フランソワーズ・サガン「ブラームスはお好き Aimez-vouz Brahms……」(1959)を1961年朝吹登水子訳新潮文庫(昭和62年55刷)で読む。
このベルナール・ビュフェ(Bernard Buffet, 1928-1999)のワインボトルの絵が表紙のものを探していた。110円で購入。
これがサガンの4番目の小説。登場人物たちはみんな中産階級。
ディスプレーデザイナーのポール39歳(ポールが女性の名前というのは戸惑う)、もう自分は若くない…と知っている。ロジェという中年男性と付き合ってるけど、ロジェは浮気してる。
顧客の息子シモン(25歳、弁護士見習い美青年)が熱烈に求愛してきて困惑…。
この小説のタイトルはまるで内容と関係ない。ブラームス好きヒロインが主役というわけではない。ポールとシモンが行ったサル・プレイエルでのコンサートがブラームス。このブラームスの曲目が「コンチェルト」とあるけど何の曲かは触れられていない。
「オーケストラが勢いよく始まる悲壮なコンチェルト」から、ピアノ協奏曲No.1ニ短調かな?とも思ったのだが、ヴァイオリンについて触れていることからヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲イ短調のような気もする。
イングリッド・バーグマン、イヴ・モンタン、アンソニー・パーキンスによる映画(1961)では交響曲第3番ヘ長調から第3楽章が使用されたらしい。この映画はまだ未視聴。
とくにストーリーに起伏のないパリの男女の恋模様。薄いのですぐに読めてしまう。
40歳を目前にした女性が、15歳年下の美しい青年とカップルになれるのか?という、読んでいてなかなかつらい問題。終わり方は切ない。
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