2020年12月31日木曜日

中川右介「グレン・グールド」(2012)

中川右介「グレン・グールド 孤高のコンサート・ピアニスト」(2012 朝日新書)を読む。

自分、今まで数多くのグールドの音楽にCDなどを通して聴いてきたけど、CD解説書なんかだけを読んで満足して知った気になってた。初めてグールド関係の本を読む。
グールドは自伝も評伝も多いのだが一度も開いてみようという気になったことがない。この本は中川右介の本でしかも新書だから手に取りやすかった。
タイトルの通り、レコーディングピアニストだったグールドのCDを語るのでなく、コンサートピアニストだった時期をメインに語る一冊らしい。

この人の本はその時代の国際情勢とか同時代の人々とか、多角的視点から多くを教えてくれる。この本でもグールドの同時代人としてジェームズ・ディーンエルヴィス・プレスリー、そしてサリンジャー「キャッチャー・イン・ザ・ライ」の主人公ホールデン・コールフィールドも取り上げる。「怒れる若者」をキーワードに時代の雰囲気を探る。

自分、今までまったくグールドのピアノの師について考えたこともなかった。裕福な毛皮商人の家庭に育ち、幼少時からコンサート・ピアニストになる自分をはっきりイメージできてたグレン少年にはアルベルト・ゲレーロという先生がいた。
そして少年グールドのアイドルは当時から世界的巨匠ピアニストだったウラディーミル・ホロヴィッツ。だが、後にグールドはゲレーロ師匠とホロヴィッツについてほとんど話さなくなる。唯一の師はアルトゥール・シュナーベルのレコード。

グールドと言えばJ.S.バッハ「ゴルトベルク変奏曲」。圧倒的な技量と新解釈。当時この曲をデビューレコーディングに選ぶとは相当な変わり者。コロンビアレコードの重鎮もグールドを「変わり者」キャラで推していく決意w

グールドはカナダとアメリカであっという間に玄人筋の間で大きな話題。カナダ人として初めてソ連公演を行い現地でも大きな話題。この時のモスクワ公演、レニングラード公演はCDになっている。自分はバッハとベートーヴェンのコンチェルトのCDは聴いたことがある。
当時まだ壁のなかったベルリンでもカラヤンと共演。この時のベートーヴェンNo.3とシベリウスNo.5の録音はCDにもなっている。これも聴いたことがある。
そしてウィーンに向かう汽車の中でレオポルド・ストコフスキーと初対面。

グールドが北米大陸各地でコンサートをやってるときにヴァン・クライバーンがチャイコフスキーコンクールで優勝してアメリカ大フィーバーw グールドとクライバーンはわりと仲が良かった?!

19世紀ロマン派の人気曲に何も関心がなかったグールドは1959年からなぜかブラームスの間奏曲と協奏曲第1番をレパートリーに加えた。それまでが少なすぎた。
そしてかの有名なNYPO&バーンスタイン「ブラームス:ピアノ協奏曲第1番」第1楽章を異常に遅いテンポで演奏した騒動。
自分の感覚だと協奏曲は独奏者とオーケストラの丁々発止の演奏を面白いものと思ってた。だがそれはグールドの考える協奏曲のあるべき姿と違ってたらしい。偏見と先入観だったかもしれない。

グールドは31歳でコンサートピアニストを引退。レコードの印税もあったけど、株式投資で儲けてた?!それは知りたくなかった情報だw

日本でグールドが評価されるようになったきっかけは芸術新潮1963年4月号で吉田秀和が絶賛してから?!日本人は権威に弱い。

あと、グールドはスタンウェイと肩の怪我の件で揉めていた?!これはグールドの被害妄想だろうと感じた。

コンサートは聴衆がいるせいで演奏が上手くいかない、二度とごめんとグールドは考えていたらしい。グールドの命日は1982年10月4日。脳卒中。50歳。
あと、サリンジャーは2010年に91歳で亡くなるまで生きていたことに驚いた。

2020年12月30日水曜日

多部未華子「アイネクライネナハトムジーク」(2019)

伊坂幸太郎の原作小説を映画化した「アイネクライネナハトムジーク」(2019 GAGA)を見る。原作は昨年の映画公開前の半年ほど前に読んでいた。だが、もうあまり覚えていない。

これまで見て来た伊坂映画はすべて中村義洋監督によるものだったのだが、今回は今泉力哉監督によるもの。この小説は短編オムニバス。一本の映画にするには脚本も演出もいろいろ難しい。今泉監督は人気監督の道を歩み始めている。
音楽が斉藤和義なのは同じ。仙台が舞台なのも同じ。

主演は三浦春馬多部未華子。「君に届け」カップル。このふたりの路上での出会いはサダコと風早くんだったわ。
多部ちゃんはこの映画公開直後に交際3年の写真家と結婚を発表。
そして、三浦春馬。この俳優がいかに人気俳優だったか思い知ってる。何を見ても出ている。喪失の哀しみ。
駅前でアンケート調査…って、斉藤和義を聴く人なら誰でも「ベリーベリーストロング~アイネクライネ」(2007)だとわかる。そこからこの映画へと発展。

駅前で通行人をつかまえてアンケートという個人情報を得るには何かモノで釣るなどエサが必要。ただ「アンケートを…」では無謀。命じられた側は罰ゲームみたいなもの。ああ、パソコンにコーヒーこぼしてデータ喪失の罰ゲームだったか。そんなものにつきあわされる通行人って、あまり好きじゃないシーン。三浦春馬を見るだけで切ないのに悲哀シーンはさらに切なくなる。

あと、もう今どきの日本人はあまり街頭でボクシングの試合に熱狂しないのでは?とも思った。ヘビー級チャンピオンというのも現実的でない。あまりヘビー級らしい試合でもない。

聴覚障害がある中学生をイジメる同級生とかなんなの。そんなことしたら内申書とかでもう社会にまっとうな道を歩けないだろ。「期待させないでください」と殴り書きの手紙を送る姉とかなんなの。そんな手紙は本人に渡すな。

貫地谷しほりMEGUMIの美容院会話も原作と質感が同じ。MEGUMIは昔から意外に演技が上手くて感心する。

10年後とテロップ。そして萩原利久が出てくる。恒松祐里も突然出てくる。恒松祐里は色白で細くて気が強そうで良い。ちょい乃木坂の桜井に似てる。
ああ、思い出した。駅の駐輪所の60円シールをパクる老人という嫌なエピソード。この老人がなぜにそんな自信満々?なぜスマホで動画撮影しておかない?シールに指紋だって残ってる。こういうことは高校生だけで解決するのでなく、しっかり警察と相談して証拠を得て社会的に抹殺しろ。映画は気持ちのよいシーンだけ見たい。

恒松の両親が矢本悠馬と森絵梨佳という展開。年齢そんなに違わないだろ。矢本がJK娘がいながらAV鑑賞を趣味にしてて笑った。

春馬は多部ちゃんと交際10年。同棲もそうとうに長いらしい。レストランでムーディーに食事。だが無言だし一緒にいて楽しくなさそう。路上でなんとかプロポーズするも多部は何も嬉しそうじゃない。「ちょっと考えさせて」「私たちなんで一緒にいるんだっけ」
この映画、10年のインターバルを描いてて誰が誰とどう繋がるのか推測しながら見る。多部は塾で働くようになってた。

