2025年7月31日木曜日

加藤小夏「海老だって鯛が釣りたい」(2025)

加藤小夏さまが中京テレビ制作の日テレ深夜ドラマ「海老だって鯛が釣りたい」第4話に突然登場。(もしかして第4話のみの出演?)
ヒロイン海老子(田辺桃子)に恋の予感を抱かせる韓国男の推しアイドル?が小夏さまの役どころ。韓国でアイドル目指してレッスン中というシーン。
そういえば小夏さまは過去にも地下アイドル役をやったことがあった。それに本人もハロプロオタ。
そんなことよりも小夏さまにふさわしい映画やドラマの企画はないのか。
日々、小夏さま不足

2025年7月30日水曜日

東野圭吾「白夜行」(1999)

東野圭吾「白夜行」(1999)を2002年集英社文庫版(2008年35刷!)で読む。ついに読む。
これは2023年6月にBOで買ったものなので2年積読本。なんで買った時期が分かるかというと、レシートが挟まってたから。

なんと854ページもある。おそらく一冊の文庫としては自分史上最長最厚。厚すぎてなかなか開こうという気になれなかった。それにドラマと映画ですでに見て内容を知ってるし。

だが、3日かけて読み終わった今、余韻に浸って呆然自失としてる。長かったのだがページをめくる推進力がある。
これはもう日本戦後社会派ミステリーとして屈指の名作。読んでる最中に「砂の器」「ゼロの焦点」「飢餓海峡」「火車」といった社会派推理小説の名作が思い浮かんでた。山崎豊子だったかもしれない。これは推理小説とは言えないかもしれない。
ドラマ映画を見た人は原作も読むべき。別の感動が得られる。東野圭吾はまるで文豪。

原作は唐沢雪穂という美少女と桐原亮司という少年の関係がまるで見えずひたすら不気味。雪穂の周辺で自殺や事故死、レイプ事件など発生。周囲の人々が不幸になってる。
その背後関係や真相が一切スルーされたまま本は進んでいく。ずっと「あれはなんだったの?」と疑問マークが浮かぶ。

てか、2006年の綾瀬はるか、山田孝之、武田鉄矢によるドラマ「白夜行」はなんとなくしか記憶にないけど、原作とまるで雰囲気が違う。ドラマは原作の行間を補足説明するような内容だった。
ドラマ版はこのふたりの男女に同情的だが、原作だとふたりがかなりの悪党。悪い奴らは子どものころから性悪。

ドラマ版はなんと最後のほうに書かれた事件の真相を初回ですべて明らかにしてた。なんでそんな構成にした?
第2話から見始めて最終回ひとつ前に第1話を見てから最終回を見るようにすればいいのかもしれない。(それでもダメかもしれない)
ドラマ視聴者にとっては密室の件やアリバイの件よりも特殊な男女の関係が重要。
堀北真希、高良健吾、船越英一郎らによる2011年映画版はあまり記憶にないのだが、ドラマ版も映画版も衝撃ラストが原作に忠実だった。

ドラマにも映画にもある初老刑事による嘆きの愁嘆場は原作になかった。唐沢雪穂という悪女の徹底した冷徹ドライさが徹底。松本清張に出てくる悪女の質感。
この稀代の悪女になんら司法の鉄槌も天罰も下らずでは読者はイライラかもだがノワール小説としては適切。

この本を読んで、雪穂と亮司は東野圭吾と同世代だと知った。
70年代オイルショックから始まって80年代90年代。作者と同年代読者は登場人物と同じタイミングで日本の社会情勢を経験。一緒に時代の変化を見てきたはず。(自分は桐原父殺害の真相で飯塚事件のことも想ってた)

東野圭吾は、あの酷い時代をたくましく強かに、ふてぶてしくずる賢く生き抜いた同世代を描いていた。それは多くの読者も自分の歴史を見るかのように共感。まだ読んでいない人は読め!今の学生も読め!これは大傑作かもしれない。

