2025年5月8日木曜日

きょうのできごと(2004)

2004年3月公開の映画「きょうのできごと a day on the planet」を20年ぶりぐらいで見返した。実家押し入れから発掘したDVDで見た。もうかなり昔に買ったDVD。

原作は柴崎友香の同名小説(2000年 河出書房新社)。監督は当時の若手で人気映画監督だった行定勲。脚本は行定と益子昌一。音楽は当時人気のシンガーソングライター矢井田瞳。制作と配給はコムストック。
主演はおそらく出演者筆頭の田中麗奈妻夫木聡。田中麗奈は映画とCMで人気のアイドル女優、妻夫木聡は期待の若手俳優ニューカマー。
だが、このふたりの主演作という感じもしない。伊藤歩、柏原収史、といった若手俳優全員の群像劇といった感じ。

京都の大学院に進学する正道(柏原収史)の引越祝いに仲間たちが集まって飲んで酔ってふざけて眠って車で出かける、そんな22歳から23歳の何でもない3月の一日のできごとを淡々と描いた会話劇ドラマ。
一見それぞれ関係ないようでいて繋がってる…という、京都大学生青春群像ドラマ。
中沢(妻夫木聡)は彼女の真紀(田中麗奈)、幼なじみのけいと(伊藤歩)と一緒に車で正道(柏原収史)の家で飲み会。

長髪の院生西山(三浦誠己)の髪を風呂場でヘアカットする酔っ払い田中麗奈が怖い。泥酔状態の女にそんな危ないことをさすな!結果、はちゃめちゃな髪型になる。この西山が酔っ払ってるにしてもめんどくさい。イケメンやさ男でモテ男かわちくん(松尾敏伸)にからむ。

そのころ海岸ではクジラが座礁。こっちのパート担当がサーファー北村一輝と女子高生派谷恵美
北村がザ・北村というテンション高いバカを高い精度で演じていて感心。派谷は最近「世界の終わりという名の雑貨店」で見たばかりだったのですぐにわかった。
さらに、賭博の現場にガサが入り窓から逃げようとしてビルとビルの間に挟まれてしまった男が大倉孝二。その救助隊員が津田寛治。その現場レポーターアナが佐藤仁美。正道の顔見知り大学6年生役で山本太郎。そのへんのキャストは初めて見た当時はたぶん気づいてなかった。

これ、初めて見た当時はそれほどでもなかったけど、今見返したらとても面白かった。
あの時代、おそらく現在40代中ごろになっている人々が大学生のころの日常を描いてる。部屋のテレビが小さなブラウン管テレビ。そんなテレビで三国志のゲームやってる。

かわちくん以外のキャスト全員が大阪京都の強い関西弁とクセの強い関西人のノリ。関東から見ると、ああ、大阪京都の若者ってみんなこんな会話してはるわ~という感じ。
基本、関西人の会話はみんなボケてつっこむ。どうでもいい会話を延々としている。
特にかわちくんのカノジョちよ(池脇千鶴)の大阪言葉が異常に強い。標準語を話すかわちくんと気が合うわけがない…と思ったのだが、最後はこのふたりでほっこりエンド。

とにかく関西弁が強い会話劇だが、この映画を見た誰しもが、あのころの何も大したことの起らない平和で楽しい日常を思い出してセンチメンタルになれる事必至。もうあんな楽しい日常は今後ない。ふと寂しくもなる。

もう忘れられた映画かもしれないが、あの頃を懐かしく思い出せる世代だけでなく、現在の若者にも今を全力で楽しめ!ふざけて笑い合え!何でもない退屈な毎日がどれほど貴重か!と言いたい。オススメしたい。
主題歌は矢井田瞳「マーブル色の日」

この映画、てっきり関西方面でロケしてるのかと思いきや、松尾敏伸と池脇千鶴が動物園デートの待ち合わせをした場所は稲城市城山公園だ。あと、座礁したクジラを見に行った場所も現南房総市の白浜海岸?最後にキャストが集う浜は根本海水浴場?

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