でもってボクシング世界戦へ、いろんな人々の人生が交差。
この試合が10年結婚しなかったカップルのきっかけになるのか?と予想して見てた。関係ないのかよ。ストリートミュージシャンもあまり関係ないのかよ。

原作小説もそうだったけど、いろいろ分かりづらくて爽快感を感じない映画。それほど感心もしなかった映画。イジメられてる少年の10年後とかあんまり驚きもない。「フィッシュストーリー」みたいにはいかない。
多部ちゃんが「ただいま」で終わりでいいのにって思った。みんなひたすらしみじみしてる映画。

あと、仙台のファミレスはご注文を復唱して間違いないか確認しないのかよ。仙台にはクレーマーじじいしかいないのかよ。
ベリーベリーストロングでもよかったのだが、斉藤和義は「小さな夜」という主題歌を書き上げた。

2020年12月29日火曜日

長濱ねる「legato 旅する音楽スタジオ」(2020)

2019年に欅坂46を卒業した長濱ねるが今年の夏にカンテレ制作のバラエティ番組「セブンルール」から芸能活動を再開している。
「セブンルール」は業界で活躍してる著名人に密着インタビューした映像をスタジオで見てコメントする役回り。自分はあまりこの番組は見ていない。あと、ダ・ヴィンチ誌においても連載を持つなどマルチな活動。

そして12月21日にMUSIC ON! TVにおいて「legato 旅する音楽スタジオ」というラジオDJふう独白トーク形式の30分番組が放送された。長濱ねるが近況報告しながら2020年に記憶に残った音楽を振り返る番組。

大きなハウススタジオに机といすとマイクを設置し固定カメラで撮影。固定カメラ?このカメラがちょっと動いている。ひょっとするとディレクターとか同じ部屋にいるのかもしれないけど、カメラも人もそこにいないかのごとく振舞ってる。一切カメラに視線を送らずに台本原稿を読んで喋ってる。

欅坂時代のねるはふっくらずっしりした可愛らしい少女だったのだが、痩せてすっかり大人の女性。あか抜けてオシャレになっていてちょっと哀しいw

たぶんねるは今現在、大学に入学しなおして勉学に勤しんでるはず。ねるは家で過ごすことが多かったらしいのだが、「家でできるあらゆることをやった」と語る。部屋に飾る絵を買ったりもしたという。

Ariana Grande & Justin Bieber「Stuck with U」
MIKA「Good Guys」
Dua Lipa「IDGAF」
The 1975「Guys」をON AIR
そしてなんとHONNE「free love」はlegatoオリジナルの長濱ねるイメージビデオムービー。これは永久保存版だ。
あと自分、1975を今までずっと「イチキューナナゴー」って呼んでたけど、みんなは違うの?!ねるは「Nineteen seventy five」と呼んでて、初めて自分の非を悟ったw

Oasis「Don’t Look Back In Anger」
Pale Waves「Television Romance 」をON AIR
ねるは2019年のサマソニでPale Waves1975を同じ日に見たそうだ。それ初耳。
あと、ねるは小学生のときからOasisを母の影響で聴いていたそうだ。

宇多田ヒカル「Play A Love Song」を2018年のツアー映像からON AIR

「2020年はまったく予測不能な1年だった」「2021年は旅行とかいけるのかな?」と最後に不安も吐露。

PS. 長濱ねるはEテレの「すイエんサー」という番組にもこれまで2回(?)出演。
あと、セブンルールはレギュラー出演者なので毎週見れる。我々はこれからも長濱ねるを応援しお護りしていかないといけない。今後の活躍を期待したい。

2020年12月28日月曜日

竹内結子「僕と妻の1778の物語」(2011)

SF作家眉村卓(1934-2019)の大腸がんで死去した妻悦子との実話を元にした映画「僕と妻の1778の物語」(2011 フジテレビ 東宝)をやっと見る。竹内結子の死後初めて竹内結子主演映画を見る。竹内結子が死ぬ映画を見る。

死にゆく妻との日々を描いた映画なの涙涙のひたすら気が滅入る映画。監督は90年代からフジテレビドラマを多く手掛けて来た星護。もうひとつの「僕の生きる道」。
草彅と竹内の共演は「黄泉がえり」以来だが、典型的なフジテレビドラマ演出と音楽で見てるとそれはまるで「いいひと」。「いいひと」の竹内結子ゲスト回は以前からもう一度見たいと思っているのだが見れていない。

草彅剛の妻は銀行窓口係。お金を降ろしに行って窓口で妻とSF小説のアイデアを話し合ったりする。根岸競馬場の3つの塔が歩きだすなどポップな映像。この映画は横浜近辺でロケをしてるようだ。病院の外観が北区の中央公園文化センターだ。

ある日、家の庭でお腹がイタタタタとしゃがみ込む竹内。オメデタか?と思いきや虫垂炎?夫草彅は急いで病院へ駆け込むと、大杉連医師から大腸がんで余命1年だと知らされる。32歳なので進行が速い。
竹内の母親が風吹ジュン。末期がんの娘を持つ親の悲哀。
医師から「笑うことで免疫力がUPすることがある」とアドバイス。自宅療養へ。以後、主人公は妻のために笑える短編小説を1日1話書いていく。だが、毎日というのは大変だ。

小説と妄想で話が脱線しまくる。いきなりブリキのロボットが部屋にいたりする。たこみたいな火星人がやってきたりする。
この夫婦が大学生のときの動物園デート回想シーン。竹内が草彅を撮ったカメラがROBOTというレアなクラカメ。軍艦部に大きなゼンマイ巻き上げがあるのが特徴のスクエアサイズカメラ。ロボットのセルフタイマーってこんなだったのか。自分はまだ一度もこのカメラを使っている人を見たことがない。

保険の効かない治療薬のために主人公は原稿料を稼がないといけなくなる。薬代が75万円?!書いたことのない恋愛小説の仕事も受ける。病気とお金の現実ほど切ないものはない。

この映画、わりと長い。そろそろクライマックスかなと思いきやまだ半分。薬が効いて癌が止まる(実はこれは嘘なのだが)。ふたりは以前から行きたいと思っていた北海道旅行へ。この映画、空がパキッとキレイに青い。
一心不乱にカリカリ何か書いている草彅を気味悪がる病院の人々のほうが気味悪い。どうしてこんな演出する?草彅と谷原がビル入口の階段に座って話をしてる間を忙しそうに出入りする人々の演出とか? 当事者以外はみんな赤の他人。人が死ぬ間際でも社会はカリカリと動き続ける。いろいろヘンテコ演出も盛る。

愛する人が癌になって死んでいく様子を描く葬式映画。見て楽しい映画じゃないことはわかっていた。死ぬことがわかってる展開はやっぱり切ない。やがて薬が効かなくなって痛い痛いと泣く竹内のシーンを見るのがとてつもなくつらい。大切な人の死はこんなにも怖い。

そして、こんなにキレイで可愛らしい竹内結子がもうこの世にいないのかと考えるとつらくて切ない。
他人の死を演じてきた竹内結子がどうして自ら死を選んだのか?我々が何を選択すれば竹内を死なせずにすんだのか?解せないままでつらい。

