2025年9月13日土曜日

富美子の足(2018)

ウエダアツシ監督・脚本・編集の映画「富美子の足」(2018)を2019年にWOWOWで放送録画したもので見る。
配給はTBSサービス。片山萌美でんでん淵上泰史の3人がほぼ均等に出演してるのだが、やはり片山が主演だろうかと。

原作は谷崎潤一郎。自分は読んだことある。自分が読んだあらゆる本の中で一番の衝撃作で問題作。
美しすぎる脚を持つ富美子(片山萌美)は脚フェチ資産家老人塚越(でんでん)と異常な関係を持つ。老人は富美子を2億円で契約。

原作は大正時代が舞台なのだがこの映画では現代に置き換えられている。富美子はデリヘル嬢。周囲の男たちはみんな脚に視線。
母は要介護。(母は娘の仕事を把握してる?!娘を介護ボランティア青年に2万で売る。)

塚越の甥の野田はフィギュア作家(淵上泰史)。塚越の命令で富美子の脚を忠実に再現するべく富美子と接するようになる。
(原作では富美子の脚の美しさを文豪として極上の筆致で描いていて感心しかしなかった。)

でんでんさんはもうここ20年は押しの強いガハハ老人のスペシャリスト。「冷たい熱帯魚」では日本アカデミー賞俳優。この映画でも金の力で女性を支配する変態老人。
(塚越の娘は山田真歩。父が娘に資産をまったくよこさないので弁護士を連れてくる。脚フェチ変態が娘にもバレてる?!)

音楽がわりとパンクな感じ。そうやって現代を表現。シュールさを出すシーンではショパンのノクターン。

富美子が普段は大人しい。とにかく抑圧されている。ご主人様塚越の前では従順だが、酒を飲むと野田に対して陽気で押しが強くなる。
野田は富美子を女性として見ていないらしい。だが富美子は勢いで野田を襲う。

片山は全裸で野田と交わるシーンがある。(バストトップも見せている。デカすぎる。)
野田は以後富美子の足のとりこ。富美子の足の美しさに開眼。やたらと富美子の足を嘗め回す。富美子はすごく嫌そう。

富美子は野田に対してドSへと変貌。絶叫しながら罵声を浴びせ恥辱を与える修羅。野田は人間失格ドМ廃人へ。なんだこれ。
片山萌美は豊満グラビアアイドルだったのでこういう役はかなりしっくりハマってた。

原作の変態性に負けないようにさらにパンクに変態を盛った、あまり文芸映画らしくない狂った映画。変態からは正しい距離を置いて引く必要性を感じる。
視聴者を失笑させる映画だが、片山萌美が好きという人には珠玉の映画かもしれない。

「富美子の足」は2010年にもTBSで加藤ローサ主演でドラマ化されている。自分としてはそっちを見たかった。でもやっぱり谷崎の原作がいちばん面白い。

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