ホラー映画「リゾートバイト」(2023)を見る。監督は「真・鮫島事件」「きさらぎ駅」と都市伝説ホラーを撮り続けてる永江二朗。制作はキャンター。配給はイオンエンターテイメント。
この映画には原作があるらしいがよくわからない。脚本は宮本武史。
主演はたぶんポスタービジュアルから判断して伊原六花。しかしこの映画はバイトの3人それぞれが主役級の活躍。藤原大祐も秋田汐梨も主演級。
女子大生の内田桜(伊原)は幼なじみの真中聡(藤原)と華村希美(秋田)とともに、瀬戸内海の島の民宿へバイトへ出向く。(ロケ地は岡山県白石島)
フェリー港に出迎えに来たおじさん従業員(フリーター?島の人間じゃない?)岩崎公太(松浦祐也)がお調子者でちょいキモくて心で困惑しつつも、美しい島の風景に心躍る。
だが、なんだか民宿の女将(佐伯日菜子)と料理長旦那(足を怪我してる)もなんだか気難しそうで期待してたのと違う。
3人がバイトに慣れてきたころ、岩崎の提案で肝試し。女将が真夜中にそっと忍び足で部屋に食事を運んでいる部屋がある。
聡が民宿2階にある封印されたその部屋に接近すると聡に怪奇異変。異臭を放つ部屋にあった腐った食事を貪り食う。嫌だ怖い。
以後、聡は島にいる子どもたちの霊を目撃。だがそれはさくらや希美には見えていない。聡は何か悪霊にでも憑りつかれたのか?明るい瀬戸内の島にハッキリと子どもの霊が歩いてるのが見える。
聡は霊から逃げるのだがやがてその大ボスのような化け物に魂を奪われ廃人になる。さくらも霊を目撃するようになる。これはいけない。
岩崎と民宿の主人は聡とさくらを助けるべく住職(梶原善)に助けを求める。希美は「そんなオカルトを信じていいのか?」と詰め寄るのだが、他に手段がない。それに住職が我々を騙すことに何か利点が?
この梶原善が何やら秘法を習得したとてつもなく徳の高い坊主?!悪霊と化け物の対処する法術を心得ている?聡と同じように悪霊に取りつかれたさくらを本堂に押し込めて一夜を明かすように強く言うのだが、化け物は声色を変えてさくらを騙して扉を開けさせる。まんまとさくらの魂も奪い連れ去る。
ここから先はまったく予想のできなかった怒濤の展開。正直ずっと「何してんの?!」という笑撃。面白いし大興奮!
ここから先は梶原善、伊原六花、秋田汐梨、藤原大祐、松浦祐也のそれぞれが演技者としての技量を最大限に発揮しての大活躍。いやあ俳優ってすごい。
化け物の造形が禍々しくてとてもよい。日本の伝統的な妖怪のようでいて見たことのない不気味さ。
化け物を倒してふたりの魂も取り戻して一件落着。ああ、これでやっと帰れる…と思いきや、衝撃のラスト。自分も希美みたいにしばらくぽかんとなってしまった。その意味が分かるとじわじわ心底怖い。都市伝説としてのオリジナルよりもさらに厭な余韻。
リゾートバイトと称して田舎村や離島に行くのは危険だという教訓。そもそも田舎民が都会に稼ぎに来てるのに、都会民が田舎に良い仕事なんてあるはずがない。この映画のようにそこには邪悪な罠が待っている。命を奪い取られる。
いやあ、予想外すぎて衝撃的で爆笑につつまれる大傑作!すっごく面白いのでオススメ!
前半のよくある悪霊ホラーが後半はまさかの展開すぎた。冒頭フェリーシーンで希美がカーレースのゲームをしていたことはそういう伏線だったのか。感心しかしない。永江監督も脚本家もプロデューサーもみんな情熱とアイデアに充ちた天才!この映画、だいすき!w
伊原六花という女優をよく知らないと思ってたのだが、ああ、この人は乃木坂の伊藤理々杏が出演してた「どんぶり委員長」だった人だ!
あと、秋田汐梨は自分は「悪の華」で印象深いのだが、「賭ケグルイ」の花手毬つづらだった人だという説明のほうが分かりやすい人がいるかもしれない。
藤原大祐という人も知らなかった。この人はアミューズ所属のシンガーソングライター?!この映画では素朴でかわいらしい大学生だったのに、舞台挨拶ではまるでホストのようで印象がまるで違う。
頼もしかった梶原善はやっぱり梶原善だった。「鎌倉殿の十三人」の梶原善のように、利のために若者の命を奪う梶原善。
佐伯日菜子をひさしぶりに見た。この人は自分にとって今も「TRICK」1stシーズンの遠隔操作で人を殺す霊能力者。40代後半になった今も雰囲気が当時と変わってなくて驚く。
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