2020年12月27日日曜日

インターステラー(2014)

クリストファー・ノーラン監督の「インターステラー」INTERSTELLAR(2014)を今になってやっと見る。ほとんど予備知識がないままに見る。

多分、地球人類の近未来。環境悪化で植物が育ちにくくなってる。砂嵐に包まれる。農作物がもはやコーンしか育たない。しかも一部しか収穫できない。食料不足と酸素不足。もはや各国は空軍も持たないし、宇宙開発も経済的にムリ。元パイロットの主人公も妻を亡くし幼い息子と娘を育ててる。老いた父と農業で生活。

だが、人類の存続のために何か手を打たないといけない。娘とジープ走らせせてブランド教授の極秘のプロジェクトを知る。人類が移住可能な星を求めて、何者かがそこに開けたワープホールで別銀河への航行。

だが、相対性理論だと光速に近い恒星間旅行をしてるのとコールドスリープによって宇宙船乗組員は地球に残った人々より時間の進み方が遅い。主人公の方が幼い娘よりも若くなっていく。

主人公たちも視聴者も、地球が住みにくいから別の惑星を探すということが、とうてい無理な難題であることを知る。命知らずの先行者が移住候補に挙げた惑星に行ってみたのだが、こんな星じゃ無理。視聴者は人類の絶望を感じるに違いない。

宇宙の果てでひとりぼっちで死ぬとかいやだな…などと考えながら見る。途中で裏切りに会ったりしてさらに絶望的な絶体絶命。これはもう2014年の「2001年宇宙の旅」オマージュ。対話型AIロボットと会話したり相談。

5次元に存在する謎知性によって宇宙の彼方に放り出された主人公は地球の娘と想像を超えたコミュニケーション。このへん、かなり置いて行かれたw

やがて、主人公は目を覚ます。絶望的なトーンの映画だったのだが、最後は希望。だが、現実はこううまくはいかないはず。

おそらく、ほとんどの視聴者の想像を上回った壮大な映画。この映画を作った人々は一般視聴者よりも格段に上の知性を持っている。画づくりとストーリーに自分は満足して納得できた。

2020年12月26日土曜日

黒島結菜「悲熊」(2020)

12月18~24日にNHKで「悲熊」という5分間全10回の帯ドラマが放送されていた。まとめて2話放送だったり3話放送だったりと不定期だったので時間を確認して予約して見た。

黒島結菜は数年前にもNHKでこんな帯ドラマをやっていた。それにしてもテレビ出演のほとんどがNHKって、これはいったいどういうわけだ?まるでNHK専属女優。
これが、熊の着ぐるみを着たジャ〇ーズ俳優を見て萌えようという20代30代女性をターゲットにした深夜帯ドラマ。正直、自分は何も面白く感じなかった。

社会的弱者と一般市民との間に立って問題を解決しようと、困惑しながら奮闘する親切な栗林さん(黒島)と非熊との交流。あきらかに知的障碍者とケースワーカーの関係みたいなものを描いてる。
このふたりがハンバーガーショップで出会うシーン。見ててぞっとした。社会的弱者やマイノリティーを席で待たせておいて困窮するまで3時間放置するとか、アメリカなら数億円規模の訴訟になる。パソナ竹中は日本に懲罰的損害賠償だけは持ち込まない理由をコメントしてほしい。

ゴミ箱を漁っているところを保護(捕獲)され保健所の檻に入れられ「殺処分か?」という箇所もナチス支配下のユダヤ人やロマ人を連想してぞっとした。

悲熊の勤務先の労務担当者がじつに無表情で淡々と事務をこなす。そこもぞっとした。
頭上から植木鉢が落下してきて頭を直撃してるのにその後の責任の所在がはっきり描かれていないのもぞっとした。すべてをガマンし泣き寝入り。
着ぐるみで可愛らしくほのぼの描いていてもその本質は怖ろしい。むしろ社会の現実にそら恐ろしくなる。

悲熊には選挙権もない。悲熊の「非」という文字がそこだけくっきりと別の意味を持って前面に飛び出て見える。「非」の刻印を押されたものは我慢を強いられる。
たぶん硬派な社会派ドラマは見ないという層に向けてつくられた社会問題啓発ドラマ。たぶん出演者はわかってる。こども視聴者と若い女性視聴者に「くまさん可哀想」と思わせ、数年後にじわじわわからせるドラマ。
けなげでピュアな弱者を限界まで困窮させ我慢させる政権への批判も感じ取った。オブラートで包めば怖くない!w

ドラマ公式サイトに「悲熊で癒されてください!」とあるのもブラックジョークのようでぞっとした。
コロナ禍によって社会の分断がよりはっきりした2020年の最後を飾るにふさわしいドラマだったかもしれない。

2020年12月25日金曜日

原田知世「時をかける少女」(1983)

原田知世主演「時をかける少女」(1983 角川春樹事務所)をついに見る。これ、過去に何度か見ようとトライしたのだがいろいろとセンスが合ってなさそうでちゃんと見てなかった。今年、大林宣彦監督の訃報を聞いて追悼も兼ねて。

これが筒井康隆の名作SF小説の最初の映画化。まだ原作は一度も読んだことはないのだが、同じ日常を何度もループする展開の元祖なことは知ってる。

冒頭からセンスが古くて受け付けない。1983年ってこんなに古臭いの?なんか70年代の雰囲気。夜のスキー場をモノクロ映像で撮ってる。じつは未来人の深町くんがぬるっとインしてくるシーン。

会話セリフがヘンテコだし主要キャストの演技が今の水準から見ると下手。とくに原田知世さんの声質とセリフ回しが「なんで?」っていうぐらい古風。大林監督の演出のせい?今こんな喋り方をする人はいない。

オープニングのメインテーマが松任谷正隆。どこか強いノスタルジーを感じる音楽。

今ではすっかりおじいさんの岸部一徳せんせいが若い。授業シーンがヘンテコ感が強い。
唯一許容できるレベルにある演技をしてるのが尾美としのり。ほぼ現在と同じような感じ。
尾道の町並みがすごく昔に見える。まるで大正時代。金田一さんが歩いていそうな町。瓦屋根と土壁の家はもうそんなに残ってないのかもしれない。夜の町のシーンがすごく真っ暗。この40年の間に日本社会は大きく変貌した。古い町並みがフィルムに残ったことは貴重。
吾朗の実家が小規模な醤油蔵。母親が着物姿だ。すごく古風。
深町くんの両親が上原謙と入江たか子。すごく昔の俳優というイメージ。

この時代の女子は体育の授業でブルマ姿だ。よくこんな格好で男女一緒に授業やってる。
ヒロイン芳山和子は弓道部なのだがバレー部といっしょにグラウンドで練習やってる。80年代ってそんななの?

