岩波新書103 安丸良夫「神々の明治維新 ― 神仏分離と廃仏毀釈 ―」(1979)という本がそこにあったので読む。
神仏分離って各地を旅してると何度も目にするのだが、教科書で数行だけ活字として読むだけではよくイメージできなかった。破壊された石仏を見たりしてなんとなく想像。
自分、10年ほど前に湯殿山総本寺瀧水寺大日坊へ即身仏を拝観に行った時、90ぐらいの住職に「もっと大きな寺だったのに西郷に焼かれた」と、つい昨日見てきたかのように語って教えられ衝撃を受けた。
ああ、明治維新ってつい最近のことなんだなと感じた。今も長州薩摩は恨まれてる。
で、この本は幕末から始まる暴力的な廃仏毀釈と、明治の神仏分離令による日本各地の大混乱を教えてくれる一冊。漢文と候文で読み下すのに時間がかかった。
大日如来坐像とか破壊したり、巻物を燃やしたり、道祖神や石仏を信じられないほど精力的にシャカリキに破壊して回るとか迷惑でしかない。ある意味、日本の文化大革命。
江戸の庶民たちが篤く信仰していた神田明神でも、「平将門?逆賊を拝むとか止めて皇祖神を拝んでね!」「本居宣長の曽孫を神祇官に任命しといたわ!」…とか迷惑でしかない。実際、江戸っ子たちはそんな神田神社を無視w
ここまで明治新政府(長州薩摩)はめちゃくちゃやったのかと衝撃。国家神道ってそんな新興宗教だったって、宗教意識皆無家庭で育った自分は大人になるまで気づかなかった。
自分、大人になるまで「淫祠邪教」という言葉の意味がよくわからなかった。きっと何か怪しげな新興宗教を指す言葉だと思ってた。国家神道のほうが新しいとか、逆だったw
慶応四年、比叡山麓坂本の日吉山王社での廃仏毀釈を扱ったページに、樹下茂国と生源寺義胤という破壊者側リーダーの名前が登場する。ここを読んで、もしかして日向坂46の正源司陽子さんの正源司姓のルーツは生源寺か?!って思った。寺という字を司に変えるとか、国学系神道家の影響かもしれない。(違うかもしれない)
あと、明治5年7月25日に世界は泥海に沈む…という流言(筮者、浮屠者流、或ハ山伏・富士・御嶽講ナド)が人々を不安にさせたということを知った。
平成令和の現在も、たまに著名な予言者による予言で「日本は滅びる」「世界は滅びる」みたいなことをSNSで目にすることがあるけど、日本は昔からそんなことずっとやってるなと思った。
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