2025年8月28日木曜日

綾瀬はるか「白夜行」(2006)

TBSドラマ「白夜行」(2006)の第2話以降を続けて見る。成長した雪穂の綾瀬はるかパートを見る。なにせ屋外は36℃という暑さ。家で過去ドラマでも見るしかない。

質屋店主殺害事件の最重要容疑者となったままガス自殺してしまった母の娘。その後、唐沢家の養女となってお嬢様校へと通うヒロイン雪穂。美少女すぎるためのやっかみからなのか?過去をほじくり返して陰湿な嫌がらせ。
この女子高パートで大塚ちひろ倉沢桃子といった懐かしキャスト。

ヒロイン雪穂がうっかり可哀想に思えるのはこの回の最初のほうまで。もう同情の余地のない怪物へと変貌。
そして亮司との禁じられた再会。ここから二人の運命は暗い暗い修羅の道。それは陰湿なノワール小説。

ふたりは雪穂の過去に迫る者を排除していく。その手段が亮司を使った強姦事件。邪魔な女は暴力で黙らせる。それは雪穂が過去に自ら心に負った傷という経験。
雪穂が爪を噛みながら考えたあまりに悪質な計画を亮司に命じて実行。そんなシーンは原作に一切描かれてない。
このドラマは原作の裏面パートを描いてる。亮司と雪穂の恋愛要素すらも原作には描かれていない。裏ではこんなやりとりがあったかもしれないという、すべて脚本家森下佳子と石丸プロデューサーの創作。

悪女ヒロイン綾瀬はるかの人相がとにかく邪悪w 綾瀬はるかは「海街diary」でも思ったけど、とにかくその場面で求められる表情をビシッと高い精度で出すことのできる女優。すごくキメ顔が上手い。感心しかしない。すごい。清純派女優なのによくこんな役を引き受けた。
雪穂が邪悪な表情で考えた善後策オペレーションを亮司に伝える。ときに怒りにまかせてヒステリックに。「あの娘もやっちゃって」あまりの邪悪さに亮司もどんびき。

このドラマ、こういうシーンでなぜか叙情的で美しいメロディーのBGMが流れる。なんで?そこは三味線がビョビョーンと鳴るとか、ピアノで不協和音をデーンと鳴らすとか、バスクラリネットやアルトフルートのトリルとかでしょ。なんで邪悪シーンを感動げに描いてんの?

柴咲コウの歌唱が流れ始めると「なあ、ユキホ…」と山田孝之のポエム朗読が始まる。うっかりした視聴者を感動させる流れ。酷い悪だくみしてるシーンなのに。

あと、この事件を執拗に追いかける老刑事の武田鉄矢さんの人相もすごく悪い。顔のシワが深い。原作以上の存在感で熱演。
亮司の母役の麻生祐未さんとのシーンは見ていて涙が出てきた。子どもを犯罪者にしてしまった親のシーンが見ていてすごく辛い。
質屋店員だった松浦・渡部篤郎がほぼ反社チンピラ。亮司に殺害されるシーン(原作にない)はなんだかユニーク。
ずっと「いい子たち」だと信じて応援してた図書館司書おばさん余貴美子のふたりの正体を知った哀しみも深い。この人もドラマオリジナルの登場人物。

雪穂の正体をなんとなくつかんでからの大学社交ダンス部OBで製薬会社御曹司柏原崇の人相もすごく悪い。(なにせ雪穂と亮司によって恋人との関係を破壊されてしまう)
柏原崇はとても懐かしい俳優。90年代からテレビドラマですごく見たのだが、畑野浩子との結婚後、もしかして干された?以後テレビから姿を消してしまった。すごく良い演技をしていたのにもったいなかった。

ヒロインと結婚して踏み台にされる夫役の塩谷瞬もなつかしい俳優。
盗み出した特許情報でベンチャー系ソフトウェア会社に潜り込んだ亮司。開発室の部下役の平田裕香も懐かしい。山田孝之と平田裕香は「六番目の小夜子」(2000)にともに出演していた。
亮司を怪しいと感じながらも採用した人相の悪い社長役が誰なのかわからなかった。キャストを見て藤重政孝だと知った。この人もなんとなく名前を憶えているだけの人。

あと、雪穂の母・八千草薫にサボテンをおすそわけしてくる近所の主婦が声を聴いて「ジムシーの人だ!」と気づいた。この時期は青木和代さんはおばさん役で見かけるおばさん女優だった。
本放送から19年を経てついに全話見通した。綾瀬はるかの演技力が想像以上に若い時からすごかった。こんな演技をしていれば向こうから役が舞い込んでくる。
山田孝之もほぼ天才のそれ。もうずっと感心しっぱなし。父殺しという悲劇。どうしたって暗い世界から抜け出せなかった。

あまりに重厚すぎた。ほぼ「砂の器」だった。東野圭吾にはこんな作品が他にもいくつもある。今後すこしずつ読んでいかないといけない。

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