深町くん役の高柳良一がとんでもなく棒。現代の水準ではこのレベルの子に主要キャストはとてもまかせられない。
いい若いもんが植物採集にいくとか、今ならすごく不審w そんな趣味ってある?
急に「桃クリ三年~♪」って歌い始めるシーンとか超絶ヘンテコ。かんべんしてくれって思った。

いきなり「もっと強く抱いて」も違和感。なんでそんな急展開?
崖での会話シーンがすっごくギクシャクしてる。「土曜日のじっけんしつーー!」の台詞が頭から離れないw
その後のコマ送りスライドショーとかとにかく古臭い。クライマックスシーンの説明セリフがしつこく長い。
この映画は原田知世を見るためのアイドル映画。まあ可愛らしいっちゃ可愛らしいけど、ヘアスタイルがすごくもっさい。とてつもなく純朴田舎少女。
原田のクラスメート役の女の子が気になったので調べてみたら、この人はこの映画後すぐに芸能界引退したようだ。

最初のオリジナルという点で偉大だが、大林監督の偉大さはわからなかった。
原田がすっと起き上がってカメラ目線で主題歌を歌い始めるエンドロールは嫌いじゃない。その点では正しいアイドル映画。

2020年12月24日木曜日

小西桜子「猫」(2020)

テレビ東京ドラマ25枠で放送されていた連続ドラマ「猫」を完走した。主演は「映像研には手を出すな!」で大生徒會の道頓堀会長を演じていた小西桜子。初の連ドラ主演。これはチェックしておかないと。

そしてもう一人が是枝監督の「奇跡」や「海街diary」にも出てた前田旺志郎。今年でもう20歳とかびっくり。

このドラマがまるで純文学作品風。探し猫の件で知り合ったふたり。そこのCaféで意気投合。
だが、この少女は悪性脳腫瘍で余命宣告。その期間も過ぎていたために1日1日が晩年であった。
家を追い出された大学生男は女から条件付きで「うちに来ない?」と誘われる。「トリマーの仕事へ行くバス停まで付き添って!」「もしも、朝目が覚めないで死んでいたら、連絡先に知らせて!」いきなりヘビーな展開。
2000年代中頃に流行った純愛ドラマ、純愛映画の雰囲気。ふたりはやがてラブラブカップルになる。むしろ毎日が楽しそう。カフェでの会話が楽しそう。
このドラマ、主演の2人以外に、街の八百屋の大将(渋川清彦)しか登場しない。ほぼ2人+1人。街に人がぜんぜんいないw 
このドラマ、自分の好きな三崎町で撮影してる。三崎町は今もほぼ昭和な街。

ケンカして玄関越しに話し合うシーンとか「タイヨウのうた」を思い出した。男の名前もコウジだし。

ずっとラブラブカップルの会話ばかり聴かされる展開に退屈しかけたころ、なんと余命宣告されていたヒロインでなく、男がいきなり出前バイトのバイクで事故って死亡。なんだこの展開。

しょんぼりしつつも「どうせ自分ももうすぐ死ぬし」と思って生活してると、あれ?脳腫瘍が小さくなってる?!奇跡の完治復活w

男の母石田ひかりがやって来る。ふたりで故人の思い出話。しみじみ…。
酒井若菜が現れる。こいつは最初から登場の仕方のクセが強い。うちのスナックで働かない?不幸な子を見つけて声をかけるスカウトじゃねえか。スナックの客とも身の上話。なんだこの展開。
最終話、そしてヒロインの旅立ち。時間の止まった死の街を出る。ヒロイン行きつけの美容師役として吉沢悠がワンシーンのみ出演。
え、死んだ男が1日だけ彼岸から帰って来て普通にラブラブデート?!

最後までベタなラブソングのようなラブラブカップル甘々会話の繰り返し。正直見てて閉口。おそらく、女性視聴者に向けて作られた純愛ドラマではなかったか。

2020年12月23日水曜日

ペンタゴン・ペーパーズ / 最高機密文書(2017)

スティーヴン・スピルバーグ監督の「ペンタゴン・ペーパーズ / 最高機密文書」(2017 20世紀フォックス、ユニバーサルピクチャーズ)をやっと見る。主演はメリル・ストリープとトム・ハンクスの初共演コンビ。しかも音楽がジョン・ウィリアムズ。日本での公開は2018年。配給は東宝東和。

原題は「The Post」。邦題とまったく違う。ベトナム戦争の国防総省最高機密文書をめぐるジャーナリズム史実映画。
自分、わりと近現代世界史の事件とかトピックとかよく記憶してるほうだと思っていたのだが、この映画で取り扱われている「ペンタゴン・ペーパーズ」については何も知らなかった。なのでしっかり見る。

1966年、どしゃぶりの雨のベトナムの密林。大使館嘱託軍事アナリストのエルズバーグ(長髪で米兵らしくない)は自らも銃を構えて米軍に同行。そこに敵から攻撃。砲弾と銃撃戦。若い兵士が次々と倒れる。エルズバーグはエアフォースワン機上でマクナマラに戦況は泥沼と伝える。だがマクナマラは記者たちの前では笑顔で戦況の改善をアピール。
で、エルズバーグは最高機密文書をランド研究所から持ち出しコピーし保管。米歴代政権のベトナム支援の歴史をおさらい。

1971年、ワシントンポストのキャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)は社主として株価の件で銀行の偉い人と会うために内容をおさらい中。
そしてワシントンポスト編集主幹ベン・ブラドリー(トム・ハンクス)と朝食。ニューヨークタイムズのやりて記者ニール・シーハンの引き抜きについて話題。大統領の娘の結婚式や政府と新聞記者の内幕なども話題。売り上げが落ちている。政府を怒らせたくない。この社主はあまり頼りにならない経営者のようだ。ワシントンポストは家族経営の地方紙?!

そうこうしてるうちにNYタイムズのシーハンがペンタゴン・ペーパーズについて何かつかむ。トムハンクスはインターンをNYにやってシーハンが何をしてるか探らせる。「合法ですか?」アメリカはこの時代からコンプライアンス意識が若者にもしっかり浸透してて感心。だがこのインターンも記者のはしくれ。イカサマもやってて感心。

で、NYタイムズにニール・シーハンの「ペンタゴン・ぺーバーズ」スクープ記事。「マクナマラは6年前に戦争は勝てないと知っていた」
その一方でワシントンポストは大統領娘の結婚式記事が一面で頭を抱える。トムハンクス「文書を手に入れろ!」
一方でケイは「歴代政権とお友だちしてただけなのかよ!」と娘から嫌味を言われる朝。
NYタイムズとワシントンポストってこんなライバル関係だったのか。

ベンはケイに「マクナマラに文書を渡すように言え!」と詰め寄るのだが、友人を追い詰めたくないと拒絶。「新聞と国民への義務はどうなんだ?!」「あんただってJFK親しかったとき批判しなかったじゃない!」みんな偉くなれば歴代政権とズブズブ。

バグディキアンが情報源をランド研の線で探っているうちに編集部にヒッピー女がやってきて靴箱に入った書類を置いていく。「ジーザス!マクナマラ文書の一部か?」これでワシントンポストも試合復帰だ!

だが、またしてもNYタイムズにスクープを抜かれる。
しかし、タイムズには政府から連邦裁命令経由で出版差し止め。そむけば法律違反。
「文書を漏洩した奴を起訴したい」「タイムズは敵だ。法的手段に訴えてやる。」これはなんだ?後のウォーターゲート事件でも脚光を浴びた大統領執務室の録音テープか?(そもそもなんでニクソンはそんな自分に不利な証拠になるようなものを残した?)

