村上春樹「1Q84 BOOK1〈4月-6月〉」(2009 新潮社)を読む。
これ、出版された当時は相当な話題作。自分が持っているものは初版から1か月後なのにすでに10刷。
105円の値札シールが貼られている。ということはBOで購入してから、かれこれ10年は経っている。
買って読み始めたとき、「いつまで首都高におんねん!」「いつまでヤナーチェクの話をしとんねん!」と投げ出してそのまま放置。今になってようやく読む決意。
マーシャルアーツインストラクター青豆という女性(29歳)のパートと、予備校数学講師天吾のパートを交互に配置。
今呼んでみると冒頭の渋滞首都高速タクシーと、モラビアの作曲家ヤナーチェクによる名曲「シンフォニエッタ」に関する箇所がそれほど長くもなかった。むしろ適切。
そして必殺仕事人のような殺し屋ノワールハードボイルドへと展開していって驚愕。
そして天吾くんは小説を書く予備校講師。NHK集金人のシングルファーザーに育てられた数学の神童だった。17歳女子高生作家を新人文学賞で売り出す算段をしている編集者の仕事を手伝う。これは!と感じた新人作家の原稿を手直しして売り出す計画に加担。
なんだか予期できない展開。カルト宗教二世の問題を扱っている?これがヤマギシ会やエホバの証人や統一教会やオウム真理教を混ぜ合わせたような設定。村上春樹はオウム事件に強い衝撃を受け高い関心を持っていた。
村上春樹は好きな層には強く響く。だがそうでない層にとってはどう読んでいいかわからない作家でもある。だがこの「1Q84」は、普段はミステリーやサスペンスやSFを読んでいる読者でも受け入れることができるのではないか?
実を言うと自分もこの本の第1巻は読んでいて「これは面白いかも」と期待できる内容だった。ヒロイン青豆は社会のクズ男を始末するし、カルト宗教に両親を奪われた少女作家を扱うサスペンスな感じはする。
それに「1Q84」とは1984年日本のパラレルワールド?!ジョージ・オーウェルの「1984」の意味も?
あと、青豆と天吾はやっぱりやたらとセッ〇ス。とくに青豆は頭の禿げかかった中年オヤジのみを狩りに盛り場のバーへと繰り出す。そこ、一般読者は「なにしてんの?」と突っ込まざるをえない。しかも婦人警官をバディにしてる。盛りのついた猫か。
児童への性的虐待という社会問題へも迫る内容。そこは読んでいてキツいものがあるかもしれない。
つまらなかったら1巻で読むのを止めるつもりだったが、引き続き2巻も読んでいくことにした。今のところまったく別々に行動して出会っていない青豆と天吾はいつどうやって絡んでいく?
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