村上春樹「1Q84 BOOK3〈10月-12月〉」(2010 新潮社)を読む。長い長い今作もついに最終巻に到達。たぶんこのBOOK3がいちばん厚い気がする。実際、読んでも読んでも終わらない。
第3巻から急に「牛河」という容姿の醜怪な探偵が登場する。リーダーを青豆に殺された宗教団体の組織に雇われた有能でカンのいい探偵が青豆と天吾を追跡する。
探偵ハードボイルドとスパイスリラー展開に?たぶんそういう文法で書かれてる。だがそれでもやっぱりこれは村上春樹。
「1Q84」を3巻まで読むような読者はたぶん村上春樹に慣れている読者。しかし、普段ミステリーやハードボイルドやサスペンスを読んでいる人は十中八九戸惑うこと請け合い。
なんだか以上に執拗で卑しい厭な「NHK集金人」が登場する。これがもう「新しいジャンルのホラー?」 って思ったw こんなにもNHK集金人を卑賤な職業のように描いて、村上春樹は抗議とかされなかったのだろうか。いや、謎のNHK集金人がとにかく怖い。これはいったい何のメタファー?
天吾の痴呆父が亡くなった後の細かい手続きとか、読んでいてもう嫌になった。人間はいつか天涯孤独になる。あまり考えたくない。
そして天吾と青豆の再会。青豆はなぜか妊娠しててタマル(プロ)を困惑させる。なんで妊娠した?その説明、たぶんファンタジー。流行ってるからとこの本を買った読者はたぶんマジ困惑。結局、1Q84世界とは何だったのか?
ひたすら長かったが、第3巻前半が全体を通していちばんワクワクできたのだが、通常の冒険小説が兼ね備えるべきわかりやすい伏線回収のようなものは存在しない。多くの読者が置いていかれる。
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