ワシントンポストも出版できないのだが、バグディキアン記者が手当たり次第に電話してエルズバーグと接触成功。ベンはケイからの忠告も聞かず、新聞屋としての闘志を燃やす。

戦争継続中の国家機密漏洩の取り扱いがテーマ。政府VS新聞社。アメリカでかつてこんなことが?!「政府のやり方はまるでコミュニスト!」共和制の歴史上はじめての事態。

この映画、ずっと新聞社の編集主幹たちと法務部の深刻な話し合い映画。年齢層お高め。その点で大人が見るべきオトナ向け映画。新聞の活字の組まれる様子とか、GOサインが出てから輪転機が回り出す様子も興味深かった。

新聞社として、経営者として、その時どうすればいいのか?社が消えるかもしれない。それでも社会への使命を果たしたワシントンポスト、およびNYタイムズは偉大。

歴代大統領はみんなうそつき。アメリカの若者は敗戦という不名誉を避けるために戦場へ送られた。ニクソンは今でも合衆国最低の大統領。

だが、闇があってもこんな英知と栄光があるのもアメリカ。そこが中国、ロシアとは違う。国民の知る権利と正義は市民が守る。報道の自由は報道が守る。マスコミが政権と親しくなってはいけない。

2020年12月22日火曜日

21世紀の女の子(2019)

15本の短編映画からなるオムニバス映画「21世紀の女の子」が2018年東京国際映画祭で上映され、翌年には劇場公開されていた。
この映画には松井玲奈、橋本愛、朝倉あき、石橋静河、伊藤沙莉、唐田えりか、清水くるみ、黒川芽以、日南響子、山田杏奈といったかなり有名な若手女優やモデル多数が出演している。

企画プロデュースしたのは「溺れるナイフ」で知られる若手女性監督の山戸結希。エンドロールのアニメを含む残り14本もすべて若手女性監督によるショートムービー。
すべて8分以内に収まってる短編。なのでどれも「で?」っていう終わり方。文芸作品のような映画。

野心的な若手女性監督が、若いモデル女優を使って女性に見せるための映像作品をつくれば、ほぼだいたいがセッ〇ス、もしくはジェンダーがテーマになる。この企画は女性という性がゆらぐ瞬間が共通テーマの短編作品集。

初恋のようなものから、ラブホテルでのセ〇レの会話、痴情のもつれ、失踪した彼の真相を求めたり、別れだったり、多種多様。ただ、同性愛テーマが多かった気がする。
セッ〇スそのものを描いていたとしても、そこにはまったくハダカが映っていないのが共通のルールだったのかもしれない。
おそらく、男性がこの映画を見る想定はまったくされていない。有名人気モデル女優を使っていながら、ほぼ商業作品とはいえない芸術志向短編映画。どれも野心的。

自分が唯一分かりやすいと感じたのが橋本愛の作品。橋本がナレーションをするとほぼ「リトル・フォレスト」。橋本は声もすごく見るものを引き付ける魅力がある。
朝倉あきは同性愛写真家にほぼ怒ってるシーンのみだが、横顔が美しいなと感じた。
山田杏奈はよく乃木坂個人PVで見るような困惑の内容。恋が冷める薬という恋愛ファンタジー。「世にも奇妙な」みたいな感じ。どのシーンでも山田がブサイクに映っているw
松井玲奈はずっと暗い表情してる男女の一場面。

山戸が監督した唐田えりかが出演している文化祭の「呼びかけ」みたいな少女の奇祭のような短編も見ていて困惑。一種のトランス状態。

昨年結婚した黒川芽以の女優としての仕事をひさしぶりに見た。この人はまだ女優として活動してる?
日南響子の生存を久々確認した。non-noモデル時代は清純そうな美少女だったのに、見た目がすっかりアダルトなエロスそのものになっていた。
出演しているモデル女優たちのよほどのファンか、クリエイターの仕事をチェックしたい人にしか見ることをオススメできない、困惑の117分。

2020年12月21日月曜日

D. ハルバースタム「ザ・コールデスト・ウインター」(2009)

デイヴィッド・ハルバースタム「ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争」(2009)を山田耕介・山田侑平訳2012年文春文庫版で読む。上巻621ページ、下巻614ページと分厚い本。
米国の著名なジャーナリスト、デイヴィッド・ハルバースタム(David Halberstam 1934-2007)が交通事故により亡くなる直前に書きあげた最後の本。

朝鮮戦争(1950-1953)は太平洋戦争後の日本にとってもっとも身近で重要な影響を受けた戦争。中高の歴史の教科書に載ってはいても、ドラマや映画で見ることは少なく、ほとんどの日本人はよく知らないのではないか。
以前からこの本を読もうと思っていたのだが、戦史戦術、戦後の東西冷戦、国際政治に詳しくないと太刀打ちできない本ではないかとなかなか手を出せないでいた。

本をめくると冒頭に軍事用語解説がある。今までなんとなくしか知らなかった大隊、中隊、小隊、師団などの用語解説をしてくれる。ありがたい。

アメリカ人の推計死者33,000人、負傷者105,000人。韓国側の死者41万5千人、中国北朝鮮の死者は米軍側の推計で150万人。とんでもない酷い戦争。

この本は1950年10月20日、アメリカ第1騎兵師団が平壌に入城した直後の楽観ムードの場面から語られる。中国は参戦しないと思われていた。
だが韓国兵は農村から徴兵してきて訓練不足。士気の上がらない米軍はソ連製T-34戦車を前にずるずると釜山まで後退。

この本では金日成、スターリン、毛沢東、マッカーサー、トルーマン、李承晩、蒋介石といったキープレーヤーのことも詳しく扱う。米軍司令官たちのことも扱う。

マッカーサーの父アーサーは南北戦争に士官として参戦してたって知らなかった。米西戦争でアメリカのものになったフィリピンの司令官。母ピンキーは息子を軍人として出世させるのに懸命なステージママ。
マッカーサーはすでに70歳。だが、政治野心と立身出世の鬼。部下のアイゼンハワーやアイケルバーガーが目立つことが面白くない。
日本も戦争のときは軍人同士が気に入らない相手だと嫌がらせと足の引っ張り合いをしたけど、それはアメリカも同じだった。アメリカにはトルーマンともうひとり最高権力者マッカーサーがいた。

日本の歴史の教科書だと日本の敗戦から中華人民共和国成立まで一瞬のインターバルしかない。蒋介石の国民党軍はアメリカの軍事顧問団のアドバイスをぜんぜん聴かないし、自分の軍隊を使おうともしないし、どんどん価値が暴落していった。アメリカからの信用を失っていった。

40年代50年代当時の日本はスパイが野放し。日本の港に集結したアメリカや国連軍の軍艦や武器の情報は共産党員の港湾労働者から毛沢東に筒抜けw マッカーサーが仁川を上陸地点に選ぶことも中国にはお見通しだった?!その一方で金日成はソ連の最新兵器と士気の高い兵士がいるので中国の影響はなるべく受けたくない。いろんな思惑。

