ嬢。そのとき斎藤工社長の御指名で出会う。高層マンションで同棲中。だが、社長は資金繰りに詰まって失踪。この映画、ひたすら映像で説明していく。

そして沖縄。社長は髭面の釣り人になっていた。押しかけ女房。地元の古老たちとカチャーシー。
菅田と榮倉は一緒に住むことになった。成田は1年で離婚し美瑛に戻って二階堂ふみという新しい女。この映画、ちょっとした脇役も豪華。
役場で菅田は小松と再会。何年も会ってない母の生活保護の件で来てるとか…、顔を合わせるのも気まずい。
園田母を探して函館へ。漁村の兄を訪ねると母(山口紗弥加)はすでに死んでいた…。

9年間いろいろあった園田に対してずっと美瑛から動かなかった漣は「これからも美瑛で暮らしてく」と小松を見送る。沖縄に戻ると斎藤工は消えていた。この男はやはり金。
小松はキャバ嬢時代の友人山本美月を頼ってシンガポール。金持ち中国人相手のネイルサロン?まさに流浪。
山本は客とのトラブルで仕事をクビ。日本に帰ろう。しかし園田は経営学を勉強してたおかげで起業を決意。資金を稼ぐためにホテル客室清掃、観光ガイド、厨房、バイトの毎日。

榮倉は妊娠中なのに悪性腫瘍?産むか手術か?ギリギリの選択…かと思いきや、もう次のシーンでは子どもが生まれてる。
榮倉はガリガリになって死んでしまった。幼い子どもを残して。とにかく駆け足。

園田はシンガポールで成功。マリーナベイサンズをバックにセレブパーティー。なのにやっぱりまた山本が会社の金を不動産投資で溶かして逃げるという暗転。そんなことばっかりやってるw 
園田は斎藤工社長から受け取った金で乗り切る。高杉真宙に退職金を渡す。そこで中国語版中島みゆき「時代」が流れる。なんで?
園田はひとりカツ丼で涙。スピーカーから「糸」が流れてる。なんで?

そのころ漣は美瑛から世界へ出せるチーズ作りに試行錯誤。死んだ妻の両親にチーズをふるまうのだが、もう十分だからどこへでも行け!と言われる。成田の妻二階堂も躁鬱症?
そんなお通夜みたいな状態で中島みゆき「ファイト」を成田は熱唱。今それ聴きたくないw
いろいろあった末に、園田はかつて暮らした嫌な思い出のあの家に戻る。泣いてるところを漣の娘に慰められる。
時は平成の終わりのカウントダウン。平成の走馬灯。そしてフェリー乗り場での園田と漣のすれ違いの末の再会。

130分で見る「北の国から」みたいな、いろいろあっていっぱい泣いて…という人間ドラマ。いろいろ展開は早いのだが長くて飽きた。正直、2回目は見たくない。
漣の両親家族がまったく登場しないし触れもしないのは違和感。

はあ、モッチリ色白で小松菜奈かわいい。こんな映画いっしょに撮ったらお互い好きになっちゃうでしょという映画。