自分もまだ読んでない東野圭吾がたくさんある。今後、検討じゃなくて読書を加速させる。

2025年7月29日火曜日

長濱ねるはCONTAX T2の使い手

長濱ねるが7月18日放送の「ララLIFE」に登場。この回が若者たちへフィルムカメラの魅力を啓蒙するものなのもあってチェック。
これは以前から知られていたことだが、長濱ねるは90年代の高級コンパクトフィルムカメラ「CONTAX T2」を使用している。
おそらく、ねるの周辺にいる意識高い系な大人の男性たちがアドバイスした結果に違いない。自分ならリコーオートハーフとかスメナとかオリンパスペンSとかにしとくのに。
しかし、「CONTAX T2」には伝説がある。ユーゴ内戦時に戦場カメラマンがこのカメラが弾丸を受け止めて命拾いしたというエピソードだ。機会があったらねるに教えてあげたい。

自分の人生において、スマホ以外でもっとも写真を撮ったカメラがCONTAX T2だった。自分にとって人生2台目のカメラだった。今はもう10年以上フィルムを入れていない。電池も安くない。
あと注意点として、このカメラは赤外線アクティブ式という測距でピントを合わせているのだが、それはあまり信用してはいけない。ダイヤルを回してピントが合うとランプが点灯するのを確認したほうがいい。チャッターチャンスを逃さないためには目測ピントも併用するべき。それ、使い始めたころはわからなくてピンぼけ写真を連発した。
自分も新しいカメラを買うと何を撮ったらいいのかわからず、東京タワーに行ったことがある。ねるとやってることがほぼ同じで親近感。
自分は長年あこがれているけど暗室作業というやつを経験したことがない。自家現像というやつも経験がない。リールやタンク、現像液、フィルムスキャナーなどを用意する金がないw
フィルムカメラをやってみたいという若者は多いらしく、暗室ラボを時間貸しするカメラ量販店もあるのだがまだ踏み出してない。印画紙をバットに浸して絵が浮かび上がってくるという感動を一度は味わいたい。
現在、長濱ねるはアイドル卒業後初となる写真集を発売中。かなり売れてるらしい。

2025年7月28日月曜日

青い鳥文庫「スペインむかし話」(1991)

講談社青い鳥文庫から出てる「スペインむかし話」(1991)を読む。もらった本で読む。編訳は川真田純子。挿絵イラストはなんとモンキー・パンチせんせい。

9本の昔話を収録。だいたい中世以降のものらしい。すでにアンダルシアからイスラム勢力を駆逐した以降らしい。日本だと鬼とかに相当するものがすべて魔女か悪魔。神はキリスト。
  1. ファニータ
  2. 神父の遺産
  3. 騎士マキシムの物語
  4. ある仕立て屋の話
  5. 綿姫
  6. うでをなくした女
  7. 青沼
  8. マリアーナ
日本の昔話もそうかもだがスペインの昔話も残酷なものがあったりする。「ある仕立て屋の話」「青沼」はむしろ怪談。

「ファニータ」は知略に充ちた計算高い女。ヨーロッパの昔話のめでたしめでたしは身分の低い貧しい女(もしくは男)が王子さまや王女さまと結婚するケースも多い。

2025年7月27日日曜日

遠藤さくら「トラックガール2」(2025)

遠藤さくら主演のFODドラマ「トラックガール2」の地上波放送が始まってる。
初回でいきなり婦人警官姿で驚いたのだが、これはインフルエンサー化したヒロインへ警察からのオファー…という回。
配信やBSや深夜ドラマはいろんな企画が可能。これも大したことは起こらない日常ドラマ。しかし、物流でこの国を支えるトラックドライバーが美少女という、それはそれで注目のドラマ。
遠藤さくらさん(23)はそれほど美女とは思えない。声質も女優を感じない。しかし、個性派女優の感じはする。
女トラックドライバーは男職場でナメられる。ナメられないようにいろいろ割り切った性格になる。ドラマの作り手側からすると女性向けドラマとして送り出してるかもしれない。
遠藤さくらは演技が上手。朝ドラ出演歴もある。もっと大きい企画はないのか。
毎回ラストで酒を飲むシーンがある。アイドルが酒を飲んでる様子を見る機会は一般ファンにはあまりない。