現場の米軍が悲惨。なにせ東京の司令部は中国の参戦をぜったいに認めないw 現地からの「中国兵が大量にいるんですけど!」という報告を一切無視。次々と壊滅していく米軍。米兵の死体の山。

原爆とソ連参戦のおかげで勝った気分になって悠々と勝ち誇ったように厚木に降り立ったマッカーサーは仁川だけが栄光。あとは悲惨な末路。中国軍をナメていた。日本人相手に威張ってたGIたちも極寒の山中で中国軍の恐怖を味わいつくした。
アメリカは中国のことで日本に言いがかりをつけて戦争して、今度は中国人との戦争で地獄を見た。

釜山橋頭保の戦いで戦史に名を残したウォーカー中将も、最期は悲惨な事故死。司令官のアーモンドが現場では嫌われまくってたとか知らなかった。
不人気大統領トルーマンが凱旋将軍マッカーサーを解任した構図なのだが、マッカーサーが急速に人気と政治生命を失っていった過程も初めて知った。

これほど多大な若者たちの命を犠牲にして韓国を守ったアメリカ。なのにアメリカに忠実でない韓国。アメリカはどこかで損切の覚悟が必要。

日本は耐えがたきを耐え忍び難きを忍んで国を開いてよかった。ソ連も参戦して本土決戦という地上戦があったら全員地獄だった。

中国軍の彭徳懐将軍も後の文革で悲惨な末路をたどったことを現在の我々は知っている。毛沢東、スターリン、金日成、みんな性格が極悪。うぬぼれ屋マッカーサーも、その忠実な子分も、トルーマンもみんな嫌い。

この本、堅苦しくて読んでいて面白みに欠ける。それほど新しい驚くような知識とかは得られなかった。ただ、朝鮮戦争に関することはだいたい学んだ。

2020年12月20日日曜日

BABYMETAL「AWAKENS – THE SUN ALSO RISES-」2019

「BABYMETAL AWAKENS – THE SUN ALSO RISES-」横浜アリーナ公演DAY2(2019年6月29日)もWOWOW放送時に録画したのだが、一回も見ないままHDDが逝ってしまい見れなくなっていた。2020年になって夏ごろに再放送してくれたので見れた。(2015-2018に放送を録画したすべてのライブ映像が失われたままw)

BABYMETALのメガショーはたいていDVDブルーレイが発売されるのだが、この公演の模様はファンクラブ会員限定での発売で完売したらしい。なのでオークションなどでしか入手不可。
この公演がYUIMETAL脱退後の新体制での初お披露目。冒頭の作り込まれた世界観チュートリアル映像でFOX GODによるアベンジャーズシステムを説明。

この日はさくら学院の現役生徒会長藤平華乃がサポートメンバー。(ちなみにDAY1が元モーニング娘。の鞘師里保)
MIKIKOMETALのややこしいダンスを覚えるだけでもハードなのに、3人しかいないステージなのにアリーナクラス会場で、しかも映像も収録されるとか、サポートダンサーは想像を絶するプレッシャー。アベンジャーズの3人には頭が下がる思い。

Arkadiaがこの横アリ公演で初披露された新曲だったらしい。その他、Shanti Shanti Shanti、PA PA YA!!(F.HEROもサプライズ登場)、FUTURE METALも初披露。それはオーディエンスのテンションも上がる。
01.Arkadia 
02.メギツネ
03.Elevator Girl
04.Distortion
05.Shanti Shanti Shanti
06.Starlight
07.シンコペーション
08.ヤバッ!
09 PA PA YA!!
10.ギミチョコ!!
11.KARATE
12.FUTURE METAL
13.THE ONE
14.Road of Resistance

SUもMOAもサポートの2人も関係者も不安の中での新体制スタートだったろうと思う。だが、2020年はほぼ何もできずに終わる。しかし初の紅白出演という成果は得た。BABYMETALは5年ぐらい前から紅白に出る資格はあった。
でも一体どいう体制で臨むんだろうか?YUIMETALへ何か呼び掛けてほしい。

2020年12月19日土曜日

五社英雄「女殺油地獄」(1992)

五社英雄監督の「女殺油地獄」(1992 フジテレビ・京都映画 / 松竹)を見る。
五社監督最後の映画。今も活躍中の俳優が多く出演してるので見る。

原作はもちろん近松門左衛門(1653-1725)の世話物。大阪が舞台。人形浄瑠璃から歌舞伎になり、これまでに何度も映画化もされている。だが自分はどんな話か知らない。映画で知った気になろうっていう。
自分、これまでの人生で一度も近松門左衛門の作品に接したことがない。ライブ見に大阪へ行ったとき、そこに曽根崎という地名を初めて見て「ほんとにあるのかよ!」と驚いたw

豊島屋お吉を樋口可南子さんが演じてる。おそらく33歳ごろ。(ということは今のまさみと同じ年ごろか!)
正直自分はこの人をソフトバンクのCMぐらいでしか見たことないw 今回ほぼ初めて映画女優として見た。

お吉殺害現場を同心与力たちが調べてるシーンでこの映画は始まる。カメラがぐるぐる現場を回るように撮っていく。正直何が起こっているのかよくわからないカットだ。

河内屋与兵衛が堤真一。こいつが油屋「河内屋」を飛び出した放蕩息子。自堕落で自暴自棄で粗暴。この俳優はこんな昔から主演クラスの人気俳優だったって知らなかった。若い。今とほぼ同じ演技をしてる。
与兵衛が手をつけるちょっと頭の弱い感じの娘小菊が藤谷美和子。この人は80年代から90年代にかけて人気女優だったらしいのだが自分はほぼ初めて見る。この映画では小菊は同業油屋組合いちばんの大店小倉屋の娘という設定らしい。ちょい長濱ねるに似てる。

自由恋愛など許されない時代に与兵衛と寝てる現行犯。与兵衛は縛り上げられ小倉屋の主人と番頭たちに叩かれる。河内屋の看板を掲げさせないと脅される。不良息子のせいで店は修羅場。そんな与兵衛を幼い頃から面倒見てたお吉はかばう。

与兵衛は小菊と別れる気はまったくない。小菊を殺して死ぬ!心中や!とわめく。お吉はそんなことは許さないと説得。
与兵衛は刃物も持ってる。なんと迷惑なバカ野郎。あれ?この話、与兵衛、お吉、小菊の三角関係痴情のもつれの末の殺人事件?

