2025年10月16日木曜日

新垣結衣「違国日記」(2024)

2024年6月公開の映画「違国日記」を見る。
原作はヤマシタトモコによる同名漫画(祥伝社FEEL COMICS)。脚本・監督・編集は瀬田なつき。音楽は高木正勝。制作はジャンゴフィルム。配給は東京テアトル。

新垣結衣が孤児となってしまった姪を引き取る小説家・高代槙生(こうだい まきお)を演じてる。新垣結衣はずっと映画には消極的なテレビドラマ女優だと思ってた。やっと映画女優に本腰を入れ始めた。
もう一人の主人公15歳・田汲朝(たくみ あさ)はオーディションで選ばれた新人早瀬憩
朝ちゃんはいきなり交通事故で両親を亡くす。中3でいきなりそんな目に遭うと何をしていいのかわからない。とても重苦しいドラマの始まり。
葬式で槙生は朝を引き取ることを決意し宣言。ここ、予告編で見たときにすごく暑苦しいファミリードラマなんだろうなと感じた。35歳でいきなり中学生を引き取るとか、ぜったい面倒で暑苦しい様々な軋轢と問題を抱えるはず。頑な女と頑な中学生女子な展開になるだろうと。

だが、この中3女子はぜんぜんめんどくさくなかった!子どものはずだが、槙生が姉を大嫌いな理由とか説明したくないからとピシャリと遮る。結婚もするつもりのないドライヒロイン。ガッキーのやる役はこんなのが多い。
だが、予想に反してこの槙生という女性はそれほど性格がドライでもキツイわけでもなかった。姉とは決定的に不仲だっただけで、それ以外はちゃんと常識人。姪と正しく大人として接する。

早瀬憩演じる朝ちゃんも子どもに見えてちゃんと大人。まったくの新人若手女優なので過去作も他作でも見たことがなく新鮮な状態で見れた。

あと、新垣結衣と夏帆の共演が驚き。ともに十代のころにチョコレートCMで共演して以来。ふたりともスラっと背が高い。すっかり大人になった。

小宮山莉渚と伊礼姫奈、滝澤エリカとった若手女優もフレッシュ。
小宮山演じるえみりは朝ちゃんに同姓の交際相手がいることを告げるのだが、なんでわざわざ交際と伝える?同姓なら女ともだちというていでよくない?まだ女子高生なのに。

染谷将太は両親を亡くした朝の相続した遺産や事故賠償を管理する弁護士。ああ、両親をこんな亡くし方するとこういうシステムがあるのか。染谷はほぼワンシーンのみの出演。
両親を失うときっと不幸な一生になりそうなものだが、この遺児はかなり恵まれている。ちゃんとレベルの高い高校に進学し、マックブックPROを自分の意思で購入し、軽音部に所属しベースまで買っている。生活の面でまったく悲惨な目には遭っていない。
それに小説家ガッキーもラノベ小説がヒットしてマンションも購入してる。お金のシビアな話とか一切なくて肩透かし。もっと悲惨な現実とか待ち構えているのかと恐る恐る身構えていた自分はなんだったのか。

重苦しい家族ドラマを予想していたのに肩透かし。脚本も演出もカットもすべてとても雰囲気が良い。嫌な人がまったく出てこない。見ていて不快になる要素がまったくない。

どちらかというとガッキー槙生よりも、15才女子高生朝ちゃん早瀬憩サイドのほうが主演と呼ぶのにふさわしい感じがした。まるで「海街diary」の広瀬すずのような質感だった。
139分の映画だがそれほど長く感じなかった。雰囲気が良くてカットが良いと飽きがこない。
軽音部ヒロインの劇中歌のサウンドと構成がどこかで聞いた様な気がしたのだが、チャットモンチーだった橋本絵莉子か!

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