2024年9月20日金曜日

小川哲「君のクイズ」(2022)

小川哲「君のクイズ」(2022 朝日新聞出版)という本を読む。
これ、昨年からよく話題になっていた。「このミステリーがすごい!2024年版」では国内7位にも選出された話題作。
オビには佐久間宣行、伊坂幸太郎といった人々からの賛辞が見える。期待して読む。

この本の主人公三島は競技クイズプレーヤーの頂点を決めるテレビのクイズ番組の決勝戦にいる。7問を取れば優勝して賞金1000万円。対戦相手の本庄と6対6の同点。あと1点とれば…という最終問題。

なんと本庄は出題者が一言も一文字も読まないうちにボタンを押して解答権を得た。すでに2問誤答している。3問誤答で失格?これで優勝は自分の物!1000万円は自分の物!と確信した三島だったのだが…、なんと本庄は正解のウィニングアンサーを解答し優勝。いったいなぜ?!

競技クイズプレーヤーの登場する作品というと、自分はアニメ「ハハマルサンバツ」と「双月高校、クイズ日和」という本を読んだことある。だが、今回のようなサスペンスミステリータッチの小説は初めて。

「ちはやふる」にも読み手の唇が出す空気摩擦音が発せられる直前で札を取るカルタ廃人が登場したけど、この小説に出てくるクイズプレーヤーも既に廃人?
三島のクイズをめぐる知識とテクニック解説に驚くし、本庄がどうやって正答に至ったのかの思考と推理に呆れる。
そしてドライな真相。驚くっちゃ驚くけど、テンションはむしろ下がったw この本の主人公三島のように。

だが、それでもこの小説は新しい。読んでる最中はとてもわくわくできた。コーヒー3杯飲んでる間に読み終わった。

実は自分も昔は「高校生クイズ」にあこがれて、教室内で自作の問題を出し合ったりしてた過去がある。だが、その熱意もたぶん1年んも続かなかったw 
高校生クイズもそうだけど、世間のクイズプレーヤーのレベルが極限まで上がり過ぎた。歴代ノーベル賞やアカデミー賞受賞作のリストを暗記することがクイズオタとして当然のようになってしまって、やがて冷めたw もう自分はそんなレベルにいないし興味もない。

東大生などの受験虎の穴を勝ち抜いたメガネ野郎たちがクイズに正解するのを見て何が楽しいのか?
自分、出題中にボタンを押されるとむしろイラつくw 問題を最後まで聴かせろ。
せいぜい坂道グループの美少女たちがわちゃわちゃ楽しそうにクイズゲームをする様子を見る事のみ可。

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