小倉屋(長門裕之)の妻がお歯黒しててちょっとびっくり。最近の大河ドラマとかではあまりお歯黒シーンにお目に掛かれない。

与兵衛は小菊をさらって逃げる。この時代は心中が流行り。
ヤクザみたいな顔の怖い番頭たちが追いかける。与兵衛の子分たちにも乱暴。この時代の同業組合ってこんななのかよ。

江戸時代の大店の一人娘の嫁入りってすごいなと思った。嫁入り道具が豪華。江戸時代の大阪の富裕層の婚礼風景が初めて見るような映像だった。今も名家はこんななのかもしれないけど。
あと、油を搾る風景も見たことない映像だった。いろいろ貴重なものを見れた。
藤谷美和子の御高祖頭巾姿もドラマではあまり見たことないものだった。与兵衛がぶたれるのを見てヒャッという驚く表情とか、忍んで逢ってきた帰りをお吉に見つかったときのバツの悪い表情とか、藤谷美和子の演技も素晴らしいと感じた。(近年の映画やドラマの演技はマンガの影響でデフォルメが強くおおげさすぎ)

さらに上を行って樋口可南子さんが艶やかだった。性悪女同士の精神的マウントの取り合いシーンが良い。足を踏む女の戦いシーンが良い。
江戸時代の鏡の感じもリアルだった。松嶋尚美が出演してて驚いた。

昔も今も新聞三面記事は本質的に変わりないなって思った。粗暴なヤクザ男と関わると周囲の者はえらい迷惑をこうむる。
けど、お吉も自業自得。男も女もみんなアホ。悲劇に至る男女の情念をしっかりねっとり描いていた。見るべき映画だと感じた。オススメする。

2020年12月18日金曜日

土屋太鳳「となりの怪物くん」(2018)

土屋太鳳菅田将暉の主演映画「となりの怪物くん」(2018 東宝)を見る。これも少女コミック原作の映画化。2018年GW映画。
監督は月川翔。脚本は金子ありさ。よく見る面々。制作も市川南。

主演以外のキャストも古川雄輝、山田裕貴、池田エライザ、浜辺美波、佐野岳といったヤングスターをそろえてる。正直自分は浜辺美波を見たくてこれを見た。

バッティングセンターの2階で色紙で飾りをつまらなそうに作ってるくたびれた感じの大人になった土屋太鳳の「あのころ」の回想。

怪物こと菅田将暉の高校初日の暴力事件のアクションシーンの動きが異次元に何かおかしい。この子はバケモノ並みの体力がありながら何か知的な障害が?かなり非常識。
でもそれでは高校に入れないだろ。制服が赤の高校ってあるの?

ガリ勉で堅物のしずく(土屋)が担任に頼まれ入学に必要な書類を届けに行ってハル(菅田)と初遭遇するシーンから何かヘンテコ。ハルがしずくに話があるときはいきなり押し倒すか拉致。
この映画、コメディなの?会話のテンポと間合いは軽妙で良い。「俺、しずくのこと好きかも」「それは友だち的な意味で?」「いいえ、性的な意味で」とか高校生の会話としておかしい。噛み合わない異文化コミュニケーション。ハルはしずくにしか懐かないし制御できない。土屋のシリアスな表情がいい。

しずくに勉強教えてと頼んでくる池田エライザが学校で一番カワイイのにポンコツで愚鈍なキャラ。予備校でヒロインの隣の山田裕貴がやっぱりスケキヨ顔が不気味な嫌なやつ。

中間テストでしずくは2位。1位がハル。なんだそれ。菅田はなにも勉強しなくても1位という超人キャラだったのか。しかも家は複雑な事情のある金持ち。
浜辺美波はメガネ学級委員でハルのことを密かに好き?残念ながら浜辺美波のシーンはあまりなかった。強い印象は残らなかった。

これ、なにも期待しないで見たのだが、土屋太鳳と菅田将暉が俳優として異常に上手いからなのかとても面白かった。キャラを演じきっていた。
でも、面白かったのは前半まで。後半の恋愛ドラマとかシリアスパートになると途端に退屈。

主題歌西野カナ「アイラブユー」。

2020年12月17日木曜日

アガサ・クリスティー「愛の探偵たち」(1950)

アガサ・クリスティー「愛の探偵たち」(2004 早川書房 クリスティー文庫)を読む。訳者は宇佐川晶子。1925年から1948年に書かれた8短編を集めた一冊。どの作品が何年に初出なのか?巻末解説の内容が薄くて不明。
THREE BLIND MICE AND OTHER STORIES by Agatha Christie
私的クリスティマラソン72冊目。これも2年前に100円で購入確保してほいた本。では順番に読んでいく。

三匹の盲目のねずみ(1948) 128Pの中編。これは有名な戯曲「ねずみとり」の原型となったオリジナル。まず冒頭でロンドンで夫人が殺された事件のワンシーンが示される。そして、おばから相続した田舎のマナーハウスでゲストハウスを開業したジャイルズ&モリー夫妻。オープン初日の雪の夜、黒いオーバーコートにマフラーのレン氏がやってくる。

いろんな客がやってくる。刑事もやってきて、そして宿泊客の口うるさい夫人が絞殺される。外は吹雪で電話も不通。クローズドサークル殺人。戦争中に疎開先で起こった児童虐待死事件の逆恨み?正直マザーグース的なものはよくわからない。

みんな怪しい。そして、意外な真相。幕引きもささっと鮮やか。最後は恋愛要素。クリスティでなくとも舞台作品にしたくなるクオリティ。これがクリスティ!という古典的スリラー。これは傑作といっていい。自分はまだ戯曲「ねずみとり」を読んでいない。

奇妙な冗談(1944) 伯父が残してくれた資産がどこにもない!という相談がミス・マープルの元へ。この相談者男女がマープルに対してわりと信頼感ゼロで脱線話にイライラしてるw なのに親切にも「財宝」の謎を自身の人生経験から解いてあげるマープル嬢。

昔ながらの殺人事件(1942) セントメアリミード村で老婦人が居間で絞殺されて発見された事件。夫人の資産を相続する夫が疑われる。これもマープル老嬢が人生経験から「たぶんこう!」と簡単に手際よく解決。それにしても最初に現場に駆け付けた警察官が大事な物的証拠を拾って上着に刺したままにしてちゃまずいだろ。

申し分のないメイド(1942) ミス・マープルのメイドのいとこが奉公先でブローチ盗難事件に巻き込まれ解雇された話。マープル婆さんは奉公先のスキナー姉妹の真実を見抜く。

管理人事件(1942)病で寝込んだマープル婆さんにヘイドック医師が置いていった原稿。村の悪童はアフリカでの軍役から帰ってくると資産家フランス人妻を連れていた。村一番の豪邸を建てたが近所の老婆を妻は怖がる。やがて落馬事故で妻死亡。その裏に隠された陰謀。

四階のフラット(1929) パーティー帰りの若者4人「アパートの鍵がない!」ということで話し合いの末、石炭用リフトで4階フラットへ侵入するも、間違って3階のフラットへ。真っ暗な中、女性の死体を発見。そして、5階フラットの住人がアルキュール・ポアロ。ふらっと現れて事件を解決。

ジョニー・ウェイバリーの冒険(1928) ジョニー坊や誘拐事件の相談を持ち掛けられたポアロ。誘拐が起こる前から身代金を要求する警告や誘拐日時の予告があるとか不自然な展開。ポアロが鮮やかに解決。ポアロがいきなりヘイスティングズに語りかける場面に驚いた。いたのかヘイスティングズ!とページを戻ったw

愛の探偵たち(1926) これが自分にとって初のクィン氏登場短編。老人が鈍器で殴られ死んでいる。愛するふたりが双方が犯人だと思い込み、自分がやったとかばいあう。けど、それって小説っぽくない?というクィン氏。

訳が新しいせいかとても読みやすくわかりやすい。どれもが好きな感じ。「管理人事件」は後の長編「終わりなき夜に生れつく」と同じプロット。

2020年12月16日水曜日

ヲタクに恋は難しい(2020)

