西村京太郎「青梅線レポートの謎」(2017 角川書店)を読む。
これもコロナ期にBOで55円で売られていたので「買わないと損」という理由だけで連れ帰ったやつ。この本は東京西多摩地方各地のBOでよく見かける。それだけよく読まれたのかもしれない。
中野で刺殺された男は奥多摩駅駅長に「青梅線レポートを知らないか?」という謎の言葉を残していた。そして奥多摩町助役のカメラマン娘も失踪。中野の刺殺事件を追っていた十津川警部は奥多摩町で工場を建設中の「日本パーマネント」というAIロボット会社周辺で失踪者が出ていることを掴む。
ところどころで中高年男性読者へ向けた最新AIについて登場人物の口を借りた京太郎解説。
これ、今まで読んだ西村京太郎の中で、いやこれまでに読んだあらゆるすべてで一番荒唐無稽でハチャメチャで失笑。
てっきりトラベルミステリーだと思って手に取った読者は怒りのあまりに投げ捨てたかもしれない。
真面目に読書を開始したのだが、すぐに十津川警部と部下の刑事たちの言動と推理と行動と提案のすべてにツッコミを入れながら読んでいた。あまりに唐突だし突飛すぎるしで、もうあきらかにふざけた内容。
敵ボスの質感が古い。60年代少年少女向けジュブナイルSFのような、少年ジャンプのような質感。AIロボットで日本征服をたくらむとかほぼ「キャシャーン」だし「宇宙戦争」。まるで「十津川警部VS.マモー」
いい意味で西村京太郎の「どうにでもなれ」ヤケクソ感が酷いしすごい。これをトラベルミステリーかのような装丁でしれっと出す作者も編集者も出版社も酷い(すごい)。
これは一度読むことをオススメする。あと、この原作に忠実に映画化希望。敵キャラは石破、岩屋、村上、森山のいずれかにオファーするべき。
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