横溝正史「蝶々殺人事件」の角川文庫版(昭和57年25刷)を110円で見つけたので連れ帰った。110円棚で横溝正史角川文庫を見つけたのは久しぶり。とはいっても去年の秋のことだが。
「蝶々殺人事件」(昭和21年)はすでに春陽文庫で読んでいるのだが、「蜘蛛と百合」「薔薇と鬱金香」(昭和8年)というまだ読んだことのない短編も収録されているので購入。
3作すべて白髪探偵由利麟太郎と新聞記者三津木俊助の登場するやつ。
なので「蜘蛛と百合」「薔薇と鬱金香」から読んだ。
「蜘蛛と百合」(モダン日本 昭和8年7月~8月)
三津木記者の友人瓜生(美男)が妖艶な未亡人百合枝と関わってしまい謎の男に殺される。さらにその恋人少女も殺害。そして三津木も危ない…というスリラー。
「薔薇と鬱金香」(週刊朝日 昭和8年8月)
夫(法学博士)を殺害し獄死したはずの男(じつは無実)の影に怯える夫人とその再婚相手。設定はなんだかモンテクリスト伯ぽい。この短編を読んだことで鬱金香がチューリップのことだと学んだ。
「蝶々殺人事件」(ロック 昭和21年5月~22年4月)
横溝正史がクロフツ「樽」を意識して挑戦した野心作。前回読んだときは強く感心した。だが2回目だと初読のときの感動は薄まってた。これは2020年カンテレ「探偵・由利麟太郎」でドラマ化されたらしいのだが見てない。

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