2019年11月にBSプレミアムで放送されたリバイバルドラマ「Wの悲劇」が今年8月に再放送されたので見た。
原作は夏樹静子の同名小説。1984年に澤井信一郎監督が薬師丸ひろ子主演で映画化してるし、これまで5回もテレビドラマ化されている。自分は映画版はちょっと見たことがあるけど、テレビドラマ版はどれも見たことがない。
今回のBSプレミアム版は池田奈津子脚本、塚本連平演出。
あれ?映画では新進女優が大物女優のスキャンダルもみ消しのために身代わりになってのし上がっていく話だった気がする。
今回のドラマでは和辻摩子(土屋太鳳)が、一族の集まった別邸(?)で、「女は自立する必要ない」「女は結婚して男に守ってもらうことが幸せ」という古い考えを持つ製薬会社会長の祖父(大和田伸也)を刺し殺してしまう。いきなり襲われたから正当防衛。
警察に連絡せずに、スキャンダルを嫌う一族内で口裏合わせ。ヒロイン摩子の要請で指導のために滞在していたセンパイ女優(美村里江)も巻き込まれる。
この女優、以前はミムラという芸名で活躍してたはずだけど、芸名を変えたのか。
ヒロインの両親が岡本健一と中山美穂。中山はともかく、岡本健一はとても年頃の娘がいる父親に見えない。いまだに爽やか青年。
主治医吉田栄作は摩子のアリバイ工作を進んで陣頭指揮。居合わせたみんなが一致団結。強盗に殺されたことにしよう。
グラタン8人分をテイクアウトし、摩子を東京に出発させたあとにグラタンを会長祖父の胃の中に注入。え、そんなことで犯行時刻をごまかせる?医者の言う事なら間違いないんだろうけど。
会長が強盗に殺された時刻にカード遊びをしてたことにしよう。日本人が夜遅くまでポーカーなんてやる?
ひとりひとり供述をとるのだが、摩子が東京に引き返した理由がプレゼントを忘れてきたから?そのプレゼントがウィスキー?!そんなん、田舎コンビニでも買えるだろ。
一方で渡辺いっけい刑事は「なんでわざわざ一族が集まってるその日を狙った?別荘に空き巣で入るなら人がいない日がいいのに」「しかも会長の寝室だけしか物色されてない」この刑事の疑問点がいちいちごもっとも。
このガマガエルみたいな顔の昭和な刑事は内部犯行を裏付ける証拠をつぎつぎと見つけていく。しかし、その証拠は誰かが犯行を露見させるために後にわざと置いたもの?!一族内部でギスギス疑心暗鬼。偏屈会長には全員が恨みを抱いていた。そしてののしり合い。
そこに部外者ミムラが立ち上がる。本当に摩子ちゃんが刺したの?という疑問を改めて提示。そして摩子の告白。おじい様が大嫌いだから刺した。
しかし、それも真相ではないな。この子が誰かをかばうとしたら、それは誰か?
そしてさらなる衝撃の真相。娘にあそこまでしてもらうとか、中山美穂ママがダメすぎる。男を見る目がダメすぎる。
てっきりミムラが探偵役で真犯人をあばくのかと思ったら違うのかよ。
BSプレミアムのつくるドラマはクオリティが高いのだが、この90分ミステリーはそれほど新鮮味のないごく普通のミステリードラマ。
最後の悲劇は一族内部崩壊をねらった渡辺いっけい刑事のせい。
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