2025年9月15日月曜日

本田望結「きさらぎ駅 Re:」(2025)

映画「きさらぎ駅 Re:」を見る。「きさらぎ駅」(2022)のまさかの続編。これ、今年の6月公開だったのに早くももうアマプラに登場。多くの人がまたこの映画を見て絶賛。
監督は前作に引き続き永江二朗、脚本は宮本武史。制作はキャンター。配給はイオンエンターテイメント。

主要キャストは前作と変わらないのだが、前作で主演だった女子大生堤さん(恒松祐里)に助けられた宮崎明日香(本田望結)へバトンタッチ。
明日香はきさらぎ駅世界から現世へ帰還してみたら20年経っていた。同級生たちはみな40歳になっていた。そしてSNSから様々な悪意を浴びせられむしろ地獄。
おや?前きさらぎ駅で行動を共にし恐怖を味わった戦友たちもみんな現世へ帰還している。ただ、恩人の堤さんを除いて。

そのへんの出来事は今作から参加した映像ディレクター角中(奥菜恵)の制作したテレビドキュメンタリー(お蔵入り)で示される。きさらぎ駅から帰還した者はみな不幸になっている。
前作では、きさらぎ駅から帰還できた高校教師葉山純子(佐藤江梨子)の話に基づく映像を始めに見せることによってヒロインと視聴者をミスリード。後半の展開がRTAになっていて視聴者を笑いの渦につつんだ。

明日香は決意を持って再びきさらぎ駅へ…という今作。今度は堤さんを助けたい。たとえ堤さんがわが身可愛さのエゴによって自分を騙そうとして、却って騙されてきさらぎ駅世界に残ってしまったのだとしても。じゃないと自分の良心が許さない。

今回は何度も何度もパーティー全員が死ぬ。何度も何度もループ。
今回加わった新たな設定が、全員が死ぬと全員が最初から直前までの記憶を持ったまま車両で目を覚ますということ。前作のように記憶がリセットされない。
また同じ繰り返しになるので段々と省略が甚だしくテンポよくなっていく。細かい箇所は端折りまくり。次の展開を予測し防禦。線路で「危ないからダメだよー」じいさんへのまったく新しい別の対処には笑った。

前作は人が死ぬシーンはわりと作り込んでいた。今作は人が何度も爆発して死んで再生するので、そのへんはまったくテキトーにしか描かなくなっていて笑った。それはもうゲームの質感。
視聴者のツッコミがそのまま登場人物たちの行動になっている。ホラーでなくほぼ劇団シチュエーションコントで大いに笑わせてもらった。

こんなにも面白くて笑えるホラーがかつてあっただろうか?前作も大好きだったのだが、今作はさらに大好き。カオスなラストへ収束していく感じも好き。

自分は今まで好きな女優が出ている映画をしかたなく見ていた面が大きいのだが、今作は好きすぎてダブルヒロインの本田望結と恒松祐里も自分にとって特別な女優になってしまったw いつか浜松や上田のロケ地にも行きたい。
3年の間にこれだけ楽しいアイデアに充ちた演出と脚本を用意してくれた永江監督と宮本武史、暑い最中にがんばってくれたキャストとスタッフに感謝しかない。

主題歌は 弌誠「ガタゴト」(VAP)。

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