2025年7月26日土曜日

福原遥「明日はもっといい日になる」(2025)

福原遥主演のフジ月9ドラマ「明日はもっといい日になる」が始まってる。若手女優は刑事役をやりがち。
電車内でマークしてた重要参考人よりも、目の前で痴漢被害に遭っている女子高生を助けてしまい上司から大目玉。いや、これは福原刑事が正しい。目の前で泣いている人を救えない人が社会の正義を護れるはずがない。
で、落ち込んでる福原刑事にさらなる不幸。
署でいちばん偉い人から移動の辞令
え、女刑事が児相へ移動?そんなことあんの?福原、つねに困り顔。
いや、児相ヒューマンドラマとか見る気が起こらない。どうしたって不幸な子どもたちを見て暗い気分になる。
児童虐待とネグレクトはとっとと親から子を引き離せ。そういうイラつくシーンだらけ。ごめん、もう見てらんない。
かわいい福原遥を見たかったので第1話をチェックした。

2025年7月25日金曜日

カーター・ディクスン「黒死荘の殺人」(1934)

カーター・ディクスン「黒死荘の殺人」(1934)を読む。南條竹則・高沢治訳の2012年創元推理文庫で読む。
THE PLAGUE COURT MURDERS by Carter Dickson 1934
ディクスン・カー/カーター・ディクスンを久しぶりに読む。もうこの作家にそれほど期待していない。これはコロナ期間中にBOで55円で購入。いくらなんでもそれは安い。もしかするとバイトくんが値付けを間違えたのかもしれない。

これがHMことヘンリー・メルヴェール卿初登場の第1作長編。といっても本の真ん中あたりまで登場しない。

私(ケン・ブレーク)は友人ディーンに幽霊屋敷で一緒に一晩明かしてくれないか?と頼まれる。なんでも幽霊の出る屋敷らしい。ブレークくんはさらにマスターズ警部も連れて問題の幽霊屋敷「黒死荘」へ。
その屋敷ではディーンの婚約者と降霊会の最中。

だが、庭に建つ石造りの密室内で、降霊を行う心霊研究家ダーワースは血の海で死んでいる…。
ここから先はマスターズ警部の取り調べ。博物館から盗難された剣の創作で現場に闖入してきた警官、そしてブレークくん(過去に警察に協力して事件解決した過去が?)らと現場の関係者に聞き込み捜査。(欧米人は夜更かしに強い)

現場に居合わせ困ったフェザートン少佐とブレークくんは陸軍省へ。多忙そうなヘンリ・メリヴェール卿に協力要請。

カーター・ディクスンを読んでいて毎回思うのだが、事件のあらましの説明がとにかくわかりにくい。そして、事件の真相がわかったらしいHMの説明の構成力がとにかく酷い。

カーター・ディクスンが人気でアガサ・クリスティーに及ばない理由がわかる。もっと劇的にわかりやすく書け。構成がとにかくわかりにくいし、話が予想通りテンポよく進まない。爽快感もない。ドイルやアガサのように映画化もされないのも納得。

しかし、密室殺人のバリエーションのひとつとしてトリックに感心はした。犯人も意外。

2025年7月24日木曜日

小林登志子「シュメル人」(2007)

今現在「アッシリア全史」で多くの人に読まれている古代メソポタミア史の専門家小林登志子せんせいの「シュメル人」(2007)読む。
2007年に新潮選書から「5000年前の日常 シュメル人たちの物語」として刊行された本の2025年講談社学術文庫版。

