今年の7月-9月期にテレビ朝日の火曜9時枠で放送されていた「南くんが恋人!?」を見る。飯沼愛(20)が主演なので見る。
飯沼愛ドラマを見るのは「パパとムスメの7日間」(2022夏)以来。飯沼愛ってTBSにしか出ないって思ってた。
原作は内田春菊。自分は知らなかったのだが過去に何度もドラマ化されている。
ぜんぜん見たいと思える企画じゃなかった。たぶん中高生向け。今回は男女カップルの男がなぜか小人になってしまうファンタジー。今回の脚本は岡田惠和。
今回は神奈川県の湘南が舞台。ヒロインの名前はちよみ。
なんでそんな名前にした。外国人は発音しにくいし覚えにくい。呼びかけるたびに名前に違和感を感じてぞわっとする。
ちよみは地域のパーマ美容室の娘でバスケ部。
あんまりバスケユニ姿が似合ってないが、自分にはとても可愛らしく見える。「この初恋はフィクションです」の頃より太ったな。あんまり運動が得意そうに見えない。
母は木村佳乃で父は武田真治(かつての南くん俳優だが自分は見ていない)。祖母は加賀まりこさん。加賀さんて今年で80歳!?まだまだ若々しい。姿勢が良い。
家族で娘のバスケの試合を応援。控え選手で試合に出れるかわからないのに?
実はちよみの家庭は複雑。母とも祖母とも血のつながりはない。木村佳乃の娘がこんなに丸顔のはずないと思ってた。
ちよみは幼なじみの大学生・南くん(八木勇征)とつきあってる。試合後はLINEでやりとり。いつもの場所で待ってる。その場所が稲村ケ崎の鎌倉海浜公園。鎌倉幕府が滅びる時、新田義貞が干潮時に回り込んで攻め入った場所。
彼氏に早く会いたくて走ってるのに、いきなりヘンテコキモメガネが道を遮って告白。ここ、違和感だし、ヒロインは迷惑だろうし、視聴者は「早くどけ」って思っただろうけど、高校生なのに営業サラリーマンみたいなマナーとトークスキルを持っていて呆れるより感心した。
公園での爽やかお似合いラブラブカップルぶりに視聴者は涙。誰もがこんな青春をしたかったに違いない。
放送後にこの公園に行って確認したのだが、ふたりが座っていた黄色いベンチは美術さんが設置したものだった。
このカップルは「お城に行く」という暗号を使っている。お城って何?視聴者にはそれが何か明かされている。三浦半島の上に西洋のお城風ラブホテルが建っている。「やっぱ最初はお城がいいんじゃないか」
あまりに爽やかなカップルがいきなりそんな会話始めるので違和感。このシーンの目を白黒させ焦る飯沼愛がかわいい。
自分は「そう思わせておいて、なにか叙述トリック的な何かがあるのでは?」と疑ってしまった。それに大学生が制服JKを白昼堂々ホテルに誘っていいのか?今現在のコンプラだと試合に出れなくなるのでは?
女子高生とつきあってる大学バスケ界のスターってバスケファンは嫌では?と思ったけど、もう周辺とその地域の人々公認カップルというわけか。
しかし、初めてお城に行く日の朝、家族で朝食とってるテーブルでその話してるの何なの?
部活を引退した高3夏休み女子が大学生彼氏とお城に初陣に行くと知った世間の母と祖母ってこんななのか。父親、なぜ黙ってる。なぜ無理に明るく振舞う。てかこのドラマは家族で団欒しながら見れないだろ。
南くんの大学バスケ部のコーチが武田玲奈なのだが違和感。どうして性欲旺盛な若い体育会系男子たちの群れの中にスレンダー美女コーチが?これって女子高の先生に30歳ぐらいのジゴロのようなハンサム男を採用するようなもんだろ。
このコーチが練習中の体育館にやってきたちよみを上から下までなめ回すように見る。蔑むような目で見ていきなり第一声が嫌味。
そりゃまだJKで男子部員たちからちやほやされてたら気に入らないだろうけど、すごく厭な感じ。「雑念は捨てて!」「え、わたし雑念…?」
たかが大学のバスケ部の試合にファンと観衆?推しを応援するうちわまで?その中でちよみはどんな気分?「わたしはその他大勢が黄色い声援を送るバスケスターと試合のあと一緒に初めてホテルに行くのよ!」
だが、稲村ケ崎で待つちよみに南くんは一切連絡をよこさなくなる。え、なにこのサスペンス展開。ゼロの焦点?
夜、早く帰ってきたちよみの暗い顔を見て家族は不安。(てか、嬉しそうに朝帰りも嫌だろ)
実は南くんの身の上に大変な事態が起こってた。夜の道を歩いていたらトラックが突っ込んできて、気づいたら小さくなってた。
それは遺体なき死亡事故?!物流で社会を支えるトラックドライバーはこの手のドラマではネガティブな役回りばかり。身長が10ぶんの1になればいつもの距離は10倍。まるで借りぐらしのアリエッティ。南くんは命がけで約束の地へ。
あとは小さい南くんとちよみの切なくコミカルなラブストーリーが毎回45分。
正直冗長に感じた。今現在の高精細大画面テレビで見るとCGがすごくショボく見える。
そのままの縮尺で小さくなった人間の声は高くなるのでは?
第1話は基本設定を押さえるためにしっかり見たが、第2話以降は流して見た。1話25分ぐらいにしてほしかった。
小さくなった南くんを発見するくだりが簡単すぎた。インターステラーぐらいのブレイクスルーがほしい。
まずすることがスマホで検索とか、今の高校生らしい。
南くんとずっといっしょになれたちよみが嬉しそう。ウキウキでドールハウスを押し入れから出すとかおかしい。
え、南くんの入浴をそこで見るの?
ホラー小説とかだと憧れの男子の生殺与奪を握った少女がどんどんサディズムを発揮していって…とかいう展開になりそう。
胸ポケットに自分から南くんを入れておいて「変態!」は酷い。
てか小さくなった南くんを積極的に周囲に紹介するパターンはないのか。
と思ってたら、終盤はまさにそんな展開。南くんは実は……。
南くん人形で母の疑惑を「そういうノリ?」で逸らしたくだりは面白過ぎた。そこまで落ち込むならやらなきゃいいのに。一緒に入浴とか大胆過ぎないか。
ひったくり被害と国仲涼子出現のくだりが怖すぎた。なんだこの都市伝説ホラー。
てゆうかまたしても日本の夏の風物詩。日本人死生観ドラマだった。視聴者にとっては最悪バッドエンドだった。
冗長でいらんシーンと会話が多いなと感じた。周辺人物のエピソードもなくていいと思った。
飯沼愛の笑顔が素敵すぎる。この子と教室で一緒になって側に仕えることができなかった男子はすでに負けている。それぐらい飯沼愛は魅力的。
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