脚本監督福田雄一の映画「ヲタクに恋は難しい」(2020)を見る。これもフジテレビと東宝によるマンガ原作映画。
主演は高畑充希山﨑賢人。自分、これまでに山﨑賢人映画をいったい何本みたかわからない。

いきなり佐藤二朗のいつもの芸が始まる。大企業の会議室でホワイトボードをつかって何か説明している。内容ゼロ。最初からふざけてて映画らしくない。スベリすぎてて寒い。

高畑充希は最初のカットから顔が面白い。キョトーン顔でボケ倒せばそれで面白い。この女優のテンションの高い演技は見てるだけで面白い。どんだけ目をパッチリ丸くしてんだよという顔。

OL今田美桜が高い精度でかわいい。男子たちが熱い視線で注目するのもわかる。今まで顔がちょっと面白いと思ってたけど、常識人社員を演じると美人OLに見える不思議。
高畑充希演じるヒロインは会社の廊下でスーツ姿の山﨑賢人社員と賀来賢人社員とばったり出会う。「コミケとかまだ行ってんの?」高畑挙動不審に焦ってる。ははあ、どうやらヲタクであることを隠してる女子という設定か。この設定は近年わりと見かける。

で、高畑は山﨑とふたりで居酒屋。なぜにSwitchやってる?
「オタクは隠した方がいいよ。モテないよ。」「別にモテたくないし」高畑はとにかくオタバレを恐れてる。前の彼氏にオタバレして会社に居づらくなって転職。

同じくオタクな山﨑と付き合えばいいんじゃね?というドラマ展開。とにかくこのふたりのコミュニケーション会話がヘンテコ。演出もヘンテコ。山﨑もずっと無表情。テンション低っ。なのにいきなり東京ビッグサイト前でダンスシーンが始まる。

てか、今の時代は一般企業にも普通にアニオタ、ドルオタ、声優オタ、ゲームオタは普通にいる。仕事中にオタ会話。そこは昭和と時代がずいぶん変わった。
オタク同士はゲームとアニメ以外の会話ができない?なので普通のデートもできない。山﨑は普通のカップルになりたいらしい。こいつはアニメとゲーム以外の場所でもやっていけそう。
だが、山﨑は常に碇ゲンドウポーズ。

オタ会話禁止デートが終わって堰を切ったようにオタ言語を話し出す高畑のシーンがこの映画で一番面白かった。この女優は女芸人かよ!と。
オタクたちの使う用語がツイッター上でしか見ないものばかりだった。ほんとに使うやつっているのかよ。

高畑はBLまんが同人誌描いてコミケで売る生活してる腐女子OLなのかよ。
自分、こういうイベントに近づいたこともないし、東京ビッグサイト自体も行ったことがない。でも、こういうクリエイティブな文化祭みたいなもの楽しそうだ。

オタ界隈では酷評されてたらしい。福田映画って合わない映画はとことん合わなくて退屈する。キモであるべきミュージカルシーンとか正直退屈した。
しかし、それでも自分としてはとても面白かった。福田雄一映画にしてはわりと楽しく見れた。

だがそれは、自分がこれまでの人生で一度も濃密なオタと接したことがなく、オタというものをよく知らないからかもしれない。何やらヘンテコな若者を見て面白く思えたからかもしれない。へえ、今現在のオタクって、こんななんだ…ってw オタクが言いそうな言葉を使ってるコントで笑おうってゆう。
山﨑が徹底的にスカしてたからよかったのかもしれない。

映画としては内容ストーリーが虚無だった。で、どういう展開だったのか?人に語れるものがなにもない。ただ、オタクの日常を撮ってふざけた映画。ミュージカルである必要がなにもない。ミュージカルシーンはそれほど真剣に撮ってない。なので予告編でミュージカル映画とか期待を持たせない方がよかった。
元乃木坂の若月佑美もオタ腐女子役でちょっと出演してたのだが、初登場からあきらかに美人すぎる。テンション高いオタ会話に笑った。コミケってこんなイベントなの?

男女で趣味が一緒って楽しそう。そんな映画。
日本映画はもっとミュージカルコメディ映画を作ってもいいのになと感じた。

2020年12月15日火曜日

二階堂ふみ「リバーズ・エッジ」(2018)

二階堂ふみが出演してる映画に「リバーズ・エッジ」(2018 キノフィルムズ)があるので見る。これは二階堂ふみが見たいというより、吉沢亮も主演っぽいし行定勲監督作でもあるので見ておこうかと。

なにも予備知識がないままに見始めたけど、これって岡崎京子原作の「リバーズエッジ」だったのか。なんとなく名前は知ってた。宝島社のCUTiEに連載されていたのか。

だれもケータイを持ってないし、底辺高校っぽいクラスがみんな私服姿だし、家電話で長電話してると電話代で怒られたり、テレビがブラウン管だしでおそらく1990年代前半?この映画はなぜか4:3画面で制作されている。

汚い川べりの風景。テンション低い吉沢が演じるゲイ山田君はボコボコに殴られ全裸で捨てられてるし、二階堂はタバコ吸ってるし、だらしなさそうな女は同級生とAVみたいなセッ〇スしてるし、デブ姉がジャムをパンにだらしなく塗ってるし、ゲロ吐くし、白骨化した死体が出てくるし、男は同性愛で援助交際みたいなことやってるし、そこにいる釣り人の会話がバカそうだし、フリーセッ〇スのあげく妊娠するし、底辺高校生がとにかくみんな粗暴でだらしなさそうな顔だし、生理的にムリな受け付けない汚らしいものを次々と映す。
二階堂ふみもすぽーんと全裸になってて驚くし、ぜんぜんキレイに撮ってないし、あけすけな性的会話が酷すぎるし、やたらセッ〇スシーンがあるし、気持ち悪いことばかり。時代の狂気。
なぜかインタビューみたいな収録してるし、けだるそうに答えてるし。

吉沢くんや二階堂ふみが人気俳優だからと事情を知らないままこれを選んで家族で見るような事態が起こらなかったか心配w

あと、すごく個性的な目をしたモデル少女は一目みて、浅野忠信とCHARAの娘だ!と気づいた。SUMIREという名前だと今回知った。こういう映画、親子で見れたりするんだろうか。猫の惨殺死体を友人に見せるな。

ゲイセッ〇スについての質問をしてくる二階堂への、吉沢の反撃質問のシーンが可笑しかった。そんな顔するなら最初からそんな質問すんな。日常会話でその言葉を言う人ってまだ見たことない。

森川葵の存在感がどこか80年代から90年代にかけての少女っぽさを強く感じた。この少女こそが1993年の雰囲気そのもの。森川はいつも感心。
「どうでもいいことばっか言ってて楽しい?」は留飲を下げたが、その結果もまた地獄。

二階堂も吉沢も俳優としてストイックで強い。このころから俳優としての吉沢は輝きを増している。
社会の最底辺の風景を見て平然としてられる強いメンタルを持った人だけが可な救いようのない地獄映画。だが、後味と余韻がしっかり残った。2度と見たくないけど、自分としては強いインパクトを受けた映画。

主題歌は小沢健二「アルペジオ」。2018年は「SUNNY 強い気持ち強い愛」でも小沢健二が注目を浴びた。