2024年9月に長らく入手困難だった春陽文庫の横溝正史「死仮面」が「オリジナル版」として復刊になってたことを知らなかった。そしてこの秋、BO100円棚でこいつを発見して即買い。
すでに角川文庫版も春陽文庫版も読んでいるというのに。巻末の解説や横溝せんせいの手書き原稿などを読みたくて。
マボロシの「物語」昭和24年8月号(連載第4回分)が発見されたいきさつとか書かれてるのかな?と想像してたのだが、そのへんの事情は書かれてなかった。そもそも1998年の「完全版」春陽文庫が出たときもそのへんを特に強調もせず目立ってなかった。
「死仮面」は金田一耕助が登場する長編として注目作だし、戦争直後の雰囲気があって良い。女子高が舞台だと赤川次郎の雰囲気もある。ジュブナイルな感じもする。横溝先生は気に入ってなかったらしいのだが、自分としてはコンパクトで衝撃もあって愛すべき作品。
この本にはさらに「黄金の花びら」(少年クラブ 昭和28年1月~2月)というジュブナイル金田一短編も収録。
仏像コレクター丹羽博士の家に泊ってる竜男くんは夜間忍び込んだ白蠟仮面を猟銃で脅かすつもりが銃弾が貫通して死なせてしまう。白蠟仮面の正体は博士の助手だった。
竜男は警察に連行されそうになるのだが、博士宅に宿泊していた古川という作家が「弾丸の入射角を調べろ」とアドバイス。無実を晴らしてさらに真犯人を指摘。
これも愛すべきジュブナイル短編。
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