加藤小夏の出演作リストに「私の知らないあなたについて」(2022)という映画があるので見ておく。2022年12月にいちおう劇場で公開された映画らしいけどまったくその存在を知らなかった。
監督・脚本・編集は堀内博志。制作はパーフェクトワールド。配給はトリプルアップ。主演は佐々木ありさ。
加藤小夏は出演俳優として2番目にクレジット。加藤以外の俳優名を誰一人として自分は知らない。若手俳優たちによる青春群像劇映画?
よく知らない人の訃報(自死)を知ってちょい戸惑いと気分が沈んだ大学生ヒロイン慶子…という冒頭シーンからわかりずらくてちょい困惑。その人は自分に告白して断ったら死んだ?つまり原因は私?!それは微妙に嫌だ。
この映画は加藤小夏のスマホ通話声から始まる。真美(加藤小夏)が自責ヒロインを「葬式には行くな」と説得。意外に感情的で暑苦しい。
見慣れたはずのコンビニや町の風景ですら異質に見える。ああ、なんだか不穏で暗そうな映画だ。
慶子と真美は就職活動中。自分、映画やドラマで就職活動の風景を見たくない。
しかし、加藤小夏さまのスーツ姿には胸がときめく。今まで見てきた加藤小夏ドラマ映画でこれが一番大人に見える。性格もキツそう。このふたりの女子大生はべつに仲良しじゃない?!
真美は彼氏の劇団の劇団員男を紹介してくる。慶子は真美の彼氏に高い感心。え、親友の彼氏を奪いにかかってる?!
自分がこの男なら小夏さまにあの女と交際しちゃダメだと伝える。就活そっちのけで劇団の練習場所に来るし、人の彼氏をかってに親しげに「たっくん」呼ばわり。真美も困惑。てか周囲も困惑。なんなのこのヒロイン。
てか美人女子大生小夏さまと彼氏のいる設定の小夏さまに自分が困惑。怖い顔してる小夏さまに困惑。こういう小夏さまを自分は見たくない…。
なにも状況のわからないヒロイン。見てるこちらもわからない。
そしてコロナという新しい日常がやってくる。検温&ソーシャルディスタンス。
真美も高熱で寝込んでる。なのに就活をしてない慶子に真美はブチギレ。劇団もコロナで公演中止。
公演は劇場でなく配信へ。演目がカップルの別れ話と三角関係。つきあった彼氏は家でゲームしかしてないヒモ。そして修羅場。
あれ、この舞台が見ていて意外に面白い。慶子って女優の才能があるのでは?
公演の配信を見ていた真美も「こいつすげえな」という表情。
しかし演技中に慶子は転倒?!頭部を打って大量出血し病院へ。なんだかカオス。劇団は解散?
退院した慶子は呆然となりつつ劇団員といっしょになぜか自死した男の亡くなった場所へ?それは贖罪?
そしてなぜかコンビニ店員宮田へ視点が移る。なんで?この暗い男はいろいろ騙されてる?
え、そういう時系列?こいつが自死した不幸な青年?これは渡辺淳一みたいな文芸作品?
ええーーっ、その解釈も違うの?何度も期待と予想を裏切られる。
構成にはかなり驚いた。てかずっと頭の上に「?」が浮かんでた。なんでこんな究極にわかりづらい野心的な構成?
それになんと暗い映画なんだろうか。意外に社会派。この世界には光のまったく当たらない場所で地べたをはいつくばってる人がいる。
加藤小夏の出番が意外に多かった。小夏さまのクールな美貌が好きな人には十分に見る価値がある。画面が暗くてよく見えないけど小夏さまのナマ脚にときめく。だがしかし、不幸な青年の存在に気分は落ち込む。
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