自分、シュメル人という言葉を高校世界史以来まったく触れてなかった。シュメル人の都市国家というとウル・ウルク・ラガシュという名前だけ呪文のように覚えている。

日本史では最古の名前の知られた日本人は、「後漢書東夷伝」に書かれた「漢委奴国王」金印を洪武帝から授かった帥升。それは1世紀後半のこと。

だが、古代オリエントは人類最初の文明発祥地。紀元前5000年前からチグリス・ユーフラテスの肥沃な三日月地帯で灌漑を整備し小麦を栽培し、神殿と城郭都市を作り上げ、紀元前3400年前ごろには楔形文字まで発明してしまったシュメル人たちは、王と后妃と子どもたちの名前を粘土板や石に刻み始めた。多くの記録を残した。スケールの違う悠久の歴史。
楔形文字が解読されていることがそもそもすごい。

そんな遥むかしの人々だが、今日の現代人から見てまったく異なって見えるというわけでもない。この小林せんせいの本を読むとすごくいろんなことが親しみを持ってわかってくる。学術本だから読みづらいのかな?と思ってたけどそんなことはまったくない。むしろ読みやすい。

ウル第三王朝ウルナンシェ王の奉納額を読み解くという第1章から始まって、ラガシュエアンナトゥム王の戦争での功績、后妃たちの結婚と葬式、シュメル人たちの交易、シュルギ王などなどをトピックとして語る。

シュメル人とはアッカド語での呼び名。シュメル人たちは自らをキエンギ(葦の主人の土地)と呼んだらしい。王はルガルエンシと呼ばれたらしい。

日本ではシュメル人はシュメール人と呼ばれることが多い。これは第二次大戦中に超古代史が流行って「高天原はバビロニアにあった」とか「すめらみことはシュメルのみこと」だとかいう珍説が流布してしまったために、中原与茂九郎京大名誉教授が混同されないように音引きを入れて「シュメール」としたとこの本に書かれている。古代オリエント史を学んだ三笠宮崇仁親王殿下は師から直接こううかがったらしい。てか、バリバリの軍人だと思ってた三笠宮様がオリエント史が専門の歴史学者だったとこの本で知った。

今回いろいろ驚いた。王が死ぬと后妃たちは殉死させられていたこと、王や神官は剃髪してたらしいこと、元祖たいやきともいえる魚型パンのパン型が出土してること、女性の裸をかたどったパンがつくられていたこと、楔形文字は学校で教えられていて歴代王の中には文字を読み書きできた者もいたこと、などなど。

あと、シュメル初期王朝を記載した「シュメル王朝表」という記録に、キシュ第三王朝に「シュメルただ一人の女王クババ」という王がいたらしくて驚いた。クババって「やりすぎ都市伝説」の関暁夫経由でしか知らなかったからw

さらに、「山月記」などで知られる日本の中島敦はなぜか古代オリエントを舞台にした短編小説を2つ書いている。「木乃伊」「文字禍」だ。
「文字禍」は「楔形文字を題材とした我が国唯一の小説」だと小林先生が書いている。だが、中島敦がどこでどうやって古代オリエント史に触れる機会を持ったのかが今も不明らしい。まじか。中島敦「文字禍」を探してきて読まないといけない。

この本は面白かった。次に「アッシリア全史」を探し出して手に入れてこようと思う。

2025年7月23日水曜日

賀喜遥香&筒井あやめ「量産型ルカ」(2025)

賀喜遥香筒井あやめ主演のテレ東深夜ドラマ「量産型ルカ」(2025)の放送が7月から始まってる。
これもいつものように畑中翔太が原案で脚本書いてるテレ東アイドルドラマ。よくも毎回大して変化のないやつを持ってくる。
この手のドラマの良いところ、それは、見るのに何も集中力が要らない。大してストーリーというものがない日常ドラマ。何かをしながら見れる。1話や2話見なくてもドラマを見るのに何も支障がない。
それでいて旬のかわいいアイドル女優が見れる。賀喜遥香さんは今年の8月で24歳になるのにJK制服姿が見れる。賀喜さんの脚はかっこいいなって思った。
賀喜さんは性格が大らかで頼りがいがあって面白い。みんなから好かれる性格。とぼけたヒロイン役にぴったり。
筒井あやめさんはもう21歳だったのか。この子もとぼけた味わいのある演技者。ついツッコミを入れたくなる会話が楽しそう。

