自分、踊る大捜査線シリーズをぜんぜん見てないけど、2005年8月27日公開の劇場版スピンオフ「容疑者 室井慎次」を見る。9月30日夜9時に放送してたので。
脚本と監督はシリーズ脚本家だった君塚良一。音楽は松本晃彦。亀山社長のプロデュースのフジテレビ映画。ROBOTの製作で東宝の配給。
「踊る大走査線」の全体像を何も把握していないが、今回のスピンオフ劇場版は室井慎次(柳葉敏郎)と新米弁護士小原久美子(田中麗奈)が主役のバディものだと期待。
もう20年前のテレビ映画だが、昨年あたりからセカンドブレイクの兆しのある田中麗奈さん目当てで見る。たぶん昔、地上波でやったときにも1回見てる気がする。
ちなみにこの映画にはシリーズ主役青島(織田裕二)は出ていない。今のZ世代は織田裕二を知らないらしい。
空撮ヘリ映像でせわしなく車が走る東京の街。そして小菅の東京拘置所上空。なぜそんな勇壮な音楽?
警察庁、警視庁関係者たちの会話シーン。警視監・大和田伸也がイキりすぎじゃないか?まるで時代劇の悪代官。
スーツ姿の田中麗奈さんが走る。収監されてる被告人と弁護士の接見場面。「拘留取り消しの請求を出します」
現役警視正逮捕にマスコミは沸く。この手の映画でのメディアスクラムのヒステリックさは異常。たぶん80年代90年代から続く日本の伝統。(諸外国もこうなのかもしれない)
哀川翔巡査部長とその部下たちの見た目が異常。全員ほぼ反社。なに喋ってるかわからないw こんなやつらが聞き込みにきたとして、一般人が情報を喋るか?
平巡査(山崎樹範)が車にはねられ死ぬ。巡査による金品奪取目的の犯行容疑?泣きながら必死で逃げる警官を集団で追いかけるシーンがヒステリックすぎて異常。仲間同僚に対する態度じゃないな。まるでイジメ。乱暴に呼び捨てで罵声を浴びせるなよ。これは集団的組織的殺人では?死人に口なしでは?被疑者死亡のまま書類送検?
かつて青島刑事とバディともいえる絆を結んだ正義のエリート警視正室井慎次が被害者男性と巡査が無関係とされたことに疑問を持ち捜査続行を決断。だがそれは即ち上層部と対立することになる。
室井は捜査本部にずかずか侵入してきた東京地検の佐野史郎検事によって「特別公務員暴行陵虐罪」の共謀共同正犯の容疑で逮捕。なんだそれ。鹿狩りの勢子のごとく追いかけていた人全員共同正犯では?
室井を刑事告訴した弁護士事務所の面々のキャラ造形が悪意に満ちているw 「Winny」では頼もしかった吹越満弁護士がどう見ても悪人。その他は全員メガネおかっぱ頭。ゲームしてたり、通りがかった室井を勝手に盗撮したり。
佐野史郎検事もキャラ造形としてありえない。自分たちの仲間である警察幹部へ敬意がまったくない。むしろ侮蔑的。異常に淡々と業務をこなしてる感を出す。
普通、警察幹部を告訴しても東京地検は捜査本部に乗り込んでいって逮捕しないだろ。周りで見てる刑事たちは何してる?
むしろ警察の強引な捜査によって得た資料に検察が疑問をもつことなどありえん。こんなのありえん。
もう視聴者はこのドラマ映画の構図が見えている。
拘置所の狭い部屋で冷や飯弁当食わされたら誰だってため息。
かつての湾岸警察署の無能中間管理職トリオが面会に来た時は室井だけでなく視聴者もため息。おまえらが心配してるとかどうでもいい。何か役に立つことをしろ。
そうはならんやろという展開なのに、あるあるシーン。
司法エリートは部下(女の子)と町中華や定食屋に行きがち。
ボディガード引き連れた老政治家との会見が田舎の公園なのありがち。
東北人は寡黙で頑固という設定になりがち。
新宿北警察署がぜんぜん平成日本の警察署に見えない。どう見ても教会だし大学の講堂。
灰島弁護士事務所の部屋もセットとしておかしい。画的に盛り過ぎやりすぎ。ブレードランナーか。
重要参考人桜井杏子を演じてる木内晶子さんがすごく懐かしい。今日までほぼ完全に忘れていた。今なにをしてるんだろうか。
このキャラが違和感しかない。東京警視庁の警視正に比べればむしろ弱者。素人がこんなにも余裕の対処ができるはずがない。
灰島弁護士事務所がまるで特務機関。怪文書をばらまくとか、懲戒請求すると脅すとか、むしろ逆にいろいろやらかしてる。証拠つかまれたらどうする。このドラマの脚本はいろいろおかしい。
しかし、ヒロイン田中麗奈さん(公開当時25歳)の凛々しい丸顔と華奢な体型とハキハキした喋りとフレッシュさがまぶしい。顔がとてつもなく個性的で魅力的。
田中麗奈弁護士がメディアスクラムで全然前に進めない!というシーンで、てっきり斬りつけられたと思ったら違うのかよ。トラウマ過去シーンがすごくわかりにくかった。
てか、警察不信を抱く契機となったストーカー事件。斬りつけらた傷害事件なのに「誘ったんじゃないか」と尋問した刑事は人間性が酷い。
室井を取り調べる地検の検事たち。そんな微罪よりもっと大きな巨悪が見えていないの?
中ボス八嶋智人がムカつくキャラすぎる。ふつうこんな容姿でへらへらした態度の男が偉い人たちから気に入られることはありえない。
てか、正義の室井を愛する正義の警察官たちは何してる?司法界にもメディアにも真相が見えてるやつはいないのか?もっと大々的に報道するだろ。
てかこんなの、室井に大弁護団がつくだろ。
桜井杏子取り調べシーンがすごく異常。しかし、こんな裁判みたいな衆人環視の取り調べってある?
八嶋智人がふざけすぎやりすぎ悪目立ちキャラ。いくら頭がよくてもこんな弁護士が支持されるはずがない。他の弁護士たちもほぼ変態的に気持ち悪すぎる。中学生がつくったキャラ造形みたい。
桜井はよほどの上級国民か、公安をも動かすどす黒利権かと思いきや、違うのかよ。灰島に500万円払っただけ?!その金額でここまで無理を通す法律事務所ってあるか。
結局偉い人同士が裏でこそこそ話し合って収める暗い映画。これを見てすっきりできる人がいるのか?
柄本明がまったく無能で役に立たない傍観するだけの老人弁護士すぎた。
てか、無実の警察官を死なせた件は警察組織全員で謝れ。室井を左遷させただけで済ますな。醜い勢力争いをした面々をマスコミは叩け。エンドロールで多くの警察関係者、検察、弁護士を罰するシーンが必要だった。
警察にも熱血正義の人材がいるという広報宣伝プロパガンダドラマ映画。30回ぐらいイライラしてつっこみを入れた。展開がありえないしつまらん。実につまらん。やっつけ脚本すぎ。
田中麗奈さんが可愛いにしても見たことを後悔。もうこのシリーズは二度と見ない。
裏金自民党議員を不起訴にした東京地検を誰しもが連想。きっと偉い人同士で話がついてる。なんで田中角栄は逮捕できたのに二階は逮捕できない?
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