2025年7月22日火曜日

田中啓文「シャーロック・ホームズたちの冒険」(2013)

田中啓文「シャーロック・ホームズたちの冒険」(2013)を2016年創元推理文庫版で読む。
「歴史に名を残す人々は、誰もがみな名探偵だった!?」という奇想天外ミステリー短篇集。

「スマトラの大ネズミ」事件
シャーロック・ホームズの知られざる事件。ワトソンの未発表原稿。ホームズにそれほど詳しくないという筆者の巻末あとがき弁明によれば、ホームズと相互に矛盾しないように1行ごとに確認が必要で、通常の3倍の時間がかかったそうだ。
事件現場には生首のみ残されて…という怪奇な事件だが、その真相も怪奇ホラー。

忠臣蔵の密室
吉良邸に討ち入った大石蔵之介。すでに炭小屋で吉良上野介は死体となっていた。周囲には雪が積もっていて密室なのだが。
蔵之介の妻りくが手紙のやりとりだけで謎を解く。

名探偵ヒトラー
マルティン・ボルマンの手記による名探偵ヒトラーのエピソードというてい。厳重警備の要塞のような部屋から「ロンギヌスの槍」が盗まれた。ヒトラーが解決という話。
ヒトラーを頭のいいヒーローのように描くなと批判されそうだが、捜査の過程で無実の掃除夫、料理人、SS将校たちを次々と射殺処刑。それは酷い。たぶんこのパターンは「名探偵スターリン」でも可能かと。

八雲が来た理由
なんと小泉八雲が友人西田千太郎といっしょに妖怪騒ぎの謎を解く。しれっと嘘が書かれてて、どこからどこまでが史実なのかわからない。

mとd
神出鬼没の怪盗ルパンが酷薄な美術コレクター伯爵から「サンラーのスカラベ」を盗むと予告。ガニマール警部らの追跡をものともせず友人のルブランとの冒険活劇。

夏休みの1日にささっと読むのに適した楽しい短編。まるでパスティーシュ同人誌のようで感心した。

2025年7月21日月曜日

キングダム「大将軍の帰還」(2024)

映画「キングダム」の4作目にあたる「大将軍の帰還」(2024)をやっと見た。見ないでいるうちに地上波金曜ロードショーで放送(7月11日)。なので録画しておいて見た。
監督は第一作から変わらず佐藤信介。脚本は黒岩勉と原作者原泰久。音楽はやまだ豊。
今回は第一作からずっと謎の存在感を出してる王騎将軍(大沢たかお)主役回。
王騎の過去を回想するシーン。自分、事前に予想してなかったのだが、新木優子が摎として初登場。男として軍人として育ったやんちゃ姫。ほぼ「リボンの騎士」。
これ、自分の目当ては長澤まさみ楊端和。だが、ワンシーンだけ?!
正直それは事前に予想ができていた。楊端和が活躍するのは第一作のみ。なので今作はぜんぜん見る気が起こらなかったw
まさみ楊端和は嬴政(吉沢亮)に「お知らせ」にやってくるだけ。ズコーってなったわ。
それは河了貂(橋本環奈)も同じ。出番が少ない。高みから戦況の見物。

前作で突然登場したバケモノ級の強敵龐煖(吉川晃司)と王騎の戦いがメイン。なんと馮忌(片岡愛之助)もあっけなく死ぬ。
今回、自分としていちばん注目したのが李牧(小栗旬)の側近カイネ(佐久間由衣)の独特な存在感。こんな人は絶対に古代中国にいなかっただろうけど。
こんなに可愛らしい人がもう一児の母とか哀しい。

主題歌はONE OK ROCK「Delusion:All」(Fueled by Ramen / Warner Music Japan)

2025年7月20日日曜日

呉勝浩「爆弾」(2022)

呉勝浩「爆弾」(2022 講談社)を読む。これ、ずっと話題の一冊で佐藤二朗主演で映画化もされるらしい。もうすでに文庫化もされてるらしい。今読んでおく。

野方署の取調室。飲み屋で些細な暴力事件を起こした酔っ払い中年男49歳。記憶が曖昧で愚鈍そう。髪は短く刈ってあるがだらしなさそうで臭い…。

スズキタゴサクと自称するのだが身分証明できるものはなにもない。だがやがて都内各地で爆発があるらしいと仄めかす。タゴサクにいわせればそれは予知。警察官から見ればこいつはいわゆる「無敵の人」か?

実際に爆弾が各地で爆発。やがて死者も。タゴサクは重要参考人として警察の偉い人たちからかわるがわる尋問。その都度、タゴサクは質問会話のゲームで警察を翻弄していく。
ページをめくる推進力がある。一流のサスペンスだと感じた。

これ、読んでいて「踊る大捜査線」みたいな質感だなと感じた。警察組織で出世するには手柄が必要なのか。みんな自分に自信があるのか傲岸不遜だし高圧的。警察組織って不快だし嫌だねという。

いや、このスズキタゴサクというキャラ造形がとにかく魅力的。自らを卑下するのに知性もあって、その喋りはまるでドストエフスキーの書く独白のよう。
見下すような取り調べをする警察官たちよりも、このスズキタゴサクのほうをうっかり応援する気分になる。そうだ、もっともっと警察を翻弄しろ!というダークヒーロー。
そして意外な真相。これは十分に面白かった。

しかし、事件の背後にある長谷部という辞職し自死した刑事の件。あれってたまにネットニュースで見かけるけど、韓国とかでしか聞いたことない。たぶんなんら犯罪じゃない。一流の探偵が考えるときに逆立ちしたりトランプタワー組み立てたり折り鶴折るのと同じ。

2025年7月19日土曜日

「ちはやふる-めぐり-」スタートが完璧

當真あみ主演「ちはやふる-めぐり-」が7月9日より日テレ水曜10時枠で放送開始。
このドラマは広瀬すず主演の映画3本の10年後という設定。よくそんなことが可能だった。このドラマを実現させたプロデューサーがすごい。
ヒロインと競技カルタのファーストコンタクトからして大変化球。これはこのドラマ制作スタッフの発明。
そして何より驚いたのが、第1話がドラマ視聴者の心をつかむフックとして、各キャラ紹介としてほぼ完璧な出来栄え。おぉぉ…これは!と感心してしまった。
ここ数年日本のテレビドラマにそれほど期待はしていないのだが、これはもう例外的に傑作の予感がする。
ヒロインがまるでフェレットのような小動物系の何も知らないか弱い存在のようで、高校受験で挫折して堅実根暗真面目路線へ舵を切り、バイトと株価チェックに余念のない、FIREを目指す女子高生という変化球。
自分が當真あみに最初に注目したのが2023年公開の広瀬すず主演映画「水は海に向かって流れる」だった。脇役にしてもあの美少女中学生ぶりはすさまじいインパクトだった。
15歳の高1って、誰もがキラキラの青春をスタートできるというものではない。このヒロインには視聴者のほとんどが共感できるし感情移入できることだろうと思う。

今ドラマでひねくれ根暗JKという役にしても、當真あみの魅力はどうしたって隠しきれるものではない。これはもう次世代の広瀬すずだし浜辺美波。
ヒロインのライバルとしてキラキラ原菜乃華が登場。このドラマは映画以上にキャストが豪華で目がくらくらする。
このドラマは毎週見ることに決定。もしかすると、大傑作になってくれるかもしれない。